海軍の艦艇はもちろん正面切って戦う戦闘艦ばかりじゃありません。
武器弾薬を運び補給する給兵艦。
主に糧食を運ぶ給糧艦。
そして、燃料を運ぶ給油艦などといった補給艦無くしては、戦闘艦艇は戦えません。
もちろん、大日本帝国海軍とて、その辺りは承知しており、最低限に近いとはいえ各種補給艦や輸送艦を揃えておりました。
しかし、太平洋戦争の開始にともない、最低限の艦艇では損失に対し不足をきたしてしまいます。
そのため開戦後各種艦艇の建造に踏み切るわけですが、その中に今回紹介する給油艦「速吸」(はやすい)がありました。
もともと「風早」型の一隻として建造が開始された速吸ですが、建造途中にあのミッドウェー海戦が発生してしまいます。
日本は主力四空母を一気に喪失するという大打撃を受け、その後の艦艇整備計画も見直しを余儀なくされてしまいました。
艦隊航空戦力の充実を図るしかなくなった海軍は、雲竜型空母などの大量建造に取り掛かりますが、この速吸にもただの給油艦としての運命を狂わせる命令が出されました。
なんと、速吸の甲板にカタパルトを装備し、水上偵察機や艦上攻撃機を搭載する「航空給油艦」(こんな艦種あるかなぁ)にして完成させるように命令が下ったのです。
船体に重油タンクと航空機を搭載するという異様な艦となった速吸は、昭和19年4月に完成します。
しかし、すでに日本海軍にはこんな艦を運用する状況にはありませんでした。
完成した速吸は搭載機も乗せないまま燃料輸送任務に就かされます。
昭和19年8月、潜水艦の攻撃を受けた速吸は沈没。
わずか4ヶ月あまりの生命でした。
何か、日本海軍にはこういった妙な艦が多く、しかもその目的を果たしていないような気がするのは私だけなんでしょうか。
可哀想な艦だったような気がします。
それではまた。
空風鈴ハイパー
「速吸」ですか?この辺の日本艦艇はもはや訳がわからないのが多いですね。
御吸い物みたいな・・・ってそれは肝吸いですが(失笑)。
重油だったらそれほど燃えないでしょうけど、給油艦に護衛の水上機ってレベルならいざしらず、
航空機搭載能力持たせるってのは相当無茶なプランですね。
アメリカの場合は、カタパルト付きの商船改造の小型空母がいっぱいあったからこんな発想はなかったでしょうけど、日本の場合
「輸送船に護衛空母つけてる余裕がない・・・なら輸送船に空母させよう!」
なんて考えでやった事なんでしょうね(笑)。
ドイツも日本も追い込まれると、
「強引な複合性能つけて、なんでもやらせよう」
「‘万能’‘大型’を冠する特化型兵器で局面打開しよう」
なんて考えに陥ってますけど、その1つの顕著な例でしょうね。
なんかこう言う事例見ると、大戦末期の日本軍のやってる事って、
「特撮物の悪の組織の戦略レベル」
に見えちゃいますね。方向性・整合性・合理性がないというかなんというか(笑)。
6月30日 22:29
舞方雅人
>>空風鈴ハイパー様
アメリカは護衛空母いっぱい持っていましたからね。
イギリスに貸与して船団護衛に当てるほか、上陸作戦の上空支援に使ったりと縦横無尽でした。
やはり持たない国がなんとかしようとしても、なんともならないレベルというものがあるんでしょうね。
7月2日 22:16
- 2006/06/30(金) 20:51:09|
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舞方は四コママンガが結構好きです。
うちにある四コママンガの単行本だけでおそらく100近くあるでしょう。
漫画家さんにとって四コママンガは基本であり、また基本であるがゆえに大変なマンガなのではないでしょうか。
月刊、隔週刊、週刊、マンガ雑誌もいろいろありますが、さすがに週刊誌での四コマというのはあまり聞かないですね。
毎回毎回10個くらいの四コママンガを描くのはほんとに大変なんじゃないかと思います。
そんな四コマ漫画が単行本になっているのを見ると、つい手に取っちゃうんですよね。
舞方がお気に入りな四コマ作家さんは数居るんですが、中でもやはり秋月りすさんははずせないですね。
「OL進化論」「かしましハウス」「おうちがいちばん」など、一般の方の日常を面白く四コマで表わしてくださいます。
あと、ももせたまみさん。
アニメ化もされたりしましたが、「ももいろシスターズ」「ななはん」「ももいろスウィーティー」「せんせいのお時間」など、こちらも楽しい作品です。
何より絵柄が可愛いんですよね。
他にも丹沢恵さん、湖西晶さん、美水かがみさん、岬下部せすなさん、海藍さん・・・などなど。
あ、あと山科けいすけさんも外せないなぁ。
「C級さらりーまん講座」は絶品ですよね。
よければどれか手に取ってみてはいかがでしょう。
きっと楽しんでいただけるものと思います。
それではまた。
姫宮 翼
四コマ漫画は手軽に読めていいですよねー。子供の頃はガンガンと言う雑誌にドラクエの四コマ漫画がやっていて好きでした。
容易に強ボスがお笑いキャラになったりして、当時はかなり笑っていましたね。
一年ぐらい前までは漫画タイムきららと言うのを買っていたんですが、お金がピンチになったのでやめましたね(苦笑
今やっているゲームの四コマをアップローダーから落としたのが最近ですね。
6月30日 20:02
舞方雅人
>>姫宮 翼様
ドラクエ四コマですか。
さすがに読んだことないですねー。
雑誌はお金かかっちゃうんですよね。
でもやめるにやめられなかったり。ww
困ったものです。
6月30日 22:09
- 2006/06/29(木) 21:05:27|
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このたび掲示板などを作って設置してみました。
URLはこちらhttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/7018/
MSNスペースの場合はコメント投下にMSNのアドレスを取得したりしなくてはならなかったので、こちらでしたら気軽に書き込みできると思います。
ご意見、ご要望、その他リクエストなど何でもお気軽にお書き下さいませ。
あまり過激なことはやめましょうね。
あらしなどはやめましょう。
よろしくお願いいたします。m(__)m
- 2006/06/29(木) 16:35:09|
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中東の小国イスラエル。
ドイツの第二次世界大戦でのユダヤ人虐殺や、中東におけるユダヤ人国家成立に関するイギリスの二枚舌外交など、複雑な要件が絡み独立宣言と同時に戦争状態となった国ですね。
周囲は全て敵。
アラブ国家の中にぽつんと出現したユダヤ人国家は、その後の中東を混乱の渦に突き落とします。
独立戦争(第一次中東戦争)に始まり、現在まで大きな戦争だけでも四度を数える戦火とともに歩んできた国家ですね。
そのイスラエルと何度も戦ってきたのが中東の強国エジプトです。
旧宗主国のイギリスの凋落を見て取ったエジプトは、ソ連に接近。
アラブ諸国にとってはソ連製の兵器が大量に供給されることになります。
エジプトとイスラエルはシナイ半島の領有を争うことになり、戦火を交えました。
1967年の第三次中東戦争のときのことです。
シナイ半島の一画、ガランという地には当時日本からの援助で灌漑施設などを含む大規模実験農場が建設されておりました。
アラブ連合(エジプトの当時の国名)を初めとするアラブ諸国は、ソ連からの武器供与もありイスラエル攻撃の準備を着々と進めておりました。
何せユダヤ国家はその存在自体が赦せるものではありません。
次は叩き潰して、土地を取り戻してやるという意気込みにあふれていたのです。
その状態に危機感を感じたイスラエルは、そのまま待っていたのではまずいということで、先制攻撃を仕掛けます。
第三次中東戦争の始まりです。
戦いはイスラエルの完全な奇襲となり、開戦後数十分でアラブ連合(エジプト)始め、シリアやヨルダンなどの空軍はイスラエル空軍によって地上で撃滅されてしまいます。
制空権を握ったイスラエル空軍の支援の下、イスラエル地上軍はシナイ半島とヨルダン川西岸に侵入。
瞬く間に制圧してしまいます。
その時にこのシナイ半島のガランにあった日本の支援でできた農場も、イスラエル軍に制圧されてしまいます。
農場を占領したイスラエル軍兵士たちは、そこで書類や看板などに奇妙な文字が使われていることに気がつきました。
漢字です。
漢字を見たイスラエル軍兵士たちはすぐにこう結論付けました。
「ここは中国の農場『チャイニーズファーム』だ」
以後、この農場はチャイニーズファームと呼ばれ、第四時中東戦争においてもエジプト軍による侵攻や、イスラエル軍による逆侵攻など重要な戦略上の要地として知られることになります。
まあ、確かに漢字は中国発祥の文字ですが、使っている国は複数に及びます。
短絡的に中国農場といわれてもなぁ。(笑)
中東戦争はいろいろと面白いエピソードがあるので、またご紹介できればと思います。
それではまた。
- 2006/06/28(水) 22:25:54|
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まだ原作を読んでいないのですが、ものの見事に嵌まったアニメに「涼宮ハルヒの憂鬱」があります。
パソは漢字変換してくれるから楽ですなぁ。(笑)
登場人物もそれぞれに面白く、個性的で見ていて楽しいですよね。
小説を先に読んでいたわけではないので、声優さんに違和感を感じることも無かったですし。
ただ、最初は飛び飛びでお話が放映されることにちょっと驚きました。
七話(放映順では四話)を見たときは一週見逃したかとマジで焦った。
これって舞方が北海道という僻地に住んでいるからではなく、全国同じように飛び飛びなんですよね?
個人的に一番好きなのは長門さんですねー。
あのコンピュータ研とのゲームバトルのときのキョンを見上げた眼差し・・・
あの目で見つめられたら・・・
ごめん、正直、たまりません。(笑)
朝比奈さんと鶴屋さんの文化祭の時の衣装もよかったですねー。
鶴屋さん・・・いい味出しているキャラですよね。
やっぱり原作読むしかないか。(笑)
それにしてもクオリティ高いアニメですよねー。
もっと続けて欲しかったですー。
せめて二クールあるかと思っていたんですけどねー。
最近はTVドラマばかりじゃなく、アニメも一クールのみというのが多くなってきたんだなぁ。
残念。
ということで今日はこれにて。
SS書かないとブログ維持するの大変だよー。(笑)
静寂
ハルヒか・・・北陸ではやってないですね。
北陸は全国でも東北と並んでアニメ放送数の少ない地域なので仕方ないっちゃ~仕方ないんですがな。
ハルヒはクオリティーの高い作品と聞きましたね。絵も原作の表紙に限りなく近いので尚のこと・・・
歌モノもアニソンなのにJ-POPと張り合える破壊力をもってますしね。
今年上半期のアニメはハルヒで確定っすかね。
たしかに最近1クール作品が多いですね。視聴率とか色んなことで1年モノができないんじゃないかな?
古き良きロボットアニメみたいっす。もちろん熱いやつを!
SS期待してますよ~。
6月27日 22:17
漆黒の戦乙女
ハルヒ見たいんですがこちらも映らないんですよね
この過疎ぐあい何とかならないかな
1クールアニメ…多いですね
なのはもそうだし…そういえばなのはも燃えありだ
ロボじゃなくて魔法少女…ですが第2期では熱血魔法バトルアクションアニメなどと呼ばれてました
しかも、ファンの間の俗称ですが主人公に対して管理局の白い悪魔という異名がついてたりとなんだかすごいことになってきてたりw
一番の燃えポイントは11話の1VS1の決戦と12話の最終決戦ですね
特に2期のほうはすごいことになってます新フォーム発動、さらにガンダム試作3号機張りの突貫(突撃してバリアを抜けたところでほぼゼロ距離射撃)をかけてくれたりと燃えどころだと思いましたね
燃え分がほしい方はお勧めしますよ~w
6月27日 22:53
漆黒の戦乙女
なのはの補足です~、えっと2期11話は涙腺のゆるい人はティッシュを準備しておいて下さい
燃え以外に感動も入っておりますので
6月28日 21:28
舞方雅人
レス遅くなりました。
>>静寂様
北陸は放送局が少ない地域と聞きました。
見たくても放送が無いのはつらいですよね。
でも「ブラックラグーン」が見られると聞きましたよー。
うらやましいです。
ハルヒの曲はいいですよねー。
CD欲しくなっちゃいます。
ロボットアニメも何かいいの見たいですね。
>>漆黒の戦乙女様
リリカルなのはでしたっけ?
こっちでやっていたのかなぁ。
見たことないっす。
首都圏がうらやましいですよね。
魔法少女なのに燃えですか?
それは気になりますね。
一度見てみたいものですー。
6月29日 21:11
- 2006/06/27(火) 21:41:30|
- アニメ
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もう皆さんご存知だと思いますが、阪神タイガースの久保田投手が右手の指を骨折してしまい、登録を抹消されてしまいました。
今岡選手も同じく故障で登録を抹消されました。
投打の中心人物を欠いてしまったことになり、今年の阪神は厳しい戦いを強いられることになったのです。
巨人ファンにしてみれば小久保選手や阿部選手、高橋(由)選手などの故障者を抱えている俺たちはどうするんだといわれそうですが、巨人も苦しい戦いを強いられていますよね。
けが人は仕方ないです。
球団としてもある程度は織り込み済みでしょう。
後はその後を託された人々が頑張るしかありません。
何とか頑張って欲しいものです。
昨日は藤川投手がしっかりと抑えてくれましたが、インタビューで「クボ(久保田投手)の大変さがわかった」と言っておりました。
後ろに久保田投手が居るからこそ藤川投手も思い切っていけたんでしょうね。
抑え投手は抑えて当然。
抑えられなければ罵声を浴びせられます。
大変な重圧でしょう。
各チームともに抑え投手は大変だと思います。
今岡選手の抜けた穴も大きいですねぇ。
片岡選手や関本選手らの奮起に期待したいところです。
二軍選手にしてみればチャンスです。
何とかこの機会に若手にも出てきて欲しいものですね。
そうすれば、この怪我も球団にとってはマイナスばかりではなくなるでしょう。
今年のペナントレースも約半分を消化してきました。
これからも熱い戦いを期待したいものです。
それではまた。
静寂
抜けてしまった穴は仕方ないんですよ。大事なのはその穴をどう埋めるかですね。
巨人が負けてしまってるのは、前体制までいた重量打線の大半を放出して、足のある選手を入れたのはいいけれど、戦線離脱したのが主砲ばかりということですね。
阪神に関しても投打のキーマンが抜けたのは痛いですが、阪神は野村監督以降タレントに富んでますから大丈夫だと思いますよ。
ただストッパーはきついですね。投手陣にがんばってもらいましょう。
それにしても久保田か・・・野村監督時代は勝っていても逆転されるピッチャーの印象がありましたが、星野監督の時代から不動のストッパーになりました。
今回の離脱も(真偽は定かではないですが)ベビーカーから落ちそうになった自分の子供を助けての怪我ですからね。大きくなりましたね。
戦いというのは常になにが起こるかわからないってことです。
だから戦いは面白いともいえます。
だから筋書きのないものは好きです。
オーナーは嫌いですが、楽天にもがんばってもらいたいです。
6月27日 1:11
舞方雅人
>>静寂様
どんな戦いにも予定通りには行かないものですよね。
その時に指揮官の手腕が問われたり、後方の支援能力が問われたりするんでしょう。
久保田のベビーカーの件は親としては当然だと思いました。
もちろん不用意さは咎められることなのかもしれませんけどね。
楽天も日本ハム戦以外がんばれー。(笑)
6月27日 21:47
- 2006/06/26(月) 21:43:04|
- スポーツ
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エロゲーの話題を一つ。
ぴんくはてなというブランドさんから「聖騎士産卵記」というゲームが7月28日の発売予定ででる予定となっております。
公式サイトはこちら。
http://www.pinkquestion.com/
で、公式サイトではまだ触れられていないのですが、今月のテックジャイアン8月号の記事によると、三人のヒロインが居るのですが、そのうちの一人エルフの修道女が、主人公の責めによってダークエルフ化するみたいなんですね。
テックジャイアンの記事の文章を借りれば、「温和で清楚な修道女が心身ともに闇に染まることに」だそうです。
そそられちゃいますよねー。
闇に染まった修道女のエルフはダークエルフと化して主人公とともに他のヒロインを陵辱する。
そんな展開があるのでしょうか?
もしそうだとしたら買っちゃいますよー。(笑)
たとえ腹ぼて出産陵辱が大嫌いな舞方といえども、悪堕ちの誘惑には逆らえません。ww
そういったシーンがないかなぁ。
もう少し情報が出てこないとなんともいえないですね。
でも期待しちゃいます。
そういった悪堕ちゲーム、他にご存知でしたら教えて下さいませー。
それではまた。
空風鈴ハイパー
あ、これ某ちゃんねる(笑)で書き込みされてましたね。
私もそれ見て公式サイトにすっとんでいった口ですが。
なんか悪堕ち的には微妙な気がするんですが・・・。
「うふふ、〇〇、一緒に気持ち良くなろう?ねえ」
って感じの快楽堕ち連鎖はありそうですけど、厳密に言ったら悪堕ちはなさそうですね。
そういえば私アキバ旅行で同人誌・ソフト買ってきたんですが、
神羅万象系の同人で結構悪堕ちありますね。同人なんであれですが・・・。
「皇魔化」ってのは結構そそる響きとシチュかもしれないですね・・・。
6月25日 22:08
漆黒の戦乙女
おぉぉ~、そそられますねwエルフがダークエルフになんて
見た目は肌が黒くなって性格が変わり精神抵抗が4上がる…ってこれじゃSWだしw
悪堕ちかどうかと聞かれると微妙かもしれませんが、MAIKAから発売されるペルソナドライバー霊姫がいい感じかもと期待してます
グラフィックと設定的にいい感じのやつが二つほどあったのでw
後最近ツボにはまった本がありまして、二次元ドリームノベルスの聖天使ユミエル4がツボにきましたw
ユミエルの悪コスモードもありますからいい感じかもです(2でもでていたらしいですが)最後は二次元オチということになりますが、最後のパワーアップが自分のうちの闇の力と光の力の両方を使ったパワーアップいてかなり惹かれちゃいました
そして決着編に当たる第6章のサブタイトル?の聖なる闇に撃沈されましたw
相反する存在が共にあるという普通では考えられない状態というのはツボのストライクゾーンど真ん中に突き刺さったみたいですw
6月25日 22:25
静寂
触手・孕ませ・悪墜ち大好きの静寂です。
テックに書いてあるのが本当なら・・・やばい買いたくなったw
3人中2人が悪墜ちってことはもう一人も悪墜ちかな?
悪墜ちのゲームですか・・・。
やったやつは、悪墜ちもどきばかりですね。MinDeaD BlooD~麻由と麻奈の輸血箱~の本ルートがやった中で一番悪墜ちっぽいですね。
悪墜ちゲーム、私も知りたいっす。
6月26日 0:47
舞方雅人
>>空風鈴ハイパー様
どうもそうみたいなんですよねー。
悪堕ちというよりも快楽に溺れるだけーみたいな。
悪に染まってかつての仲間を・・・てのが希望なんですけどねー。ww
森羅万象系はそうみたいですねー。
いいものがあったらぜひ教えて下さいませー。
>>漆黒の戦乙女様
ペルソナドライバーは私も期待しています。
楽しみなんですよねー。
二次元ドリームはコミックスの闘姫陵辱のソウルレイザー☆ユナが楽しみですね。
先輩悪堕ちしてくれないかなー。
ユミエルは今度見てみますねー。
>>静寂様
マイブラ輸血箱は私もやりましたー。
ちょっともう少し邪悪だとよかったんですけどねー。
悪堕ちモノ、皆さんからの情報をお待ちしております。
6月26日 21:51
- 2006/06/25(日) 21:45:45|
- PCゲームその他
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第二次世界大戦が始まった当初、大英帝国の主力戦車に搭載されていた主砲は2ポンド砲でした。
これは口径が40ミリの対戦車砲であり、戦争当初はこれが世界的にも標準クラスの搭載砲でした。
ドイツ軍は37ミリ砲が主力でしたから、ある意味当然と言えるでしょう。
ところが、フランス戦以後、装甲と砲撃力を増してきたドイツ軍の主力戦車三号戦車は50ミリ砲を搭載、それとともに装甲も厚くなって2ポンド砲の貫通力では心もとなくなります。
口径57ミリの6ポンド砲もありましたが、これとて早晩威力不足に陥ることは明白でした。
そこでイギリス軍は装甲貫徹力に優れた対戦車砲である17ポンド砲を開発します。
この砲は口径が76・2ミリで、砲身長58・3口径と言う長いもので、その威力は約1000メートルの位置の30度の角度の装甲板124ミリを撃ちぬけるものでした。
1942年初頭には完成したこの優秀な対戦車砲はイギリス軍の救世主となるはずでした。
しかし、イギリス軍はこの砲の量産をいったん見送ります。
ダンケルクの敗戦でほとんどの装備を失ったイギリス軍は、とりあえず量産できる大砲を作るのに手一杯で、とても新型砲を造る余裕が無かったんですね。
結局2ポンド砲及び6ポンド砲でお茶を濁していたイギリス軍の前に現れたのが、ロンメルの切り札ティーガーⅠでした。
その重装甲は2ポンド砲どころか6ポンド砲ですら当たり所がよくないと撃ち抜けないと言うものだったのです。
慌てたイギリス軍は急いで17ポンド砲を量産します。
その威力は確かに素晴らしく、ティーガーⅠでも、油断ならない対戦車砲として恐れることになりました。
そこでイギリス軍はこの17ポンド砲を戦車の主砲として活用することを考えます。
ドイツ軍が88ミリ砲を戦車に搭載したのと同じ理屈なんですが、ここでイギリス軍は困ったことになりました。
搭載できる戦車が無かったのです。
クルーセイダー、マチルダ、バレンタイン、チャーチル・・・
いずれの戦車も砲塔が小さすぎ、車体も小さすぎで2ポンド砲からせいぜい6ポンド砲を積むのがやっとだったのです。
ドイツ軍なら固定式の戦闘室に砲を搭載した自走砲や突撃砲にするところですが、イギリス軍はやはり戦車への搭載を目論みました。
思い余ったイギリス軍は、17ポンド砲をあろうことか短くしたり軽くしたりして威力を落としたタイプを載せる戦車を開発し始めましたが、それとていつできるかわかりません。
万策尽きたと思われたイギリス軍でしたが、気が付くと同盟国として参戦していた米軍から供与されたM4があるじゃないですか。
車体が大きく、砲塔の余裕もあるM4はまさに17ポンド砲搭載車両としてはうってつけでした。
イギリス軍は早速供与されたM4に17ポンド砲を搭載。
その車両をファイアフライ(蛍)と名付けます。
ファイアフライは連合軍車両の中でも随一の主砲の貫徹力を誇っており、これに匹敵するのは米軍のM36の90ミリ砲ぐらいなものでしょう。
パンターはおろかティーガーも撃破可能なファイアフライは当然ながら引っ張りだこで、米軍も逆供与を申し込んだものの、イギリスに断られると言う落ちまで付いています。
ドイツ軍としては当然真っ先に片付けるべき車両であり、損害もかなり出したのは間違いありません。
イギリス軍もそのあたりはわかっており、ファイアフライは主砲の中心から先をカムフラージュして、できるだけ他のM4と同じように見せる工夫をしたと言うことです。
イギリス軍がその後ようやく17ポンド砲を搭載した主力戦車センチュリオンを完成させたとき、すでに戦争は終わっており、ファイアフライは戦時改造の穴埋め的車両でありながらもその存在によってイギリス軍を救ったと言ってもいいでしょう。
まあ、英国ファンの舞方としては、イギリスを救ったのはアメリカであり、ファイアフライを含むM4系列の大量供与と言うことがちょっと寂しいですけどね。
それではまた。
- 2006/06/24(土) 22:15:45|
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自分のブログのことではないので恐縮なんですが、本日6月23日をもって私が大変お世話になっているg-than様のブログ、Kiss in the Darkが丸二年を経過いたしました。
URLはこちらになります。
http://blog.livedoor.jp/g_than33mixer/
私のブログにおいでの方はほとんどが訪れて下さっていると思いますが、g-than様は大変素晴らしいイラストを描かれる方で、先日は嬉しいことにホーリードールの二人を描いて頂けるという栄誉にあずかることができました。
私の、SSを書かせていただいてもよろしいかとのわがままな申し出にも、いやな顔一つせずに快諾してくださり、セミ女やハマダラ蚊女のSSを書かせていただくこともできました。
私の今日あるは、ひとえにg-thanさんのおかげであると言っても過言ではないお方です。
よろしければご訪問下さいませ。
きっと素敵なイラストの虜になると思われます。
g-thanさん、二周年おめでとうございました。
えーと、それともう一つ、私のブログにいつもコメントくださる静寂様のブログで紹介されていたのですが、レミュオールの錬金術師というフリーソフトウェアのゲームがあります。
サークル「犬と猫」様がお作りになったゲームソフトなんですが、これがまた、なんともいえず嵌まりました。
ゲームそのものはごく単純な、お店を開いてモノを売って儲けて借金を返そうというものなんですが、これが結構面白い。
気が付くと一時間も二時間も平気で過ごしてしまいます。
サイト様をご紹介しても構わないと思うんですが、URLはこちらです。
http://members.at.infoseek.co.jp/konatu572/
他のゲームはまだ試しておりませんが、面白いゲームなのではないでしょうか。
このゲームの存在を教えていただいた静寂様には感謝感謝です。
ありがとうございました。
ワールドカップは負けちゃいましたね。
中田英の最後のピッチ上に寝そべっている姿が全てを物語っているような気がしました。
普段国内のJリーグはほとんど見ないのですが(それでもコンサの結果だけは気になりますけど)、ワールドカップや、国際Aマッチに試合は見ちゃいますよね。
四年後ははたしてどうなっているのか。
今回の結果をもとにしてよりいっそう強くなって欲しいものです。
単純に言って、韓国には負けて欲しくない。(笑)
2010年が楽しみですね。
そういえばアーサー・C・クラーク原作の映画「2010」ではまだ米ソがしっかり対立していたなぁ。(笑)
未来を見通すというのは難しいものですね。
それではまた。
metchy
g-thanさんのHPにはよくお邪魔しています。コメント等は残したことはありませんが、MC好きにはたまらないイラストが豊富で、様々な妄想をかきたてられますよね。絵心があれば、自分もあのようなイラストを書きたいですよ~。
「レミュオールの錬金術師」は自分もはまりました。
新しいアイテムを開発したり、客層に合わせて売るものを変えたり、単純なゲームと思っていましたが以外に奥深く、結構楽しむことが出来ました。
ワールドカップはあまり日本には期待を持っていなかったものですから、順当かな?と感じました(ものすごく非国民的な発言でしょうね・・・)。それでも気になって見てしまう自分が悲しい・・・。
「コンサの結果」が気になるということは、舞方さんも「でっかいど~」の地にお住みの方でしょうか?
6月24日 18:24
舞方雅人
>>metchy様
絵心のある方はほんとにうらやましいですよね。
私も絵はまるっきりだめですので、描ける方は無条件に尊敬いたします。
g-thanさんと知り合えたのはもう最高ですよ。
それと、舞方は札幌です。
コンサばかりか日本ハムまで来てくれて嬉しいんですよね。
交流戦は複雑な思いがあるんですが・・・
何せセ・リーグは阪神ファン。(笑)
6月24日 22:20
metchy
>>舞方様
やはりそうでしたか<札幌
自分は前市長が不祥事で逮捕され、イメージが低下している?町に住んでいます。
確かにコンサとハムは北海道のスポーツを活気付かせてくれましたね。
日本ハムが来るまではG党でしたが、ハムが来てからは7:3でハムを応援しています。
ただ、交流戦の時はハム一本でした(笑)
今年はどちらとも結構いい位置にいるので、頑張って北海道を元気にして欲しいです。
6月25日 9:48
舞方雅人
>>mecthy様
もしかしてmecthy様はパトレイバーの泉野明の出身地在住ですか?
いい町ですよね。
同じ北海道にお住みとは嬉しい限りです。
これからもよろしくお願いします。
6月25日 20:19
- 2006/06/23(金) 21:56:03|
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今日はローネフェルトですー。
よかったらご一読下さいませー。
シュツルムファウストの一撃は避け損ねた敵のモビルポッドを一撃で粉砕する。
私は使い終わった筒を投げ捨て、ビームサーベルを構え直す。
囲まれていた味方のモビルスーツに向かっていた敵の集団がこちらを向いた。
「来るわよ、アヤメ、パット」
『わかってますぅ』
『大丈夫です、大尉殿』
二人の声がヘルメットから流れてくる。
「背中は任せるわ。行くわよ!」
私は15を乱戦に突入させる。
左腕を失いながらも、ビームライフルを乱射しているMS-14に向かっていた敵がこちらを向く。
「遅い!」
私はベクトルを一切変えぬままにビームサーベルでなぎ払う。
いつもながらその切れ味は素晴らしい。
装甲をものともせずに切り裂いていくのだ。
まるでナイフでバターを切るかのよう。
一瞬後に私の背後で爆発が起こる。
私はすぐに次の目標に狙いを定めて15を駆る。
敵の数は半端じゃない。
どこを向いても敵・敵・敵、そして・・・傷付いた味方。
『ダンケ! 助かったぜ』
さっき敵に囲まれていたMS-14が脇に並ぶ。
グリーンとグレーの一般的な量産機塗装。
エースに優先配備と聞いていたので、パーソナルカラーのゲルググが多いと思っていただけに、その塗装はかえって新鮮だ。
事実、ワルトラントのウェルマン少佐も肩にブルーのラインを入れていた。
『それにしても紫とは見かけない色だな。それにその機体、初めて見るぜ』
14のモノアイがこちらを向く。
何かコクピットの中まで見透かされるような感じだわ。
「おしゃべりは戦いの後にしたほうがいいのではない?」
私は前方のモビルスーツ隊に切りかかって行く。
敵はノーマルのジムが三機。
この15の能力を持ってすれば怖い相手ではないが、いかんせん数が違う。
気を抜いている暇はないのだ。
『女か。ならばいいところ見せないとな』
すっと前に出るMS-14。
そのまま片腕を突き出してビームライフルを三連射する。
味方の06F2に気を取られていたのか、ジムが二機、一瞬のうちに撃墜された。
『チッ、一機外した!』
舌打ちの音さえ聞こえそうな口惜しそうな声。
私は苦笑すると、こちらに気がついてマシンガンを構えようとするジムの懐に飛び込み、そのまま胴体を貫いた。
『おお、やるねぇ』
「ゲルググのパイロット、軽口を叩いていると殺られるわよ」
私はそういったものの、これが彼の戦闘のリズムなんだろうなと理解する。
最後外したとはいえ、二機のジムを連射でしとめるのは並じゃない。
『すまないな、これも癖みたいなものでね。俺はヒル・ウエストエイト。ソロモン駐留の第58モビルスーツ大隊所属の中尉なんだぜ』
またビームライフルで一機のモビルポッドを撃ちぬく14。
やはり上手い。
「そう。私は軽巡洋艦ブリュメル所属のモビルスーツ隊指揮官、アマリア・ローネフェルト。階級は大尉なんだけど」
『げ、上官かよ』
私は思わず吹き出した。
『失礼いたしましたぁ! てっきりたたき上げのベテラン曹長クラスと思っておりましたぁ! うわっち!』
「中尉!」
いきなりウエストエイト中尉のMS-14の腕の辺りが爆発する。
『大丈夫っす。ビームライフルに流れ弾が・・・』
見るとMS-14の持っていたビームライフルが途中からへし折られている。
混戦で怖いのはこれなのだ。
今のだってもしかしたらザクマシンガンの弾かも知れない。
「気を付けて・・・」
『了解。いやぁ、美人にそう言われるとやる気がでますねぇ』
ウエストエイト中尉は背中のラックからビームサーベルの柄を取り出すと、その刃を形成する。
薙刀のような変わった形状だが、もちろんビームでできているので周囲のフィールドがそうさせているのに過ぎない。
『さあて、行きますか!』
片腕のMS-14はそのまま私とともに敵モビルスーツとの混戦に入った。
グリーン塗装の見慣れないモビルスーツ。
ライフルを構えて遠距離射撃をするつもりのようだわ。
どうやらジムの特殊仕様型みたいね。
私は機動をかけて滑り込むようにそのジムの脇に出る。
まるでスローモーションのようにそのジムの引き金が引かれつつあるのを感じる。
一瞬早く私のビームサーベルが脇腹をえぐって行く。
『!』
ゆがんだジムの外板からコクピットが一瞬だけ見える。
信じられないものを見たかのような連邦軍のパイロット。
豊かな胸がそのパイロットの性別を明瞭に示していた。
「あなた方さえこんな所にいなければぁ!」
私は思わず怒鳴りつける。
火花が飛び散って爆炎がコクピットを包み込み、そのパイロットの姿を隠す。
私はビームサーベルを引き抜くとそのままジムに背を向けた。
乱戦が続いている。
そんな中でしっかりとアヤメは私の背後にピッタリと位置していた。
私のムチャな機動にもかかわらず、気がつくときちんと背後に占位しているのだ。
運動性のまったく違う15と09Rでありながら、それを続けるというのは並大抵ではないだろう。
あらためて私はアヤメのモビルスーツ乗りとしての腕に感心する。
『お姉様!』
アヤメの声。
私は下方視界を正面に入れる。
真下から一撃を食らわせるべく接近していた連邦のジム。
狙いは悪くないが、私に気が付かれていたのが予想外と言ったところか。
私は15の手足を振っていきなり上下を反転させる。
接近してマシンガンの貫通力を高めようとしていた敵は、気が付かれているとは思っていなかったのか反応が鈍い。
「落ちろ!」
私は15を突っ込ませようとした。
そのタイミングを計ったかのように私の15は弾幕に包まれる。
「え?」
私はとっさにレバーを引いて制動をかけた。
一隻の巡洋艦とその周囲に展開していたモビルポッドが私の軌道を読んでいたのだ。
なんて小癪。
しかも制動の間にジムはマシンガンを構えてこちらを狙いつけている。
「このぉっ!」
私は制動を解除し、再度バーニアを思い切り吹かす。
ベクトル的には読まれやすい機動だが、まずはジムを片付けなくては。
私はそのままジムに体当たりをするかのごとく接近する。
敵はこちらが距離を離すと思ったのか、接近に対してうろたえているかのようだった。
意味も無くマシンガンを振り回したかと思うと、背中からビームサーベルを抜き放つ。
もちろんそんな行動はいまさらまったく意味がない。
私は難なく接近すると、ビームサーベルを突き刺した。
爆発の閃光が闇を切り裂く。
一隻のサラミス級が爆沈する。
周囲のモビルポッドもただではすまない。
あるものは爆発に巻き込まれ、あるものは回避行動で僚機に体当たりしてしまう。
結局一隻のサラミス級の爆沈は合計三機のモビルポッドを巻き添えにしていったのだ。
振り返ってジムの爆発を確認した私の目にアヤメの09Rと、その後方で手を上げているパットの09Rが映る。
どうやらサラミス級の爆沈はパットの支援射撃によるものらしい。
「助けられちゃったわね。ありがとう」
私は近距離レーザーで通信を送る。
すぐに二人の09Rは手を上げて答えに代えた。
パットなどはとんでもありませんというふうに09Rに体の前で左右に手を振らせるものだから、私は思わずその09Rの人間臭い仕草に思わず笑ってしまうほど。
『どうやら敵は後退を始めたようですよ、大尉殿』
私のそばにやってくる片腕の無いMS-14。
その周囲には彼の部下たちなのか、09Rや06F2、さらには06Cまでがやってくる。
こんな戦争初期の機体までが使われているなんて・・・
「こちらの抵抗に嫌気がさしたんでしょうね。こちらも後退しましょう、ウエストエイト中尉」
私の視界にも急速に後退していく敵艦隊が捉えられる。
どうやら戦闘は終わったらしい。
「生存者をできるだけ救助しましょう。アヤメ、パット、手伝って」
『了解です、大尉殿』
『はあぁい』
二人それぞれの返事が返る。
私は味方艦艇に収容されていくモビルスーツ隊の援護をしながら、二人とともに救助活動に当たることにした。
静寂
また個性の強い中尉どのですなw
でも嫌いにならないな。
軍規にうるさい上官にあったら叩かれること必死ですが、ローネでよかったね、ウエストエイト中尉。
さりげなくでたグリーン塗装の射撃仕様ジムは・・・ジムスナイパーかな?
でもあれってたしか地上戦用だよね?機密性とかあったっけ?
6月22日 21:28
漆黒の戦乙女
ゲルググなかなかいい感じで戦ってますね
片腕で戦うゲルググと聞くとどうしてもガトー機が浮かびますが彼はア・バオア・クーでなったわけだからありえないんですよね
静寂さんの疑問ですが、スナイパーは2種類ありまして静寂さんが仰ったのは08登場の陸戦ジムベースのスナイパーのことだと思います
で、今回登場したのはスナイパーカスタムのほうだと思われます
まぁ、テレビで初登場したのはZのジャブロー攻撃の時でしょうからあんまり知られてないかも
6月22日 21:59
ALTION
ゲルググが彼だけってのがジオンの末期をあらわしてきて良い感じです。F2と06Cが並んでいるというのも珍しいですが。乗っているパイロットはムードメーカーですな。人の死を見る職業やっていると明るくなるか、暗くなるかのどちらかだそうですが・・・
グリーンのジムといえば、漆黒の戦乙女様が言うとおり、ジムスナイパーカスタムですね。ライトアーマーとスナイパーカスタム。どちらもエースパイロットのための機体ですね。スナイパーカスタムは性能向上型、ライトアーマーはその名のとおり装甲削ってヒットアンドアウェイを旨とする機体。どちらもMSVが初出ですね。08のジムスナイパーは陸ジムのマイナーチェンジでしかないですからね。と余計なことまで言ってしまいましたが、さりげなく、g-thanさんのところで聞いた台詞が・・・元ネタはあるのでしょうけども・・・それでは失礼します。
6月23日 0:15
姫宮 翼
ジムスナイパーはやっぱり森林迷彩色で塗装して、カモフラージュした後敵のMSを狙撃すると言った地上戦のイメージが強いです。
多分、08小隊のようなイメージが自分の中であると思います。
高速で接近されたら遠距離狙撃タイプは脆弱ですからねー。今回は運が悪かったんでしょう。
このときはまだジオンは降伏していないのでしょうか?これ以上長引くと本当に凄惨な状況になるでしょうね……。
6月23日 19:14
舞方雅人
>>静寂様
実はある方がモデルなんです。
もちろんその方はこれほどアクの強いキャラではない(はず)ですが。
個性が強いと感じていただけたのならキャラとしては成功かな。ww
グリーンのジムは皆様おっしゃるとおりジムスナイパーカスタムです。
連邦の切り札的存在ですよね。
>>漆黒の戦乙女様
ガトーのゲルググはかっこいいですよね。
ジオンの系譜では第二部に入っても載せ続けちゃいます。ww
確かにジムスナイパーカスタムはマイナー機ですからね。
ご存じなくて当然かも。
>>ALTION様
めぐりあい宇宙ではア・バオア・クー戦のときに14と05が並んでいたりしましたので、06Cなら充分現役だろうと思いました。ww
末期のジオンは使えるものは何でも使わざるを得なかったでしょうしね。
ソロモンで作業用として使われていたのではないかと思っています。
g-thanさんのところで聞いたセリフ?
どのことでしょうか?
>>姫宮 翼様
懐に入り込まれるとつらいですよねー。
本来ならその前に撃破しなくてはならないはずなんですよね。
今回は相手がローネフェルトということで、相手が悪かったと思っております。ww
ソロモンそのものは降伏しているでしょうけど、脱出した艦隊は何とかグラナダなりア・バオア・クーなりに逃げ込もうとしているので、降伏はしておりません。
当然追撃も厳しいものとなりますよね。
6月23日 22:14
- 2006/06/22(木) 20:44:36|
- ガンダムSS
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ブラックサイクさんの「ゴア・スクリーミング・ショウ」と言うゲームををいまさらながらにやりました。
発売日当日に買ったにもかかわらず、今までずっと放置プレイ。(笑)
なんか気力が無くてやっていなかったんですよね。
で、やってみて・・・
面白かったですねー。
ストーリーがもうなかなかにしっかりしていて、とても楽しませてもらいました。
まあ、評価がそれなりに高いとは聞いていたんですが、実際にやってみないとわからないですものね。
もうすごく面白かったです。
システムはオーソドックスなADVですから、言ってしまえば電脳紙芝居なんですが、ストーリーに惹かれました。
ユカちゃん良かったー。
ユカちゃんシナリオは思わずほろり。
それぞれのキャラそれぞれに見せ場があるし、読んでいてぐいぐいと惹き込まれちゃいました。
お薦め・・・というには好き嫌いが分かれそうなので、お勧めとまでは言えないかも。
でも舞方はすごく楽しみました。
あ、改造や洗脳はでませんから。(笑)
それと悪堕ちも。(笑)
次回作は蟲使いの新バージョンですね。
ブラックサイクさんの作品は好きなものが多いので、これも期待しています。
ブラックサイクさんがんばれー。(笑)
それではまた。
ALTION
ゴアスクリーミングショウやりましたか・・・私はストーリーはともかく、ゴアがいけ好かなかったですね。ブラックジョークがちと鋭いので。闇の声シリーズが好きで買い始めたので。あとはグロはモザイク掛けられると逆に怖いです。
6月21日 22:41
静寂
ブラックサイク好き・触手大好きな静寂です。
最近のブラックサイクの作品は結構しっかりしてきて、結構お勧めっす。
そういいつつ、ゴアはまだやってないっす。
次回作は蟲使いの外伝に近いものですね。前作の主人公がさりげなく(?)でてますからw
そういえばサイク全般のモザイクは結構萎えますな。
モザイクなしは無理でもナチュラルモザイクほしいっすね。
舞方さん、ブラックサイクの応援バナー貼ってみたらどうですか?w
6月21日 23:44
舞方雅人
レス遅くなってすみません。
>>ALTION様
ああ、わかりますねー。
確かにゴアは不快な感じをさせてしまうキャラだと思います。
私はそれほどでもなかったですが、受け取りづらいキャラではないでしょうかね。
闇の声シリーズは私も大好きですね。
>>静寂様
次のエクストラヴァガンザも期待ですよね。
モザイクはどのメーカーも結構悩みどころなのかもしれないですよね。
うまい感じで入れてもらえるといいんですけどね。
エロゲー業界は大変だと思いますが、頑張って欲しいブランドさんです。
6月23日 22:03
- 2006/06/21(水) 22:05:32|
- PCゲームその他
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1939年にドイツがポーランドに侵攻した事実をもって第二次世界大戦が始まりました。
そのとき、ドイツ電撃作戦の立役者であった装甲師団の主力として活躍したのは、本来主力として作られた三号戦車でも支援戦車の四号戦車でもなく、戦車というものの勉強や訓練をするために作られた一号戦車や二号戦車でした。
中でも一号戦車は、砲塔(銃塔)に機関銃を二丁持つだけのほんとの訓練戦車でした。
しかし、ポーランド戦当時は数の上での主力として、非力にもかかわらず先頭に立って電撃戦に従事したのです。
もちろんドイツ軍とて、いつまでもそんな訓練戦車を使うつもりはありません。
装甲師団の主力はチェコスロバキアから手に入れた35(t)や38(t)、さらには本当に意味での主力戦車三号戦車を中心とするべく、生産を続けます。
しかし、一方で、戦車としては使い道がなくなってきた一号戦車の車体を再利用できないかという意見が出てきました。
もともとドイツ軍は車両を豊富に持っているわけではありません。
使えるものはどんなものでも使いたいのは当然でした。
そのため、当時主力対戦車砲であった37ミリPAK36(先日紹介した76・2ミリPAK36(r)とは別物)を一号戦車の砲塔を取り払って据えつけ、対戦車自走砲として使おうという事になったのです。
しかし、37ミリPAK36はポーランド戦ですでに威力不足を露呈しておりました。
ポーランド戦車よりも装甲の厚いフランス戦車やイギリス軍の戦車には苦労しそうだったのです。
かと言って37ミリPAK36の後継である50ミリ対戦車砲PAK38は50ミリ砲自体が三号戦車用に振り向けられており、対戦車砲としての配備はまだまだ先になりそうでした。
そんなときに目を付けられたのが、チェコスロバキア製の47ミリ対戦車砲でした。
この対戦車砲は50ミリ対戦車砲にまさるとも劣らない貫徹力を持っていたのです。
そのため、この47ミリ砲を一号戦車の上に載せて対戦車自走砲が作られました。
一号対戦車自走砲です。
一号対戦車自走砲は戦車駆逐大隊の主力として、フランス戦に参加。
その主砲の威力を遺憾なく発揮して、評価を高めました。
しかし、やはり大本の一号戦車の装甲の薄さや、砲を囲む戦闘室の装甲の薄さなどもあり、敵弾には脆弱な車両で、損失も少なくありませんでした。
さらに1941年のバルバロッサ作戦以後はT-34やKV-1などの重装甲戦車を相手にしなくてはならず、47ミリ砲ではもはや対処不能に追い込まれてしまいます。
しかし、ある意味廃品利用のこの戦車車台利用の対戦車自走砲は、この後連綿とマルダーからナスホルンにまで続き、ドイツ軍の薄い対戦車火力の中心として活躍したのです。
その意味でも、この一号対戦車自走砲の果たした役割は大きいものがあるでしょう。
それではまた。
- 2006/06/20(火) 22:41:50|
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久し振りの帝都奇譚です。
ちょっとだけですが少しずつ日常が変わって行きそうです。
10、
楽しい食事。
中庭に車座になりながらお弁当を食べる。
会話に花が咲く。
なのに・・・
美味しくない・・・
摩耶子は箸を置く。
お弁当はまだ半分も口が付けられていない。
どうしたんだろう・・・
喉が渇く・・・
用意したお茶はすでに飲み干してしまっていた。
仕方なく摩耶子は立ち上がる。
「どうなさったんですか、鷹司さん?」
立ち上がった摩耶子に姉川が声をかける。
さっきからいつもと違って上の空の摩耶子が気になっていたのだ。
「あ、お茶を用意しようと思いまして」
摩耶子がにこやかに答える。
その表情に変なところはない。
「あ、それなら私が」
すぐにぴょこんと立ち上がる真木野小夜。
「別によろしいですわ。すぐ近くですから」
手で制して給湯室へ向かおうとした摩耶子だったが、小夜はそのままついてくる。
「お手伝いさせてください先輩。それに他の方々にも持ってきて差し上げましょう」
すごく温かい笑みを向けてくる小夜に摩耶子もつられて微笑みを返す。
「それじゃ一緒に行きましょう」
摩耶子と小夜は仲良く給湯室へ向かっていった。
白鳳女学院ではお昼にはお茶が用意されることになっている。
そのため、お茶を飲みたい者はめいめい給湯室から薬缶を教室に持って行ったり、その場で湯飲みに移して持って行ったりできるのだった。
摩耶子より先に給湯室へ入った小夜は、小さめの薬缶を用意して、そこにお茶の入った大きな薬缶から注ぎいれる。
「皆さんの分ですから薬缶でお持ちしましょう」
そう言って薬缶を持ち上げた小夜の躰がバランスを崩してよろめいた。
「危ない!」
とっさに薬缶の取っ手と小夜の躰を後ろから抱きしめる摩耶子。
ドクン・・・
「!」
いきなり心臓が跳ね上がる。
ドクンドクン・・・
一体何?
摩耶子は驚いた。
「あ、ごごごごめんなさい、先輩」
慌てて薬缶をテーブルに載せ直す小夜。
自分の躰を支えてくれた摩耶子のほうに向き直る。
「先輩?」
小夜は一瞬きょとんとした。
摩耶子はうつむいて固まったように動かない。
一体どうしたんだろう・・・
どこか痛めてしまったのかしら・・・
「鷹司先輩?」
「はあ・・・ん・・・」
摩耶子の口から吐息が漏れる。
それがあまりに艶めかしいことに小夜は驚いた。
昼休みも半ばの給湯室。
周りには誰もいない。
教室や中庭にはみんなが楽しく食事をしているというのに、この部屋だけはまるで音がしない。
ゾク・・・
小夜の背筋が凍りつく。
何か得体の知れないものが目の前に現れたような恐怖。
それは目の前の摩耶子が発するものだった。
「た、鷹司先輩?」
小夜は思わず一歩あとずさる。
だが、それ以上は下がれなかった。
「はあ・・・」
摩耶子が熱い吐息を吐きながら、小夜の腕を掴んだのだ。
「ヒッ!」
あまりのことに声も出ない。
「んっ?」
小夜の口が柔らかいものでふさがれる。
あ・・・
小夜は一瞬後に摩耶子の唇が触れたのだと理解する。
「ん・・・んん」
舌が唇を割って入り込んでくる。
ええ?
驚く小夜。
こんなところで口付けをしかも同性と交わしたなどと知れたら・・・
だが、なぜか躰が動かない。
摩耶子の舌が小夜の口の中で蠢く。
それはまるで生き物のよう。
だけど気色悪くはなかった。
それどころか気持ちよくさえあったのだ。
ああ・・・
小夜の手が摩耶子の背中に回される。
小夜の舌も摩耶子の舌に絡み付いてお互いの味を確かめ合う。
気持ち・・・いい・・・
「んん・・・」
「ん・・・んん・・・」
二人の躰が密着し、唾液が絡まる。
小夜の目はいつしか虚ろになり、呆けたようになっていく。
「ぷあ・・・」
摩耶子が口を離す。
その口元から唾液がつうっと糸を引いた。
「さあ、行きましょう」
「はい・・・摩耶子様」
小夜はうなずいた。
静寂
わ~い、久しぶりの帝都だ。
摩耶子さん、人外の能力に目覚めながらも本能的な行動のときしか使えないですね。
段々人外化したことを認めて墜ちていくんだ・・・・
6月19日 23:37
姫宮 翼
おぉ!甘美ですねー、この二人は。読んでいてドキドキしちゃいますよ。
どんな風に変わっていくのか楽しみにさせていただきますね。
6月20日 22:11
舞方雅人
>>静寂様
はいー、お久し振りの帝都です。
摩耶子さんはこれからまだ人間と人外の狭間を揺れ動くのかなと思っております。
これからもよろしくですー。
>>姫宮 翼様
小夜はまだ魔眼に魅入られたという感じでしょうか。
登場キャラにすぐ愛着を持ってしまう舞方ですから、この小夜ちゃんもいい味出していって欲しいです。
6月21日 22:08
- 2006/06/19(月) 21:22:59|
- 帝都奇譚
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今日はミリタリーネタです。
SSはまったく手がつかなかったなぁ。
1941年、ドイツ軍はソ連に攻め込みました。
いわゆるバルバロッサ作戦ですね。
スターリンは最初ドイツ軍の侵攻はありえないと思っていたのか、それとも俺がやろうと思っていたのに先を越されたよー・・・ショックー・・・とでも思っていたのか、まともな指揮ができない状態でした。
そのため、前線は瞬く間に崩壊し、多くの捕虜と捕獲車両、捕獲物資、捕獲兵器の山を手に入れることができました。
しかし、崩壊したソ連軍の中にあって、ドイツ軍を驚かせ、また、その対策に躍起にならなければならない戦車が登場します。
T-34です。
その傾斜装甲は実際の装甲厚以上の対弾性を発揮し、その幅広いキャタピラは接地圧を下げて雪や泥濘でも変わらずに走り回る。
主砲には76・2ミリ砲を装備して、ドイツ軍戦車を簡単に撃ち抜いてきます。
ドイツ軍は緒戦の勝利の中でも、冷水を浴びせられたような恐怖をこの戦車に対して覚えました。
何せ、ドイツ軍の戦車は主力が三号戦車であり、その主砲は50ミリ砲で、正面からだとかなり近づかないとT-34の装甲を撃ち抜けなかったのです。
また、対戦車砲も主力は37ミリ砲や、50ミリ砲であり、後に主力となる優秀な75ミリPAK40はまだ開発中でした。
ちなみにPAKとは、ドイツ語でPazerabwehrkanone(対戦車砲)の略したものです。
戦車の主砲も対戦車砲も、揃ってT-34に対抗できないという状況は、ドイツ軍の心胆を寒からしめました。
「これってマジ? 装甲抜けないなんてチョーヤバじゃん」
「マジむかつく。けど、ヤバいよ、これ」ってところですね(笑)
一方で、ソ連には優秀な野砲が存在しました。
76・2ミリの野砲F-22です。
全ての砲は対戦車砲であるというモットーの下、ソ連軍は野砲であるF-22も対戦車砲として使用しました。
この砲は、野砲の割りに初速も速く、また弾道も低伸するので対戦車砲としても優秀でした。
事実、ドイツ軍の戦車はこの砲にずいぶんと痛い目にあいました。
バルバロッサ作戦の緒戦の勝利は、先ほども述べたように大量の捕獲兵器をドイツ軍にもたらしました。
その中には、この76・2ミリ砲F-22もかなりの数が含まれていたのです。
ドイツ軍はこの優秀な野砲を自軍の装備に引き入れて、対戦車砲として使ってみました。
結果は喜ぶべきものでした。
さしものT-34もかなりの距離で撃ち抜けることがわかったのです。
ただ、このF-22は野砲であるために、砲手が二名必要で、迅速な照準をつけるのに不都合な面がありました。
そのため、ドイツ軍はわざわざこの砲を改良して、砲手が一名ですむ対戦車砲にしてしまいます。
その名も76・2ミリPAK36(r)。
76・2ミリ対戦車砲36型(ロシア製)と言う意味ですね。
で、この対戦車砲として生まれ変わったF-22→PAK36でしたが、さらに威力を増すべく、75ミリ対戦車砲PAK40の砲弾(これは威力も申し分なかった)を使えるように薬室も改良してしまいます。
ただ、PAK40は75ミリ、PAK36(r)は76・2ミリであるため、砲身と弾頭の間に隙間ができ、発射ガスが抜けてしまって弾がよく飛ばない状態であったため、大量に捕獲してあったF-22用の弾頭とPAK40の薬莢を合わせたPAK36(r)専用砲弾まで作り出しました。
実際このPAK36(r)用の砲弾は六千発ほど作られたらしいのですが、これって充分な量だったんでしょうかね?
現実にはPAK40の弾が使われていたんじゃないでしょうか。
ともあれ、1942年にPAK40がいきわたるまで、ドイツ軍にとっては一番T-34に対して有効な対戦車砲はこのPAK36(r)だったんですね。
敵の戦車を敵の大砲で撃つ。
ドイツ軍のある意味限界が現れているのかもしれませんね。
それではまた。
静寂
戦争の場合、性能が良くて、量産が効き、汎用性に富んだものが何かと便利ですからね~。
ドイツ軍は性能の良い大砲を選んだまではよかったものの、口径の違う砲弾を使えるように改造したのが運の尽きでしたね。
まぁ切迫した台所事情だとそんなことも言ってられないんでしょうが・・・
6月19日 0:46
舞方雅人
>>静寂様
兵器は最低限の性能をまず満たした後は、量産性がやはり重要ですよね。
一説によるとF-22を含めた76・2ミリ野砲はソ連では10万門とも15万門とも作られたと言われます。
緒戦の混乱でドイツ軍の手に落ちた砲もたくさんあったんでしょうね。
実はこの記事を書いていて、ソ連のF-22ちゃんが悪のドイツ軍につかまって洗脳&改造を受けた挙句にドイツ軍のPAK36(r)ちゃんになってしまうというのを考えておりました。
我ながら病気だなぁー。(笑)
6月20日 22:47
- 2006/06/18(日) 22:38:38|
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息つく間もなくまた戦いです。
一年戦争はこのあたりが日程的に非現実感を持ってしまいます。
12/24からの一週間でソロモンとア・バオア・クーを落とさなければなりません。
三年戦争ぐらいのほうが良かったと思うんですけどねー。
ま、とにかくローネフェルトにとっても正念場。
がんばれー
「前方より発光信号多数・・・これは・・・」
「艦長! 前方より接近してくる物体があります!」
双眼鏡を覗いていた監視の兵と、通信兵が同時に声を上げる。
一人でも手があったほうがいいかと、私も対空監視に余念がない。
私はすぐに双眼鏡を監視兵の見ていたほうに向ける。
オレンジ色の信号が次々と見え隠れしている。
あれは何?
ハッ!
私は息を飲んだ・・・
損傷艦?
「きゃあぁぁぁぁ!」
双眼鏡を覗いていた女性兵士が悲鳴を上げる。
無理もないわ・・・
私は暗澹たる思いで双眼鏡を下ろす。
「スクリーン、最大望遠!」
キャプテンシートのリーザが命じる。
すぐに私の見ていた光景が艦橋の全ての人間の眼前に展開された。
「!」
「ああ・・・」
艦橋の全ての人間が息を飲む。
舵輪を握っていた航海長も思わず目をそらした。
そこには、片方の推進器から火花を散らしながらよたよたと航行するムサイ級軽巡や、前部の主砲を吹き飛ばされ、艦橋すら失っているチベ級の重巡、船腹に大穴を開けたままかろうじて推進器が生きているパプア級の補給艦などの小艦隊だったのだ。
しかも、そんな沈没寸前の各艦艇にへばりつくようにしてモビルスーツが取り付いたり、ノーマルスーツの兵士たちが甲板にむき出しでしがみついたりしているのだ。
周囲に寄り添うように航行しているジッコ突撃艇やガトル戦闘爆撃機にすら、ワイヤーを張り巡らして兵士たちが取り付いている。
こんなにひどい状況の艦艇は見たことがない・・・
「な・・・何があったの? ソ、ソロモンは・・・どうなったの?」
「間に合わなかった・・・間に合わなかったんだ・・・」
艦橋にざわめきが走る。
「うろたえるな! 推測だけで状況を判断してはならない!」
リーザの叱咤が飛ぶ。
厳しい表情で前方の艦隊を見据えているのだ。
「旗艦に通信を送れ! 救助活動に入ろうと思うが許可を、と」
「わかりました」
通信兵はすぐにリーザにうなずき、ワルトラントに通信を送る。
「いや、待って!」
私はスクリーンに目を凝らす。
スクリーンのかなたで光が瞬く。
ノーマルスーツの兵士と06F2や09Rがしがみついていた比較的損傷の少ない軽巡が爆発する。
「!!」
「何?」
「トロメル沈没! 味方艦隊の後方に敵艦隊!」
「ワルトラントより入電! ブリュメル及びスタメルは我に続け。敵追尾艦隊を攻撃する。以上です!」
リーザがうなずく。
「最大戦速! ワルトラントに続け!」
私はすぐさま双眼鏡を手近の兵に渡してモビルスーツデッキへ向かう。
「出撃するわ。いいわね?」
「もちろん」
リーザが振り返って片手をあげるのを見ながら、私はエレベータに乗り込んだ。
『モビルスーツ隊発進準備! モビルスーツ隊発進準備!』
私は急いでノーマルスーツに着替える。
この動作ももう慣れたもの。
今では一分ぐらいで着込むことができる。
酸素の残量を確認し、襟元をシールしてヘルメットを取る。
そのままモビルスーツデッキへ向かう私の背中にアヤメとパットの二人が従った。
「味方損傷艦艇に対する敵の攻撃を防ぐわ。いいわね」
『『了解!』』
即座に返ってくる返事。
何か気分がよくなるわね。
二人なら私の背中は安心して任せられるわ。
こんな気分で出撃できるのはいつ以来かしら・・・
私はそう思った。
「発進準備はできているの?」
私はモビルスーツデッキに入るなり怒鳴りつける。
もちろん整備クルーも慣れたもので、ノーマルスーツのヘルメットのバイザー越しの視線がこちらに集中する。
パイロットが現れたことをこれで知るのだ。
『もちろんですよ。大尉殿!』
整備長が私のYMS-15からキャットウォークへ降りてくる。
他の整備員たちもそれぞれの機体から離れて、発進態勢が整って行く。
『いつでも発進できます。ただ・・・』
「ただ?」
私はアヤメとパットをそれぞれの機体に乗り込ませる。
二人はすぐに床を蹴って、自分の機体に向かっていった。
『シールドの予備が用意できません。全弾ぶち込めとは言いましたが、捨てて来いとは言いませんでしたよ』
私は苦笑した。
確かにあんな奇妙なシールドはそうそう準備できるものじゃない。
予備部品のコンテナの梱包を解き、使用できる状態にするには一日仕事だろう。
それよりも整備クルーは機体の整備をするだけで手一杯なのだ。
その苦労を助長しているのが他でも無く私の15。
09Rで統一されていれば整備にもそれほど苦労はないだろう。
しかし、同じツィマッドとはいえまったく違う機体が混じれば、整備は苦労することになる。
「ごめんなさいね整備長。シールドは抜きでいいわ」
『ええ、ですが飛び道具抜きというわけにも行かないでしょう。あれを使ってください』
私は整備長の指差す方を見る。
なるほど。
私の15には腰のところに二本のシュツルムファウストが取り付けてあったのだ。
一発使い捨てのロケット兵器だが、弾頭の巨大なHEATは直撃すればモビルスーツはおろか、連邦のマゼラン級戦艦すら撃沈できる。
もっとも・・・当たれば・・・だけどね。
「ありがとう整備長。行ってくるわ」
私はぽんと床を蹴ってYMS-15に取り付いた。
「システムオールグリーン。アマリア・ローネフェルト、YMS-15ギャン、出る!」
私は周囲のクルーの安全を確認した上でバーニアを吹かす。
ぐんと加速される重量感のある機体。
でも、その重量はまったく感じさせないし、06Fなんかよりよほど運動性はいい。
わずか一年で・・・
私は窓外に広がった宇宙空間に思いを馳せた。
我が国が独立を求めて起こしたこの戦い。
緒戦の勢いは凄まじかった。
私たちはあろうことか人口の半分をこの世界から消し去ってしまったのだ・・・
私は今でもそのことを考えると身震いが起きる。
本当によかったのだろうか・・・
私たちの自由はそれほどまでに犠牲が必要だったのだろうか・・・
連邦の搾取・・・
虐げられた生活・・・
そんなことは考えたことも無かった・・・
でも・・・
父も母も売り上げが落ちたって言っては連邦の無策のせいにしていた・・・
小麦粉の値段が上がったって言っては連邦のコロニー締め付けだって責めていた・・・
ギレン総帥の言いたいことはわかる。
コロニーは自立するべきだ。
けれど・・・
すでにコロニーに人はいない・・・
人の住んでいるコロニーはリーアとジオンだけになってしまったと言ってもいい・・・
そのリーアはちゃっかりこの戦争に中立を表明して受け入れられている。
中立ということは連邦から距離を置くということ・・・
と言うことはリーアはすでに独立しているということではないか・・・
私は苦笑した。
もっとも・・・
それを言うならジオンも同じ。
我が軍はすでに目的を達成しているのだ。
そう・・・1月31日で目的は達しているのだ。
南極条約・・・
条約は国家と国家が結ぶもの。
決して中央政府と地方叛乱勢力が結ぶものではない。
そう・・・
あの時点で連邦はジオンを国家と認めたのだ。
詭弁かもしれない・・・
でも、解釈上はそうなるのだ・・・
では、その後の戦いは一体なんなのか・・・
地球に降下しおびただしい物資と人名を消費し・・・
連邦とジオンの意地の張り合い・・・
私は首を振る。
よそう・・・
私は軍人だ・・・
それを考えるべき立場にはいない。
『アヤメ・ミナヅキ少尉、行きます!』
『パトリシア・ノイマン准尉、出ます!』
二機の09Rがすぐにブリュメルから発進する。
我が艦隊は最大戦速で敵艦隊に向かいつつあった。
前方では敵艦隊の攻撃を受けつつある味方艦隊が、必死の防戦に入っている。
残弾少ないモビルスーツが、次々としがみついていた艦艇から離脱して、敵艦隊へ向かって行く。
「二人とも、いいわね? 遅れないで」
『『了解!』』
二人の声がハモっている。
ずいぶんと仲良くなったものだ。
私の機体を紫に塗ってからかもしれないわね。
アヤメの09Rは通常装備。
ジャイアントバズとヒート剣、それにシュツルムファウストが一本。
一方パットの09Rはジャイアントバズが二本。
さらには肩からマシンガンまで提げている。
ある意味遠距離支援に徹してもらう。
彼女の射撃の腕は間違いない。
命中率の悪いバズーカもしっかり当ててくれるはず。
私とアヤメが突入し、パットが支援をする。
私はこの方針で望むことにしたのだった。
私たちの前方を高速航行している重巡ワルトラント。
私たちの小隊がその脇をかすめて行く。
その時だった。
戦場ではほんのちょっとのことが生死を分ける。
モビルスーツ発進のために艦首の発進口を開いたワルトラントは、その瞬間にビームの直撃を食らったのだ。
前方の脱出艦隊を狙った敵のビームの流れ弾。
それがまさに最悪の瞬間に最悪の場所に着弾したのだ。
発進しようとしていた09Rはなすすべもなく爆発。
その爆発は格納庫を火の海にし・・・
ワルトラントは火球となって轟沈した。
『旗艦が!』
悲鳴のようなブリュメルの通信士の声を聞きながら私は唇を噛む。
あれでは生存者はいないだろう・・・
連邦め!
私は前方をにらみつけた。
必死で逃げ惑う損傷艦艇。
だが、その機動には限界がある。
外部に取り付いている兵やモビルスーツを考えたら、急激な機動など取れるはずもないのだ。
中にはワイヤーを切って兵士たちを虚空に放り出すジッコや、握っていたワイヤーを放り出して敵艦隊に向かって行くモビルスーツなどもいる。
そんな中、連邦の砲撃は緩むことがない。
一隻、また一隻と被弾を重ね、沈んで行く艦が現れる。
これは戦闘ではない・・・
虐殺ではないか!
私は無言のまま15の左手にシュツルムファウストを構えさせる。
モビルスーツは利き腕など関係ない。
ただ、使われる兵器や、パイロットの感覚で、どうしても右手を使うことが多いのだが。
このシュツルムファウストの射程は短い。
充分に接近する必要がある。
今はまだ早い。
私はじりじりしながら距離を縮めて行く。
敵艦隊付近での戦闘が始まっている。
離脱艦隊から死を覚悟して防戦に向かったモビルスーツ隊が敵モビルスーツとの戦闘に入ったのだろう。
敵の数は艦だけでも二十隻はいる。
モビルスーツは五十機はくだらないだろう。
そんな中へ弾薬も推進剤も乏しいモビルスーツが向かって行くのだ。
味方を一機でも多く逃がすために。
はらわたが煮えくり返る。
ソロモンが落ちたのは間違いない。
この損傷艦艇が全てを物語っているだろう。
だけど、こうまで完膚なきまでに叩き潰しに来るとは・・・
すでに戦意を失っている相手をなぶり殺しにするなんて・・・
私は知らずにスロットルレバーを力いっぱい握り締めていた。
『お姉様、来ます!』
アヤメの緊張した声が流れてくる。
すでに私たちの機も敵モビルスーツとの交戦空域に入ってきたのだ。
前方には苦戦中の味方モビルスーツが数機固まり、必死の防戦に努めている。
敵はまるでインディアンが幌馬車を襲うかのように、我が軍のモビルスーツを取り巻き始め、一撃を食らわせては離脱して行く。
そいつらが新たに現れた我が小隊と、スタメルから発進した小隊に気がついたのだ。
わずか六機の援軍だが、囲まれた味方は歓喜の声を上げてくれる。
私はシュツルムファウストを見舞ってやった。
姫宮 翼
敗北に見えている敵を撃ってはならないとは分かるんですが、現地の兵士からすれば何をしてくるか分からないや。捕まったら何をされるか分からないの恐怖心で戦いが続くでしょうね。
ジオンは、コロニー落としましたからね。
あれでコロニー落としとコロニー住民の独立の論争になると泥沼になりますよね。
ジオンが落として連邦や地球に「力」を見せて、逆に二度目のコロニー落としを恐れて連邦は大規模戦争になりましたからこれは論争になります。
ここら辺は一年戦争のサイドストーリーの主人公も考えていたと思います。ちょっと自分の記憶が曖昧になっていますが。
この戦争で一番儲けたのはやはり武器商だと思います。ここはアナハイムでしたっけ?MS開発は。
でも一兵士であるローネフェルトさんは生き延びる事が最優先でしょう。戦争終結が迫ってきたら兵士は生きて家にたどり着かないといけませんから。
ここから先は連邦軍は物量で一気に押し潰しますから戦場から帰るのも至難の技ですね。
補給等がままなら無くなると思いますが生きて帰ってほしいですね。
すいません、なんだか長くなっちゃって。
6月18日 18:16
漆黒の戦乙女
戦争終盤ともなれば、もう歯止めというものが効かなくなるころでしょうね
種のラストでも同じような描写が存在してましたからね…今までの恨みを晴らすと言う感じでしょうか
あれは核ミサイル撃って、反撃は巨大なガンマ線レーザー(Zのジャブロー核自爆のような感じの展開もありましたけど)
閑話休題
もうそろそろ補給線やらも厳しいころでしょうが、がんばってほしいですね
6月18日 22:24
舞方雅人
>>姫宮 翼様
戦いや戦争はやめるのが一番難しいですね。
負けているほうは挽回のためや自己保存のために、勝っているほうも自己保存や負けている側の抗戦のためにやめることができづらいんですよね。
おっしゃるとおりローネは生き残ることが第一です。
それ以外は全て考えなくてもいいと言っていいでしょうね。
とにかく生き延びて欲しいものです。
コメント長いのは大歓迎ですよ。
>>漆黒の戦乙女様
戦闘に歯止めが効かなくなるのは歴史的にも多いですね。
ア・バオア・クーの戦いの後でジオン共和国の一画でパン屋をやっているローネフェルトも見たいものです。
アヤメとパットが店員をやってたりして。(笑)
6月19日 21:31
- 2006/06/17(土) 19:39:33|
- ガンダムSS
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ワールドカップも一次リーグが順調に進んでいますね。
イングランドが決勝トーナメント進出は、英国ファンとしては素直に嬉しいです。
ドイツも決めましたしね。
日本はどうなることやら。
それにしても・・・毎回思うんですが、ユナイテッド・キングダム、いわゆる連合王国とはいえ、イギリス一国でイングランド、ウェールズ、スコットランドと三チームも出てくることに、他の国は不満を持たないのかな。
日本で言えばアジア国際対抗戦に北海道や四国チームが出るようなものですよね。
アメリカだったら50州がそれぞれFIFAに登録したらでてくることも可能なのかな。
まあ、英国人にしてみれば、まずは地元を応援。
地元が負ければ他の英国チームを応援てことになるのかな?
それとも地元が負ければ、他の英国チームを応援したりはしないのかな?
英国人には知り合いがいないので、そのあたりは気になるところではあります。ww
さて、今日もミリタリー寝た。(笑)
電撃戦でヨーロッパを席巻したドイツ軍は、1941年対ソ連戦に踏み切ります。
いわゆるバルバロッサ作戦ですね。
1939年に始まった第二次世界大戦。
ドイツ軍は第一次世界大戦の轍を踏むことを恐れ、新戦術電撃戦を開発しました。
電撃戦は機動力にモノを言わせ、敵の後方指揮系統を急襲するというのが基本です。
そのためにはスピードが命。
敵の防御拠点をじっくり攻めて突破するなどということは許されませんでした。
つまり、ドイツ軍の装甲師団は敵の拠点を攻撃したのではなく、敵の防御の薄い地点を突破し、後背地域に進出して敵をかく乱することで、勝利を収めてきたのです。
進撃途中で出会った防御拠点は、ある程度の攻撃で落とせなければ迂回したんですね。
拠点は後からのこのこやってくる歩兵と砲兵が、装甲部隊の攻撃で後方が混乱し孤立したところを攻め落としていったのです。
ところがドイツ軍は1942年にスターリングラードの泥沼に足を取られます。
地獄の市街戦で歩兵がみるみるうちに磨り減って行きました。
ソ連軍は市内の瓦礫や残った建物を強化して、頑丈なトーチカ並みの防御拠点をいくつも作り上げていたのです。
ドイツ軍には歩兵の支援用兵器として三号突撃砲がありましたが、対戦車兵器として長砲身化した突撃砲は、対戦車戦に駆り出されて歩兵支援どころではなくなりました。
また、突撃砲や四号戦車の75ミリ砲では、頑丈に作られた防御拠点の攻撃には力不足でもありました。
そこでドイツ軍は三号突撃砲の車台に150ミリ重歩兵砲を搭載したSTG33B(33B型突撃歩兵砲)を急遽作り上げ、スターリングラードに送りました。
わずか24両しか作られなかったSTG33Bでしたが、その搭載する150ミリ重歩兵砲の威力はすごく、市街戦には重宝される車両であることがわかりました。
そこで作り出されたのが、四号戦車車台に150ミリ重歩兵砲を改良した150ミリ突撃砲を搭載した、四号突撃戦車「ブルムベア」でした。
固定式戦闘室に150ミリ砲を搭載したブルムベアはティーガー並みの重装甲を施されており、敵の攻撃を跳ね返しながらゴトゴトと街路を進んで、敵のこもる建物に必殺の150ミリ砲弾を撃ち込むという考えで運用される車両でした。
残念ながらスターリングラードには間に合わず、東部戦線の平原戦に投入されたブルムベアは、いい評価を得ることはできなかったのですが、イタリアに派遣されたブルムベアは、山がちのイタリアでは曲射砲の威力を充分に発揮し、連合軍に巨弾を降らせたのです。
わずか303両しか作られなかったため、どこにでもいて歩兵にとっては頼もしい味方・・・とはなりませんでしたが、重装甲にモノを言わせて敵弾を弾きながら重砲を撃ち込むブルムベアは強力な助っ人だったことは間違いないでしょう。
それにしても文献によってブルムベアの意味が表題のごとく違うのはなぜ?(笑)
それではまた。
空風鈴ハイパー
お!ミリネタ!(笑)
ブルムベアですね、Wikiによると
「当初の正式名称ではない」
そうで、その辺が呼び方がばらばらな原因かも?
アニマルシリーズに合わせるためにあとづけしたのかも?ほんとのところはわかりませんが。
もしかしたら総統閣下どのあたりが
「動物の名前をつけろ!」なんて指示したのかも・・・。「昆虫の名前つけろ」なんてのもありましたもんね。
ただブルムベアっていう名前の響きは
「無骨で重厚な15センチStuH43L/12(長い)の堅牢な車体イメージ」
とマッチしてていいですよね。
デザイン的には洗練されてないし(急遽誕生した背景を考えればやむなしでしょうけど)、
機動性も今1つな車体ですけど、
「質実剛健!」なとこと
「第二次大戦版 破城投石器」
な部分は面白いですね。
でも大戦末期のドイツ軍の例によって
「突撃・駆逐・自走砲なんでもあり」
な使い方されたのは大変だったでしょうけどね。
「くまったくまった・・・」
失礼しましたー・・・。
6月17日 22:26
舞方雅人
>>空風鈴ハイパー様
昆虫の名前はどちらかというと拒否されていたような気がしますねー。
ホルニッセもナスホルンに変えられましたしね。
でも、150ミリ砲弾は貫通できなくても、その弾重で装甲板を叩き割ったとか。
T-34ぐらいなら撃破できたでしょうね。
6月18日 22:49
- 2006/06/16(金) 22:17:43|
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このたび、xsylphyx様のサイトx only様と相互リンクを結ばせていただきました。
アドレスは以下の通りです。
http://www.geocities.jp/globoosix/
xsylphyx様は当ブログともリンクしていただいているMACXE'S様に、素敵な洗脳SSを投下なさっていらっしゃる方で、x only様にも魅力的なヒロイン洗脳悪堕ちSSを展開され始めたところです。
これからの展開が非常に楽しみでして、リンクしていただき、まさに感無量です。
xsylphyx様、これからよろしくお願いいたします。m(__)m
さて、今日はミリタリーネタです。
表題の家具運搬車。
これをドイツ語で言うとメーベルワーゲンとなります。
タミヤからも模型化された、四号対空自走砲がそういう名称で呼ばれたのですが、移動状態の場合この車両は車体の周囲を装甲板で四角く覆ってしまったので、そんな名称になったのでしょうね。
この対空自走砲は四号戦車の上部砲塔を撤去し、四面を覆う装甲板と、37ミリ対空機関砲を搭載したものです。
大戦前半のドイツ軍は制空権を確保していたために、装甲師団の上空はドイツ空軍がきちんとガードしてくれていたのですが、東部戦線でのドイツ空軍の消耗により、装甲師団の上空は徐々にソ連軍機の跳梁を赦す羽目になってきます。
敵の戦車と戦うように作られている戦車は、正面装甲はしっかりしていますが、上面や後面の装甲はさほど厚いわけではありません。
ソ連の対戦車攻撃機はそういった上面や後面の装甲を狙って攻撃を仕掛け、ドイツの装甲師団はかなりの損害を受けるようになってしまいます。
本来ならば、そういった攻撃機を撃墜するのは戦闘機の役目ですが、ドイツ空軍は制空権を失いつつありました。
そのため、装甲師団は自前で空の脅威に対処しなくてはならなくなったのです。
そのための回答の一つが、対空機関砲を搭載した自走砲でした。
一番一般的なのは、ハーフトラックやトラックに対空機関砲を搭載したタイプでしたが、路外行動性などを考えると、完全装軌車両に対空機関砲を搭載した対空戦車とも言うべき対空自走砲を開発するべきとの声が上がり、ベース車両として四号戦車が選ばれることになりました。
試作車は四号戦車に四連装20ミリ機関砲を搭載したもので、タミヤが最初に発売したのも、この試作車タイプでした。
しかし、この四連装20ミリ機関砲は、発射速度こそ速いものの、空飛ぶ戦車とまで言われたソ連のシュトルモビク対戦車攻撃機は航空機でありながらも分厚い装甲を持つため、その装甲貫徹力が不足でした。
結局兵器局はメーベルワーゲンには単装で発射速度は劣るものの、弾頭威力の高い37ミリ対空機関砲を搭載することにしました。
後にタミヤも、このタイプを発売しておりますね。
約240両が生産されたメーベルワーゲンは、装甲師団の対空車両として東部西部両戦線で連合軍及びソ連軍の対戦車攻撃機と激闘を繰り広げます。
ただ、移動中はともかく、対空戦闘時には周囲の装甲板は倒され、対空機関砲と砲員がむき出しになるため、裸で航空機と対する砲員の恐怖感はかなりなものがありました。
そのため、後には機関砲と砲員を装甲板で囲んだ回転砲塔タイプの対空戦車ヴィルヴェルヴィントとオストヴィントが登場し、メーベルワーゲンと交代することになります。
もっとも、手元にあるメーベルワーゲンといつ来るかわからないヴィルヴェルヴィントやオストヴィントと交換など前線では考えられず、終戦まで使われたのは間違いありません。
制空権を確保できなくなったドイツ軍だからこそ造らなければならなかった車両といえるでしょうね。
それではまた。
空風鈴ハイパー
いわゆる、かたつむり、ですね。
今のゲパルトにいたる対空戦車の系譜でしょうか?
ほんとこの車種は第二次大戦においてはほぼドイツだけにみられた車種ですよね。
実際には数が少な過ぎて、部隊定数どころか配属できない部隊も多く、
ほとんど焼け石に水だったようですね。
やはり88のインパクト、信頼性には勝てないようで・・・、
ゲームとかでも
「88の射程、威力の強力さ」に比べて、ものすごく非力でしまいに当て馬に使っちゃうんですが(笑)。
でも仰るとおり、「剥き出しで機銃掃射浴びせてくる航空機と撃ち合う」のは想像を絶する恐怖だったでしょうね・・・。
6月15日 23:59
舞方雅人
>>空風鈴ハイパー様
カタツムリなんですか?
おっしゃるとおりゲパルトに繋がっていますねー。
88は中高度には有効ですけど、低高度を攻撃態勢で向かってくる対戦車攻撃機には弾幕効果の機関砲が有利でしょうね。
どちらにしても制空権さえ確保していれば、さほど問題にならない部分なんですよね。
米英軍は対空車両を必要としなかったですからね。
6月16日 22:30
- 2006/06/15(木) 21:57:11|
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ホーリードール第十三回目ですー。
そろそろ落としどころに向けて行かないとなりませんね。
それはそうと、いまさらながら舞方はこのSSにでてくる紗希、明日美、雪菜(レディベータ)の三人が可愛くて仕方ないっす。(笑)
幼女舞方と言われても仕方ないのかー?
それではドゾー。
13、
「逃げたか・・・」
黒の少女はその身長よりも長い柄の大鎌を一振りする。
とどめをさせなかったのは悔しいが、いずれチャンスはあるだろう。
「レディベータ・・・」
そう声をかけられて思わず振り返るレディベータ。
夜の公園にひときわ黒いコスチュームに身を包んだ女性が立っていた。
漆黒の全身タイツにハイヒールのブーツと長手袋。
アイシャドウと黒い口紅が彩る表情はなまめかしい。
衣装もシンプルでありながら妖艶さをかもし出している。
「アルファお姉様」
突然現れたレディアルファにレディベータは驚いた。
もう自宅でくつろいでいられたはずなのに・・・
「無事でよかったわ・・・光の波動を感じたから様子見に来たんだけど・・・」
ほっと胸をなでおろしているレディアルファ。
目の前にいるこの黒レオタードの少女は可愛い可愛い闇の妹。
光の波動とレディベータの波動が同所で感じられたので不安を覚えてやってきたのだ。
「わかっていたんですか?」
レディベータの問いに無言でうなずくレディアルファ。
光の手駒があれほど派手に能力を発揮すれば、いやでも感じることはできる。
問題は場所の特定に時間がかかったこと。
光側とてバカではない。
光の波動の場所を特定されないようにある程度のジャミングをかけてくるのだ。
結局、レディアルファが駆けつけたのは戦闘が終結してからになった。
充分にジャミングの効力があったということになるのだ。
「間に合わなくてごめんなさい。デスルリカ様も心配して、私に様子を見てくるようにおっしゃったわ」
「デスルリカ様も? ごめんなさい・・・アルファお姉様」
うつむくレディベータ。
「? どうしたの? どうして謝るの?」
レディアルファがそっと近寄る。
「私・・・光の手駒を倒せなかった・・・ビーストをただ消されちゃった・・・」
悔しさと悲しさがつのる。
最初に作ったにしてはあのビーストは上出来だった。
犬型ということもあり忠実で可愛いビーストだった。
それをただ消されてしまった・・・
悔しい・・・
悔しいよ・・・
レディベータは唇を噛み締める。
「そんなこと・・・あなたが無事でよかった・・・」
ふわりと温かい腕が彼女を抱きしめる。
優しく温かい抱擁。
柔らかな胸がレディベータの頭をそっと包み込む。
「あ・・・」
足元で音がする。
手を離れたブラディサイズが地面に落ちた音。
漆黒の柄と赤黒い血の色の刃。
大事な大事な専用の魔導武器。
でも、今は両手でしっかりとレディアルファに抱きつきたかった。
温かく優しい胸に抱かれてレディベータは幸せだった。
「ふう・・・」
熱いシャワーを浴びたあとは心地よい。
バスタオルで長い髪の毛を拭いていく。
どうやら光の手駒は立ち去ったよう。
二人の闇の女も無傷。
まずは上々。
留理香は笑みを浮かべると、バスローブを羽織って風呂場を出る。
長い髪にタオルを巻きつけ、冷蔵庫から牛乳を取り出してカップに注ぐ。
ふふ・・・
闇の女ともあろうものがシャワーのあとに牛乳か・・・
冷えたワインでも傾ければかっこいいんでしょうけどね・・・
苦笑しながらも留理香は牛乳を飲み干して、パックを冷蔵庫に戻した。
レディアルファとレディベータは予想以上に仲良くなってくれた。
二人とも可愛い私のしもべたち。
あとは折を見て“大いなる闇”に紗希を引き合わせる。
“大いなる闇”によって紗希は私の片腕となり、闇の世界に君臨するの・・・
きっとあの子は喜ぶわ・・・
そのときが楽しみね・・・
留理香は居間に戻ってソファにくつろぐ。
時刻は21時を過ぎたばかり。
もうそろそろ宿題を終えて降りてくるかな。
留理香は二階の紗希を思う。
かわいそう・・・
くだらない人間どものせいで宿題などを押し付けられて・・・
もう少し我慢してね。
世界を破滅させたら宿題などはなくなるから。
でも今はだめ。
今はまだ光の出方が読みきれない。
世界を破滅に導くには光の干渉を排除しなくてはならない。
その光の出かたがわからない以上、うかつに紗希は巻き込めないわ。
かわいそうだけど、もう少し待っていてね。
留理香はリモコンを取ると、テレビのスイッチを入れた。
「ふふ・・・」
玉座のような豪華な椅子に座って脚を組み、肘掛けに肘を付いて頬杖を付いているゼーラ。
美しい切れ長の目に光を湛え、口元には心なしか笑みが浮かんでいるようだ。
目の前には立ち尽くしている二体のドールがいた。
戦闘によるダメージはその衣服の乱れや素肌についた傷跡からも用意に察することが出来る。
ブラディサイズによるすっぱり切られた傷口からはまだ血が滴り、ビーストによって付けられた噛み傷とてそのままだ。
だが、目の前の二人はそれをまったく気にしていない。
いや、気にすることを禁じられているのだ。
今の二人は何も感じてはいない。
その目には何もうつしておらず、その心は空っぽ。
何も考えずに彼女の言いなりに行動するまったくの人形。
それはそれでゼーラの趣味に合うものではある。
だが、光の使徒として闇を打ち払わせるには、ある程度の自律行動が必要。
この娘たちはまさに拾いモノ・・・
仕上がれば究極の天使として“大いなる闇”との戦いを有利に進められるだろう・・・
そのためには心の形も変えなくてはならない・・・
この娘たちから不要な感情を取り除き、光に忠実な自律人形としなくてはならない・・・
だけど・・・
急激な変化はこの娘たちを破壊してしまう。
心が破壊され、それと同時に肉体にも損傷が出てしまう。
そんなことになればせっかくの原石をみすみす失ってしまうことになるのだ。
とりあえずの変化には耐えられたわ・・・
更なる変化が必要・・・
今のままでは“大いなる闇”が繰り出してくる『ビースト』とやらに対抗するだけ。
きちんと仕上げて行かなければ・・・
ゼーラの口の両端が吊りあがる。
にやりと言う形容が相応しい笑いを浮かべ、ゼーラは右手を差し出した。
「いらっしゃい」
呼んでいる・・・
「さあ、いらっしゃい」
誰?
誰が私を呼んでいるの?
紗希の目の前に手招きをする手が現れる。
白く繊細な指が妖しく動いて紗希を誘っている。
あ・・・
行かなくちゃ・・・
私は行かなくちゃ・・・
紗希はそのまま歩き出す。
ゆっくりと。
ゆっくりと歩き始める紗希。
その目に映るのは白い手だけ。
他には何も見えない。
ただその手にしたがって前に行く。
やがてその手は左右の腕となり、紗希の躰を抱きしめる。
あっ・・・
紗希の心がビクッと跳ねる。
触れてはいけないものに触れられたような感じ。
躰ではなく心が跳ねて逃げ出そうとしている。
あ・・・
だめだ・・・
逃げなくちゃだめだ・・・
これに触れてはいけない・・・
ここに居てはいけない・・・
でも・・・
でも躰が・・・
躰が動かないよぉ・・・
紗希の体はまるで糸で絡め取られたかのごとく動かない。
怖い・・・
怖いよぉ・・・
お母さん・・・
助けて・・・
助けてお母さん・・・
「うふふ・・・」
ホーリードールサキの躰を抱きしめるゼーラ。
その躰が硬くなっている。
まだまだ心が生きているのだ。
だが、無表情に見上げてくる少女の顔はゼーラを捉えて離さない。
「うふふ・・・可愛いわ」
ゼーラは優しくホーリードールサキの傷に手を当てる。
優しい光が散って、傷口をふさいで行く。
撫でるように傷に沿って手を這わせるゼーラ。
その後にはすべすべした肌が傷など無かったかのように現れるのだ。
「傷はいくらでも修復が可能・・・でも、心が破壊されれば修復は不可能」
だからこそ・・・
壊れる前に形を変える。
光の使徒としての心の形に作り変えるのだ。
「可愛がってあげる・・・」
そっとホーリードールサキに口付けをするゼーラ。
柔らかな唇。
みずみずしいさくらんぼのようだ。
ゼーラはそっと唇を離し、そのまま手でまぶたを閉じさせる。
「力を抜きなさい。ホーリードールサキ」
その言葉にホーリードールサキの躰の緊張が解ける。
もたれかかるようにゼーラの腕の中に身を任せるホーリードールサキ。
「そう・・・いい娘ね」
ゼーラが再び手をかざすと、ホーリードールサキの衣服は光の中に溶け去り、まだあどけない少女の裸体があらわになる。
「可愛い・・・」
ゼーラは再びホーリードールサキの頬にキスをすると、その躰を抱きかかえて立ち上がる。
そのまま光の中に白いベッドを形作ると、そっとホーリードールサキの躰を横たえた。
「さあ、次はあなたよ。ホーリードールアスミ」
『それでは次のニュースです。本日午後四時過ぎ、○○市の駅前で多数の死傷者がでる大変痛ましい事故が起こりました』
クス・・・
ソファーにくつろぎながら夜のニュースを眺めている留理香。
夕方のことが報道されていることに、思わず笑みがこぼれる。
『路線バスを含む十数台の玉突き事故により、少なくとも死者35人。重軽傷者10人の大惨事となりました。現場からの中継です』
『こちら現場です。この時間になりましても周囲は立ち入りが制限されております』
レポーターの後ろに夜の闇を切り裂く赤色回転灯の群れが映し出されている。
『被害を大きくしたのは、事故に路線バスが含まれていたことと、直後に漏れ出した都市ガス、及び事故に巻き込まれて横転したタンクローリーから漏れ出した化学薬品による混合気が強い毒性を発揮してしまったためとのことが消防よりの発表で明らかになっております』
くすくす・・・
事実を隠蔽するわけね・・・
それがいつまで続くのかしら・・・
おろかな人間ども・・・
『また、その混合気を吸った方々には強い幻覚症状が現れたのも特徴で、奇怪な生物とか、二人の少女が現れたなどと意味不明な言動をする方々が相次ぎ、現在病院で検査を受けているところです。現場からは以上です』
『岸原さん、これは事故ということで間違いないんでしょうか?』
『はい。今のところ警察も消防も人為的に引き起こされたものとの見方は否定しております。信号無視による交差点での接触事故が、こういった大惨事を引き起こしてしまったものと見られております』
『わかりました。何かありましたらまた伝えてください。以上現場から・・・えーと、今入りましたニュースです。事故の影響か夜八時ごろ○○市市街地に程近い住宅地で大規模なガス漏れが発生。現在周囲が立ち入り禁止になっており、住民が避難されているとのことです。詳しい情報が入り次第お伝えいたします。それではスポーツ』
なるほど・・・
レディベータの放ったビーストの件か・・・
留理香は笑う。
人間どもの愚かしさには笑いが出てしまう。
それほどまでして日常にしがみついていたいのか・・・
でもそれは儚い希望。
明日からはもっと絶望に打ちひしがれることになるわ。
そのときを楽しみにしていなさい。
狂った日常をたっぷりと味わわせてあげる。
うふふふ・・・
その時には・・・
留理香は二階を見上げる。
紗希は私のもの・・・
それにしても遅いわね・・・
時計に目をやる留理香。
デジタルの数字が22:46と表示されている。
クスッ・・・
宿題やりながら寝ちゃったかな・・・
留理香は微笑む。
時々紗希は机に向かったまま寝てしまうことがあるのだ。
きちんとまじめにやれば宿題だって授業だって問題ないくらいに理解力はあるのだが、躰を動かすことが好きな紗希は体力の消耗に躰がついて行けず、ついつい宿題の途中で寝てしまう。
「困った娘ね」
ちっとも困ってはいないような笑みを浮かべて、留理香は立ち上がった。
『きゃあぁぁぁぁぁ』
二階の部屋から悲鳴が聞こえる。
「紗希!」
留理香は青ざめる。
何も考えることなく躰が反応する。
二階への階段を駆け上がる留理香。
「紗希っ!」
まるで蹴破るかのようにドアを開けて部屋に飛び込む留理香。
「あ・・・お母さん・・・」
机から顔を上げ、寝ぼけたような表情を見せている紗希。
机の上には宿題の教科書とノートが広げられ、どうやらやはりその上で寝ていたらしい。
「紗希・・・大丈夫なの?」
思わず駆け寄って紗希の躰を抱きしめる留理香。
「お母さん・・・」
紗希の表情も和らぎ、躰に回されている留理香の腕を抱き取った。
「ごめんね、お母さん。居眠りして怖い夢を見ちゃったみたい」
「もう・・・困った娘ね。でも、なんともなくてよかったわ」
留理香はしばらく抱きしめていたが、やがてそっと手を離した。
「ごめんなさい」
ばつが悪そうにぺろっと舌を出す紗希。
居眠りは時々やってしまうが、悲鳴を上げるなんて初めてだ。
でも・・・
何で悲鳴なんか上げたんだろ・・・
紗希はちょっと考え込む。
だが、思い出せるはずも無い。
夢は目が覚めると忘れてしまうと明日美ちゃんも言っていた。
だったら思い出せないのも当たり前なんだろう。
「もういいわ。それで宿題は済んだの?」
「え? あ・・・ヤバ・・・」
紗希がうつむいてしまう。
まだ半分ぐらいしか終わっていなかったのだ。
「もう・・・仕方の無い娘ね。今日はもう遅いからお休みなさい。明日、先生に怒られるのよ」
にこやかにそう言って笑う留理香。
でも、宿題の一つや二つやらなかったからと言って、文句を言うような教師なら殺してやるわ・・・
留理香はひそかにそう思っている。
だいたい、紗希はいずれは下衆どもの上に君臨するようになるのだ。
それがわからぬようなら始末してしまえばいい。
「さあ、歯を磨いてお休みなさい」
「ハーイ」
紗希も覚悟を決める。
しょっちゅうというほどではないが、時たま忘れるのはいつものこと。
怒られるのはいやだけど、居眠りしちゃったのだから仕方が無い。
それに・・・
いざとなれば明日美ちゃんがいてくれる。
それは何より心強いことだ。
ちゃんとわけを言ってお願いすれば、きっと教えてくれるよね。
紗希はそう思いながら洗面所へ向かった。
「お父様、お母様、お休みなさい」
可愛らしいピンク色のパジャマに身を包んだ明日美が頭を下げる。
「ああ、お休み」
「お休みなさい、明日美」
にこやかに笑顔を返してくる明日美の両親。
口ひげを蓄えたスマートなダンディという感じの父親と、有能な秘書といった趣を漂わせている母親。
浅葉グループ傍流といえども一つの企業群を任されている父親は、やはりその片腕として明日美の母親を重役の一人として重用している。
だが、娘との時間を極力重視する意向も持っており、母親には午前中だけ会社にいてもらい、午後からは自宅でネットワークを使っての仕事をしてもらっているのだった。
明日美はそんな両親がとても好きだったし、誇りでもある。
もちろんだからと言って鼻に掛けるようなことはしない。
かえって母親一人で娘を育てている紗希の母親はすごく立派だとも思い尊敬しているのだ。
明日美は、いつもならお休み前にはふかふかベッドに入るのが幸せに感じて嬉しいのだが、今日はなぜか気が進まない。
「あの・・・お母様」
おずおずと前に進み出る明日美。
「?」
顔を見合わせる明日美の両親。
「どうしたの明日美?」
にこやかな笑顔を向ける明日美の母。
「あの・・・抱っこしてもらってもいいですか」
赤くなりながらも不安を隠しきれない明日美。
せめて抱いてもらうことで不安から逃れたかったのだ。
「ははは、明日美は甘えん坊だな」
「本当ね。しようのない娘」
そう言って笑いながらも明日美を抱きしめてくれる母。
抱きしめてもらいながらも、明日美は眠ることに不安を拭いきれなかった。
水色のパジャマ。
明日美ちゃんとおそろいのデザインのパジャマ。
お母さんがデザインして作ってくれたのだ。
先月明日美ちゃんがお泊りしに来たときに、お母さんが一緒に用意してくれたのだった。
歯を磨いてパジャマに着替えた紗希はベッドに向かう。
そしてベッドの端に腰を下ろしたところで、首から提げているペンダントを取り出した。
ペンダントを見つめる紗希。
やがてその瞳から光が消えていく。
虚ろな表情でペンダントを掲げる紗希。
ペンダントから青い光があふれ出し、ペンダントは徐々に形を変えていく。
光はそのまま細いツタが何本も伸びたようになり、ペンダントの周囲に絡まって形を成していく。
『ふふふ・・・可愛い可愛いドールたち。さあ、あなた方の心の形を変えましょう。よりいっそう光に染まるように・・・よりいっそう聖なるドールに相応しいように』
どこからかゼーラの声がする。
「は・・・い・・・」
意思の無い、何も映していない紗希の目がペンダントに注がれている。
その手にあるのは青く輝くヘルメット。
ペンダントに光のツタが絡み合って形を変えたものだ。
まるで光のレースで作られたようなそのヘルメットを紗希は捧げ持っていた。
『さあ、そのヘルメットを被るのです』
「はい・・・」
ゆっくりと紗希はそのヘルメットを頭に被る。
『さあ、そのヘルメットを被るのです』
「は・・・い・・・」
明日美も、意思を奪われてガラスのように何も映していない目を宙に向け、ゆっくりと光のレースでできたヘルメットを被っていく。
『それでいいわ・・・さあ、ゆっくりとお休みなさい。ホーリードールアスミ』
「はい、ゼーラ様・・・」
明日美はそのままベッドに入り目を閉じる。
二つの場所でほぼ同時に、二人の少女は光によって夢を見る楽しみを奪われていったのだった。
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- 2006/06/14(水) 20:46:36|
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30万ヒット到達・・・感無量です。
11ヶ月で30万も行くとは思いもしませんでした。
来月はいよいよ一周年。
何か考えたほうがいいかなぁ。(笑)
とりあえず、ちょっとだけですがローネフェルトの更新です。
あの方がチラッとだけ。(笑)
「急な帰還命令はどういうこと? おおよその察しはついているけど」
私はYMS-15を整備兵に任せてブリッジに駆け上る。
キャプテンズシートに着いているリーザが厳しい表情で出迎えた。
「ご苦労様。まんまとしてやられたってところね。敵の囮に引っかかったんだわ」
クッ・・・
私も唇を噛む。
敵は木馬をかく乱に使用している。
私たちはそれに乗せられるように戦力を分散し、さらに敵の囮にまで引っかかって貴重な時間を無駄にした・・・というわけか・・・
「それで? ソロモンなんでしょ?」
「ええ、緊急回線で全周囲発信しているわ。ソロモンは敵と交戦中。付近の艦艇は救援にこられたし・・・とね」
「すでに交戦中?」
私は首を振る。
今から間に合うのか・・・
ここからではどんなに急いでも丸一日はかかる。
「大丈夫よ・・・」
リーザがポツリとつぶやく。
「大丈夫・・・ソロモンは二日や三日で落ちはしない・・・お正月を過ぎる頃には攻め疲れた敵が撤収することになるでしょう・・・」
彼女自身その言葉を信じていないだろうに・・・
「ソロモン攻略が始まりましたか・・・」
ここは巡洋艦ニューヨークシティの士官休憩室。
タバコをくゆらす俺の前にこの艦の航海士官がくつろいでいる。
「ああ、第二連合艦隊及び第三艦隊と第十三独立艦隊が攻撃を開始した。ソロモンは防戦一方になっているという」
ポケットからタバコを取り出したのを見て、俺はライターを貸してやる。
俺たちの母艦ガンビア・ベイは右舷を直撃され中破。
左舷デッキのみ使用可能な状態のため、ジム隊のみが着艦。
俺たちボール小隊はニューヨークシティへの回収を余儀なくされたというわけだ。
このニューヨークシティはU・C0071に就役したサラミス級巡洋艦初期型だ。
第二連合艦隊や第一連合艦隊に配備されているジャブロー建造艦やルナツー建造艦と比べると、電子装備や主砲の出力、推進器の効率性など、かなりの面で劣るのは間違いない。
実際、0071年就役のこのニューヨークシティと、0079年就役のサウサンプトンを比べれば、同型艦といいながらも別種の艦と言っていいほどの開きがあるのだ。
つまり、どういうことかというと、失っても惜しく無い艦なのだ。
エリートコースから外れたような一癖も二癖もある連中と、配属されたばかりの若造。
それを取りまとめる実直な艦長。
旧式と言っていい艦だが、実力は高いだろう。
現に先ほどの戦闘はそれを物語る。
「敵の後退はそのためですか・・・」
俺はライターを受け取りポケットにしまう。
ガンビア・ベイではソフィアがシャワーを浴びているかな・・・
そんなことをつい考えた。
生き残ったと思った途端にこれだ・・・
男って奴は・・・
俺はタバコの煙を吐き出しながらソフィアの柔らかさを思い浮かべる。
「そういうことだな。今頃慌てふためいているだろうさ」
タバコの煙が漂う。
嫌われモノだし、俺自身吸わないでいようとも思うのだが・・・
生きて帰ったとなると吸いたくなるんだよな・・・
「中尉殿、ここでしたか」
「中尉殿」
黄色いノーマルスーツの少女たちが入ってくる。
途端にこの煙だらけの空間が華やいで見えるのは、部下に対する欲目だけでもあるまい。
現にこの士官休憩室にいる男どもはみなそのボディラインをストレートに現すノーマルスーツ姿に釘付けだ。
「どうした?」
俺は立ち上がる。
可愛い部下たちをいつまでも無遠慮な男どもの視線に晒しておくこともあるまい。
「ガンビア・ベイからで、修理にまだかかるとのことです。そのため一時的にサイド4へ向かうとのことでした」
可愛く敬礼してくるミスティ・エイボン曹長。
つぶらな瞳の幼さの残る少女だ。
「我々は修理が完了するまでニューヨークシティの下部甲板を借りるようにとのことです。すでにシナプス艦長には連絡済みとのことでした」
対照的に少し大人びた感じのアナスタシア・チュイコワ曹長。
深いブルーの瞳が落ち着きを感じさせる。
「わかった。艦長には俺の方からも挨拶しておく」
俺はタバコを灰皿に投げ入れ、二人を連れて休憩室を後にした。
じりじりするような時間。
最終速度との関係からこれ以上の速度は出せない。
出したとしたら止まれないのだ。
ソロモンを越えて宇宙のかなたへ行ってしまう。
実際に我が軍も連邦も、被弾により推進器の暴走が始まって最終速度を突破してしまい、地球圏を飛び出してしまった軍艦は十指にあまる。
「後方より接近するものがあります。宇宙船のようです」
「宇宙船? この速度で?」
リーザがスクリーンを見上げる。
後方カメラの映像がスクリーンに映し出される。
「最大望遠です」
「?」
私も見上げる中、スクリーン内にダークグリーンの船体が映し出されてくる。
「敵味方識別信号グリーン。友軍です」
「友軍艦?」
その船は優美な流線形に左右に張り出した翼を広げている。
「艦形、及び熱紋照合。グラナダ艦隊所属の機動巡洋艦ザンジバルです」
「ザンジバル? あの新型艦?」
聞いたことがあるわ。
新型の機動巡洋艦ザンジバル。
大気圏突入能力を持つ最新鋭艦で、確かランバ・ラル隊が使用していたはず。
地上から上がってきたのかな?
「ワルトラントへの通信を傍受。どうやらソロモンへ向かっているようです」
通信兵がヘッドフォンで通信を傍受している。
お下げ髪の少女と言っていい娘。
学徒動員によって召集されたのだろう。
戦争が無ければきっと学校で恋と学業に熱中していたに違いないわ。
「スクリーンに出せる?」
「出せます」
すぐにスクリーンにワルトラントとザンジバルの通信が流される。
「!」
私はハッとした。
赤い軍服に目の周囲を覆うマスク。
あの有名な“赤い彗星”シャア・アズナブル・・・確か大佐だ。
『我々もソロモンへ向かっている。キシリア閣下は決してソロモンを見捨てているわけではない。今頃グラナダからは救援艦隊も進発している頃だと思う』
『それは助かる。我々は“あなたが”取り逃がした木馬を追ってここにいる。残念ながら捕捉はできなかったが』
ウッズマン大佐の神経質そうな顔がゆがんでいる。
名の知れた赤い彗星が取り逃がしてさえいなければ、我々がこんな所にいる必要もなかったと言いたげだ。
『木馬は連邦の切り札だ。そうやすやすと倒せる相手では無いよ。だが、手数をかける』
ザンジバルがブリュメルを追い抜いていく。
最終速度の違いがこうして形になって現れるのだ。
『どちらにしてもソロモンへ行けば木馬もいるだろう。君たちも急ぎたまえ。ソロモンが落ちる前に』
『わかっている! 速度が違うのだ。やむを得まい』
舌打ちするウッズマン大佐。
『では、先に行く』
敬礼をして通信を終わるシャア大佐。
そのままザンジバルは我々の艦隊を追い抜いていった。
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- 2006/06/13(火) 21:55:24|
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いよいよ日本対オーストラリアのキックオフですねー。
頑張れ日本。
まあ、こんな時ぐらいしかサッカー見ないほうなんですけどね。
Jリーグはあんまり見ないからなぁ。
でも、やはり、ここ一番の大舞台ですからね。
頑張れ日本。
ということで、ローネフェルトの帰還です。
とりあえずの戦闘終結です。
戦場から離脱する私とアヤメ。
艦隊の位置は始めの位置からそれほど変わっていない。
つまり敵艦隊に接近後、また離脱を始めたということ。
進路はソロモン。
おそらくソロモンに敵の攻撃が始まったんだわ。
「アヤメ、後ろは付いて来ている?」
私は後方を振り返る。
敵艦隊との交戦を終えて離脱を始めた味方機が見えるはず。
『はい、噴射炎は二機。一機落とされたようですぅ』
「・・・ええ」
私も確認した。
後方に追いすがって来ている噴射炎は二機分。
ワルトラントの小隊のうち一機を失ったのだ。
あのモビルポッドかもしれない・・・
あの黄色のジムかもしれない・・・
どちらにしろ我々の戦力では対抗し得なくなってきているのか?
『敵モビルスーツ、引き上げて行きます』
『た、助かったんだわ・・・』
二人の声が安堵に満ちる。
それも思わず息をつく。
運がよかった・・・
敵モビルスーツ一機撃破。
ニューヨークシティとの共同撃墜といったところか・・・
敵の新型は慣れていなかったのか?
軌道があまりにも素直すぎた。
もっともそれは他のスカート付きも言えたのだが、こちらの砲火が新型に集中したというに過ぎない。
それにしても・・・
ジム二機破壊。
ガンビア・ベイ中破・・・か・・・
『中尉・・・』
そばにやってくるソフィアのライトアーマー。
黄色の塗装が目立ちすぎる。
それでいながら無事に済んだのは彼女の腕前によるところが大きいだろう。
伊達に生き残ってきてはいないということだ。
「ご無事で何よりです。大尉殿」
『ありがとう中尉。あとで会いましょう』
俺は思わず口元がゆがむ。
「それは命令ですか?」
『うふふ・・・ええ、命令よ。バーナード中尉』
ライトアーマーがガンビア・ベイに向かう。
「了解です。大尉殿」
俺も部下たちを連れて帰途に着いた。
「ウェルマン少佐が戦死?」
『はーい。後方のリックドムよりのワルトラントへの通信を傍受しましたぁ』
戦闘が終わった途端にいつもの語尾を延ばす話し方になるアヤメ。
鼻にかかったような甘える声。
でも、なぜか聞いていると心地よい。
それにしても部隊長が戦死とは・・・
「ブリュメルまではあと少し。帰還したらすぐに状況を確認して伝えるわ。おそらく・・・」
『ソロモンですねぇ・・・間に合うとも思えないですけどぉ』
「それでも・・・よ・・・」
私は首を振る。
ソロモンが落ちるはずが無い・・・
あそこは私たちの家も同然なのよ。
落ちるはずが・・・
『こちらブリュメル。ビーコンを発進します。全速航行中ですので充分注意してください』
「了解」
私は15を着艦軌道に載せる。
三隻のウッズマン機動部隊は全速でソロモンに向かいつつある。
着艦のために速度を緩めるなどということも無い。
もちろんベクトルさえ合っていれば、速度差など無いようなものだ。
でも、この速度ではもし何かのデブリにでも衝突したら・・・
「アヤメ。先に行きなさい」
『了解ですぅ』
アヤメの09Rが着艦コースに乗る。
ブリュメルの後部ハッチにグリーンの信号が灯っている。
軽い噴射でそのままハッチに飛び込んで行くアヤメの09R。
私もそのあとに続いてブリュメルに着艦した。
- 2006/06/12(月) 21:20:05|
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NHKの大河ドラマ「功名が辻」
ついに本能寺の変が公開されましたね。
舘ひろしさんの信長は、最初の頃は違和感バリバリでしたけど、歳相応になるにしたがって狂気の信長っぽく演じていらっしゃいましたね。
今日の放映も早々に自害されていましたが、銃を撃ち放つ信長というのも、らしい感じがしましたね。
それにしても明智光秀の謀反は日本史上最大の謎と言っても過言では無いですよね。
なぜあれほど厚遇を受けていた光秀が裏切ったのか。
身内を見捨てられたとか、領地を召し上げられたとか、朝廷に対する姿勢の問題とか、数え上げればきりが無いかもしれませんが、まあ、馬が合わなかったんでしょうね。
能力があったのに滅びの道をたどってしまった彼は、やはり好きな武将です。
舞方はどちらかというと、無能で家を保持できなかった連中の方が好きなんですけどね。(笑)
生き延びた明智光秀は天海僧正として徳川家康を支えたという説もありますが、まあ、光秀を思った判官びいきではないのかな。
どちらにしても信長を失った日本はまた大きく方向を転換します。
よかれ悪しかれ、信長が生きていたら、日本は現在の日本とは違った形になっていたでしょうね。
日本史上で秀才は数あれど、天才は彼ぐらいと言われますからね。
周囲の国々を侵略し、欧州の国々に戦争を仕掛けていたかもしれません。
その場合は数世紀速く貿易立国になっていたかも。(笑)
信長が生き延びていたら・・・
これは日本史ファンの変わらぬ命題なんでしょうね。
それではまた。
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- 2006/06/11(日) 21:21:03|
- 映画&TVなど
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えーと、すみません。
今日はちょっと過去に人形姫様に掲載していただきましたSSを再掲載いたします。
お読みくださった方も多いとは思いますが、よかったらどうぞ。
うーん・・・ネタが無いなぁ。(笑)
「ふうん、やったじゃない、沙由里。あの蔵石さんと一緒になれるなんて、良かったね。」
洒落たレストランのテーブルで会話している二人の女性。その片方がもう一方に対してグラスを掲げる。
「やだ、そんなんじゃないわ。ただ、そろそろ結婚を考えないかって・・・」
グラスを掲げられた方の女性は戸惑いながらも頬を赤く染めた。
「何言ってんのよ、それってプロポーズじゃない。おめでとう。あーあ・・・沙由里に先を越されちゃったか。」
沙由里の正面でもう一人の女性は、グラスを置き両手を頭の後ろに当てて宙を見上げる。
「そんなこと無いわよ、由美香にだって健太君が居るじゃない。」
「だーめよ彼は。いつまでたってもてんで子供なんだもん。今だにガンプラ造ってるのよ。」
由美香は最悪というふうに両手を肩の辺りで広げる。
「ふふふ・・・そう言いながらモビルスーツのこと詳しいくせに。」
沙由里はくすくすと笑った。
彼女の名前は牧原沙由里。二十六歳のOLである。長い黒髪が美しく、背はそんなに高くないのだが、すらりとしたプロポーションが見た目に背が高い印象を与えている。小柄な瓜実顔は美の極致というわけではないが、充分に整っていて美しい顔立ちをしていた。
彼女の前に座っているのは高校時代からの親友の池上由美香で、別の会社でやはりOLをしていた。
二人は時たまこうやって食事を一緒にして、友情を暖めあっていたのだった。
「もう、仕方ないでしょ。ザクだドムだってうるさいんだもん。」
「ふふ・・・健太君らしいよね。」
「オタクなのよ、あいつは。」
由美香があきらめたようにため息をついた。
「それでも好きなんでしょ?」
「うっ・・・ま、まあね。」
「ならいいじゃない。」
沙由里は微笑んだ。彼女と違い由美香と健太の付き合いは短大生の頃からである。長い付き合いなのだった。
「そ、それよりも・・・そういえば、沙由里に付きまとっていたあの端本って奴どうした? まだちょっかい掛けてくるの?」
端本の名前を出されて沙由里は少しいやな顔をする。
端本とは、沙由里のアパートの近くに住む男で、一時期彼女に対してストーカー行為を行った男である。
沙由里の郵便受けには端本からの一方的な愛の告白文が毎日のように届けられ、出勤時や帰宅時にもどこからともなく現れては、彼女の姿を見つめていた。
さすがに沙由里は気味が悪くなり、警察へ届け出たものの、数日パトロールして姿を現さなければそれっきりになってしまい、やがて端本はまた付きまとい始めるのだった。
結局沙由里はそのことを付き合い始めていた蔵石和夫に相談したところ、蔵石は会社の行き帰りに彼女を送ってくれるようになり、それを見た端本はそれっきり姿を現さなくなったのだった。
そのこともあり沙由里と蔵石は急速に仲良くなって、先ごろ蔵石から結婚のことを持ちかけられたのである。
「うん、もうあきらめたみたい。最近は見てないわ。」
「よかった、あんなストーカー野郎は死んじゃえばいいのよね。」
「まったくだわ。気色悪いんだもんあの男」
由美香の言葉に沙由里はうなずいた。
「見るからに不潔って感じじゃない? お風呂だって入ってなかったりして」
「いやだぁ・・・やめてよ。美味しくなくなるじゃない」
顔をしかめる沙由里。
「あ、ごめんごめん。もうやめるね」
由美香は両手を前で振って話を打ち切った。端本のことを話しても食事が美味しいはずが無いのだ。
二人はそれぞれ適当な話題に切り替えて再び食事を楽しみ始めた。
「ふう・・・すっかり遅くなっちゃったわ」
ほろ酔い加減で沙由里は夜道を歩いていた。
由美香はちゃっかりと健太を呼び出して、車で送ってもらっている。
沙由里も一緒に送ろうといってくれたが、健太と由美香はこのあと二人で楽しむに違いないのだ。その邪魔はしたくなかった。
「甘えちゃいなさいよ。蔵石さんならすぐに来てくれるでしょ」
由美香はそう言っていたけど、沙由里はそこまで甘えるつもりは無かった。
端本が出没している時は送り迎えしてもらっていたけど最近は見かけなくなっていたし、由美香の前で蔵石に甘えることは何となく照れくさくもあったのだ。
明るく人通りの多い通りを選んで帰ってきたものの、アパートのあたりはあまり人通りは多くない。
自然と足早になる沙由里。
やがて自分のアパートが見えてホッとした時、いつも端本がたたずんでいた電柱に人影があるのを沙由里は認めた。
反射的に沙由里の体は硬くなり、心臓がドキドキし始める。
また端本がストーカーのように現れたのだろうか?
だが、恐る恐る近付いてみると、それは端本ではなく別人であることがわかる。
背が高くすらりとしたその男は夜だというのにサングラスを掛け、黒いスーツに身を包んでいた。
沙由里は緊張しながらも男の脇を通り抜け、駆け出すようにしてアパートの階段を登っていく。
鍵を開けるのももどかしく、扉を開いて部屋に入り込んだ沙由里はしっかり鍵を掛けると部屋の明かりをつけ、ようやく少し落ち着くことができた。
「ふう・・・」
崩れるようにソファに座り込んだ沙由里は冷や汗をかいていることに気が付いた。酔いもすっかりさめている。
「だ、誰なの? あの男の人・・・」
沙由里は震えている体を支え、窓から外を覗いてみた。
「居ない?」
電柱のところに男は居なかった。
まるでさっきのことが夢でも見たかのようにそこにはただ街灯の明かりが地面を照らしているだけだった。
沙由里はホッとしてカーテンを閉める。
私ったら・・・あの端本って男のせいでびくびくしちゃっているんだわ・・・
あの男の人はたまたまあそこに立っていただけなのかも・・・
沙由里はそう思い、上着を脱いでTVのスイッチを入れる。
週末の娯楽番組が静かな部屋を明るくさせた。
呼び鈴が鳴ったのはそのときだった。
ピンポーンという電子音が部屋に響く。
沙由里は反射的に体を硬くした。
時間はすでに十時を過ぎている。こんな時間にいったい誰が・・・
再び呼び鈴が鳴らされ、沙由里はやむを得ずに玄関へ向かう。
「はい・・・どなたでしょう?」
玄関の扉越しに沙由里は声を掛けた。
「夜分遅く申し訳ありません。宅配便のものですが、蔵石さんという方からお届けものなんです。開けていただけませんでしょうか?」
「あ・・・あの・・・明日ではいけませんか?」
沙由里は悪いと思いつつも開けることにためらいを感じた。
「夜分遅くに伺いましたことは申し訳ありません。ですが今までおられませんでしたので・・・お渡しするだけなんですが・・・」
宅配便業者の声は何となく哀れさを感じる。今までずっと待っていたのかもしれない。
扉の覗き窓から覗くと、大き目の箱を持った帽子をかぶった男性が立っている。
「わ、わかりました」
沙由里は仕方なく扉の鍵を開けチェーンを外す。
蔵石さんからって・・・いったい何かしら・・・
沙由里の思いはそこで途切れた。
扉を開けた途端に沙由里はスプレーのようなものを浴びせられたのだ。
「あ・・・」
沙由里は意識が遠くなる中で端本の笑い声を聞いたような気がした・・・
だんだんと意識が戻ってくる。
背中にひんやりとした感触を感じられる。
沙由里はゆっくりと目を開いた。
「あっ・・・まぶし・・・」
天井には手術用の無影灯が彼女を照らしていた。
思わず手をかざしてさえぎろうとした沙由里だったが、手が動かせないことに気が付いた。
「えっ?」
沙由里は体を起こそうとしたが、躰はどうやら固定されているようで頭しか動かせない。
「くふふふ・・・目が覚めたのかなぁ・・・沙由里ちゃん」
足元のほうからいやらしい感じの声がした。
沙由里はその声に聞き覚えがあった。
ぞっとするその声はあのストーカー男、端本の声だったのだ。
「は、端本・・・あなたなの?」
両手両脚を固定されているようで躰はわずかしか動かせない。
それでも沙由里は頭を持ち上げて周囲をうかがった。
どうやら何人かの人間がいるらしいが周囲は薄暗く、沙由里のところだけ無影灯に照らされているため良くわからない。
「覚えていてくれたんだねぇ。やっぱり沙由里ちゃんはボクのことが忘れられなかったんだよねぇ」
沙由里は背筋に寒気が走った。
私・・・端本に捕まってしまったんだ・・・
いったいこれからどうなるのか・・・そう考えるだけで沙由里の心は暗く沈んでいく。
助けて・・・誰か・・・蔵石さん・・・
「わ、私をどうするつもり?」
「あれぇ・・・わからないのかなぁ? これから君はボクのお人形になるんだよぉ」
薄暗がりの中から姿を現す端本。
小太りでメガネをかけたその姿はお世辞にもいい男とはいえない。
「放して。放しなさいよ。また警察に訴えるわよ」
精いっぱいの強がりを沙由里は言う。そうじゃなければ泣き出してしまいそうだった。
「大丈夫だよぉ。君はそんなことする気もなくなるんだ。なんせ君は僕のお人形さんになるんだからね」
『お人形さん』という言葉が何を意味するのかわからなかったが、沙由里はぞっとしたものを感じていた。
こんな男に人形として扱われるなど耐えられない。
「ここはね、人間をお人形って言うかロボットに改造してくれる会社なんだよぉ。ヒューマンドール社って言うんだ」
「ヒューマンドール社?」
そんな会社は聞いたことが無い。
「いけませんなぁ、端本さん。あまりわれわれのことを公にしていただきたくはありませんのでねぇ」
白衣を着た小柄な初老の男性が姿を現した。
「ご、ごめんなさい教授。でも沙由里ちゃんはお人形になっちゃうから大丈夫なんじゃ・・・」
「確かにそうですが、不用意に社名を出されては困りますのでねぇ」
ニヤニヤと笑いを浮かべたやせこけた白衣の男はまるで骸骨が笑っているような感じだった。
「私を人形にするって?」
「そうですよ、お嬢さん。わが社はさまざまな人間を処置を施すことによってロボットにしてきました。反抗的な人間や意のままにしたい人間をロボットにするわが社の技術は世界中から信頼を受けておりますよ」
「そ・・・そんな・・・」
沙由里は愕然とした。今の日本でそんなことが実際に・・・
「あなたも見たことや聞いたことはありませんかな? ワンマン社長に唯々諾々と従う社員や反抗的だった息子や娘が突然良い子になったりするのを」
「そ、そんなこと・・・」
「沙由里ちゃんもすぐに僕の言うことは何でも聞く可愛いお人形になるんだよぉ」
メガネの奥の目がいやらしく笑っている。
「じょ、冗談じゃありません! 帰して! 家へ帰してください!」
「帰してあげるよぉ。お人形になったらすぐにでも」
「ど、どうして私なの? どうして?」
「君が可愛いからだよぉ。ボクの好みにぴったりなんだ」
ああ・・・
沙由里はあまりの事に涙が出てきた。
こんなところでこんな男に人形にされてしまうんだと思うと涙が止まらない。
「ああ・・・だ、だめだよだめだよ・・・泣いたりしちゃだめだよぉ」
「助けて・・・お願いよぉ・・・助けてぇ」
沙由里は頭を振っていやいやをするが手足を固定されている躰は自由にならない。
「なに、心配は要らんよ。君はすぐにロボットになるんだ。そんな感情とは無縁になる」
「いや、いやよ・・・助けて・・・」
沙由里は何とか逃れようと身をよじるが、もとよりその程度ではびくともしない。
「教授ぅ。早く沙由里ちゃんをボクのものにしてよぉ」
「うむ、準備も整ったようだ。早速手術を開始しよう」
「い、いやぁっ! いやよぅっ!」
沙由里の願いもむなしく手術の開始が告げられる。
今まで彼女の躰を覆っていた布が取り払われると、沙由里の生まれたままの姿が白日の下に晒された。
「きゃぁっ!」
服を着ていないことはわかっていたが、布を取り去られたことで沙由里は羞恥に身悶える。
「うわあ・・・素敵だよ沙由里ちゃん・・・写真に取っておこうね」
「いやぁっ! やめてやめてぇっ!」
沙由里は身もだえして躰を隠そうとするが無駄な抵抗だった。
「うるさいぞ。さっさと麻酔を嗅がせておとなしくさせろ」
白衣の老人が部下に指示をする。
首を振っていやいやする沙由里に男たちは容赦なく麻酔を嗅がせて意識を失わせた。
その間も端本は写真をとるのをやめはしない。
「これから先は社外秘の部分でしてな。どうかお引取りを。」
「あ、ああ。わかったよ。ボクの沙由里ちゃんをよろしくね」
教授に言われた端本はすごすごと引き下がるしかなかった。
端本が出て行ったのを確かめると教授は手術を開始する。
綺麗な体表面を傷つけないように慎重にメスが入れられ、下腹部が切り開かれる。
人工心肺装置が沙由里の脳を死なせないように体液を循環させている間に手術を終わらせてしまわなければならない。
手馴れたスタッフたちは黙々と沙由里の躰に処置を施していく。
内臓を取り出してしまい、代わりに水素タンクや燃料電池のシステムなどが埋め込まれる。
子宮も取り払われて人工の膣が設置される。
肺は空気中から酸素を取り入れるポンプとフィルターに置き換えられる。
肛門はアナルセックス用に形を整えられ、形良い胸には予備のバッテリーが内蔵される。
顔も表皮を剥がされ眼球を高性能カメラに、鼻をにおいを感じるセンサーに、耳には音響を感じるセンサーが、口は形を整えてオーラルセックス用に作り変えられる。
筋肉は人工の駆動機関に置き換えられ、一時的なら通常男性の数倍のパワーが発揮できるようになる。
表皮は特殊なプラスチックを注入され、体毛などはまったく無いすべすべしたコーティングを施される。
10時間にも及ぶ手術の後、沙由里の躰は芸術品として完成した。
沙由里は徐々に意識が戻ってくるのを感じていた。
だが、躰の感覚はまったく無い。
暗闇の中に捕らわれたような感じだった。
ここは・・・どこ?
私はいったい?
誰か・・・誰か助けて・・・
『よし、補助システムが起動したぞ。基本プログラムのインストール準備だ』
どこからか声が聞こえてくる。
誰?・・・誰なの?
思い出そうとするが頭が上手く働かない。
それどころか躰がまるで無くなってしまったかのよう。
私はどうなっているの?
怖い・・・怖いよう・・・
『首から上を起動しろ。覚醒させるんだ』
びくんと首の辺りに電気が走り、沙由里は目を開けることができることに気が付いた。
沙由里はゆっくりと目を開けようとした。
途端にさまざまな文字や数字の羅列が頭の中に流れ込み、それを自分では無い何かが勝手に処理していく。
やがて沙由里の目は映像を伝えてきたが、それは普段彼女が見慣れている映像ではなかった。
さまざまなデータが映像にかぶさって表示され、それが沙由里を混乱させる。
「きゃぁっ!」
思わず沙由里は悲鳴を上げる。
「覚醒したようだな。私がわかるかな?」
視界に入って来た人物はあの初老の白衣を着た人物だった。
さまざまなデータが映し出されるが、何を意味するのかわからないうえに、なぜそんなものが見えるのか自体理解できなかった。
「わ、私に何をしたの?」
恐怖が沙由里を包んでいた。
自分に起こっているのは全て夢だと思いたかった。
「君はヒューマンドールになったのだよ。あとは基本プログラムをインストールすれば完成だ」
「プログラムをインストール?」
沙由里はぞっとした。
私はコンピュータになってしまったというの?
「いや・・・いやぁっ! 戻してぇ! 私の躰を元に戻してぇ!」
躰をよじって暴れだしたかったが、首から下はまったく感じることができない。
「なに、そんなに怖がることは無い。プログラムをインストールすれば、君はすぐにヒューマンドールとして何の疑問も抱かなくなるのだよ」
「そんなのいやぁっ!」
沙由里は泣き出したかったが、上手く涙すら出すことができなかった。
「大丈夫。では始めるとしようか」
教授は沙由里に接続されたコードを愛しそうになでると、スタッフに対してうなずいた。
途端に沙由里の脳にさまざまな文字や数字が流れ込み始める。
「いやぁっ!」
沙由里は半狂乱になってわめくが、流入は止まりはしない。
やがて沙由里はあることに気が付いた。
自分が数字や文字の羅列を理解し始めているのである。
「プログラムインストール中・・・基本人格を上書きしています・・・」
沙由里はそうつぶやいて驚いた。
人格を上書き?
私が私でなくなるというの?
そんな・・・そんなのはいやよ・・・
「意識改変、ならびに人格改変作業中。進行度25パーセント」
つぶやきを止めることができない。
それどころかプログラムの流入に恐怖を感じることがなくなってきていることに気が付いた。
私・・・変わってしまうんだ・・・
私は・・・ヒューマンドールになってしまうんだわ・・・
だが、沙由里はそれが別に不思議では無いような気がした。
ヒューマンドールになるのではない。
私は最初からヒューマンドールだったはずではなかっただろうか。
「意識改変、ならびに人格改変作業中。進行度50パーセント。基本動作プログラムインストール開始」
沙由里の躰に変化が生じた。
今までどうしても感じることができなかった首から下が、まるで神経が繋がったように感じられるのだ。
手足からのデータが流れ込み始める。
問題点は・・・何も無い。
内部の動力源は・・・水素タンクが空なので、外部よりの動力供給を受けているんだわ。
躰の各部とも異常なし。
順調に制御できることがわかって沙由里はなんだか嬉しくなる。
な、何を考えているの私は・・・
躰の制御って・・・まるで・・・
まるで・・・何なの?
躰の各部が制御できるのは当然・・・よね。
「意識改変、ならびに人格改変作業中。進行度75パーセント。基本プログラムインストール完了。オプションプログラムを選択してください」
沙由里ははっきりとそう口にする。
プログラムが自分を書き換えていく。その喜びに沙由里は快感すら感じていた。
気持ちいい・・・プログラムが浸透していくわ・・・
嬉しい・・・私はもうすぐ完成するんだわ・・・早く完成して誰かにお仕えしたいわ・・・
「よし、オプションはどれとどれだ?」
「A及びDとEが選択されています。後はおいおいということだそうで」
「金も無さそうだからな、まあ最低限ということか」
教授はそう言うとオプションプログラムを取り出すとセットする。
やがて沙由里の脳にプログラムが送られてきた。
「オプションプログラムインストールします。オプションプログラムA・D・Eを認識しました。インストールを続行いたしますか?」
「続行しろ」
「了解いたしました」
沙由里は自ら脳を解放し、プログラムのインストールを開始する。
さまざまなプログラムが流れ込み、沙由里はとても気持ちよく感じていた。
「意識改変、ならびに人格改変作業終了。進行度100パーセント。オプションプログラムA・D・Eインストール終了」
沙由里の声は誇らしかった。
いや、沙由里ではない。今の彼女はヒューマンドールHD-0163だった。
「よし、確認するぞ。お前は何ものだ?」
「はい、私はヒューマンドール社製のヒューマンドールHD-0163です」
HD-0163となった沙由里は何のためらいもなくそう答えた。
「ふふふ・・・それでいい。では動力をやろう」
教授はにやりと笑みを浮かべると、HD-0163の脇腹のハッチを開き水素タンクをセットする。
ヒューマンドール社のヒューマンドールは燃料電池で動くようにできている。
セットされた水素タンクから水素を取り出し、空気中から酸素を取り出して水の電気分解の逆を行い電気を取り出すのだ。
そのため見た目は呼吸を行なっているように見えるので人間らしいと評判だった。
電気を取り出す副産物の水はこれまた排尿のように外に出すことができるため、トイレに行くこともできるのだ。
水素タンクから水素を取り出して燃料電池が起動し始めたことでHD-0163は動力を得て躰の各部が起動し始める。
それはとても心地よく、躰の各部を制御するプログラムを処理することはまさに快楽といっても過言ではなかった。
「今拘束を解いてやろう。起き上がるがよい」
「はい。かしこまりました」
HD-0163は拘束を外されるとゆっくりと立ち上がる。
美しい裸体を惜しげもなく晒して彼女は微笑んでいた。
「端本さん。終了しましたよ」
十数時間も待たされた端本はいい加減痺れを切らしていたが、憧れの沙由里を手に入れるためと思い我慢し続けてきたのだった。
それが今報われるのだ。
端本は小太りの体をいそいそと持ち上げるとヒューマンドール社の職員の後について手術室へ向かった。
「さ、沙由里ちゃんはボクの物になったんだよね?」
「ええ、もはやあの娘は牧原沙由里という人間ではありません。わが社自慢のヒューマンドール、HD-0163ですよ」
「HD-0163・・・」
端本は単なるナンバーになってしまった沙由里の名前をつぶやいた。
「ご安心を。もちろんマスター登録が済めば、あなたの自由に名前を入力できますよ」
「そ、そうですよね。あ、あはは・・・ど、どんな名前がいいかなぁ」
まるで初めて見合いの相手と会うように端本は緊張しているようだった。
「ここですよ」
職員に連れてこられたのは手術室に繋がる控え室のようだった。
「ここは?」
「ここは、まあ、引渡しの間とでもいいますか。ドールをマスターにお渡しするところです」
「そ、そうですか・・・いやぁ・・・ドキドキしますよぉ」
頬を紅潮させ、端本は落ち着くように胸に手を当てている。
それを見て職員は苦笑しながら扉を開く。
そこはごく普通の殺風景な待合室といった感じだったが、中央に立っている人影を見た瞬間に端本の心臓は跳ね上がってしまった。
そこには長い黒髪を後ろで束ね、小柄な瓜実顔に微笑みを浮かべて立っている沙由里、いやHD-0163がいたからだ。
真っ白な肌はつやつやとして輝き、黒いレオタードを着ていてもしっかりとわかる躰のラインは滑らかで美しかった。
「こ・・・これが・・・沙由里ちゃん・・・」
思わず端本が息を呑む。
「どうですかな? 見事なものでしょう。実際傑作ですよ、この娘は」
教授がニヤニヤしながらHD-0163の肩に手を置いた。
「さあ、こちらへ来てください。マスター登録をしませんとな」
「は、はい・・・」
ギクシャクと緊張した動きで端本はHD-0163の前に立つ。
HD-0163はまったく表情を変えずに端本を見つめていた。
「さあ、ご挨拶をするんだ」
「はい。メモリー確認。端本雄司様と認識いたしました。私はヒューマンドール社のヒューマンドール、HD-0163です。よろしくお願いいたします」
彼女はにこやかに頭を下げる
「あ、そ、そうか・・・HD-0163だっけ。ボ、ボクは端本雄司だよぉ。よ、よろしくぅ」
おどおどとHD-0163の前に立ち尽くしている端本。
「HD-0163、マスター登録をするんだ。これから彼がお前の所有者となるのだから」
「かしこまりました。端本様、両手を私の目の前で開いてくださいませんでしょうか」
「えっ! こ、こうかい?」
両手を彼女の前で開く端本。
HD-0163はしばらくその手のひらを見つめていたが、やがてうなずいた。
「指紋、声紋、体型、データの登録を完了いたしました。これよりHD-0163は端本雄司様の所有物となりました」
端本は飛び上がりたいほどだった。ついに念願がかなったのである。
「う、嬉しいよぉ・・・さ、沙由里ちゃぁん」
端本はそう言ったが、HD-0163は少し困った表情を見せた。
「申し訳ありません。私はまだネーム登録されておりません。沙由里というのは私のネーム登録なのでしょうか? 素体時点ではそのようなネームだったとメモリーされておりますが」
「う・・・そ、そうだなぁ・・・君はもうボクのものなんだからサユリと名づけよう。今日から君はHD-0163サユリだ。いいね」
「はい。ネーム登録いたしました。私はHD-0163サユリです」
「ふ、ふふふふ・・・ははははは・・・」
サユリの返事に端本は思わず笑いを発してしまった。
「それはけっこう。これでHD-0163はあなたの物です。では再度契約を確認しましょうか」
職員が契約書を端本に見せる。
「素体の臓器は全て弊社のほうで引き取り売買させていただいてけっこうですね?」
「はい、けっこうです」
端本がうなずく。
「もう一体のほうの納入はいつごろになりますか?」
「早ければ一週間ぐらいで・・・」
「そちらのほうの臓器は健康面で問題無いでしょうね?」
「え~とぉ・・・多分大丈夫だと思いますよぉ。しっかり調べましたから」
職員がにこやかにうなずいた。
「はい、そちらの面は我々でも調べさせていただきました。問題無いという結論がでております」
「な、何だぁ。調べてたんですかぁ」
「もちろんです。高価なものですので支払いはきちんとしていただきませんとね」
「あ、はい・・・」
確かにその通りだ。ヒューマンドールは高価なのだ。
これからサユリを維持していくのにも金がかかる。
サユリの動力源である水素はヒューマンドール社に頼るしかないのだ。
端本は気を引き締めた。
牧原沙由里が会社へ来なくなって数日が経っていた。
彼女の友人である池上由美香が言うには、仕事を休むようになる前日にお酒を飲んだらしいが、そのときは特に何も言っていなかったらしい。
心配した蔵石は電話を掛けてみたが、何度掛けても沙由里が出ることは無かった。
「沙由里・・・どうしてしまったんだ・・・」
蔵石は何度か沙由里のアパートに行ってみたが、玄関には鍵が掛かっていて誰もいないようだった。
「沙由里・・・」
警察にも捜索願は出していたが、身代金が請求されるわけでもないため、真剣に捜査をしてくれるわけではない。
以前ストーカーをしていた端本の家ももちろん警察が訪れたが、沙由里が居る気配は無かったという。
蔵石は途方に暮れる状態だった。
今日も気分が乗らない状態で蔵石は仕事を続ける。
外回りの仕事をしていても沙由里のことが案じられる。
「うん?」
ポケットの中で振動がする。
「ああ、メールか」
蔵石は携帯を取り出し、メールを確認した。
そこには驚いたことに沙由里からのメールが受信されていたのだ。
「さ、沙由里」
すぐさまメールを開いて内容を確認する。
『こんにちは蔵石さん。実はちょっとした用事で家を空けておりました。それですみませんが相談したいことがありますので今晩8時に私の家へ来ていただけないでしょうか? 詳しいお話はその時にいたします』
沙由里からのメールにはそう記されていた。
「8時か、わかった」
蔵石はそう一人うなずくとホッとした表情を浮かべて仕事に戻っていった。
夜8時。
蔵石は沙由里のアパートにやってきていた。
沙由里の部屋に明かりがついているのを確かめると、蔵石は階段を上がって沙由里の部屋のベルを鳴らす。
「はい、どなたですか?」
扉の中からは久し振りの沙由里の声がする。
「蔵石です。開けてください沙由里さん」
「はい、お待ち下さい」
その声で鍵の開く音がする。
すぐに扉が開き沙由里が顔を出した。
だが、そこにいたのは蔵石の知っている沙由里ではなかった。
沙由里は髪を後ろで纏め、黒いレオタード姿で立っていた。
しかも部屋の中だというのに黒革のブーツを履き、長手袋まで嵌めているのである。
「さ、沙由里さん?」
「メモリー照合。蔵石和夫と確認。捕獲いたします」
蔵石は突然すさまじい力で家の中へ引きずり込まれた。
「うわぁっ!」
何もできないうちに蔵石は沙由里によってねじ伏せられてしまう。
「ふふふ・・・サユリ、そいつを縛り上げるんだ。身動きできないようにな」
部屋の奥から声が聞こえる。
「はい。雄司様」
沙由里はものすごい力だった。
蔵石は抵抗したくても動くことができない。
やがて蔵石は椅子に縛り付けられてしまった。
「雄司様。ご指示通りにいたしました」
汗一つかかずに居る沙由里を蔵石は何がなんだかわからずに見上げる。
その白い肌がつやつやと多少不自然な輝きをしていることに彼は気が付いた。
「沙由里さん、いったいどうしたんだ。これはいったい何の真似だ」
だが、沙由里はまったく表情も変えずに蔵石を見つめていた。
「沙由里さん!」
「ふふふふ・・・無駄だよぉ。彼女はもうボクの物なんだ。お前なんかに返事したりはしないんだよぉ」
「な、」
蔵石が目をやると、そこにはあのストーカー男の端本が立っていた。
「は、端本! 貴様、彼女に何をした?」
「彼女はもうボクのヒューマンドールなんだもんねぇ。ボクだけの物なのさ。そうだろ? サユリ」
いやらしげな笑いを浮かべている端本に沙由里はうなずいていた。
「はい。私は雄司様のものです」
「さ、沙由里さん・・・」
「ほら、こいつに自分の事をちゃんと教えてやらなけりゃだめじゃないかぁ」
端本は少し怒ったようにサユリに命じた。
「はい、申し訳ありません雄司様。蔵石和夫に申し上げます。私は端本雄司様に所有されるヒューマンドール社のヒューマンドール、HD-0163サユリです。ご了解いただけましたでしょうか?」
無表情でそう言う沙由里に蔵石は愕然とした。
「人形? 人形だというのか? これが」
「そうだよぉ。沙由里ちゃんをボクのものにするためにお人形になってもらったんだよぉ」
「な、なんてことを・・・」
両手を後ろ手に縛られた蔵石は歯噛みするしかできない。
「さて、ヒューマンドール社の人が引き取りに来る前に、ぼくはサユリで楽しませてもらうとしよう」
「き、きさまぁ・・・何をするつもりだ!」
「おいで、サユリ」
「はい、雄司様」
サユリは蔵石には目もくれずに端本に従い奥の部屋へ行く。
そしてわざわざドアを開け放したまま端本はベッドの上に寝転んだ。
「さ、沙由里さん!」
蔵石は悔しさに唇を噛んでいた。
「さあ、サユリ。ボクにご奉仕してくれるかい? いつものように舐め舐めしてくれよぉ」
「かしこまりました雄司様。オプションプログラムDを作動いたします。フェラチオモード作動」
サユリはそう言うとベッドの上で寝そべっている端本の股間に顔を近づけていく。
「雄司様のペニス・・・初期状態を確認。開始いたします」
サユリは優しく端本のペニスを手に取り、そっと舌を這わせ始めた。
「おおう・・・いい」
端本が思わず声を上げる。
「勃起開始を確認。続行」
ぺろぺろと音を立て、唾液をまぶしながら裏筋から先端へ、そしてまた根元のほうへとサユリは舌を動かしていく。
「おう、おう・・・むふぅ・・・」
ぴちゃ・・・ぺちゃ・・・ぺろ・・・ねちゃ・・・
サユリの舌の動きは芸術的とも言え、蔵石は見ているだけでたぎってくるのを感じていた。
やがてサユリは先端から包み込むように咥え始め、のどの奥まで咥えこんでいく。
あまりの快感に端本は早くも腰を浮かし始め、サユリに合わせるようにのぼりつめていく。
「くうっ、で、でるよっ! でるぅっ!」
そう言うと端本はサユリの口の中に白濁液を放出した。
「ん・・・んぐ・・・ごくん」
サユリは表情を変えずにそれを飲み干すとにこやかに微笑んだ。
「雄司様の精液の放出を確認。味、量ともに誤差の範囲内。おいしいです、雄司様」
「ああ・・・ボクも気持ちよかったよぉ。サユリはフェラチオが上手だね」
「ありがとうございます雄司様。雄司様のご指導のおかげです」
「やめろ・・・やめてくれ・・・」
蔵石はがっくりとうなだれていた。
目の前で結婚を約束した女性がストーカー野郎の精液を飲むなんて耐えられるものではない。
「ふふふ・・・わかったかい蔵石さん。もうサユリはボクのものなんだって」
「貴様・・・許さんぞ・・・」
「ふふふ・・・それはどうかなぁ・・・サユリ、今何時だい?」
「はい。20時34分15秒です。雄司様」
サユリは時計を見ることもなく答えた。
「そろそろ来ているはずだなぁ・・・サユリ、連絡を取ってくれ」
「かしこまりました、雄司様」
サユリは電話に手を伸ばすとダイヤルする。
やがてサユリは電話口の向こうになにやら告げると戻ってくる。
「すぐに伺うとのことです、雄司様」
「そうか。これで支払いの大半が終わるなぁ。」
端本が笑みを浮かべた。
「支払いだと?」
「ああ、そういえば自棄酒なんか飲んでいないよね? 肝臓を壊されたら大変だからね」
「まさか・・・貴様・・・」
そこへ玄関の呼び鈴が鳴る。
すぐにサユリが応対し、部屋の中に宅配便の業者のような格好をした男が二人入ってきた。
「ちわーっす。こちらですね?」
「はい、引取りをお願いいたします」
サユリが蔵石のところへ案内する。
「や、やめろー! だ、誰か~!」
「騒がないで下さいね」
男の一人がスプレーのようなものを吹きかけると、途端に蔵石は意識を失ってしまう。
「それじゃ、引き取りますね。あと、これは水素のボトルです。置いていきますので」
男はボトルを二本置くとぐったりした蔵石を拘束から解き放ち、担いで部屋を出て行った。
「ふふふ・・・これでいいよね。あとはあいつの持ち物を処分して・・・」
端本はサユリをそっと抱き寄せる。
「さあ、ここにはもう用は無いよ。ボクの家へ帰ろうね」
「はい、雄司様」
端本に抱かれるままに躰をサユリは預けていた。
その表情には幸せそうな笑みが浮かんでいた。
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- 2006/06/10(土) 20:18:41|
- 怪人化・機械化系SS
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いつもいつも当ブログにお越し下さりありがとうございます。
今日はご報告を少し。
当ブログにコメントをいつも下さっている常連さんの静寂様が、ブログを開設されました。
「静寂のだらだらした日々」
こちらがURLです。
http://secondman.blog68.fc2.com/
日常のことなどを思いつくままに書いていくブログだそうですので、よろしければ覗いてみて下さいませ。
当方よりリンクさせていただきました。
静寂様、ありがとうございます。
もう一つリンク先が増えました。
2chの「女の子が魔界へ拉致・迷い込む」スレで大変素敵なSSを展開されていたマビマビ様が、こちらも作品保管用にご自身のブログを開設されました。
「はい、こちらエロ小説です。」
URLはこちら。
http://mabimabiweb.blog69.fc2.com/
マビマビ様がお書きになるSSは魅力的な登場人物にあふれた読み応えのある作品です。
ぜひ一度足を運んでいただければと思います。
マビマビ様、相互リンクありがとうございました。
それともう一つ。
いつもいつも私が大変お世話になっているg-than様のブログ「kiss in the dark」に、当ブログに掲載している拙作「ホーリードール」の登場人物である、紗希と明日美の二人のドールバージョンの素敵なイラストが公開されております。
相変わらずのg-than様の素晴らしいペンタッチにより、二人のドールが本当に可愛く描いていただいており、まさに感無量です。
あらためましてg-than様に感謝を申し述べるとともに、本編のほうも負けないように頑張らなければと思っております。
g-than様、誠にありがとうございました。m(__)m
さらにもう一つ。
これは嬉しい報告でも何でもなく、皆様には何の関係も無いことなのですが、今日6/9をもって私はまた一歳歳を取りました。(>_<)
また一つ中年から老人への道を歩んだわけですが、これからも楽しいSSを投下して行くつもりですので、よかったらまた覗きに来て下さいませ。
それではまた。
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- 2006/06/09(金) 21:35:02|
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「松島」「橋立」「厳島」
この三つはもちろんご存知の方も多い日本三景ですね。
宮城県の松島。
京都府の天橋立。
広島県の安芸の宮島(厳島)。
いずれ劣らぬ素晴らしい景色の場所であり、日本人にとって馴染み深く、また世界に誇れる景観だと思います。
残念ながら舞方は北の大地よりでたことがほとんど無く、日本三景も一ヶ所たりとも現実に見たことはありません。
それどころか、舞方としてはこの三つの名前は日清戦争時の日本海軍の軍艦としての意味のほうが大きいんですね。(笑)
大日本帝国は明治中期、当時大国と思われていたアジアの一等国清(現中国)と朝鮮半島に対する利権を巡り対立していました。
いったん戦争になれば、基本的には半島及び大陸で戦う帝国陸軍がその重責を担うことになるのですが、その陸軍の兵士を半島及び大陸に送るには海を渡らなくてはなりません。
そのために安全に輸送を行なえるように制海権を確保するよう義務付けられたのが帝国海軍です。
当時清はドイツから東洋一の堅艦と呼ばれた「定遠(ていえん)」「鎮遠(ちんえん)」と言う二大装甲艦を買い入れ、強力な北洋水師(北洋艦隊)を擁して海上の覇権を握っていたも同然でした。
明治維新以後の発展途上であった大日本帝国はまだまだ経済力も弱く、定遠・鎮遠の二隻に対抗できるような強力な装甲艦を買い入れることはできませんでした。
そこで、当時日本に招聘されていたフランス海軍のエミール・ベルタン造船大佐が、小型で安い防護巡洋艦に一門だけ巨大主砲を積み、それを四隻ワンセットにして一隻の定遠級にぶつけるという構想を持ち出しました。
つまり、四隻の防護巡洋艦をあたかも一隻の軍艦のごとく運用して、その四門の主砲で定遠級を圧倒しようとしたのです。
帝国海軍はこの構想に基づき、新型の巨大主砲防護巡洋艦を三隻建造します。
財政的な問題か、結局四隻は造れなかったんですね。
で、できあがった三隻に名付けられたのが、この「松島」「橋立」「厳島」であり、その名称からこの三隻を俗に三景艦と呼んでいるのです。
主砲は32センチ砲が各一門。
それを橋立と厳島は前部に、松島は後部に搭載し、あたかも前部に二門後部に一門の砲を持つ大型艦として見立てたわけなんですね。
実際には日清戦争が始まると、小さな艦に巨大な砲というバランスの悪さが災いし、またフランス製の砲の故障なども重なって、32センチ砲はほとんど意味を成しませんでした。
黄海海戦においても三隻の主砲は定遠及び鎮遠に一発も命中しておらず、すぐに故障で使用不能になってしまったようでした。
しかし、副砲としてフランスの反対を押し切って搭載したイギリス製の12センチ砲が俄然活躍。
この12センチ速射砲のおかげで定遠及び鎮遠は装甲こそ撃ち抜かれなかったものの、構造物をめちゃくちゃに破壊されて浮かぶ残骸と言っていいほどにされてしまいます。
結局戦闘力を失った定遠、鎮遠を初めとする北洋水師は戦場を離脱。
海戦は日本側の勝利に終わります。
日本人の誇る三大名所は三景艦として清国の艦隊を撃破。
日清戦争勝利の原動力となったのですね。
こういう軍艦もあるのだと思っていただければ幸いです。
それではまた。
[三景艦]の続きを読む
- 2006/06/08(木) 22:40:32|
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ホーリードールの12回目です。
戦闘シーンは難しい。
上手く戦っているように感じていただければ幸いです。
12、
「グルルル・・・」
脇腹に負った傷は浅くはない。
だが相手も一方は手負い。
私の牙でとどめを刺してやる。
私はビースト。
闇の力を得たビースト。
光なんかに負けはしない。
「グルルル・・・」
再びうなり声を上げ、ビーストは飛び掛った。
ビーストが飛び掛ってくる。
その鋭い牙は彼女たちをたやすく切り刻む。
だが、相手は一体に過ぎない。
闇の少女は手を出してこない。
なぜかはわからないが好都合。
であれば、一体が牙に捕らえられているときはもう一体は自由に動けることになる。
動きが鈍いのはどちら?
ホーリードールサキはレイピアを構えてジャンプする。
敵の狙いはホーリードールアスミ。
であれば、ホーリードールアスミが牙に捕らえられたときこそがチャンス。
飛び上がったホーリードールサキは空中で一回転すると、何のためらいもなくレイピアをホーリードールアスミに向かって突き出した。
飛び掛ってくるビースト。
無表情にそれを眺めているホーリードールアスミ。
彼女の脇ではホーリードールサキがジャンプして戦闘体勢に入って行く。
彼女の狙いはただ一つ。
ビーストを浄化すること。
そのためにはビーストの動きを止めなくてはならない。
動きを止める。
簡単なこと。
動かなければそれでいい。
彼女はただまっすぐに立ち尽くして、次の瞬間を待った。
目の前で光の少女が立ち尽くす。
それは先ほどの狩りの時と同じ光景。
抵抗のすべを持たない人間どもは、あまりの恐怖に立ち尽くす。
子供を抱えた母親も、タバコを吸っていた男性も、バッグを持って帰路を急ぐOLも、みんな私の前では立ち尽くす。
目を見開いて恐怖におびえ、叫び声を上げることすらできないままにのど笛を噛み切られる。
それは一瞬の出来事。
口の中に広がる温かい甘さ。
金属の味が食欲をそそる。
血しぶきが飛び散り、ひゅうと空気の漏れる音がして肺の中の空気が出て行く。
あとは倒れるのみ。
心臓が数回鼓動を行なうが、それで終わる。
美味い心臓にありつける。
そんな先ほどの光景が脳裏をよぎる。
たったそれだけ。
たったそれだけが致命的だった。
ビーストの目は赤いコスチュームから覗く白い首筋だけに注がれる。
うっすらと浮き出る血管すら見えるようだ。
白磁のような白い肌。
そこ目掛けて飛び掛る。
ザシュッ!!
黒い液体が周囲に飛び散る。
重たい衝撃がのどを貫く。
さっきまで目の前にあった白い首筋は今も目の前。
躰が止まっている。
獲物を押さえつけようとした前足は光の少女の肩に食い込んでいる。
だが食いつけない。
躰が前に行かない。
イタイ・・・
イタイイタイ・・・
イタイイタイイタイ・・・
のどが焼け付く。
何が起こったの?
私に一体何が起こったの?
「ビースト!」
それは一瞬の出来事。
わずかの間に形勢は変わる。
ビーストが食いつくはずだった光の手駒は立ち尽くし、ビーストは上空からのどを地面に串刺しにされていた。
地面に叩きつけられるビースト。
その背中に乗り、のどを貫くレイピアをさらに押し込む青の少女。
「ビースト!」
レディベータはただ叫ぶ。
自分の作り出したビーストが今まさに敗れた瞬間。
もはやあのビーストの命は長くない。
死ぬ。
消滅する。
跡形もなくなってしまうのだ。
「ビースト!」
また叫ぶ。
叫べばあのビーストが立ち上がるかのように。
事実それは立ち上がる。
四つん這いで背中の少女を振り落とすように。
実際は少女の方が降りたに過ぎない。
青いレイピアを抜き去り、次の獲物を狙っている。
なんだろう・・・
レディベータの頬に何かが流れる。
なんだろう・・・
手駒同士の戦いでこちらが手駒を失ったに過ぎないのに・・・
「グルルル・・・」
よたよたとよろめくようにビーストは彼女の方に向かってくる。
その目はじっと彼女を見つめている。
「ビースト!」
ぽたぽたと足元が濡れる。
目が霞んでよく見えない。
どうしてだろう・・・
どうしてこんなに胸が苦しいんだろう・・・
「コロナ!」
ホーリードールアスミのかざした手から白いオーラが舞う。
「ぐぎゃぁぁぁぁぁぁ」
黒い大型犬のようなビーストの足元から炎が吹き上がり、彼女の全身を焼き尽くす。
火柱が消え去った時、そこには炭化した女性の死体が転がっているだけだった。
「浄化完了」
「残るは彼女」
二人は無表情でうなずく。
ホーリードールサキはレイピアを再び構え、ホーリードールアスミは転がっていた杖を手にする。
「つっ・・・」
思わず肩を押さえるホーリードールアスミ。
肩の傷は深かった。
目の前で風に吹き散らされていくビーストだったものの灰。
そこにはもう何もない。
彼女が作り出したビーストは消えてしまった。
光の手駒に消されてしまった。
赦せない・・・
赦せないよ・・・
この二人・・・殺す!
殺してやる!
レディベータが両手を高く上げる。
その頭上に闇が渦を巻き始め、その中から巨大な長柄の鎌が現れる。
しっかりと両手でその鎌を受け取るレディベータ。
「行くよ、“ブラディサイズ”」
レディベータは大鎌を構えた。
「死ねぇぇぇぇぇ!」
大鎌を振りかぶり突進するレディベータ。
「かわす」
「ええ」
飛び上がって初撃をかわす二人のホーリードールたち。
レディベータの大鎌はうなりを上げて空を切る。
まるで空間すら切り取られたかのように、触れてもいない街灯がすっぱりと断ち切られる。
「!」
あまりの威力に目を見張る二人。
轟音を立てて倒れる街灯が土煙を上げた。
「うふふ・・・どう? 私のブラディサイズ。いい切れ味でしょ」
こともなげに大鎌を構え直すレディベータ。
黒いレオタードを纏った少女には似つかわしくない大きさだ。
「うりゃぁぁぁぁぁぁ!」
素早く駆け出し、二撃目を繰り出すレディベータ。
「ハアッ!」
ホーリードールサキの青いレイピアが斬撃を受け流そうと鎌の刃に挑むが、もとより受けきれるものではない。
乾いた金属音を発して宙に舞う青いレイピア。
「ドールサキ!」
すぐさま援護すべくホーリードールアスミより呪文が放たれる。
白いオーラが先ほどと同じようにレディベータに纏わりつく。
「やあっ!」
しかし、レディベータが大鎌を一旋すると白いオーラはかき消され、呪文は効力を失った。
「そんな、まさか・・・」
「甘いわよ! 私はデスルリカ様より漆黒の闇を賜った女。あなた方とは出来が違う!」
駆け込みながら大鎌を振り回すレディベータ。
その鋭い切り込みにホーリードールアスミも思わず後ろへジャンプする。
「ドールアスミ!」
「大丈夫ですわ。それにしても手強い・・・」
お腹を押さえて膝をつくホーリードールアスミ。
大鎌によって切り裂かれた空間がまたしても傷口を作っていた。
「でも浄化しなければならない。闇は駆逐する。ゼーラ様のために」
ホーリードールアスミがすっと立ち上がる。
「うん。闇は駆逐する。ゼーラ様のために」
ホーリードールサキは弾かれたレイピアを拾い、素早く天にかざす。
「大いなる光よ。我に力を・・・」
パチパチと音がして、周囲の街灯の電球がはじけ飛ぶ。
その放電が電気の球となり、ホーリードールサキのレイピアの上で巨大な塊となる。
「雷爆!」
そのままレイピアをレディベータに向かって振り下ろすホーリードールサキ。
巨大な電気の塊はそのままうなりを上げてレディベータに襲い掛かった。
「闇の抱擁!」
だが、レディベータの左手が彼女の前で円を描くと、漆黒の闇が広がって球電を飲み込んでいく。
「そんな?」
闇に吸い込まれた電気の塊はなんら意味を持たずに消え去ってしまう。
「それではこれを!」
ホーリードールアスミの杖が空間に円を書き、魔法陣が作り出される。
「フリーズクラッシュ!」
魔法陣の中央から強烈な冷気が噴出し、レディベータを襲う。
近くにあるものを凍らせて進む冷気の固まり。
一瞬にして進路上の地面もベンチも樹木も凍りつき、レディベータそのものすら凍りつかせる。
「やった」
次の瞬間には凍ったもの全てが粉砕されるはず。
いかに闇の少女といえどもこれにはかなわないだろう。
「やあっ!」
だが、そんな思いはこの一言で消し飛んでしまう。
ベンチも樹木も細かく粉砕されたのに、レディベータの足元にはただ細かい氷のかけらだけ。
大鎌を構えた少女はまったくの無傷だった。
「今度はこっちが行くわ! ブラディサイズ!」
大鎌を振り上げてホーリードールサキに向かうレディベータ。
雷爆もフリーズクラッシュも効かない相手では不利はまぬがれない。
レイピアを構えてあとずさるが、それよりも速く大鎌の切っ先がホーリードールサキのコスチュームを真横に薙いだ。
「うああっ!」
赤い血が飛び散り、ホーリードールサキががくりと膝をつく。
「ドールサキ!」
思わず駆け寄ろうとするホーリードールアスミ。
だが、返す刀で横薙ぎにされる大鎌の一撃がホーリードールアスミをも切り裂いていく。
「キャアッ!」
躰をかばった右腕にすっぱりと裂け目ができ、血がしぶく。
「あははははは・・・死ね死ねぇっ!」
とどめとばかりに大鎌を振り上げるレディベータ。
『限界のようね。お下がりなさい』
二人の頭の中に声が響く。
「ゼ、ゼーラ様?」
「ゼーラ様?」
二人は思わず口にする。
『今のあなたたちでは勝てない相手。ここは下がるのです』
「ハイ、ゼーラ様・・・」
「仰せのままに・・・」
二人の体が光に包まれる。
「う・・・何・・・」
まばゆい光に一瞬幻惑されるレディベータ。
光は巨大な球となり、やがてハレーションを起こして周囲を白く染めて行く。
「く・・・」
やむを得ずに目を閉じ、光が収まるのを待つレディベータ。
やがて光が収束し、あたりは再び夜のしじまに覆われる。
だが、二人の光の少女の姿はどこにもいなかった・・・
[ビーストの浄化]の続きを読む
- 2006/06/07(水) 21:55:20|
- ホーリードール
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アクセス情報はほぼ復旧したようです。
でも、この約三日間はカウントされません。
手前味噌で恐縮ですが、ほぼ3000のアクセス数が失われたことになります。
残念です。
今日はローネフェルトストーリーです。
よろしければお読みいただければと思います。
「さすがに四機とは・・・」
私は15をスライドさせ、囲まれないように軌道を変える。
私の軌道をマシンガンの弾がよぎる。
「やるわね」
一瞬遅かったら直撃されていたかもしれない。
僚機がいないのがつらいわね。
脱出しようにも推進剤がないし・・・
このまま燃料切れまで暴れるしかない。
私は目の前に近づいてきたジムにビームーサーベルを突き出す。
敵のシールドが裂け、左腕に損傷を与えるも致命傷にはならない。
慌てて距離を取りに後退するジム。
敵はこちらを囲んで格闘戦には持ち込ませない気のようね。
「その鎧には射撃武器がないんだ! 距離を保てば大丈夫!」
何か変だと思っていたがようやくわかった。
奴は射撃が出来ないんだ。
機動力もあり、ビームサーベルまで持ち出してくるような奴だが、射撃用の武器が無いみたいだ。
だとしたら対処は接近しないこと。
できるだけ軌道を読んでの射撃戦。
それしかない。
『そうみたいね。わかったわ、中尉』
落ち着いたソフィアの声。
なんか嬉しい。
いい女が自ら抱いてと言ってくるんだ。
男としては冥利に尽きる。
後はただ生き残るのみ。
距離をとるか・・・
当然だわね。
私だってそうするもの。
でもね。
漫然と距離をとっていると・・・
私はフットペダルを踏み込んで黄色のジムに15を向ける。
さっきの射撃はあの機体。
色違いということは隊長機かエースパイロット。
まずはそれを落とす!
私はビームサーベルを繰り出した。
「!」
足元をかすめるように滑り落ちる黄色のジム。
私のサーベルはかすりもしない。
「速い?」
ただのジムではないわけか・・・
なら、これはどう?
バーニアを吹かして一気に下降する。
このYMS-15は運動性では負けはしない。
推進剤が心細いが仕方が無い。
真横に流れて一気に切り裂く。
私の握るレバーに手ごたえが・・・
ビーー!
警告音?
ガクン!
衝撃?
一体何が?
スクリーンに映し出される各部の表示。
脚が!
左足が吹き飛んだ?
何が起こったの?
「やった!」
ついに捕らえた!
誰の弾かはわからないが、小隊の三機のボールの弾が直撃したのだ。
ソフィアのライトアーマーを直線的に追ってくれたおかげで軌道を読めたのがよかった。
あとは射弾を集中するのみ!
「続けて撃てぇっ!」
俺は怒鳴りながらもトリガーを引く。
AMBACのバランスを崩した鎧は機動しづらい。
何とか撃ち落せないか?
俺はそんな甘い考えを持ってしまっていた。
「右脚部バーニア推力カット。AMBAC自動補正。背部ノズル逆噴射。いったん離脱」
私は15を黄色のジムから離れさせる。
重心バランスが狂った状態ではサーベルを突き出しても当たらない。
補正をかけてバランスを取り戻さなくては。
「?」
うそ・・・
黄色のジムがこんなに早く?
スクリーンに映し出される黄色のジム。
マシンガンの銃口がこちらを狙って・・・
避け切れない?
私は身を硬くした。
急速に回避する黄色のジム。
「えっ?」
その位置を一発のロケット弾が過ぎ、同時にオレンジ色のビームが切り裂いていく。
『お姉様ぁっ!』
ヘルメットに響いてくる聞きなれた声。
アヤメ・・・
間に合ったんだ・・・
『無事か? 山猫!』
熱源がスクリーンに表示される。
艦隊のモビルスーツ隊だわ。
来てくれたんだ。
私はホッとした。
『ニューヨークシティより各機へ! ニューヨークシティより各機へ! 敵モビルスーツ接近! その数四機!』
「もう来ているってよ!」
俺は小隊の後退を命じる。
敵モビルスーツが五機もいるんじゃ話にならない。
「二人とも下がれ! ガンビア・ベイに後退するんだ!」
『り、了解』
『了解です』
俺はしんがりにつき、二人を急がせる。
ガンビア・ベイで弾幕を張れば少しは牽制になるだろう。
それしかやりようは無い。
モビルスーツに立ち向かうなんてのはこいつじゃ無理な・・・
『よくもお姉様を!』
アヤメの機が突っ込んでくる。
左脇にプロペラントのタンクを抱え、右手に構えたバズーカが火を噴いた。
黄色のジムはこちらの戦力が増えたことで態勢を立て直すつもりだろう。
いったん離れて行く。
バズーカの弾はかわされたが、アヤメの機が私のすぐ脇に来てベクトルを合わせる。
『お姉様、お待たせしました。推進剤です』
戦場でタンクを取り付けるなんてムチャな作業だわ。
「ミナヅキ少尉、タンクはあとで取り付けます。タンクを浮かべてあなたは敵へ!」
タンクを取り付けるには15の背後で09Rが作業をしなくてはならない。
そんなことをしていたら艦砲のいい的だわ。
『でもお姉様・・・推進剤切れの機では・・・それに敵艦隊にはウェルマン少佐の隊が向かっていますから』
「これは命令よ。敵に付け入る隙を与えないようにしないと」
『ですがすぐに終わります。取り付けるだけですから』
そう言ってアヤメの09Rは私の15の背後に回りこむ。
「アヤメ!」
『すぐに終わります!』
機体が接触するかすかな振動が伝わってきた。
「突っ込んでくる?」
まっすぐに向かってくるジオンの新型。
ザクでもスカート付きでもない。
グレーとグリーンの塗装の機体。
どうしてこうもいきなり新型ばかり出て来るんだ?
「抜かせるな!」
敵はジム隊をまったく相手にせずに向かってくる。
母艦を叩くのはセオリーだし、こちらは敵の鎧野郎にかまけすぎた。
残弾は残り二発。
これが最後の一斉射と言っていい。
ここを抜かれれば艦隊は直援のボール隊のみ。
はっきり言ってどうしようもない。
『ボール隊。バーナード中尉』
呼び出し?
「バーナードです」
『ニューヨークシティ艦長エイパー・シナプスである。これより貴隊の上角二度に主砲を撃ち込む。敵が回避したところに撃ち込みたまえ!』
なるほど!
「わかりました!」
俺はすぐに反応する。
「いいか、巡洋艦の艦砲射撃終了と同時に一撃を食らわすぞ」
『了解です』
『わかりました』
主砲を振りたてるボール隊。
『3・2・1・撃てぇ!』
シナプス艦長の号令がこちらにも聞こえる。
ニューヨークシティが通信をまわしてくれているのだ。
一隻はずれて果敢にモビルスーツの援護に入ってくれる頼もしい艦だ。
サラミス級の砲撃力を一番に発揮し、しかも敵に対する表面積を減らすために艦首を向けて航行している。
逃げ腰のガンビア・ベイとイシカリとはえらく違う。
これも艦長の違いなのだろうか。
ニューヨークシティのメガ粒子主砲が放たれ、我が隊の上をかすめて行く。
敵は新型が一機とスカート付きが二機。
それらがいっせいに回避に移る。
この瞬間だ。
一番軌道を読みやすい瞬間。
「撃てぇっ!」
俺は思いっきり叫んでいた。
「爆発?」
今の光は?
戦場は徐々に遠ざかっている。
敵艦は高速で避退中だし、こちらはベクトルを維持したまま漂流と言っていい。
推進剤の残量はみるみる増えている。
背面に取り付けられたプロペラントタンクからの流入が続いているのだ。
だが、満タンになったとして、再度の攻撃は難しいかも。
『モビルスーツの爆発みたいです』
どっちかの機が沈んだということか・・・
『お姉様。あれを・・・』
アヤメの09Rが空を指差す。
青の発光信号?
艦隊のいる方向に光る青い光点。
撤収命令?
何があったのか?
「アヤメ、引き上げるわよ」
『ハイ、お姉様』
私は15を帰路に乗せた。
[サラミス級巡洋艦ニューヨークシティ]の続きを読む
- 2006/06/06(火) 22:21:15|
- ガンダムSS
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えーと、まずは訂正です。
6/3のシャールB1の記事の中で、砲塔に37ミリ砲を搭載と書きましたが、シャールB1の砲塔に搭載されているのは47ミリ砲です。
つまり当時のドイツ軍の三号や35(t)、38(t)よりも一回り大きい砲を積んでいるんですね。
間違えてしまってすみません。
訂正してお詫びいたします。
カウンターはまだ回復しません。
どうなっているんだろう?
アクセス数って結構励みになるんですよねー。
早く復帰して欲しいものです。
さて、皆さんは会社の人たちや友人たちと飲み会を行なうことがよくあると思います。
そんなときに、用事や都合で遅れてきたりする人がいると思いますけど、そういう時に良く表題の「駆けつけ三杯」ってやりませんか?
遅れてきた人にグラスを渡し、「とりあえず駆けつけ三杯だ、飲め」と言ってビールを注いで飲ませる。
そんな光景は良く見ると思います。
この「駆けつけ三杯」ってどうして三杯なんでしょう?
駆けつけ一杯じゃいけないのか?
別に深く疑問に思っていたわけではないですけど、何も考えずにそういうものなんだなって思い込んで使っていませんでしたか?
お恥ずかしい話ですが、私は今日始めてこの語源を知りました。
ご存知の方にはいまさらな話ですが、ちょっと紹介しますね。
室町時代に武家社会では食事のしきたりも定式化し儀式料理として形作られました。
そういった儀式料理を式正料理(しきしょうりょうり)と呼ぶのだそうです。
その式正料理には順序があるということで、その順番が「式三献」「本膳料理」「酒宴」と言う流れになるそうです。
この最初に行なわれる「式三献」というのは、本番の料理をいただく前に主君と家臣が三回杯を酌み交わすことなんですね。
一回交わすのを一献。
三回交わすから三献なんですが、その酌み交わす前にそれぞれで酒の肴が出されます。
その酒の肴の順番が、献立と呼ばれ今に伝わるわけですが、酒の肴を楽しみ酒を酌み交わす主君と家臣というのもいいものですね。
で、この席に何らかの理由で遅れてきたときに、罰として酒の肴を無しで三杯飲ませたことから、「駆けつけ三杯」と言う言葉が出来たそうです。
古くから伝わる言葉だったんですね。
まったく知りませんでした。
出典「にほん料理名おもしろ事典」 PHP文庫
この本結構面白いですよ。
それではまた。
今、MSNのスタッフページを見たら以下のような記事がありました。
アクセス情報の障害につきまして
いつもMSNスペースをご利用いただき、まことにありがとうございます。
現在、MSNスペースのアクセス情報が集計されない障害が発生しており、原因の調査・復旧作業に当たっております。お客様には大変ご迷惑をおかけする事態となってしまい、心よりお詫び申し上げます。
まことに恐れ入りますが、復旧まで今しばらくお待ちくださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
(MSNスペース担当:JPスタッフ)
うーん・・・困ったもんだ。
[駆けつけ三杯]の続きを読む
- 2006/06/05(月) 22:21:24|
- 本&マンガなど
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アクセス情報が更新されないのは、どうやらMSN側に問題があるみたいですねー。
原因を調査中ですので、しばらくお待ち下さいとのことでした。
先週末の時点で291011でしたので、三十万ヒット直前での更新不能はちょっと残念ですー。
まあ、どうしようもないことなんですけどねー。
さて、ローネフェルトの続きですー。
お読みいただければ幸いです。
「くあっ、またしても新型か? ジオンの奴め」
俺は思わず毒づいた。
まるでどこかの屋敷にでも置かれていそうな中世の鎧。
それをモチーフにしたであろう新型のモビルスーツ。
薄い紫色のその機体は先日出会った新型機と同じぐらいに動きがよい。
『抜かれた? 中尉! そっちに敵の新型が!』
ソフィアの叫び声が入る。
スカート付きに翻弄されていたんだ。
抜かれるのも当然だろう。
「わかってます」
まっすぐに向かってくるジオンの新型。
それでいながら微妙に速度差をつけてくるあたりがベテランを感じさせる。
「エイボン曹長、チュイコワ曹長。ベクトルと軸線を俺の機に合わせろ。撃てと言ったら一斉射撃だ」
『了解です』
『了解』
こいつでどこまでやれるか・・・
きついな。
正面のモニターに映る紫色の鎧。
タイミングが・・・
「撃てぇっ!」
振動がコクピットに伝わってくる。
ボール三機の集中射が鎧に向かった。
来た!
私は思い切ってシールドを投げ捨てる。
ロケットを撃ちつくしたシールドは武器としては使えないし、シールドとしては心もとない。
意味の無い重量を抱えているほど余裕は無い。
だが、この瞬間にその重量は意味を成す。
シールドを放り投げた15はその反作用でわずかに軌道が変わるのだ。
私の脇を砲弾が過ぎて行く。
正確な射撃・・・
あのモビルポッドは侮れない。
小隊単位での集中射はこちらの装甲をいともたやすく抜いてくる。
だけど・・・
射撃偏差を取り直している暇は無い。
ここを抜けば敵艦へは一直線。
母艦を失えばモビルポッドは溺れるだけ。
かわいそうだけどこれは戦争なのよ。
私はバーニアを吹かして、敵のモビルポッドをかわして行った。
「クッ、だめか」
一瞬のチャンスにかけてみたものの敵はあっさりとかわして行く。
あとは弾幕を張ってまぐれ当たりに期待するしかない。
敵の狙いは明らかだ。
母艦を沈めて帰る場所をなくすつもり。
航続距離の知れているボールやジムなど、母艦が無ければ漂流するだけ。
見つかった時にはパイロットは死んでいる。
「二人とも反転しろ! 後ろから攻撃する!」
『『了解』』
俺は鎧がすり抜けたあとに後ろから攻撃することにする。
せめて至近弾でも当てられれば・・・
イシカリとニューヨークシティからも砲撃が始まる。
ガンビア・ベイも回避行動に入る。
そこへ向かって行く敵の鎧に俺は砲撃を開始した。
「ふふ・・・後ろをくれてやったからって、そう焦ってばら撒くことも無いんじゃない?」
後ろのモビルポッドが砲撃を開始する。
背後からの砲撃は確かに当てやすく感じるが、実際にはそうでもないのだ。
焦って読まれるような軌道を取りさえしなければ、敵のほうこそ好位置を得たと思って必要以上に焦ってくれる。
そこをちょっとAMBACで姿勢制御してやれば・・・
それにしても残念だわ。
マシンガンでもあればあのモビルポッドぐらいいつでも落としてやれるのに・・・
それに・・・
私はちょっとほっとしていた。
木馬じゃなかったのね・・・
目の前にいる敵艦は三隻。
補給艦と巡洋艦?
補給艦じゃないのか?
どっちにしても!
「くそっ、当たりゃしねぇ」
毒づいたところでどうしようもない。
当たらないという事実に変わりは無い。
『中尉殿! あれを!』
チュイコワ曹長が指し示す先にはガンビア・ベイがいる。
右舷ハッチを開けておおわらわでジムを出すつもりのようだ。
「遅いだろ!」
俺は舌打ちをする。
100年も前の太平洋で行なわれた海戦じゃあるまいし。
艦載機発進前に攻撃されるなんてお粗末過ぎる。
『ヨシュア・マクドゥエル。発進します! うわぁ!』
かすかに聞こえてくるパイロットの声。
ガンビア・ベイが急速回避行動に入ったために発進口で振り回され、壁にぶつかったのだろう。
『くそっ、母艦を・・・』
ようやくソフィアのライトアーマーが追いついてくる。
敵のスカート付きは逃げられたのか・・・
それにしてもたった一機で艦隊をやるつもりかよ。
俺は必死で照準器に敵の鎧を捉えようとした。
補給艦からモビルスーツ?
いまさら発進とはのんきなものね。
敵との遭遇を考えていなかったの?
まさか・・・
私はビームサーベルを振りかざす。
狙うは敵の補給艦。
小艦隊といえども、潰しておけば少しは楽。
発進したモビルスーツが向かってくる。
ふふ・・・
何となく笑いがこみ上げるわ。
発進時に母艦と接触するなんて素人なのかも。
連邦もたいしたことないわね。
『後ろに目でも付いているんですか?』
『当たらないよぉ・・・』
「泣き言はよせ!」
泣き言を言いたいのは俺も同じだ。
三機のボールの砲撃はいともたやすくかわされる。
それに、奴は的確に射線にガンビア・ベイを入れてくるのだ。
時限信管と近接作動信管を使っているとはいえ、味方撃ちは避けたいからどうしても攻撃の手が鈍る。
『ジムが行くわ』
『二小隊二番機。マクドゥエル様の機だわ』
俺は苦笑する。
まだまだ学生気分が抜けない二人の少女だ。
戦場という極限状況で擬似恋愛には事欠くまい。
ちょっとかっこいいジムのパイロットなら、女性兵士の憧れの的になる。
これで実力もあれば・・・
運でもいいから生き残れ。
「ジムなんでしょ? 私も乗ったわよ!」
直線的に突っ込んでくるジム。
背中からビームサーベルが引き抜かれ、赤い輝きがほとばしる。
「いい機体よね。でもね」
私は腕を振ってベクトルをずらし、そのまま脇をかすめるように動く。
敵のジムは動きが鈍い。
取り扱いに慣れていないのか?
私は苦笑した。
敵の機体に乗った経験があるパイロットはそうはいないだろう。
「射撃戦向きなのよ。その機体は!」
フットペダルを踏みこむ。
ぐんとジムが迫ってくる。
私はビームサーベルを振り下ろした。
『うわあっ!』
クッ・・・
俺は唇を噛む。
目の前で爆散していくジム。
相手が一枚も二枚も上手だ。
これではどうしようもない。
『ああ・・・』
『マクドゥエル・・・様が・・・』
愕然としているであろう声が聞こえる。
これが戦場。
生き残る技量が無い奴には生きる権利を与えてくれない。
しかし、何とかしなければ。
『いつまでも好きには!』
ソフィアともう一機のジムが鎧に向かう。
ガンビア・ベイからも遅まきながら残りの二機のジムが出る。
合計四機で囲めば少しは敵も・・・
『させないよ!』
ライトアーマーのマシンガンが火を噴いた。
[二機目]の続きを読む
- 2006/06/04(日) 21:25:34|
- ガンダムSS
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何でだろう。
今朝の2時過ぎぐらいから以後のアクセス数が0のままです。
コメントくださっている方々もいるし、最低でも自分がアクセスしているので、0ということはないはずなんですけどね。
さすがMSN。
怪しすぎる。(笑)
まあ、日付変わっても改善しないようだとメール送ったほうがいいかもしれないですね。
少し様子見。
今日はミリタリーネタで行きます。
ミリタリープラモデルを作る方ならご存知かもしれませんが、タミヤから1/35ミリタリーミニチュアの最新作でフランス軍戦車「シャールB1」が発売されますねー。
まあ、第二次世界大戦中のフランス軍戦車というマイナーアイテムで、ご存じない方もたくさんいると思いますが、当時のフランス軍の最大級の重戦車ですね。
形はタミヤのHPで見てもらえばわかりますし、Googleのイメージ検索でも見ていただくことができますが、当時のドイツ軍の「重戦車」が4号戦車であり、当時最新型のD型で、全長約6メートル、重量約20トン、前面装甲厚30ミリというものでした。
それに対してシャールB1(bis)は全長約6・5メートル、重量約32トン、前面装甲厚60ミリというもので、ドイツ軍の主力対戦車砲である37ミリ対戦車砲や、4号戦車の主砲である75ミリ砲でも容易に撃ち抜く事が出来ない戦車だったのです。
砲塔には37ミリ砲を搭載し、車体前面右側には固定砲として75ミリ砲を装備。
分厚い装甲と、強力な火力を持ったシャールB1は陸上戦艦的な代物として、フランス軍のある意味切り札的な存在だったようです。
しかし、やはり欠点も多く、他のフランス戦車と同じ一人用砲塔はその運用に非常に制限をもたらしましたし、その巨大な車体は燃料消費量も多く、ドイツ軍の侵攻時には多くの本車が燃料切れで立ち往生してしまったそうです。
さらにフランス軍戦車は無線機を積まない車両がほとんどで、相互の連携がまったくと言っていいほど取れませんでしたし、歩兵の支援として投入されるために、数両ずつの小部隊でしか運用されることもなく、ドイツ軍の各個撃破にあってしまいました。
カタログ上のスペックではドイツ軍戦車を大きく上回る戦車でしたが、運用面での不適切さが、この車両の実力を発揮できなくさせてしまったんですね。
マニアしかご存じないような戦車ですが、結構味のある戦車です。
フランス人には人気があるみたいですよ。ww
それではまた。
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- 2006/06/03(土) 22:10:04|
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久し振りのホリドルですー。
SSはブログのネタ考えなくていいから楽だなぁ。
ということでよければお楽しみ下さいませ。
11、
「ググ・・・グルルル」
低いうなり声を発しながら肉を咀嚼するビースト。
黒い短い毛を全身に生やしたその姿はまさにドーベルマンだったが、女性らしい柔らかなラインは崩していない。
しなやかで美しいメス犬のビーストだ。
先ほどまで悲鳴を上げていたOLもすでに足元で事切れている。
内臓を美味そうに咀嚼するビーストを楽しそうにベンチに座って見ている黒い少女。
黒いレオタードと手袋にブーツを身に着けていて大人びているが、その表情はあどけない。
公園の中にはあちこちに血だまりができている。
通りには赤色回転灯が静かに回っているミニパトカー。
そのフロントウィンドウには血がべっとりと付いていた。
近くの家からは開け放たれた扉や窓から楽しそうなテレビの音が聞こえ、血の匂いが漂っている。
寒々とした街灯の明かりだけが他に誰もいなくなった公園内を照らしていた。
「マダ・・・タリナイ・・・」
口から血を滴らせながらうめくようにつぶやくビースト。
強烈な空腹感が彼女を突き動かしている。
食われる恐怖は食う楽しさへと変わり、獲物を引き裂くことが楽しくて仕方が無い。
わずか三十分の間に彼女が食い殺した獲物は二十人を下るまい。
じっくりと腰を落ち着けて食うつもりなどない。
獲物は一番美味いところだけ食えばいい。
それは心臓。
脳も美味い。
獲物が何を食べたかによって味が変わるのが内臓。
胃や腸は当たり外れがあるのだ。
だから襲う。
美味い心臓と逃げ惑う獲物を狩る楽しさ。
二つが両立することをなぜ知らなかったのだろう。
笑い出したいくらいに気持ちがいい。
あの黒い少女のおかげ。
ベンチに座ってこっちを見ている黒い少女のおかげ。
だから従う。
あの少女の言葉には従う。
でも制止はされてない。
だから襲う。
人間を襲ってやる。
ビーストはまた走り出した。
「昼間の奴よりは動きが良さそう・・・」
一軒の屋根の上に現れる青い光。
それは形を整えると青を基調としたミニスカート型のコスチュームを身に纏った少女となる。
額には青い宝石の嵌まったサークレットが輝き、その目は冷たく何の感情も浮かんではいない。
「ぶざまですわ。食い殺すしか能がないなんて」
向かいの家の屋根に現れる赤い光。
やはり赤を基調としたミニスカート型のコスチュームを纏った少女となる。
色違いのおそろいのいでたちをした少女もやはり無表情でビーストを見下ろしている。
その目はガラスのようでただ物事を映し出しているに過ぎないかのようだった。
「さっさとやっちゃおうよドールアスミ」
「ええ、このような闇の存在を赦しては置けませんですわ。ドールサキ」
二人は躊躇うことなく、ビーストの前に飛び降りた。
「あれは?」
立ち上がったレディベータの表情がゆがむ。
忘れもしない。
光の手駒。
私を見捨てた光の手駒だ。
突然現れた二人の光の手駒に戸惑っているビースト。
今までのようにたやすく襲える相手ではないとその感覚が教えているのだろう。
「ビースト! 食い殺せ!!」
レディベータは憎しみを込めて言い放った。
飛び掛るビースト。
その素早さは並ではない。
人間なら避けることなどできない速度だ。
鋭い牙がアスミに向かってうなりを上げる。
「・・・・・・」
無言で杖を構えるアスミ。
動きを読んでいたのか、その杖ががきっと音を立ててビーストの牙を止める。
「やあっ!」
青いレイピアが街灯の明かりに輝いてビーストの脇腹に向かう。
しかし、逆にビーストの後ろ足がサキの脇腹にめり込み、彼女を吹き飛ばした。
「ぐあっ!」
もんどりうって倒れるサキ。
「ハッ!」
アスミは杖に食い込んだ牙をそのままに右手の平をビーストに向ける。
光が集中して火球を作り出すが、すぐさまビーストは飛び退って態勢を整える。
「やるな・・・」
「戦闘力はかなりのものですわ」
起き上がったサキのカバーに駆け寄るアスミ。
「グルルル・・・」
牙をむき出して二人の少女と対峙するビースト。
その目はらんらんと輝いている。
「闇の女は後回し。今はあのビーストを片付けましょう」
「うん。ゼーラ様の邪魔をする奴らは赦さない!」
すっとレイピアを構え直すサキ。
「ええ、ゼーラ様に逆らうものは消去する」
無表情に杖を構えるアスミ。
その杖の先がビーストに向き、氷の刃がいくつも飛び出して行く。
「ガアッ!」
ジャンプするビースト。
その足元にいくつもの氷の刃が突き刺さる。
「甘いわよ。ビーストの運動能力を舐めないでね」
レディベータが笑みを浮かべる。
だが、ビーストの回避した先には青いレイピアを持ったサキが突進していた。
「やあっ!」
青い光が一閃する。
どす黒い液体が飛び散った。
「グルルル・・・」
脇腹から血が滴る。
だが致命傷には程遠い。
痛みさえ無視すれば動きに支障はない。
よくも・・・
よくも私を・・・
死ねっ!
ビーストは飛び掛った。
「あうっ」
「ドールアスミ!」
杖が弾き飛ばされる。
可愛い顔が地面に叩きつけられた。
「あぐっ!」
ビーストの爪がコスチュームを切り裂き、まだ膨らみきらない胸をあらわにする。
「ドールアスミ!」
サキのレイピアがビーストの背中を襲う。
しかし、一瞬早くビーストは飛び退ってサキをにらみつけていた。
「ドールアスミ!」
「大丈夫ですわ。戦闘行動に支障はありません。ですが、呪文への集中力が・・・」
アスミがふらつきながら立ち上がる。
「くそっ!」
サキはビーストとアスミの間に割り込んでアスミをカバーする。
「あははは・・・私が手を出すまでもないわね。さっさとビーストに食われちゃいなさい」
手の甲を口元に当てて笑うレディベータ。
「デスルリカ様に気をつけなさいって言われていたけど、光の手駒を倒すなら早いほうがいいわよね」
光の手駒といえど、この程度なら恐れることはない。
ビーストに始末させればデスルリカ様もお喜びになるに違いないわ。
レディベータの赤く染まった瞳が月明かりに輝いていた。
「ガアアッ!」
飛び掛るビースト。
その鋭い牙を避け、サキはレイピアを叩き込む。
もともとの紗希の運動神経のよさからか、ホーリードールサキの敏捷性も並ではない。
爪と牙をぎりぎりでかわして、レイピアの切っ先を突きこんだのだ。
びしゃっと音がして地面に再び血が撒き散らされる。
「グルル・・・」
「ビースト!」
レディベータの驚愕の声。
回避するというより自ら飛び込むような形で剣を使ってくるとは・・・
「これを!」
胸の前で両手を交差させ、呪文を唱えるホーリードールアスミ。
その手を頭上に掲げて振り下ろす。
巨大な火球がビーストに襲い掛かり、その身を焼かんとする。
「ガアッ」
だが、ビーストは先ほどのサキと同じようにアスミに飛び掛って行くことで火球を避け、同時にアスミの肩口に食らいついた。
「きゃあぁぁぁぁぁ」
「ドールアスミ!」
血しぶきが上がる。
肩口を押さえて倒れこむホーリードールアスミ。
その頭をビーストが押さえ込む。
「あうっ」
爪が髪の毛に食い込み、血が滲む。
「ドールアスミを離せっ!」
青いレイピアがなぎ払う。
ビーストはしなやかに飛び退って態勢を整えた。
「ドールアスミ!」
「クッ・・・ごめんなさいドールサキ。戦闘力を著しく低下させてしまいました」
肩を押さえながらも立ち上がるホーリードールアスミ。
「戦えないの?」
「いえ、まだ大丈夫です」
「そう・・・なら戦って。ゼーラ様のために」
冷たく言い放つホーリードールサキ。
ホーリードールアスミは黙ってうなづいた。
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- 2006/06/02(金) 21:22:27|
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あさっての土曜日(6/3)から全国公開される映画に「ポセイドン」がありますねー。
ご存知かもしれませんが、あの1970年代のパニック映画ブームの一端を担った客船パニック映画「ポセイドンアドベンチャー」のリメイクですね。
もちろん船好き舞方ですから、「ポセイドンアドベンチャー」はもう大好きな映画なんです。
あの転覆した客船内から脱出するという悲壮感、次々と人が死んでいき、最後には皆をまとめてきた牧師さん(ジーン・ハックマンが好演)までが死んでしまいます。
ハリウッド映画にはあるまじきメインヒーローさえも殺してしまうという状況に、小さいながらも本当に怖い映画だったことを覚えています。
もちろんそれを補って余りある人間関係の面白さなど、ドラマ面でも充実した映画でして名作だと思いますよー。
今回リメイクされた「ポセイドン」に関しては予告編を見る限りは映像は素晴らしいです。
それ以外についてはレビューなどでご判断を。
舞方は・・・まあ、DVDになったら見るというところでしょうか。
ということで、表題のゲームをご存じな方は相当にマニアかも。(笑)
すでに無いゲームメーカーと聞きましたが、ヒューマン社が1993年に発売したスーパーファミコン用のアクションゲームです。
もう、モロ「ポセイドンアドベンチャー」に対するオマージュであり、豪華客船の一乗員もしくは乗客として設定された主人公を操り、転覆して沈没寸前の客船内から脱出するというゲームです。
これがもうすごく面白かったんですよ。
最初は皆と仲良く船旅を楽しんでいるような状況が少しあり、それから大波を受けて転覆。
気を失っていた主人公は目が覚めると船内が一変していることに気がつきます。
何せ階段は上るのも大変。
手すりにつかまったり、階段の屋根側を歩いたり。
ゲーム内で一時間という時間制限もあり、もたもたしているとすぐに時間切れです。
(もっとも、一人で脱出する分には充分間に合うでしょう)
このゲームのすごいところは、スーパーファミコンならではの背景回転機能を使い、沈没しかけて前後にバランスを崩す客船内を見事に表現していることでしょう。
さっきまで歩けたところが、次の瞬間には傾きが逆になり歩けないとか、船首が下がって床が垂直になってしまい落下してしまったりとか、とにかく気が抜けません。
さらにこのゲームを難しくかつ面白くしているのが、一緒に脱出するキャラクターたちでしょう。
主人公は行く先々で生存者に出会い、一緒に脱出するべく連れて行くことができるのです。
主人公とともに脱出しようとするキャラたちですが、主人公とは違い、ちょっとのミスが命取り。
ジャンプでうまく飛び移った主人公の目の前で悲鳴を上げて落ちて行かれた時にゃ。ww
必死に斜めの廊下を歩き、穴の開いたところをジャンプし、水の中を潜って船底にたどり着こうとするのですが、そこには最後の難関が。(笑)
なんと機関室から脱出してきた機関長が、「機関室はもうだめだ。みんなで船首に向かおう」と言ってくるのです。
相手は船を熟知した機関長。
こちらは乗客もしくは新米乗員。
せっかくここまで必死に連れてきた生存者たちが、機関長について行ってしまった時には泣けてきます。ww
何とか機関長トラップを抜けても迷路のような機関室で飛んだり跳ねたり。(笑)
ようやく船底で救助に来た人と会えたり、何らかのポイント不足とかで救助隊が来ていなくて、ここまで来てもゲームオーバーがあるという恐ろしさ。
しかも医者なんかでプレイすると、せっかく助かったのにまだ生存者がとか言って戻っていったりするし。(笑)
とにかく楽しめるゲームでした。
評価もかなり高かったような気がします。(あくまでスーファミ版。こちらもリメイクはひどい出来)
今はもう手元に無いゲームなんですが、今でもやりたくなりますね。
それではまた。
- 2006/06/01(木) 22:13:42|
- PCゲームその他
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