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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

ルッグン偵察機

休みはいいですねぇ。
思いっきりストレス解消ができます。

私のストレス解消はSSを書く事なんで、ストレスが溜まるとうずうずと書きたくなりますね。
というわけでローネフェルト中尉の続きです。
それにしても・・・
状況を進めるのに文章が必要だなぁ。

『ふん・・・』
ヒートロッドをするすると収納するミナヅキ少尉の07B。
私は苦笑した。
かつての味方といえども今の彼女には関係が無いということか。
『やってくれますわねぇ。中尉殿』
「ふふふ・・・助かったわ少尉。ありがとう」
『ん、えっ? ・・・ど、どう・・・いたしまして・・・』
あら・・・結構可愛いところあるじゃない。
私はちょっとした驚きを感じた。

爆発音が響いてくる。
これから向かう前方からではなく、たった今過ぎてきたばかりの後方から。
「な、何?」
『何ですかぁ?』
あまり緊張感を感じさせない物言いだが、彼女も充分に緊張しているようだわ。
私は状況を確認するために空を探す。
「居た」
そこには周辺を周回中のルッグン哨戒機が飛んでいた。
ブーメランにレドームを二つとコクピットを無理やりつけたような航空機だが実用性は高く、ミノフスキー粒子下でもそのセンサー能力は侮りがたい。
私は右肩の通信用レーザーをルッグンに向けて発信する。
「周回中のルッグン。聞こえますか? こちらはアドラー少佐指揮下の第239モビルスーツ中隊所属のアマリア・ローネフェルト中尉です。どうぞ」
『こちら第52偵察飛行隊所属のルッグン06。機長のマサト・マイカタ軍曹です。明瞭に聞こえますよ。ローネフェルト中尉殿』
ルッグンのパイロットから声が流れてくる。
「北の方角で爆発があったわ。何が起こっているの?」
『味方モビルスーツが攻撃を受けています。中尉殿の所属する中隊かと思われますが、熱源センサーによれば十数機の敵に囲まれつつあるようです』
少佐の部隊なの?
敵は少佐の部隊を攻撃しているの?
「ルッグン06。通信を中継できますか?」
『可能です。繋ぎます』
空電がガリガリとなり、やがて通信が繋がってくる。
『なんだ・・・なんでこんなに敵が居るんだ?』
『しょ、少佐殿ぉ、支え切れません。助けてください。少佐殿ぉ!』
『敵のモビルスーツ・・・敵のモビルスーツがぁ!』
『イ! 俺を護れ! 俺を護るんだよ!』
『少佐ぁっ!』
その叫びとともに爆発音が響き、遠くに黒煙が吹き上がる。
『ご、ご主人様・・・ご主人さまぁ!』
ミナヅキ少尉の07Bが黒煙の方角へ向けて走り出す。
「あ、少尉、待ちなさい!」
私はすぐにあとを追う。
今アドラー少佐のもとに向かえば敵の真っ只中に飛び込むことになる。
少尉の07Bのフィンガーバルカンと私の07Hのハンドマシンガンだけでは心もとないわ。
でも・・・
友軍を見捨てるわけには行かないか・・・

脇目も振らずに駆けて行くミナヅキ少尉の07B。
敵にすればいい的だわ。
「ミナヅキ少尉、落ち着いて! アヤメ、止まりなさい!」
『ご主人様・・・ご主人様・・・ご主人様ぁ!』
私の声など耳に入らないようだわ。
彼女とアドラー少佐の間に何があったのかは知らないけど・・・
ご主人様などと呼ばせるとはどうかしているわ・・・
でも、こうなったら仕方が無い。
ヒートホークと残りの弾でどれだけやれるかわからないけど、やるだけやるしかないわね。
私は07Hのホバーをふかし、ミナヅキ少尉の07Bの前に突出する。
『な、邪魔をする気ですかぁ?』
「そんなつもりはないわ。アドラー少佐を助けに行くんでしょ? 私が先導するわ」
私はそう言って、ヒートホークを構えたままホバーで滑るように進んで行く。
これならば歩く形の07Bより先行できる。
ただどうしても樹木が邪魔なので、それほど速度差ができるわけではないんだけど・・・
ミナヅキ少尉はしぶしぶなのかもしれないけど黙って付いてきてくれるようだ。

『アヤメは何をしているんだ! 何でおれのそばにいないんだ! 山猫はどこへ行った!』
『少佐ぁ! 弾が、弾がぁっ!』
『イ! 俺の前から離れるな! 敵が来るだろう!』
『少佐、好き勝手言わないで下さい!』
ルッグンを経由した通信が流れてくる。
「マイカタ軍曹。上空支援をお願いできますか?」
『上空支援ですか? ですがこちらは単なる偵察機ですから・・・』
ふふふ・・・マイカタ軍曹は戦々恐々としているようね。
「難しいことではありません。敵の動きをそのつど教えてくれればいいんです」
『そ、そういうことであれば』
私たちの上空を占位するルッグン06。
音響センサーと熱源センサーは充分に役立ってくれるはずだわ。

『ご主人様・・・ご主人様・・・』
ミナヅキ少尉の焦りが手に取るように伝わってくる。
『敵はどうやらモビルスーツ八機のようです』
「八機も?」
いったい連邦はいつの間にモビルスーツを量産したのか・・・
とても太刀打ちできないわ。
このままではただ倒されに行くだけになってしまう・・・
何かいい策は・・・

あれは?
私はモノアイの倍率を上げた。
「あれは・・・」
私は神に感謝した。
損傷したガウがその身を軽くするために投棄したのか、それとも少佐があらかじめ投下させておいたものか・・・
だが、これはありがたい。
樹木の間に鈍く輝く太い円筒型のコンテナ。
降下部隊用に武器弾薬を詰めた武器筒だ。
「ミナヅキ少尉、武器を補充するわ。付いて来て!」
『えっ? りょ、了解』
よかった・・・
まだ見境がなくなっているわけじゃないわ。
あとはアドラー少佐とイ中尉があと数分持ちこたえてくれれば・・・

私は武器筒のそばにたどり着くとすぐにコンテナのハッチを開ける。
「わお・・・」
私は思わず歓声を上げてしまった。
武器筒の中にはザクマシンガン及びザクバズーカ。
それぞれの弾薬。
ヒートホークにヒート剣。
クラッカーや発煙弾といった武器弾薬が入っている。
ジャイアントバズこそ無いものの、ザクバズーカはそれにまさるとも劣らない。
私はザクバズーカを二本手に取り、ザクマシンガンをスリングで肩に掛ける。
「ミナヅキ少尉も武器を手にしなさい。これからは倍する敵が相手よ」
『はい。了解です』
ふふっ・・・
ずいぶん素直じゃない・・・
私はザクマシンガンを07Bに手渡すと、そのまま少尉をあとにして先へ向かった。

「マイカタ軍曹、敵の動きは?」
『どうやら味方の二機を包囲態勢に入っているようです。かなりヤバそうですよ、中尉殿』
『ああ・・・ご主人様。待っててくださいねぇ。今行きますぅ』
私は二人の通話を聞きながらその速度を緩めない。
敵は少佐とイ中尉の二機に攻撃を集中している。
いくら敵の戦力が強大だと言っても、今頃は降下部隊がジャブロー内に侵入しているはずだし、そうそうこちらに戦力は回せないはず。
だとすれば八機の敵モビルスーツが敵のすべてと言っていいだろう。
まずは背後からの奇襲で二機ぐらいは減らしたいものだわね。
「こちら山猫。アドラー少佐、聞こえますか?」
ガリガリと空電ノイズが走る。
そろそろミノフスキー粒子下でも通話ができるはずなんだけど・・・
「アドラー少佐、聞こえますか?」
『く、来るな来るなぁ!』
「少佐?」
『しょ、少佐、何を・・・』
『うるさい! お前は俺の盾になればいいんだ! アヤメェッ! 何をしているっ! 俺のそばにいてくれぇっ!』
『しょ、少佐、止め・・・うわぁっ!』
爆発音。
吹き上がる火炎。
『中尉殿、一機やられたようです』
マイカタ軍曹から非情な通告。
「イ中尉・・・」
親しくなる暇さえなかった同僚の名をつぶやいてしまう。
『誰か俺を護れぇっ!』
アドラー少佐の声だけがむなしく響いた。 [ルッグン偵察機]の続きを読む
  1. 2006/01/09(月) 20:25:35|
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舞方雅人

Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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