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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

ザキ

ベトナムです・・・
泥沼です・・・
終戦の兆しが一向に見えません・・・
撤退することもかなわぬまま書き続けています・・・
シスターアンナが闇に染まるまで・・・(笑)

と言うことでシスターアンナ7回目です。
ようやく邪悪化しそうです。ww

7、
「こんばんは」
酒場に優しい声が流れる。
酒場にいた人々は振り返ると同時に目を見開いた。
「シ、シスターアンナ?」
「シスターアンナ?」
現れた女性は黒いすべすべしたドレスを身に纏い、裾からは黒エナメルのハイヒールを履いた脚が薄い黒のストッキングに覆われて覗いている。
「シスターアンナ。今日は一体?」
妖艶だがまがまがしさを感じさせる服装の彼女にみんな驚いていた。
「ワインがなくなったの。とりあえずワインと食べるものをちょうだい」
かつかつと靴音を響かせて店内をカウンターに向かって進むシスターアンナ。
背筋もぴんと伸び、美しい。
椅子に座って脚を組む。
スカートにくっきりと脚の形が浮かび、裾からは魅力的な足首が覗いていた。
今までは尼僧服に包まれていたみずみずしい肉体。
露出具合は同じぐらいなのに、包まれ方が違うだけで彼女の肉体はその滑らかなラインをあらわにする。
酒場にいる男たちにとってはまさに女王の降臨であった。

カウンターにワインのマグとサンドイッチが置かれる。
サンドイッチをつまみながらワインを飲む。
美味しい・・・
うふふ・・・
楽しいわ・・・
店内の男たちを見やる。
みんな一様にシスターアンナをちらちらと盗み見ている。
顔を合わせると恥ずかしげに顔をそむけるのだ。
ふん・・・
私をまともに見ることすらできないクズどもだわ・・・
もっとも、お前たちに見せてやるのももったいないんだけどね・・・
少し不快な気分になりながらワインを飲む。
せっかくのドレスを着たのに、こんなクズども相手では見せる価値もない。
うふふ・・・
きっとドグマ様は目を白黒させるわね・・・
ゾゾゲル様は何も言わないけれど目の輝きが変わると思うわ・・・
うふふ・・・
スカートを少し嫌みにならない程度に持ち上げるの・・・
すると私の脚が見えて喜んでくれるわ・・・
きっと私も気持ちよくなっちゃうわね・・・
アクバー様の前ではしたなく感じちゃうかも・・・
うふふ・・・
美味しいワインを味わうシスターアンナ。
店の男どもは最低だけど、ワインは悪くないわね・・・
あとで一樽届けさせなきゃ・・・

「すみません! シスターアンナがこちらだと聞いたんですが?」
一人の若者が酒場に入ってくる。
ランプの明かりでよくわからないが、何か切羽詰ったように顔が青ざめているようだ。
「シスターならこちらにいらっしゃるけど、どうしたんだ?」
マスターがカウンターのシスターアンナを指し示す。
「よかった・・・シスターアンナ、助けてください」
カウンターに駆け寄ってくる若者。
シスターアンナは彼の方に振り向いた。
「・・・どうしたの?」
いつに無く不機嫌そうな声。
いい気分で食事をしていたのが台無しだわ・・・
シスターアンナはそう思う。
「シスター、大変なんです。また奴らの気まぐれでボビーの奴が怪我をしたんです。どうか助けてください」
青い顔をして青年は訴える。
その必死さ加減がシスターアンナには癇に触った。
また?
どうせそのボビーとやらが魔物の機嫌を損ねたんでしょ?
そんなの当然じゃない・・・
この町は魔物が支配する町なのよ・・・
あんたたちなんていつ死んでもおかしくないんだからおとなしくしていればいいのに・・・
シスターアンナは黙ってワインを傾ける。
「おかわりちょうだい」
空になったマグを差し出すシスターアンナ。
「シスターアンナ、あまり飲み過ぎないほうが・・・」
「シスターアンナ、お願いです。急いで」
・・・なんだって言うのよこいつらは・・・
私はお酒を楽しむことも許されないの?
くだらない連中を助けるためにどうして私が楽しんではいけないのよ・・・
くたばればいいんだわ、こんな奴ら・・・
はあ・・・アクバー様にお願いして少し町の人間を減らしてもらおうかしら・・・
聴いてくれるかしら・・・私のお願い・・・
聴いてくれたら私なんでもしちゃうのにな・・・
「シスター!」
「うるさいわね! 連れてきなさいよ!」
若者をにらみつけるシスターアンナ。
その目はこの若者への憎悪が満ちている。
「あ・・・わ、わかりました」
すぐに駆け出して行く若者。
その様子にマスターもマグをワインで満たして行く。
シスターアンナは再び優雅な手つきでワインを傾けた。

「こっちです」
酒場の入り口から三人の青年たちが入ってくる。
一人は怪我をしているようで、服が破れ胸から血を流していた。
先ほどの青年が先導し、もう一人が怪我人の肩を抱えて歩いてくる。
床に点々と血の跡をつけながら、若者たちはどうにか怪我人をシスターの脇へ寝かせた。
「大丈夫か、ボビー? しっかりしろ」
「傷は浅いぞ。それにシスターアンナが手当てしてくれる」
勝手なことを・・・
足元に寝転がる怪我人を見下ろす格好になるシスターアンナ。
脚を組んだままワインを飲んでいる。
「シスター、お願いします」
仕方ないわね・・・
すっと席を立ち、怪我人の脇に跪く。
確かにひどい怪我ではあるが、命には別状無いだろう。
きっとタイガークローあたりに切り裂かれたに違いない。
おろかな男・・・魔物に逆らったりするから・・・
こんな男のために治癒魔法を掛けてやるなんて気が進まないわ・・・
こんな男に相応しいのは・・・そう・・・うふふ・・・死の呪文がいいかもね・・・
シスターアンナは先ほど覚えたばかりのザキを頭に思い描く。
スムーズに思い出される詩の呪文ザキ。
これならば呪文を唱えるのに問題は無い。
・・・掛けてみようかしら・・・
でも・・・
そんなことしたら・・・
・・・構わないわよね・・・
どうせ死んでも構わないクズだし・・・
ザキの効果を試すにはちょうどいいかも知れないわ・・・

しばらく無言で考え込むシスターアンナに青年が焦れてくる。
いつもと違うシスターに戸惑いもあるが、これ以上待てば怪我の回復が遅くなる。
放っておいても死にはしないかもしれないが、怪我の回復が遅れればそれだけ後遺症も残ってしまいかねないのだ。
「シスターアンナ、何でもいいから呪文をさっさと掛けちゃってくださいよ!」
彼はその言葉が死刑執行書のサインだったとは気が付かない。

ふふ・・・
うふふふ・・・
そう・・・
何でもいいんだ・・・
うれしいわぁ・・・
呪文なら何でもいいのよね?
うふふふふ・・・
冷たい笑みを浮かべるシスターアンナ。
うつむいて怪我人の様子を見ているために他の人にはうかがい知れないが、その笑みは見るものを凍りつかせることだったろう。
「qzwぇcrvtbyぬみ@お¥p・・・」
シスターアンナの口から呪文が発せられる。
その呪文はすぐにボビーに纏わり付くように青いオーラを発した。

「? ぐ・・・ぐわぁっ!」
自分の躰に起こったことが理解不能のままボビーの生命活動は無理やり止められる。
みるみる青ざめて死んでしまうボビー。
周りの男たちはあまりのことに息を飲んだ。
「な、な、何が起こったんだ?」
「お、おいボビー。ボビー!」
すでに死体となった友人を一所懸命に揺り起こそうとする青年。
だが、すでに物言わぬ骸と化している。
「な、何が一体どうなったんだ?」
「まさかシスターアンナが?」
「まさか・・・」
口々に疑念を口にする男たち。
「あら、手遅れだったみたいね。死んじゃったわ」
すっと立ち上がるシスターアンナ。
その表情には笑みが浮かんでいる。
「し、シスターアンナ・・・あなたは・・・」
何か言いたそうにする青年。
しかしシスターアンナは気にも留めずにカウンターに戻るとワインを傾ける。
「シスター! ボビーは死ぬような怪我じゃなかった! これは一体どういうわけだ!」
「うるさいわねぇ。あなたが何でもいいって言ったから、死の呪文を掛けてあげたのよ。うふふふ・・・気持ちよかったわ」
笑い声を上げるシスターアンナ。
その笑い声は周りの男どもをぞっとさせる。
「な、なんだって? どういうつもりなんだよシスター!」
思わず青年はシスターアンナに掴みかかる。
胸倉をつかまれそうになったシスターアンナは、身を引いてマグのワインをぶちまけた。
「下がりなさい! クズのくせに!」
「な、なんだとぉ!」
頭からワインを被った青年は怒りに燃えてシスターアンナを殴りつけた。
「キャァッ!」
床に倒れこむシスターアンナ。
「よ、よせ、マイク!」
「マイク!」
周りの男たちが青年を止めに入る。
青年は肩で息をしながらシスターアンナをにらみつけていた。
「シスターアンナ。俺たちはみんなあんたが大好きだったんだ。この町に希望をもたらしてくれたあんたが。それがどうしちまったんだよ!」
最低だわ・・・
こんなクズに殴られるなんて・・・
うふふ・・・
赦さない・・・
こいつらは赦さないわ・・・
口の中に血の味がする。
頬が腫れてきたらしく痛みがじんじんする。
ゆっくりと立ち上がるシスターアンナ。
「赦さない・・・お前たちは赦さないわ」
人間とは思えない赤い瞳で男たちをにらみつけるシスターアンナ。
その口から再び呪文が形作られた。

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  1. 2006/05/25(木) 21:25:44|
  2. デビルアンナ
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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