FC2ブログ

舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

戦闘終結

ふう・・・
遅くなりましたが、バーナード准尉とローネフェルト中尉の戦いの結末をお届けします。
書いていていろいろと都合よく済ませてしまったところは有りますが、楽しんで書くことができました。
またいつかガンダムネタでSSを書きたいものですね。

「チィッ! 見境無しかよ」
木立の影で次々と吹き飛んで行く味方車両を俺は歯噛みしながら眺めている。
敵の新型は左手に機関砲を仕込んでいるらしく、振り回しながら砲弾をばら撒いていた。
「軍曹、側面から突っ込め!」
「了解! 行きますよ!」
シン軍曹の表情が引き締まり、俺は遠心力でシートに押し付けられた。

頭を振って意識を呼び戻す。
シートベルトをしていたはずなのに、いつの間にか外していたらしい。
本来ならベルトが守ってくれるのだが、外していては意味が無いのは当然ね。
私は周囲の状況を確認するためにモノアイを周回させる。
パトリシアのグフは健在だった。
私はホッと一息つくと、パトリシアに無事を伝えようと無線のスイッチを入れる。
がりがりという空電ノイズが耳を突き、私は思わず顔をしかめた。
「ノイマン曹長、ノイマン曹長、聞こえますか?」
私が呼びかけるものの、返事は聞こえてこない。
『はあ・・・はあ・・・はあ・・・』
息遣いだけがヘッドフォンに聞こえてくる。
「ノイマン曹長、返事をしなさい!」
私が怒鳴ったちょうどそのとき、グフの脇からミサイルホバーが顔を出した。
「ノイマン曹長!」
私はザクを立ち上がらせた。

「ドンピシャ!」
俺はシン軍曹の操縦の腕に舌を巻く。
ファンファンは見事に新型の脇から射撃位置を占位した。
新型が振り向き、そのモノアイが輝くがもう遅い。
「食らえ!」
俺はトリガーを引く。
頭上から対戦車ミサイルがうなりを上げて飛んで行く。
片方のポッド全てをぶち込んだ後、シン軍曹はすぐさま回避行動に入り離脱する。
そのタイミングは見事の一言だ。
ミサイルは次々と新型に命中していった。

「ノイマン曹長!」
私は目を疑った。
グフのあちこちから爆発が巻き起こる。
近距離からミサイルの攻撃を受けては回避のしようが無い。
モノアイが破壊され、シールドと左腕が吹き飛ばされる。
『キャァァァァァ・・・』
パトリシアの悲鳴が流れ込む。
私はザクをグフのカバーに向かわせた。

「やりましたよ、准尉殿!」
「いや、まだだ。あの新型はまだ動く。中隊長! 残りの車両で一斉射を!」
離脱しながら振り向くと、敵の新型に先ほどタックルしたザクが再び立ち上がっている。
もう一機のザクは援護射撃のつもりか林に向かって弾をばら撒いていた。
『わかっているわ。各車照準! てぇーっ!』
パターソン大尉の声とほぼ同時に残りの車両が砲火を向けた。

私はザクをグフの前に立ちはだからせようとした。
しかし、わずかに届かなかった。
敵の砲弾とミサイルが次々にグフに命中し、各所に穴を開けて行く。
「ノイマン曹長!」
グフはゆっくりと仰向けに倒れて行く。
まるでスローモーションの映像を見ているよう・・・
ずんと言う地響きが私のコクピットにも伝わってくる。
『ああ・・・いや・・・いやぁっ!』
おびえたようなパトリシアの声。
「ノイマン曹長! 脱出しなさい!」
『いやぁっ! 火が出てるぅ! いやぁっ!』
「ノイマン曹長! 脱出するのよ! 早くっ!」
私はザクをグフの脇に跪かせる。
狙い撃ちされたって構うものか。

「今度こそやりましたね。」
シン軍曹が嬉しそうにそういった。
敵の新型は各所から火を噴き、もう動けないだろう。
もう一台のザクも傍らにしゃがみこんでいるし、マシンガンも失っていて戦闘力は無さそうだ。
援護のザクは新型を倒されたことと、残余の車両からの砲撃を避けるためにデカブツの残骸の陰に隠れこむ。
こちらも相当な被害だが、敵もかなりの痛手を受けただろう。

『助けてぇ! 誰か助けてぇ!』
「ノイマン曹長!」
グフはあちこちが火花を散らしている。
このままだと内部で爆発が起こりかねない。
一刻も早く脱出して、パトリシア。
『ああ・・・ち、中尉殿、助けてください! 火が・・・火が燃えているんですぅ!』
「ハッチを開けて! 早く脱出しなさい!」
『開かないんです! ハッチが開かないんです中尉殿ぉ!』
「何ですってぇ!」
私は歯噛みした。
ザクとは・・・ザクとは違うはずでしょう!
ハッチが開かないなんてふざけるんじゃないわよ!
私はザクから飛び降りた。

「准尉殿、あれを」
「?」
シン軍曹の指し示す方を見ると、ザクから一人の兵士が新型に向かって行くところだった。
「何をする気だ?」
「どうします? 撃ちますか?」
俺は首を振った。
「その必要は無いよ。どうやら新型のパイロットを救出するようだ」
「でも、あの分じゃもうすぐ爆発しますよ」
それは俺もそう思った。
新型はあちこちから火花を散らしているし、黒煙を吹き上げている。
いつ爆発しても不思議じゃない。
『中隊長より各車へ。中隊長より各車へ。師団の攻撃が始まったわ。直ちに指揮車の周囲に集結して』
無線でパターソン大尉が呼んでいる。
「准尉殿、集結命令です」
「ああ・・・ちょっと待ってくれ」
俺はザクのパイロットの動向を目で追った。

私は倒れたグフの胴体によじ登る。
モクモクと立ち昇る煙がすごくきな臭い。
私はコクピットのハッチのところにたどり着くと、非常開閉スイッチを作動させる。

「開かない?」
私は何度もスイッチを押す。
スイッチは確かに作動しているのだが、何かが引っかかっているのだ。
「何が?」
私はハッチの周りを見る。
「あれか?」
ハッチと胴体の境目に破片が食い込んでいるのが目に入る。
「くそっ」
私は破片に駆け寄り、力任せに引っ張った。

「開かないのか? シン軍曹、こいつをあの新型の脇に止めてくれ」
「ええっ?」
「いいから!」
幸い師団の攻撃が始まったのが伝わったのか、もう一機のザクはデカブツの生き残りとともに離脱して行く。
ここでの戦闘は終わったのだ。
だったらちょっとぐらい手伝ってやってもいいだろう。
俺は道具箱の中からバールを取り出すと、ファンファンの着陸を待った。

「抜けろぉ! 抜けてちょうだい!」
左右に振ったり押したり引いたりしたが破片は取れてこない。
「ちょっと待ってろ! こいつをてこにするんだ」
私が顔を上げると、連邦軍の士官が居た。
「あ、あなたは?」
「話は後だ。いいか、せーのーでで引っ張るんだぞ!」
私はこの士官にうなずくと、彼はにやっと笑みを浮かべてバールの先をハッチと破片の間に差し込んだ。
「いいか、せーのー」
「でっ!」
私は思いっきり破片を引っ張る。
ぎしっと言う音とともに破片は抜け、私は危うく尻餅をつくところだった。
私はすぐにハッチを開け、中を覗きこむ。
煙がうっすらと出てきたが、炎は上がっていない。
ノーマルスーツのヘルメットの奥でパトリシアが目をつぶってぐったりしていた。
「ノイマン曹長!」
「どいてろ!」
連邦軍の青年士官がコクピットに入り込み、パトリシアを抱きかかえて私に差し出す。
私は黙って彼女を受け取ると、すぐにグフから滑り降りる。
「早く逃げて!」
「わかっている!」
青年士官の声がして、すぐに彼も飛び降りてきた。
「推進剤や弾薬が爆発するわ! 離れて!」
「おう!」
私はパトリシアを抱きかかえて林の中へ駆け込み、大きな木の陰に隠れこむ。
振り返ると連邦の士官は乗ってきたホバーに飛び乗ると、急速に発進していった。
「あ・・・」
私は大ばか者だ・・・
お礼も何も言っていないし、名前すら聞くことができなかった・・・
「う、う・・・ん・・・」
パトリシアが身じろぎをする。
「ノイマン曹長」
私は安堵の気持ちで一杯になった。

「そういや二人とも女だったなぁ・・・」
「ジオンのパイロットがですか?」
「ああ・・・」
林の中を縫うように進んで行くファンファンの中で俺はさっきのことを思い返していた。
自分の攻撃で倒しておきながら、パイロットだけは助けるなんてなんという矛盾だろう。
でも構わないじゃないか・・・
死ななくてすむのなら死なない方がいい・・・
俺はすっかり明るくなった窓の外をぼんやりと眺めながら、集結地点へ向かうファンファンに揺られていた。 [戦闘終結]の続きを読む
  1. 2005/11/25(金) 23:18:57|
  2. ガンダムSS
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

カレンダー

10 | 2005/11 | 12
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -

AquariumClock 2

プロフィール

舞方雅人

Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

ブログバナー


バナー画像です。 リンク用にご使用くださってもOKです。

カテゴリー

FC2カウンター

オンラインカウンター

現在の閲覧者数:

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

管理人にメールなどを送りたい方はこちらからどうぞ

ブログ内検索

RSSフィード

ランキング

ランキングです。 来たついでに押してみてくださいねー。

フリーエリア

SEO対策: SEO対策:洗脳 SEO対策:改造 SEO対策:歴史 SEO対策:軍事

フリーエリア