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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

モーブカッツェ

ローネフェルトのパーソナルカラーが決まりましたー。
紫の山猫ですー。
結構いい色ですよね。

「どこ行ったのかしら・・・まったく」
私は少し怒っていた。
ブリーフィングルームに二人ともいない。
確かに艦内は航海配置だからブリーフィングルームにいる必要は無いとは言え、連邦の跳梁しているこの空域では凖待機しているのが当たり前でしょうに・・・
「ミナヅキ少尉とノイマン准尉はハンガーデッキへ!」
私はインターコムに怒鳴りつけ、そのままハンガーデッキへ向かう。
遅れてきたら叱り付けてやるんだから・・・
私はそう思いながらリフトグリップで通路を進み、ハンガーデッキへのエアロックをくぐる。

「みひゃっ?」
私は目が点になった。
ハンガーデッキに発進準備を整えて立っているYMS-15。
鈍い銀色に輝く中世の騎士といったイメージを抱かせるその外見。
のはずだった・・・
それが見事な薄紫色に染められている。
胴体の一部は、もともとの色が濃かったこともあるのか完全な紫色。
あの輝ける銀色はどこにも無くなっていたのだ。
さらに肩口にはディフォルメされた猫が描かれている。
「紫色?」
『あ、お姉様ぁ』
15の足元から飛び上がってくるノーマルスーツ。
言うまでも無くアヤメに違いない。
『大尉殿』
負けじともう一つのノーマルスーツもやってくる。
二人ともこんな所にいたのね。
それにしても・・・
『どうですかぁ、お姉様ぁ?』
アヤメが私のそばに取り付き、左腕にぶら下がる。
柔らかい胸が押し付けられる。
「アヤメ、やめなさいってば。それよりもこれは誰の指示?」
全身薄紫のモビルスーツなんて見たこと無いわ。
『あたしですぅ』
「う・・・」
私は肩を落とした。
『あ・・・大尉殿・・・私もその・・・』
パットもなの?
『お姉様のパーソナルカラーが無いかなって思ってたんですよぅ、そしたらなぜかこの色の塗料が大量に余ってて・・・』
アヤメがにこやかに私の顔を覗き込んでくる。
「それはそうでしょう。誰も使わないわ、こんな色。それに・・・」
バックパックのノズルが換わっているわ・・・
『あ・・・お気に召しませんか? お姉様・・・』
たちまち不安そうな顔をするアヤメ。
まったく・・・
私も甘いったらありゃしない。
この顔をされると何も言えなくなっちゃうんだから。
『あ、大尉殿。ミナヅキ少尉だけじゃないんです。私も・・・この素敵な色は大尉殿に相応しいって思って・・・』
パットもうなだれる。
はあ・・・
紫色かぁ・・・
嫌いな色じゃないし・・・
まあ・・・いいか・・・
「ふう・・・まったくあなたたちときたら・・・ありがとう」
『『わあ・・・』』
二人の表情が明るくなる。
まったく・・・
仲がいいんだから・・・
「それはそうと索敵に出るわ。ノイマン准尉は09Rで発進。艦隊の二時方向を索敵。ミナヅキ少尉はいつでも発進できるように09Rで待機。いいわね」
『あ、ハイ!』
敬礼して乗機に向かうパトリシア。
『・・・・・・』
「ミナヅキ少尉、これは命令です。いいわね」
不服そうなアヤメに私は強い口調で言い聞かせる。
『ハイ・・・』
うらやましそうにパットの後ろ姿を目で追うアヤメ。
私はそんなアヤメを抱き寄せてヘルメットを接触させる。
『ありがとうアヤメ。素敵な色で嬉しいわ』
『お姉様ぁ』
たちまちほにゃっとした表情を浮かべるアヤメ。
可愛いものだわ。
私はその場にアヤメを残すと床を蹴ってMS-15へ向かった。

「こちらはローネフェルト。YMS-15ギャン、出る!」
『了解。発進どうぞ!』
射出口の上部サインがグリーンに変わる。
担当官の発光スティックが振り下ろされる。
私はペダルを思い切り踏み込んでギャンを発進させた。
「?」
予想外の加速の私は息を飲む。
グンと躰がシートに押し付けられる。
ノズルを換えたのこのためか・・・
整備班長が高機動パックがどうのとか言っていたっけ・・・
私は加速を少し緩めて艦隊の四時方向へ向かう。
その後ろでパットの09Rが発進して行くのが見えた。
その他にワルトラントからとスタメルからも各二機が索敵に出る。
木馬はどこにいるのか・・・

『ち、中尉殿。目が回りますぅ』
俺の目の前でボールがむちゃくちゃな回転をしている。
あれではたまったものじゃない。
「バーニアを使え!回転を止めるんだ!」
『と、止まりませーん』
泣き声とも悲鳴とも付かない少女の声。
誰だ!
こんなのを実戦に出したのは!
「くそっ!」
俺はボールのマニピュレーターを引っ掛けるために接近する。
『うきゃぁぁぁ』
哀れな・・・
俺は苦笑しながらボールの砲を後ろに向けて、回転しているボールにマニピュレーターを引っ掛けた。
ガキン!
派手な金属の火花が散る。
同時にこちらのボールも振り回され、重心がずれたゆがんだ回転に変わる。
メキメキ・・・
いやな振動が響いてくる。
ボールの質量がこちらのマニピュレーターにかかってくるのだ。
折れないように素早く回転を止めるべくバーニアを吹かす。
最初は回転を合わせるように吹かし、それからゆっくりと止めるのだ。
そうしないとマニピュレーターが・・・
メキ・・・
そうしても折れるか・・・
整備の連中にまた何を言われるか。
俺は首を振った。

『大丈夫? 中尉』
ヘッドフォンに声が聞こえる。
夕べ散々ベッドで聞いた声。
あれほど激しいのは久し振りだった。
俺は一瞬にしてベッドの中の可愛い女の躰を思い出す。
「ご心配なく。大尉殿」
俺はレバーとペダルを操作して回転を止めて行く。
スクリーンの向こうでは星空が回転し、時折普通のジムとは違う黄色の塗装のジムが見える。
ジムライトアーマー。
エースパイロット用に運動性能を高めるため、その防弾性能、いわゆる装甲を薄くしたというとんでもない機体。
いくら運動性能が優れていたって、一撃で沈むんじゃ話しにならない。
もっとも、ボールよりははるかにマシだが・・・
ソフィアが好んで選んだわけではない。
回された機体がそれだっただけ。
連邦もモビルスーツの運用は試行錯誤だ。
作っては見たが役に立たない可能性があるものをこの囮支援艦隊に回してきたと見るべきか・・・
ボールの回転はやがて止まってくる。
星空の回転も止まって・・・
あれは?

『イシカリより各機へ! 高熱源体接近!』
『敵の索敵機だ! 各モビルスーツ補足して撃破しろ!』
ええい、いきなりそれかよ!
俺は回転を止めたボールを引き離す。
『中尉、援護をお願い!』
ソフィアのジムライトアーマーと随伴のジム二機が噴射炎に向かう。
「了解だ。無理しないで!」
『ありがとう』
柔らかい声。
またベッドであえがせたい声だ。
『中尉殿、われわれは?』
回転の止まった二番機と三番機がそばに接近する。
「俺たちは支援だ。まあ、今のところは心配いらん」
『えっ?』
「敵の索敵機だ。向こうも戦闘を回避して情報を持ち帰るのが任務だからな。この場での戦闘はそうは激しいものにはならない」
『あ、そうか』
おいおい、お嬢様方。
これは初歩のことですよ。
俺は苦笑する。
ミスティ・エイボン曹長とアナスタシア・チュイコワ曹長の二人は訓練学校を出たばかりだ。
ビンソン計画により連邦の宇宙艦隊が再建され、V作戦以後のモビルスーツの大量産が行なわれるようになると、俺のような戦車兵やソフィアのような戦闘機パイロットなどの転換組だけでは足りず、新人パイロットの大量育成が行なわれるようになったのだ。
その第一陣と言ってもいいかもしれないが、なんと言っても手っ取り早く育成されているために、戦術戦略などは二の次、とにかくモビルスーツの操縦を覚えさせることに主眼が置かれている。
戦術は生き残れば覚えるだろうということなのだ。
『中尉殿!』
エイボン曹長の声がする。
さっきまで助けてーと言っていたのとはえらい違いだ。
どうやら敵のモビルスーツが発光信号を上げたらしい。
噴射炎のあたりで青い発光弾が光っているのだ。
「敵が来るぞ。気を引き締めろよ」
『『了解!』』
二人の声がハモる。
どうやらマニピュレーターの修理をする暇は無さそうだ。

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  1. 2006/05/10(水) 19:43:41|
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舞方雅人

Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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