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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

たった一隻の軍艦の存在感

北海道は江差町に復元された幕末の軍艦開陽が固定されています。
徳川幕府が海軍力拡充のためオランダに発注した軍艦開陽は幕末の東アジア随一の戦闘力を持つ戦闘艦でした。
その開陽を中心とした榎本武揚率いる幕府海軍は当時かなりの海軍力であり、実際薩長の海軍力では幕府海軍に対抗することはかないませんでした。

鳥羽伏見の戦い以後江戸湾に待機していた幕府海軍は、その後の陸戦が薩長側有利になり幕府軍が奥羽越列藩同盟とともに東北各地を転戦するようになるとひそかに江戸湾を脱出しました。
宮古湾を経由し、函館にやってきた幕府海軍は周辺の制海権を確保して、幕府残党とともに蝦夷地に上陸します。

函館を拠点として活動する旧幕府海軍は開陽を中心とした艦隊でしたが、新政府側には対抗手段がありませんでした。
そこで旧幕府が購入する予定だった軍艦「スト-ンウォール」を手に入れ、甲鉄と命名して新政府海軍の中心戦力とします。
しかしそれでも開陽と対決するには心もとなく、新政府は歯噛みしながら海軍力の拡大を図るしかありませんでした。

その間にも旧幕府軍は着実に蝦夷地に地保を固め蝦夷地在住の新政府勢力を江差に追い詰めます。
しかし江差で陸軍が苦戦しているとの古い情報に榎本武揚は開陽を派遣して海上から支援することを決定しました。
冬の北海道の荒れた海に船出した開陽は、果たして様子のわからぬ北の海で座礁することになるのです。
何とか離礁しようとするものの、万策尽きた開陽はついに沈没。
旧幕府海軍は一瞬にしてその戦闘力の大半を失ってしまいました。

新政府軍は海軍力の低下した旧幕府軍から制海権を奪うと、蝦夷地上陸を果たし旧幕府軍は五稜郭に追い詰められます。
結局函館戦争は新政府軍の勝利に終わり、戊辰戦争は終結しました。
しかし、開陽が存在しその勇姿を誇示していたら新政府は蝦夷共和国を認めざるを得なかった可能性があったとも言います。
たった一隻の軍艦の喪失が一つの政府(蝦夷共和国政府)を瓦解させたという例は古今東西でも珍しいでしょう。
それだけ当時の開陽は強力な軍艦だったのでしょうね。

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  1. 2005/10/20(木) 23:15:52|
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(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
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