昨日一昨日と戦時急造型船舶のことを書いてきました。
「戦いは数だよ。兄貴」
このセリフは私はまさに名セリフだと思っているのですが、それを地で行くのがスチームローラーでヨーロッパを席巻しようとしたソ連軍ではないでしょうか。
船舶とは違いますが、数の暴力と言う意味では史上最大の量産数と言っても過言ではない戦車が旧ソ連の開発したT-54/55シリーズでしょう。
1947年の量産開始以来、T-54はソ連、中国、チェコ、ポーランドなどで約56000両。
T-55のほうもソ連、チェコ、ポーランドで約37000両と、シリーズ全体では90000両を超える数が製造されたのです。
これは第二次世界大戦後に世界で作られた戦車の7割を占める数ということであり、戦後の主な紛争には必ずといって登場する戦車となりました。
場合によっては敵味方ともにT-54/55シリーズを装備していることもあるのです。
対戦中の傑作戦車T-34から発展したT-54/55は、機動性も良好で、100ミリの主砲は当時としては破壊力も充分であり、戦後の西側にとっては能力とともに充分な数があることが脅威として叫ばれたものでした。
西ドイツ(当時)のレオパルトもアメリカのM48やM60もイギリスのチーフテンも、能力的にはT-54/55を上回ることを目指し、事実上回るものでしたが、その数においては圧倒的に差をつけられており、西側諸国はその差を埋めるためにも航空戦力の充実を図ったものでした。
すでに旧式であり、戦力としての価値は低くなってしまったものの、いまだかなりの数のT-54/55シリーズが現役として残っており、さまざまな近代化改修を受けながら老骨に鞭打って頑張っているんですね。
中国製の59式や69式担克(タンク)はT-54のコピーもしくは改良型で、イラクでもかなりの数を使っていましたし、ユーゴの内戦でも一般人がモロトフカクテルよろしく火炎瓶をこのT-54/55に投げつけているシーンがTVに映されたりしていました。
中東戦争ではアラブ側より捕獲したT-54/55を改修してイスラエルでも使われていました。
まさに数こそ力というのを見せ付けてくれた戦車といえるでしょうね。
それではまた。
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- 2006/01/29(日) 22:44:57|
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