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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

シスターアンナ完結

ようやくシスターアンナの完結です。
長くかかっちゃいました。
楽しんでいただければ幸いです。

9、
ピシーン!
ピシーン!
ムチが皮膚を打つ音が響く。
苦悶のうめき声とともに脂汗がハッサンから滴る。
背中の皮膚は切れ血が垂れ始めている。
荒い息。
はあはあと速い呼吸。
だがそれはハッサンのものではない。
汗が飛ぶ。
「あは・・・あははははは・・・」
笑いが止まらない。
腕が振り下ろされていく。
ムチが空気を切り裂き勢い良く当たっていく。
躰が熱い。
腕が止まらない。
楽しい。
楽しくてたまらない。
「あははははは・・・」
笑い声が周囲に響く。
もう止まらない。
シスターアンナは存分にムチを振るっていた。

「う・・・あ・・・」
がっくりとうなだれるハッサン。
もはや意識はなく、ただムチ打たれるだけになってしまう。
「ククク・・・気を失ったようだな。シスターアンナよ、それぐらいでいいだろう」
そっとアクバーがシスターアンナの腕を押さえた。
「え?」
我に返ったようにハッとなるシスターアンナ。
「これ以上やっても死ぬだけだ。死んではつまらないからな。こいつらは体力があるから楽しませてくれる」
ああ・・・そうよ・・・
死んじゃったらつまらないわ・・・
ムチを振るうのがこんなに気持ちいいなんて・・・
うふふ・・・
もっともっと楽しみたいわ・・・
そのためには生きていてもらわないと・・・
「ハイ、アクバー様。その通りですわ」
シスターアンナはそっとハッサンのそばに行き呪文を唱える。
ベホイミの呪文がハッサンの傷をたちまちのうちに癒して行く。
「うふふ・・・これでいいですわ。これでまだまだ・・・うふふふ・・・」
それは見るものをぞっとさせる悪魔の笑み。
シスターアンナの笑みはまさに美しく残酷な悪魔の笑みだった。

「ククク・・・どうやらずいぶん気に入ったようだな。シスターアンナ」
「ハイ、アクバー様。とても気に入りましたわ。人間をムチ打つことがこんなにも気持ちいいことだったなんて知りませんでした」
アクバーにうなずき、胸に手を当てて余韻を感じるシスターアンナ。
「驚いたな・・・まさかシスターアンナがこんなことをするなんて」
ドグマも目を丸くしている。
「うふふ・・・ドグマ様、私はアクバー様のおかげで欲望のままに生きる喜びを見出したのですわ。これからは楽しく生きませんと。ね」
妖艶に微笑むシスターアンナ。
「くそっ、なんてこった! シスターアンナ、あんたそれでもシスターかよ!」
鎖をガチャガチャさせてテリーが叫ぶ。
何とか逃げ出したいがどうしようもない。
「ほう、まだいきがるか、小僧」
アクバーが大きな口をゆがめて笑う。
もはやこいつらには楽しませてもらう価値しかない。
たいした後ろ盾もなしにここまで旅をしてこられたことは驚きだが、この強靭な精神と肉体ならばうなずけるというもの。
せいぜい楽しませてもらうとしよう。
「くそっ、アクバー! 貴様シスターアンナを洗脳したな!」
その言葉につかつかとテリーに近寄るシスターアンナ。
パシーンという音が響き、彼女の平手がテリーの頬を打った。
「黙りなさいクズが! アクバー様を侮辱すると赦さないわ」
赤い瞳がテリーをにらみつける。
「シスター・・・目を覚ましてくれよ」
「目を覚ます? おかしなことを言うのね。私は正気に決まっているじゃない。やはりクズにはそんなこともわからないのかしら?」
「シスターアンナ・・・」
唇を噛むテリー。
どうやらシスターアンナは心を変えられてしまったようだ。
もはや以前のシスターアンナではない。
「さて、ドグマとゾゾゲルにも楽しみを分けてやらねばな。上に行くとしよう、シスターアンナよ」
アクバーが背を向ける。
「・・・・・・ハイ、アクバー様」
テリーに一瞥をくれ、ムチをドグマに手渡してアクバーの後を追う。
スリットから覗く太ももまでのガーターストッキングに包まれた脚が美しい。
その後ろ姿を黙って見つめるドグマとゾゾゲルの前で静かに扉は閉じられた。

はあ・・・はあ・・・
どうしたのかしら・・・
躰が熱い・・・
背中がむずむずする・・・
節々が痛む・・・
アクバーの後を歩きながら躰の不調を感じているシスターアンナ。
「む? 疲れたか?」
振り返り、少し顔色の悪いシスターアンナを気遣うアクバー。
「いえ、大丈夫です・・・」
首を振るシスターアンナ。
「そうか。ならいいが」
再び歩き出すアクバー。
地下牢を出て居館のほうへ向かって行く。
ドクン・・・
ドクンドクン・・・
あ・・・
躰が・・・
躰が・・・
熱い・・・
まるで火がついたよう・・・
熱いよう・・・
ガクッとひざから崩れ落ちるシスターアンナ。
あ・・・
アクバー様・・・
ア・・・ク・・・バ・・・さ・・・ま・・・
そのまま倒れこんでしまう。
「む? どうした?」
振り返るアクバーの目に地面に倒れこんだシスターアンナの姿が映る。
「む、しっかりするのだシスターアンナ」
駆け寄って助け起こすアクバー。
だが、シスターアンナの躰はまるで火がついたように熱い。
「すごい熱だ。これはもしや」
意識を失ったシスターアンナをアクバーは抱きかかえ、そのまま居館へ運びこんだ。

闇・・・
どろどろに溶けた闇・・・
べとべととして躰に纏わり付いてくる・・・
ゴムのような・・・タールのようなどろどろとした闇・・・
躰がその中に沈んで行く・・・
顔も目も鼻も耳もどろどろの闇に覆われていく・・・
熱い・・・
どろどろに煮えたぎった闇・・・
躰が熱で溶かされていく・・・
手も脚も胸もお腹も溶かされて徐々に形を失っていく・・・
口からも鼻からも目からも耳からも肛門からもヴァギナからもどろどろの闇が入ってくる・・・
お腹も胸も闇で満たされて溶けていく。
残るのは何も無い・・・
首から下はすでに闇・・・
でもそれでいい・・・
闇が全ての替わり・・・
手も脚も胸もお腹も無いけれど、手も脚も胸もお腹も存在する・・・
やがて煮えたぎる闇は目も鼻も口も耳も溶かしていく・・・
何も無い・・・
何も見えないし聞こえないししゃべれないし嗅げもしない・・・
だが全てを見ることができ、聞くことができ、話すことができ、嗅ぐことができる・・・
それはまるで胎児のよう・・・
新たな生が今始まるのだった・・・

              ******

「あれっきりシスターアンナの姿が見えなくなったんだが、どうなったんだ?」
「ああ、酒場の一件以来だろ? アクバーのところに居るとか聞いたが・・・」
「地下牢の連中はどうなったんだ?」
「さあ・・・どうも女たちはもう牢には居ないって聞いたけどな・・・」
「食事を運んだシンシアの話じゃ、生かさず殺さず毎晩拷問されているらしいぞ・・・」
「新たなアクバーの側近が増えたというのは本当か?」
「さあな・・・おそらくその発表がこれからあるんじゃないか?」
広場に集められた牢獄の町の住人たち。
男も女も全ての町の人々が集められている。
広場の周囲には以前まで友人や家族だった人々が牢獄兵と化し、威嚇するように槍を構えて立っていた。
広間の正面には壇が設えられていて、その上にはギロチンが置かれている。
このギロチンで処刑された人間は数知れない。
魔物たちは意味も無くただ楽しむためだけに人間をギロチンにかけていく。
このギロチンはこの町の恐怖の象徴だった。
「おい、現れたぞ」
「あ、あれは?」
人々がざわめく。
そのざわめきの中、アクバーと三人の魔物が壇上に上がった。
二人はドグマとゾゾゲルであり、町の人々にとってもおなじみの顔だったが、もう一人は今まで見たことのない魔物だった。

その魔物は女だった。
艶めかしくも美しい肢体を晒した女魔物だったのだ。
頭の両側には太いねじれた角が生え、肩口までの髪から覗く耳は尖っている。
首には漆黒のチョーカーを巻き、胸から股間までをおへそのところが開いた黒いボンデージのレオタードが覆っている。
背中は大きく開いていて、蝙蝠型の羽根がヒクヒクと動いていた。
二の腕から先と太ももから下はそれぞれ黒い長手袋と同じく黒のハイヒールのブーツが覆っている。
お尻からは先の尖った尻尾が妖しく動き、まさに悪魔と呼ぶに相応しい姿を誇らしげに見せつけていた。
その女魔物が振り向いて正面を向いたとき、人々は絶望に打ちひしがれた。
「シスターアンナ・・・」
「ああ・・・シスターアンナが・・・」
「シスターアンナだ・・・」
その女魔物の顔はみんなが見知っていた顔だった。
しかし、その表情には冷たい笑みが浮かび、瞳は赤く、黒く塗られた唇からは真っ赤な舌がぺろりと覗いていた。

「ククク・・・今日は貴様らにいい知らせをやろう。我が妻デビルアンナだ」
アクバーが悪魔と化したアンナの腰を抱いてそばへ寄せる。
デビルアンナと呼ばれたかつてのシスターアンナは嬉しそうに腰を振ってアクバーに擦り寄った。
「うふふふ・・・私はデビルアンナ。アクバー様の妻にして忠実なしもべ。今日からは我が夫とともにお前たちクズどもを管理してあげるわ」
妖しい笑みを浮かべながらデビルアンナは宣言する。
人々の絶望的な表情がなんとも心地よい。
「うふふふ・・・まずはこれから」
そう言うと呪文を唱えるデビルアンナ。
彼女の頭上に巨大な火球が浮かび、かつての居場所であった教会を直撃する。
轟音とともに教会は吹き飛び、人々は全ての希望が失われたことをまざまざと見せ付けられた。
「クククク・・・メラゾーマとはなかなかやるわい。さすがはわしの妻」
満足そうにうなずくアクバー。
「うふふふ・・・このぐらい造作も無いことですわ。さあ、クズども、生きていたかったらしっかりと我ら魔族に奉仕することね」
住民たちはがっくりとうなだれる。
「クククク・・・お前たちのもう一つの希望とやらもいずれはこうなるのだ。見よ!」
アクバーが壇の下に控えていた牢獄兵を手招きする。
小柄な牢獄兵とヘルメットから金髪を覗かせた牢獄兵の二人が壇上に上がって跪いた。
「クククク・・・こいつらはヘボヘボとやらと一緒に居た女たちでな。我が妻の希望により牢獄兵として下僕にしてやったわ」
顔を上げる牢獄兵と化したミレーユとバーバラ。
二人は無表情でデビルアンナとアクバーの命を待つ。
「どうだ。いい知らせであろう? がっはっはっは・・・」
アクバーの高笑いが響いた。

「うふふふ・・・ねえ、アクバー様」
「なんだ?」
広場から居館へ戻ってきてくつろいでいるアクバー。
その膝の上にはデビルアンナが座っている。
「私、面白いことを思いつきましたわ」
「ほう、聞かせてもらおうか」
アクバーがにやりと笑う。
すでにシスターアンナの面影はまったくない。
デビルアンナは素晴らしい女魔物だ。
「あのヘボヘボとやらにはライフコッドにターニアという妹が居るとか・・・うふふ・・・私、その子で遊びたいと思いますわ」
冷たく笑うデビルアンナ。
真っ赤な舌が黒く塗られた唇を舐めまわす。
「クククク・・・それは面白い。あのヘボヘボの顔が見ものだわい」
美しく邪悪な女魔物デビルアンナ。
アクバーはそのことに非常な満足を覚えるのだった。

[シスターアンナ完結]の続きを読む
  1. 2006/05/29(月) 19:50:55|
  2. デビルアンナ
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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