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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

最初の出会い

なんか以前に比べて登場人物が成長してしまったかもしれません。
以前より前の時点の話なので問題なんですが、書いていっているとキャラが勝手にセリフを言い始めて苦労します。
まあ、大目に見てやって下さいませ。m(__)m

『林を抜けてきたところでモノアイを潰すんだ』
「了解です」
俺はそう返事をすると主砲の照準を木立の上に合わせておく。
『接近中。足音は二台。キャタピラ音が三台です』
装甲トラックの音響センサーからの情報だ。
それにしてもかなりの戦力だな。
こちらは一個機械化中隊。
向こうは二個小隊といったところだろうが、戦力は圧倒的に向こうが上だ。
こちらのチャンスは奇襲のみ。
林を抜けてきたところで一斉射撃をぶつけてやる。
それしか勝ち目は無いだろう。
「航空支援は?」
『発煙弾で呼べる。安心しろ』
航空戦力だけはまだこちらが優勢だが、それとていつまで持つものか・・・
彼らは宇宙育ちの癖に地上でも良く動き回る。
俺の車両の周囲にはダックイン姿勢で主砲を宙に持ち上げている61式が十一両。
そのほかに後方支援車両として音響センサーつきの指揮トラックが一両。
ファンファンタイプのミサイルホバーが三両。
APCで待機している歩兵が十数人。
これだけの戦力で少なくても数時間は敵を足止めしなければならないのだ。
よそう・・・
考えるだけで気が滅入る・・・
俺はハッチを開けて外の空気を取り込んだ。

まったく歩きづらいったらありゃしない・・・
重力下で二本の足で歩くにはこのモビルスーツというやつは大きすぎる。
マシンガンを持った腕で枝をへし折りながら進んでいかなくてはならないのだ。
こちらの歩いた後を悠々とマゼラアタックが付いてくるのが何か腹立たしくも感じてしまう。
『中尉殿、もうすぐ林を抜けます』
先行する二番機のワルター・オーグマン少尉が言ってくる。
ヒートホークが熱源として捕らえられるかもしれないが、どうせ音響センサーをごまかすことはできないし、木立を抜けるには仕方が無い。
「林を抜けたところでアンブッシュしているでしょうね。気をつけて」
『心配いりませんよ。戦車じゃこちらには勝てませんって』
何を馬鹿なことを言っているのかしら・・・
連邦軍だって馬鹿じゃないし、モビルスーツだって無敵じゃない。
対戦車ミサイルの直撃だって当たり所が悪ければ動けなくなるのだ。
ここは宇宙じゃない。
アラスカとカナダの国境地帯。
アラスカにある連邦軍の基地はまだまだ健在だし、この森林地帯では視界だって届きづらいのだ。
足元を吹き飛ばされればザクはただの動けぬ機械に成り下がる。
脚を吹き飛ばされようが腕を無くそうが動ける宇宙とは違うのだ。
「オーグマン少尉、ここは地上よ。気を抜けばやられるわ」
『中尉殿はこいつが信用できないんですか?』
私は内心舌打ちする。
信用するしないではなくこのザクに対する備えをしているだろうということがなぜわからないのか?
『ローネフェルト中尉、われわれは両翼に展開する』
後方のマゼラアタックが左右に分かれて行く。
「了解です。ご武運を」
『おう、そちらもな』
マゼラアタックの指揮官シュナイダー大尉はなかなか気持ちのいい人だ。
部下思いで部下からの信頼もあると聞く。
だが、そういう人に限ってこういった辺境に飛ばされてくるのはどうしてなのか・・・
ルウムの戦いでは05型で連邦の巡洋艦を沈めたという話だから、モビルスーツパイロットとしての腕は確かだろうに・・・
「オーグマン少尉、マゼラが展開するまで停止します」
『了解。さっさとしてくれないですかね、ホント戦車ってグズなんだから』
「オーグマン少尉!」
私は歯噛みした。
誰がこんな馬鹿にザクを任せたのか?
マゼラアタックもドップもザクも持ちつ持たれつだ。
どれかが欠けても戦場で生き残るのは困難になるというのがわからないのか・・・
『どうかしたんですか、中尉殿? いきなり大声出して』
「無駄口を叩かずに前方を注意していろ」
私はそれだけ言って口を閉じた。

『キャタピラ音左右に展開。こちらの待ち伏せに気がついたようです』
ふう・・・
俺は内心でため息をつく。
だが、まあ当然だろう。
林を抜けたところでのアンブッシュはあまりにも当たり前のことだ。
敵が警戒しなければそれこそ馬鹿の集まりになっているところだろう。
「確認するぞ、弾種はM35だな」
「ええ、しっかり二門とも装填済みです」
「よし、モノアイ潰しはほかに任せてこっちはコクピットを撃ち抜くんだ」
APFSDSのM35ならコクピット周りの複合装甲だって何とか抜けるはず。
手足を潰すよりも手っ取り早い。
「ええ、いつまでも奴らにいい顔はさせませんよ」
照準器を覗き込みいつでも引き金を引けるように待機しているアルバーグ軍曹。
こっちへ来てからの付き合いだが主砲の扱いは一級品だと思う。
『バーナード准尉、一号車聞こえるか?』
「こちら一号車。どうぞ」
『敵が出てくるぞ、用意はいいか?』
装甲トラックの中隊長はいつでも逃げ出せる準備をしているだろう。
それが戦争なんだから仕方が無いが・・・
「いつでもいいです」
『よし、戦車隊の指揮は任せる。こちらは気にせずに頑張ってくれたまえ』
ふう・・・
俺はもう一度ため息をついた。

『ローネフェルト中尉、こっちはOKだ。前進を開始してくれ』
「了解です」
シュナイダー大尉に返事をして私はアクセルペダルを踏みしめる。
MS-06J陸戦型ザクがゆっくりと前進を開始する。
林の切れ目はもうすぐ。
そこを抜ければ連邦軍の待ち伏せがあるだろう。
『あらよっと』
私はその軽口に思わず振り向いた。
林の木立を無造作にヒートホークで切り倒す馬鹿がそこにいた。
「オーグマン少尉!」
私は思わず怒鳴っていた。

目の前の木立が次々となぎ払われていく。
今までその姿を隠してくれていた木々の向こうにあのMS-06ザクの姿が視認できる。
『バーナード准尉・・・』
瞭車からの無線が入る。
ミノフスキー粒子の濃度が薄く、まだ無線が我慢できる状態だ。
「もう少しひきつけろ。おあつらえ向きだが・・・」
俺の車両を含めて六台の61式の十二門の主砲がゆっくりとその軸先を変更して行く。
息の詰まるような瞬間だが、じっくりと待つ。
ザクはその武装であるヒートホークでわざわざ射線を通してくれている。
この林の戦闘には慣れていないのが一目でわかるが、宇宙から降りてきたばかりなのだろうか・・・
そのザクが立ち止まる。
モノアイが輝き、こちらの存在を確認する。
まるで驚いたように一瞬の静止。
「撃てぇ!」
俺はそう言い放った。

「オーグマン少尉・・・」
私の目の前でザクの頭部が吹き飛んで行く。
右腕がマシンガンとともに吹き飛んで行く。
左肩のシールドが付け根から外れて吹き飛んで行く。
そして・・・
胴体部分からどす黒い煙がみるみる吹き出して行く。
「オーグマン少尉!」
返事は無い・・・
当然だ・・・
あれだけのHEATとAPFSDSの直撃を受ければザクの複合装甲だって撃ち抜かれてしまう。
せっかくこのアラスカの森林がザクの巨体を隠してくれていたというのに切り払ってしまっては意味が無い。
私は歯噛みしながらクラッカーを取り出すと放り投げた。

「次が来るぞ、後退しろ!」
俺はダックイン姿勢から急速にバックさせる。
せっかく掘った壕だがそこにいては命が無い。
キャタピラをきしませながら全ての車両が後退を始めるが、あまりに戦果が喜ばしかったのだろう。
数両は反応が遅れていた。
ザクが倒れるところに見惚れていたのかもしれない。
しかしそのお返しは苛烈だった。
ザクの手榴弾が上空で炸裂し、逃げ遅れた三両が一瞬にして炎上する。
「くそっ」
炎上する61式から二人ほどが火達磨になりながら転げ出て来るがあれでは助からないだろう。
「弾種M32、撃てっ」
主砲が轟音とともにHEATを吐き出す。
自動装填装置がすぐに排莢して次弾を装填して行く。
ザクをも隠しかねない原始林の木がまた一本倒れて行く。
「ホッパー来ます!」
操縦手のレックス伍長が声を張り上げた。
見るとザクの脇からジオンの特殊戦車の砲塔が飛び上がり始めている。
「いつもながら汚いよな、ジオンの奴ら」
俺はそう言いながらアルバーグの肩を蹴飛ばす。
そうでもしないと戦闘中は夢中になってしまって命令が伝わらない。
「アルバーグ、上だ! ホッパーが来る」
「了解、撃ち落してやります」
61式の主砲が虚空に向かってせり上がっていった。

『ローネフェルト中尉は支援してくれ。ここは俺らが引きつける』
「大尉、すみません。むざむざザクを・・・」
『弁解はあとだ。そこの位置から単射にして狙撃しろ』
「了解しました」
私はシュナイダー大尉の言うとおりにマシンガンをシングルショットに切り替えて木立の影から狙いをつける。
大尉はわざわざ安定性を犠牲にしてマゼラトップを飛び立たせて囮よろしく敵の目を引いてくれる。
マゼラトップは高位置から敵の上面装甲を撃ち抜くように作られているが、その設計はどちらかというと机上の空論を無理やり形にしたものと言っていい。
空中での主砲の命中率は極端に落ちてしまうのだ。
それなのに飛び上がる理由は囮以外の何者でも無いだろう。
私はマゼラトップの一機に向かうミサイルホバークラフトに一撃をお見舞いした。

「惨敗だな・・・」
後退する61式の砲塔の上で俺はタバコをふかしていた。
たなびいていく煙が戦場の方へ流れて行く。
結局戦果はMS-06J一機とマゼラアタック型戦車の砲塔が一機のみ。
こちらはファンファン型が二機に61式が七両、それに装甲トラックを失っていた。
中隊長の戦死が引き金となり、戦場を離脱するものが続出してしまったのだ。
頼みの航空支援はぎりぎりのところでフライマンタが二機来てくれただけ。
それでも、そのおかげで俺はこうして生きていた。
あのフライマンタの少尉にはいつか会ってお礼をしたいものだ。
耳に心地よい優しい声。
きっと美人だろうとは思いつつも一抹の不安はある。
確か・・・エリアルド少尉といったはず。
あと、あのザクのエンブレム・・・
あの山猫は忘れない・・・

そこかしこに残骸が転がっている。
ところどころでまだ黒煙を上げているものもある。
短いが苛烈な戦闘はとにかく終わった。
私のザクもほとんど弾を撃ち尽くし、もう少しで弾切れを起こすところだった。
オーグマン少尉のザクは間もなくやってくるファットアンクルが回収して行くだろう。
見事なまでの一斉射撃。
確かに少尉はうかつだったが、あそこまでの集中砲火は予想していなかった。
中でもコクピットへのAPFSDSの一撃は一瞬で少尉の命を奪っていっただろう。
これからの戦いは厳しくなりそうだ・・・
「ローネフェルト中尉、無事で何より」
「ありがとうございますシュナイダー大尉」
私は歴戦の勇士に敬礼する。
「さすが山猫だな。木々の間をすり抜けるさまは見事だった」
「それほどでは・・・大尉こそマゼラトップで二両撃破。さすがです」
「まあ、君にばかりいい顔はされたくないからな。それよりも聞いたか?」
「は?」
私は何のことかわからずに問い返す。
「連邦もモビルスーツを投入してきたらしい。カリフォルニアでは蜂の巣をつついたような騒ぎだ。ガルマ司令が戦死したってな」
「ま、まさか・・・」
私は絶句した。 [最初の出会い]の続きを読む
  1. 2005/11/20(日) 22:25:29|
  2. ガンダムSS
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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