ライブドア・・・相当にヤバくなっちゃいましたね。
社長も逮捕されちゃいましたし、これからの企業運営にはかなり不都合が生じてくるでしょうね。
場合によっては吸収合併もありえるでしょう。
マスコミもここぞとばかりに叩きまくっていますしね。
これからの推移を見守りたいですが、日本経済に与える影響も小さくないでしょうから、これでまたしても日本経済が冷え込むことが無いように祈るばかりです。
さて・・・
今日はローネフェルトの更新です。
表題がどういった意味を持つのか・・・
お楽しみいただければ幸いです。
乗り慣れないコクピット。
ザクとは明らかに違う設計思想で作られた操縦システム。
固めのペダルにパワーレバー。
「これが・・・ジム」
私は思わずつぶやく。
『シートは外しました。いつでもOKです』
「了解」
私はヘッドフォンに入ってきたブラウン伍長の言葉に返事を返すと手袋を嵌め直す。
「さて、あんたの乗り心地はいかがかしらね・・・」
私はパワーレバーをじょじょにスライドさせていく。
同時にペダルを操作してジムをゆっくりと立ち上がらせる。
グングングンと言うジェネレーターの響きがかなりのパワーを感じさせるわ。
これが量産型というのだから、連邦の融合炉制御技術もなかなかのものね。
私はジムをサムソンより立ち上がらせて歩き出させる。
シールドはザクと違って固定式ではなく、手で掴んでいなくてはならない。
私はサムソンのトレーラーに積んであったシールドを掴み取る。
正面にでかでかと我が軍の国籍マークが描かれているシールドは、敵味方識別には有効だろう。
私はマシンガンを確認する。
ブルパップ式のマシンガンで取り回しやすそうだし、一発の威力は低くても集弾率は良さそうだ。
そして私は背中のバックパックから突き出た柄を取り出してスイッチを入れる。
ビンと音がして赤いビームのブレードが伸び上がる。
「ビームサーベル・・・か・・・」
ジオンには無い技術・・・
それをあっさりと実用化して前線の各機体に装備する連邦軍。
私は少し暗い気持ちになる。
この戦争は・・・もう長くないのかも・・・
「これで、模擬戦でもできれば言うことないんだけどね・・・」
私は苦笑しながらジムの訓練をする。
乗り心地は申し分ない。
これなら操縦時の疲労感はかなり軽減されるはず。
ザクより操縦しやすい感じだわ。
連邦もなかなかやるわね。
私は再びジムをサムソンのトレーラーに乗せてコクピットをでる。
「いかがでした?」
駆け寄ってくるブラウン伍長。
「乗り心地はいいわね。連邦ってのは軟弱な兵ばかりなのかしらね」
私はヘルメットを取って笑った。
「奴らは地球に居座ったエリートたちですからね。戦場の厳しさなんてわからないんですよ」
くりくりした瞳を輝かせているブラウン伍長。
「そうかもしれないけど、手強い相手であることだけは確かよ。油断はしないようにね」
「了解です」
にこやかに敬礼をしてくるブラウン伍長。
私もつられて笑みを返した。
「そういえば、中隊長がお呼びでした。すぐに指揮車両に来てくださいとのことです」
「中隊長が? パイロットの件かしら」
私はヘルメットと手袋をブラウン伍長に渡し、指揮車両であるホバートラックへ向かった。
『冗談じゃありません! おことわりします!』
私が入って行くと、すぐに怒鳴り声が聞こえてくる。
誰かしら?
私はいぶかしく思いながらも少佐のもとへ行く。
「アマリア・ローネフェルト、参りました」
私は直立して敬礼する。
「来たか。これを見てくれ」
ボスマン少佐が一枚の書類をよこす。
「拝見します」
私は書類を手にとり読み始めた。
ふう・・・やはり・・・
私は悪い予感が的中したことに落胆する。
補充のパイロットは現在もっともパイロットが必要な地域へ送られ、こちらには回せなくなったという通達なのだ。
もっともパイロットが必要な地域?
前線はどこでも同じこと。
深刻なパイロット不足は我が軍を苦しめているわね。
「見たとおりだ。パイロットは来ない。君に回す部下も来なくなった」
「はい。どうやらそのようです」
ボスマン少佐に私は書類を返す。
「気の毒だとは思うが、俺のところからも部下は回せん。こっちもこれ以上失うと小隊編成ができなくなる」
私の隣に立っていた大尉が口を開いた。
「第一小隊の?」
「ああ、小隊長のハンス・ヒューリックだ。よろしく」
プラチナブロンドの髪をしたすらりと背が高い美男子だわ。
彼の言うことは良くわかる。
二機ではすでに小隊とは言いがたい。
ここはいっそ私が彼の指揮下に組み込まれる形で四機編成のほうがよいのかもしれないわね。
私がその申し出をしようとしたとき、一人の兵が入ってくる。
「少佐殿。コミュ連絡機が一機到着いたしました」
「コミュが? 一体何事だ?」
ボスマン少佐は躰をゆすって立ち上がる。
すぐにコミュでやってきた人物が指揮車両に入ってきた。
それは予想に反して、旅団本部からの伝令兵ではなかった。
首のところに憲兵章を下げた野戦憲兵の曹長だったのだ。
そして、彼に引き続いて一人の女性士官が入ってくる。
しかも彼女は手錠をかけられていた。
私は息を飲んだ。
「ミナヅキ少尉!」
私は思わず声を出していた。
「中尉殿ぉ」
すごく嬉しそうに顔をほころばせるミナヅキ少尉。
まるでずっと探していた母親にでも会ったかのようだわ。
「こら! 勝手にしゃべるな!」
野戦憲兵が声を荒げる。
「曹長、彼女は一体?」
ボスマン少佐が曹長の手から書類を受け取る。
「はっ。密航です。U-34に密航していたのを捕らえました」
密航?
一体なぜ?
「密航?」
ボスマン少佐も首をかしげた。
「本来なら脱走兵として処罰されるところなんですが、ローネフェルト大尉の下で勤めたいと言い張りまして・・・」
「私の下で?」
私は驚いた。
てっきり軍病院にいるものとばかり・・・
「私はローネフェルト中尉、いえ、大尉殿の下で働きたいんですぅ。大尉殿なら私を・・・」
「黙っていろ!」
「ウグッ」
憲兵曹長の肘がミナヅキ少尉に突き刺さる。
「やめろ!」
「やめなさい!」
私より早くヒューリック大尉の怒声が飛ぶ。
「あ・・・は、はあ」
憲兵曹長は思わず肩をすくめてしまう。
まあ、いくら憲兵と言えども相手は曹長ですからね。
もっとも、憲兵下士官は尉官クラスの士官に対して逮捕権を持っているから、不用意に扱えないけれど。
「それで? ローネフェルト大尉に身柄を預けると言うのか?」
ボスマン少佐が書類を繰る。
「はい。前線でのパイロット不足に鑑み、特別処置と言うことで旅団司令部にも許可されております」
「わかった。ローネフェルト大尉、どうだ? 小隊に必要か?」
「ハッ! ミナヅキ少尉は優秀なモビルスーツパイロットです。私でよければ彼女を引き取らせていただきます」
私は力強くそう言った。
「大尉殿ぉ・・・ありがとうございますぅ」
ミナヅキ少尉が頭を下げる。
きっとアドラー少佐を失って心細かったのかもしれない。
「よし、決まりだな。ミナヅキ少尉は第二小隊に配属する。曹長、手錠をはずしてやれ」
「ハッ」
ボスマン少佐に敬礼して憲兵曹長はミナヅキ少尉の手錠を外す。
手首をさすったのちミナヅキ少尉は私たちに敬礼した。
「アヤメ・ミナヅキ少尉ですぅ。これからよろしくお願いいたしますぅ」
「第999軽旅団、第444モビルスーツ中隊のボスマンだ。ローネフェルト大尉の第二小隊所属を命じる」
「はい。謹んで拝命いたしますぅ」
「それでは失礼します」
憲兵曹長は手錠をじゃらつかせてその場を立ち去る。
私たちは黙ってそれを見送った。
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- 2006/01/23(月) 20:29:01|
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