アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」に出てくるキャラクターの大半が、第二次世界大戦中に実在した軍艦などから付けられているのは周知の事実だと思います。
中でも主人公のそばにいるヒロインの一人であり、儚げな感じのする「綾波レイ」は人気がありますよね。
で、名前のもとになったのが大日本帝国海軍駆逐艦「綾波」。
「吹雪」型駆逐艦の一隻として昭和5年4月に竣工しました。
吹雪型は特型とも呼ばれ、航洋性と重武装で世界の注目を集めた革新的な駆逐艦でした。
世界の海軍は以後吹雪型を超える駆逐艦を作ろうと血道を上げることになりました。
駆逐艦綾波は太平洋戦争に参加、第三次ソロモン海戦を迎えます。
ガダルカナル島に飛行場を作ろうとした日本軍に対し、米軍は反攻作戦の一環として日本軍の飛行場を奪取すべく海兵隊他を送り込みました。
米軍の攻撃を若干の戦力によるものとみなした日本軍は、一番してはいけないと言われる戦力の逐次投入に陥り、ずるずると消耗戦に引きずりこまれました。
米軍は奪取した飛行場を使って制空権を確保。
日本軍は遠くラバウルから戦闘機を飛ばしますが、制空権は取れず、増援も送れなくなりました。
飛行場があると制空権が取れない。
飛行場奪取のためには陸軍を送らねばならない。
陸軍を送るには飛行場を奪取せねばならない。
悪循環となってしまいます。
結局日本軍は飛行場を戦艦で砲撃して使用不能にし、その隙に陸軍を送り込むという作戦に出ました。
その作戦は一度はうまくいきました。
日本軍は再度飛行場砲撃のために出発します。
その艦隊に綾波は所属していました。
前路掃討の駆逐隊の一隻としてソロモン海に向かった綾波の前には、リー少々率いる米軍艦隊が待ち構えておりました。
掃討隊の一艦「敷波」が敵艦隊を発見、綾波は一隻だけサボ島の西側を回り込み、敵艦隊に向かいます。
夜間の遭遇戦であり、日本軍の目視索敵対米軍のレーダーという図式でしたが、米軍はレーダー射撃で正確に日本軍を狙ってきました。
綾波以外の掃討隊はサボ島の東側を回りましたが、米軍のレーダー射撃で混乱し、早々に避退。
綾波一隻だけが米艦隊に対し攻撃を仕掛けました。
綾波の砲雷撃は米駆逐艦「ウォーク」と「ベンハム」に損傷を与え、それぞれ後に沈没させています。
しかし、綾波も集中砲火を受け航行不能。
翌日まで浮いていましたが、ついに沈没。
最後を迎えました。
昭和17年11月15日でした。
猛訓練で昼でも星が見えるほどの日本軍の見張り員の能力でしたが、やはりレーダーとの勝負は不利は否めませんでした。
日本軍はこの後もソロモン海で激戦を繰り広げますが、昭和18年2月にガダルカナルより撤退します。
ソロモン海はその沈没した軍艦の多さから鉄底海峡と呼ばれるようになります
失われた駆逐艦は14隻。
綾波もそのうちの一隻でした。
それではまた。
- 2006/09/22(金) 22:09:29|
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