昨日の続きです。
読んでいただけると嬉しいです。
22、
「はん・・・は・・・ん・・・は・・・」
感じるままに腰を動かして快楽をむさぼっていた郁海だったが、触手が動きを止めたことに気が付いた。
「ああん・・・そ、そんなぁ・・・イ、イかせてくださいぃぃ・・・」
同じく動きが止まったことでお預けを食らってしまった恭子も腰を振っておねだりをする。
他にも二人ほどの女子学生が動きの止まった触手を恨めしそうに見ている。
「ご、ご主人様・・・」
「あ、あの・・・ご主人様・・・」
恐る恐る“それ”の方を見る郁海と恭子。
だが“それ”に動きは無く、郁海と恭子は互いの顔を見合わせる。
やがて秘部に差し込まれた触手から“それ”の意思が流れ込んできた。
「はああん・・・し、侵入者ですか?」
「あん・・・あん・・・な、何者でしょうか?」
二人と同様に触手で繋がっている二人の女子学生にもその情報は伝わっていく。
「ひゃん・・・はう・・・いい・・・はい・・・はい・・・かしこまりました」
「ご、ご命令のままに・・・はい・・・処分いたし・・・ます・・・」
「ああ・・・お、お任せを・・・ご主人様」
触手から伝えられる命令を快楽とともに受け入れる女たち。
淫らな笑みに嗜虐の笑みが加わっていく。
しゅるしゅると触手が離れていくと、彼女たちは真っ赤に濡れた唇を舌なめずりしながらゆっくりと立ち上がった。
「うふふ・・・ご主人様の邪魔する奴は殺してやるわ」
はだけたブラウスを直しながら郁海がつぶやく。
「ええ、私たちで始末しましょう」
恭子も黒く尖った爪をすっとかざす。
他の二人もそれぞれに闇の中で笑みを浮かべていた。
玄関の下駄箱で上靴に履き替える弘子。
外来者用のスリッパを見つめていた汀は首を振ると、靴の泥をとんとんと落としてそのまま土足で校内に上がる。
「スリッパじゃ・・・ちょっとね」
言い訳めいた汀の言葉に弘子はくすっと小さく笑う。
「仕方ないですね。黙っていてあげます」
「サンキュー。助かるわ。卒業してからも先生に叱られたくはないからね」
「それにしても・・・静かですね」
弘子が廊下の奥に目をやる。
授業中ということもあるのだろうが、廊下には人っ子一人いなかった。
「意思を奪われて授業を受けるだけになっているんでしょうね。何も考えて行動することができなくなっているのよ」
弘子はぞっとした。
ただ黙々と授業を受けるだけの学生たち。
やがて一人二人と魔物に食われていってしまう。
そんなことが現実に起こっているのだ。
何とか止めなければならない。
「汀さん・・・」
「うん、行きましょう」
汀が力強くうなずく。
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- 2005/08/28(日) 21:19:22|
- 退魔師
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