「ムーンクライシス」 メディアワークス社 松浦まさふみ著
機動戦士ガンダムの外伝を描いたマンガの中でも私が個人的に好きな作品の一つです。
宇宙世紀0099年。
あの一年戦争からはるかに二十年の時が流れていますが、いまだ地球圏は安定には程遠い状況でした。
しかし、ネオジオンはすでに弱体化し、一部の跳ね返りがテロリズムを繰り返すだけとなっていました。
一方連邦は財政悪化に従い、連邦軍の戦力を大幅に縮小してしまっていました。
そんなときにネオジオンの一部が月を人質に武装蜂起をします。
それに対抗できる連邦軍はわずかしかなく、そのうちの一隻「ベクトラ」のモビルスーツパイロットが主人公です。
彼はあるとき大気圏に突入して燃え尽きようとしている貨物船乗組員を寸前で救出します。
たった一人生き残ったのは若くて美しい女性でした。
実はその貨物船はネオジオンの船であり、救出された女性はネオジオンの一人だったのです。
彼女は今回の作戦の無謀さを知り、何とか仲間を止めようとして、主人公にネオジオンの作戦を伝えます。
「ベクトラ」はその情報を元にネオジオンと戦い・・・
と言う話なんですが。
そのヒロインがなんとなんと・・・(ネタバレのため自主規制)なんですよね。
美しく成長した(自主規制)様が最後には主人公と結ばれ、ともに地球へ降りていくことになります。
ネオジオン艦隊の指揮官は、彼女を主人公に預けるにあたり、ジオンの名に縛られる彼女に、実は彼女はクローンであり、ジオンの名を継ぐ資格は無いと告げます。
彼女はショックを受け、まがい物である自分は生きていても仕方ないと思い悩みますが、主人公がそんなことは関係ないんだと言って彼女を受け止めます。
最後に連邦軍の攻撃の中ネオジオン艦隊の指揮官に、われわれが護り仕えていたのは偽者だったのかと聞く部下に対して、まがい物に忠誠を尽くすばか者がいるかと言うのですが、なかなかそのあたりは読ませてくれます。
ガンダム物の中でもちょっと異色ですが、素敵ないい作品ですので、よければご一読を。
それではまた。
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- 2006/01/14(土) 23:23:36|
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