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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

残弾無し

今日から仕事始めでしたー。
休みボケでなかなか大変でしたね。
でも、いよいよ今年も始まったっていう感じですね。

さて、今日はローネフェルトの続きを投下します。
これでお正月休みで書いたSSはすべて吐き出しちゃいます。
ローネフェルトと同様私も残弾無しになりました。
しばしSSの更新はお休みになりそうです。
次の更新をお楽しみに。

私の任務は敵への陽動。
アドラー少佐以下の各モビルスーツは敵中をできるだけ派手に突破して、目標である回収地点へ向かうだけ。
派手にやればやるほど敵は勝手にこちらに寄ってくる。
その分ジャブローが手薄になるという段取りだけど、はたしてそううまく行くのかしらね。
敵の物量は想像以上。
多少引き付けたところで各個撃破されてしまうのではないだろうか。
私はそう疑問を抱きつつも07Hを走らせる。
途中数台の戦車やミサイルホバークラフトが行く手を阻んだが、ハンドマシンガンで片付けた。
しかしこれでまた残弾が心細くなる。
ハンドマシンガンの残弾が2000発。
ジャイアントバズにいたっては残り三発。
それを撃ち尽くしたら弾は無い。
私は無理やりガムテープで貼り付けられたむき出しのスイッチに目をやった。
『いいですか? 腕の交換自体はできませんでした。しかし接続のためのラインは取り付けました。無理やり取り付けましたから動作保証はできません。ですが接続は問題ないようですので使えるはずですし、試験もしました。あとは戦闘中に故障しないことを祈るのみです』
そう言っていた整備兵の言葉を思い出す。
この無理やりつけてもらったヒートホークがどれだけ私の心を落ち着けているか・・・
私は整備中隊に感謝した。

「連邦のモビルスーツ! またか!」
木立の向こうに白と赤の混じった機体の姿が見える。
対空砲やタンクもどきも一緒であるらしい。
擬装用ネットが掛けられていて見分けが付きづらい。
このあたりに我が軍が進出していることを察知しているのか、先ほどとは違って周囲に警戒を怠ってはいない様子だ。
「一対三か・・・モビルスーツだけでも」
私はモノアイを周回させ敵の陣営を確認する。
連邦のモビルスーツはシールドとビーム砲を持っている。
どうしてビーム砲なのよ・・・
マシンガンぐらい持たせられないの? 連邦は・・・
私はジャイアントバズを構える。
幸いに木立が私の機体を隠してくれているが、いつ気が付かれるかわからない。
まずは少しでも敵の戦力をそがなくては。
私はトリガーボタンを押した。

ジャイアントバズの弾は木立の向こうへ飛んで行き、連邦のモビルスーツを直撃する。
「チィッ!」
私は歯噛みした。
直撃したのは頭部だ。
あれでは致命傷にはならないわ。
それどころか・・・
連邦の三機のモビルスーツのビーム砲が手当たり次第に周囲を焼き払って行く。
樹木の陰に身を隠していてもいずれは焼き払われてしまうだろう。
「まったく・・・一人で戦わなければならないとはね」
再び樹木の陰からバズーカを発射する。
先ほど頭部を破壊したモビルスーツをようやく無力化する。
「あと一発・・・」
ホバー機動で私は07Hを滑らせる。
私がいた位置に敵のビーム砲が集中した。
「これで最後!」
私は最後の弾を打ち出す。
炎の尾を引いて弾は直進する。
この角度ならモビルスーツにはかわされるかもしれない。
しかし・・・

思ったとおり最後の弾はあっけなく二機の敵モビルスーツにはかわされる。
だが、その弾は機動性の鈍いタンクもどきを直撃する。
煮えたぎる火山のように炎を噴き上げるタンクもどき。
これでバズーカは失った。
私は残弾のなくなったバズーカを放り投げる。
二機の敵モビルスーツ相手にハンドマシンガンでは心もとない。
せめてザクマシンガンがあれば・・・
私は右手に腰のラックからヒートホークを取り出し、樹木の陰に身を隠す。
接近戦に持ち込まなければ勝機は無い。
でも・・・
ビーム砲相手に懐に飛び込めるの?

私は敵の動きを待ち構える。
敵のモビルスーツは連携してこちらを追い詰めにかかるだろう。
どちらか一方の目をそらすことができれば・・・
クラッカーも発煙弾も持ち合わせない。
どうする・・・
どうする・・・
ヒートホークで飛び掛かるのは簡単だ。
それで一機は破壊できるだろう。
でもその間にもう一機に背中を撃ち抜かれる。
それでは刺し違えることしかできないし、生き残るチャンスも少ない。
どうする・・・
どうしたらいい・・・

『そんなところで何をなさっているんですかぁ? ぐずぐずしてないで突進してくださいねぇ。中尉殿ぉ』
スピーカーから声が流れてくる。
どこに?
私はモノアイを回転させる。
樹木の陰に見え隠れする07Bはすぐに見つかった。
でも・・・
あのミナヅキ少尉は結構な腕前みたいね。
私に遅れをとらず、ここまでピッタリ食いついてくるとは。
私を監視するためでしょうけど、あの07Bのフィンガーバルカンはピッタリと私の07Hに向いている。
「ふふん。まあ、見てなさい、少尉」
悪いけど利用させてもらうわ。
私は樹木の枝を折ると、これ見よがしに敵の目に付くように振り回す。
案の定敵は警戒しながら私の動きにカメラを合わせてくる。
「そらっ」
私はその枝をミナヅキ少尉の07Bの足元に放り投げた。
敵のカメラはそれを追って・・・
『クッ、やったわね!』
ミナヅキ少尉が歯噛みするのを感じる。
「ふふっ、一機任せるわよ」
私はミナヅキ少尉より遠い側の敵機に向かってハンドマシンガンを撃ちまくる。
敵はシールドを構えて一歩後ずさった。
『やってくれる』
ミナヅキ少尉の07Bがすぐに飛び出してくる。
やはり腕は確かだわ。
『あははははは・・・私に立ち向かってくるなんていい度胸じゃない!』
フィンガーバルカンで機先を制し、ヒートロッドがうなりを上げて敵モビルスーツに絡みつく。
あっという間に敵モビルスーツはあちこちから火花を発して崩れ落ちた。
「やるわね」
私は苦笑する。
私を死地に追いやろうとした女の手を借りて、私は死地を切り抜けようとしているのだから。
「食らえっ!」
私は07Hをジャンプさせる。
ヒートホークが動力を得てその刃が赤熱する。
敵モビルスーツは一瞬の動きについてこれない。
シールドから顔を出した瞬間に私はヒートホークを振り下ろした。

鈍い振動がコクピットに伝わってくる。
07Hの重量と重力を加えた一撃は真っ赤に赤化した刃を敵のモビルスーツに食い込ませていく。
連邦のモビルスーツは動力路を断たれたらしく動きが止まる。
私はヒートホークを引き離し、連邦のモビルスーツを蹴り飛ばした。
どうっと倒れる連邦のモビルスーツ。
私は背後で忌々しい思いをしているであろうミナヅキ少尉に親指を立てて見せた。 [残弾無し]の続きを読む
  1. 2006/01/05(木) 22:06:55|
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舞方雅人

Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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