鈴美先生のゴキブリ女への改造をお待ちの方々には申し訳ありませんが、今日はSSはお休みです。
船好きミリオタ舞方の趣味の世界ですので、しばしお付き合いのほどを。
アメリカ南北戦争の数あるエピソードの中でも、装甲艦同士の砲撃戦はその後の海戦をガラッと変えたと言っても過言ではないでしょう。
その装甲艦同士の戦いで片方の主役を務めたのが南部連盟海軍所属の装甲艦「メリマック」(南軍名称ヴァージニア)です。
もともとこの船は北部連邦海軍所属の蒸気フリゲート艦でした。
ところがその母港ノーフォークが位置するヴァージニア州が連邦を離脱し、南部連盟の一員として北部に叛旗を翻しました。
そこで北軍海軍はノーフォークに所在する各艦艇が南軍に接収されるのを恐れ、焼いてしまうことにしたんですね。
結局ノーフォークを脱出した軍艦はわずかで、ほとんどが北軍によって焼き捨てられました。
一方北部連邦の海上封鎖作戦で輸出入の道を閉ざされた南部連盟は何とかしてその海上封鎖部隊を排除する必要が生じました。
もともと南部には海軍力は無く、南部連盟海軍というものはほとんど形を成してなかったので、北軍の軍艦はたとえ焼き捨てられたものでもとても重要なものでした。
そこで南軍はノーフォークに打ち捨てられていた「メリマック」を引き上げて改造を施したのです。
(うーん・・・改造という言葉に萌えるなぁ)(笑)
その時に南軍は大事な軍艦が簡単に沈まないように装甲を施すことにしたのです。
ただでさえ少ない鉄を確保するために南軍は鉄道のレールを使い、それを打ち直して「メリマック」の船体に貼り付けました。
その鉄で囲まれた上部船体に大砲十門を据え付けた「メリマック」は「ヴァージニア」と改名され南部連盟海軍の主力として使用されることになったのです。
北軍の木製軍艦に対して「メリマック」(ヴァージニア)は圧倒的な優位を誇り、北軍の弾は弾き返されるだけなのに対して「メリマック」(ヴァージニア)の弾は軽々と木製の船体を貫いたのです。
結局北軍は装甲艦には装甲艦で対抗するしか無いとして装甲艦「モニター」を作り出します。
小型だが回転砲塔を持ち、全体が装甲された「モニター」と「メリマック」(ヴァージニア)はハンプトン・ローズの戦いでお互い撃ち合うことになりました。
この戦いは「メリマック」(ヴァージニア)によって北軍の木造艦が沈められたものの、「モニター」との撃ち合いではともにその装甲を貫くことができずにお互いの弾を弾きあっていたそうです。
結局お互いに撃つ弾が無くなったので双方引き上げるという引き分け状態で海戦は終結しました。
装甲艦という艦種を改造してどうにか作り上げた南軍と、すぐさま対抗手段としての装甲艦を新造してしまう北軍。
このあたりにも南北戦争に至った経済格差があるようですね。
それではまた。
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- 2005/10/12(水) 22:28:07|
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