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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

ホワイトリリィ(25)

25日間続いてまいりました200万ヒット記念SS「ホワイトリリィ」も、今日が最終話です。

25日間という長い間、本当に皆様お付き合いありがとうございました。
昨日一昨日と連続して3000ヒットを越えるという凄まじさにはびっくりです。
今日はほぼエピローグというべきものですが、最後までお楽しみいただけるとうれしいです。

それではどうぞ。


25、
                   ******

「部長、こちらお願いいたします」
「ん、そこに置いておいてくれ。後で目を通しておく」
いつものように俺の机には書類の山ができていく。
俺はそれらに目を通しながら、適当に業務をこなしていく。
やれやれ・・・
二週間も離れていると、仕事のペースを取り戻すのが大変だ。
今週の月曜など、ほとんど仕事にならなかったようなものだった。
この週末になって、ようやく躰がまた仕事に慣れてきたところだ。
「それにしても、不来坂課長がお休みだなんて珍しいですね」
空いている不来坂第一課長の机に眼を向ける女子社員。
「ああ・・・連絡もないとは気になるな・・・」
俺は仕事の手を止め、同じように空席となっている彼女の席に目をやった。
なんのことはない。
不来坂香穂里は昨日のうちに我がアジトで改造も終わり、ハンミョウ女となって蜘蛛女の指導を受けていたのだ。
そして昨晩のうちには愛していた夫もその手で始末し、クーライの一員となった喜びに浸っていた。
もう彼女がこの会社に来ることはない。
夫とともに失踪したとして処理されるだろう。
無論、老川専務もいずれ近いうちに消えてもらう。
始末はハンミョウ女にやらせてやるさ。

そういえば我々がホワイトリリィの外装装着システムを手に入れたことで、社長の紫乃も強化外装を欲しがっていたな。
通常は人間の姿を保持できるというのは大きな利点だ。
女怪人には女怪人のよさがあるが、やはり隠密行動には人間の姿を維持できる者がいた方がよい。
紫乃にも特別製の強化ボンデージでも着せてやるか・・・
確かあいつは薔薇の花が好きだったはず。
ブラックローズとでも名乗らせようか・・・
俺はふとそんなことを考えていた。

突然外がざわめき始める。
何事かと何人かの社員が窓のほうを見る。
どうやら始まったか・・・
「どうしたんだ?」
俺は何も気付かないふりをして、窓の近くの女子社員に聞いてみる。
「あ、部長、またです。またクーライが・・・」
おびえたような表情の女子社員。
いいぞ・・・
クーライは恐怖の象徴でなくてはな。
「クーライ?」
「クーライだって?」
がたがたと席を立つ社員たち。
みな窓の外に目を向け、何人かはTV中継がないかと携帯の画面を開いている。
「見波、テレビで何か言っているか?」
「あ、部長。いいえ、まだ何も・・・あっ」
窓の外で爆発音がする。
ふふふ・・・今日は多少派手になるかもしれないが仕方あるまい。

上空を行くヘリの音。
TV中継が始まり、携帯画面に映し出される。
俺も携帯を取り出してテレビをつける。
画面では上空からの映像が地上の様子を映していた。
暴れている女怪人たち。
一昨日加わったトビケラ女も嬉々として破壊と殺戮を楽しんでいるようだ。
元が心優しい女子高生とは誰も思うまい。

「くそっ。クーライのやつらめ。どうしてホワイトリリィは来てくれないんだ?」
「先日の時も来なかった。ホワイトリリィはもう来ないんじゃないのか?」
「そんな・・・やられちゃったとでも言うのかよ!」
「そんなの俺に言われたってわからねーよ!」
男性社員たちの声が飛び交っている。
クーライから守ってくれる上に、見た目で性的興奮も与えてくれるホワイトリリィだ。
来てくれるのを望むのは当然だろう。
だが・・・
お前たちの望むホワイトリリィはもう来ない。

『あはははは・・・下等で愚かなクズども。お前たちは少し数が多すぎるわ。我がクーライが適当に間引きしてあげる』
テレビから笑い声が聞こえてくる。
「何だあれは?」
「黒い・・・ホワイトリリィ?」
「まるでSMの女王様って感じだな」
「すげぇ! なんていやらしい格好なんだ! 胸もおへそも丸見えだぜ」
男どもの目が画面に釘付けになる。
もはや仕事どころではないな。
『うふふふふ・・・私はクーライの新たなる女幹部ブラックリリィ。これからは私がお前たちクズどもを管理してあげる。光栄に思うことね。あはははは』
手の甲を口元に当てて高笑いしているブラックリリィ。
とてもよく似合っているじゃないか。
「ブラックリリィだって?」
「ホワイトリリィに対抗するために送られてきたんじゃ?」
「あれもまた誰かが改造されたって言うのか?」
クーライの女怪人や女戦闘員が人間の女性を改造したものと言う噂は広まっている。
おかげで一時期は女性が夜出歩くことが減ったとも言われたが、今ではもとに戻っていた。
人間、喉もと過ぎればなんとやらなのだ。

『愚かなお前たちに教えておいてあげる。お前たちが望んでいるホワイトリリィはもう来てはくれないわ。ホワイトリリィは消滅したの。もう現れることは無いわ。なぜなら・・・』
テレビを見ている連中への効果を最大限に引き出そうと、一呼吸置くブラックリリィ。
『私がそのホワイトリリィだったから。でも私はクーライのおかげで生まれ変わったの。今の私はクーライの女幹部ブラックリリィ。お前たちに利用されていたホワイトリリィはもういないのよ。どう、驚いた? あはははは・・・』
楽しそうに高笑いするブラックリリィ。
「な、なんだって?」
「ほ、本当かよ? ホワイトリリィが黒くなっちゃったってか?」
「どういうことだよ? クーライを倒してくれるんじゃなかったのか?」
愕然としている男子社員たち。
もちろん女子社員たちもホワイトリリィが変わってしまった事にショックを受けている。
「さあ、ドスグラー様の忠実なしもべたち。下等なクズどもに私たちクーライの恐ろしさをたっぷり見せつけてやりなさい。存分に暴れるのよ!」
ブラックリリィの命の下、そばに控えていた女怪人たちもいっせいに暴れだす。
うんうん。
これでいい。
このためにブラックリリィのお披露目をしたのだ。
ホワイトリリィがいなくなった恐怖をたっぷりと味わうがいい。

                   ******

「ああ・・・これ・・・これがいいのぉ・・・んちゅ・・・れろ・・・ちゅる・・・」
跪いて俺のモノを舐め始める百合香。
今はすでにお互いにすべての外装をはずしている。
「今日はご苦労だったな、百合香。存分に味わっていいぞ」
「ああ・・・ありがとうございますお義父様。うふふ・・・お義父様のおチンポ、最高です」
うれしそうに再び俺のモノをしゃぶりだす百合香。
舌使いもずいぶんと上達している。
まるで絞り出されるような感覚に、俺のモノはすぐに射精感を高められてしまう。
「うまいぞ百合香。ずいぶんいやらしい舌使いを覚えたものだ」
「うふふ・・・ちゅる・・・んちゅ・・・お義父様のおかげですわ。フェラチオなんてお義父様のおチンポじゃなきゃしたくもありませんもの」
「ん・・・うおっ、出すぞ。飲めよ」
俺はしばらく百合香の舌使いを堪能し、たまっていた白濁液を放出する。
「ん・・・んん・・・んぐっ・・・ゴクッ」
俺のモノを頬張り、喉の奥に出されたものを飲み込んでいく百合香。
精液も飲み慣れてきたようだ。
「んはぁ・・・お義父様の精液・・・美味しい・・・」
うっとりと舌なめずりをする百合香。
妖しい魅力が表情に満ちていた。

「あん・・・はぁん・・・あん・・・あん・・・」
俺の上で腰を振る百合香。
いつもながら百合香の中は最高だ。
先ほど口の中に出したというのに、すぐにまた出したくなる。
「うおっ・・・うおお・・・」
百合香に負けじと俺も下から突き上げる。
親指で乳首をいじり、手のひらで両胸をこねてやる。
黒い宝石の付いた乳首ピアスがきらきらと輝いていた。
「あはぁん・・・奥に・・・奥に当たるのぉ・・・いいのぉ・・・おチンポいい・・・」
長い髪を揺らしながら腰を振っている百合香。
肉と肉の当たる音が部屋に響く。
かつて夫婦の寝室だった二階の部屋は、今では義理の父娘の寝室になっていた。
「ふふふ・・・いやらしい女だ。昼間だってたくさんの男たちの視線を浴びて興奮していたんじゃないのか?」
「ああ・・・はい・・・少しだけ興奮してました」
「ホワイトリリィの格好は恥ずかしかったくせに、ブラックリリィの格好は恥ずかしくないのか?」
「あん・・・恥ずかしく・・・恥ずかしくないです。あの格好好きぃ・・・あの格好で男どもに恐怖の混じったいやらしい目で見られたら・・・ああん・・・感じちゃいましたぁ」
昼間の興奮を思い出したのか、百合香の膣内がしまっていく。
さんざん男たちをいたぶって殺してきた百合香。
殺戮をかなり楽しんできたらしい。
「ああん・・・気持ちいい・・・お義父様・・・イッても・・・イッてもいいですか?」
「いいぞ。イけ」
「あはぁぁぁん・・・イッちゃうぅぅぅぅぅ」
突き上げられながら絶頂を迎える百合香。
俺もそれに合わせるように出してやる。
俺と百合香の相性は抜群だと言えるだろう。

ふう・・・
胸の奥まで煙を吸い込み、ゆっくりと吐き出していく。
セックスのあとのタバコは本当に美味い。
世の中喫煙者にきびしいが、タバコぐらいは好きに吸いたいものだ。
まあ、世界征服でもしたら、タバコぐらいは好きに吸わせてもらうとしよう。
俺の隣では百合香も寝そべってタバコを吸っている。
ブラックリリィのときと違い、真っ赤な塗れたような口紅がタバコの吸い口を赤く染めていた。
紫のアイシャドウが目元を彩り、爪には真っ赤なマニキュアをつけて、まさに俺好みの妖艶な女になっている。
ふふふ・・・
自然と笑みが浮かんでくる。
了史には想像も付かないだろう。
女はすべからく娼婦なのだ。
自らの主人に全てを捧げ、もてる淫乱さを全部晒して主人を喜ばせる。
それが女というものなのだ。
了史には百合香を女にすることはできなかった。
俺だからこそできたのだ。
俺は自分の成果に満足して美しい百合香の顔を眺めていた。

「うふっ・・・どうかしましたか、お義父様?」
自分が見つめられていることに気が付いたのか、百合香がくすっと小さく笑う。
「ん・・・いや・・・百合香が俺好みになったと思ってな・・・」
「私はお義父様の女ですわ。お義父様が望むなら、どんな女にも変わります。淫らな雌犬にも、冷酷な魔女にも、お義父様の思いのままにいたしますわ」
「ふふふ・・・それでいい」
俺は百合香の金色に染められた髪を梳いてやる。
つやつやの金髪はとても綺麗だ。
おそらく、百合香の見た目の変わりようは近所でも噂になるだろう。
派手な化粧をしてタバコを吸い、妖艶さを漂わせる女だ。
夫に逃げられ、水商売に身を落としたとでも言われるかもしれない。
だが、噂になろうがそんなことはどうでもいい。
わずらわしければ周囲の連中を始末すればいいことだ。
俺に清楚な百合香など必要ない。
派手で妖艶な娼婦のような今の百合香こそが俺にはふさわしい。

「先ほど蜘蛛女から連絡があった。了史が離婚届を提出したそうだ」
ブラックリリィという新たな女幹部を迎えたクーライだが、蜘蛛女は変わらずに俺のサポートをしてくれる。
むしろ、百合香のほうがアジトでの俺の補佐を蜘蛛女に任せるという形を取ったらしい。
その代わり、家にいるときは俺にべったりという感じだが。
了史のほうは先日家からつまみ出されたのがよほどこたえたのか、今では蜘蛛女の言いなりに近い状況らしい。
マンションに落ち着き、会社の事務の娘を拉致して洗脳してもらったようだ。
今では洗脳で言いなりになるその娘をメス奴隷同然に扱い、性欲の捌け口にしているらしい。
ある意味やつも壊れてしまったのかもしれないな・・・
「本当ですか? うふふ・・・うれしい。これで私はあの男とは何の関わりもなくなったんですね」
心の底からうれしそうに笑みを浮かべる百合香。
「ああ、そうだ。これで百合香は完全に俺のものだ」
「はい、お義父様。私はお義父様のものです。これからも百合香を可愛がってくださいませ」
「ああ・・・百合香」
俺は百合香の顎を持ち上げ、そっとやさしくキスをする。
まだまだ我がクーライは日本すら征服できてない現状だ。
これからもいろいろと困難はあるだろう。
別の正義の味方が現れないとも限らない。
だが・・・
百合香、いやブラックリリィを手に入れたからには、世界はいずれクーライのものとなる。
俺はそう確信していた。

END



あらためまして、25日間という長い間お付き合いいただきまして本当にありがとうございました。
明日は後書きめいたものを少し書かせていただこうと思います。
これほど長いものは今後書けないかもしれませんが、今後ともまたよろしくお願いいたします。

それではまた。
  1. 2010/03/16(火) 21:11:07|
  2. ホワイトリリィ
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ホワイトリリィ(24)

昨日はなんと一日3000ヒットを越えるというすごいことになりました。
多くの人に「ホワイトリリィ」を楽しんでいただいているようで、すごくうれしいです。
ありがとうございます。

今日と明日で終わりですが、最後までお楽しみいただければと思います。
それではどうぞ。


24、
                   ******

「あん・・・あん・・・ああん・・・」
ブラックリリィの衣装のまま俺の上に乗り、一心に腰を振っている百合香。
レオタード型ボンデージの股間の部分にはファスナーが付いており、着たままでセックスができるようになっている。
百合香の躰が上下するたびに、むき出しになった乳房の先に付いたピアスが跳ねていた。
自らの外装をそのようにして欲しいと百合香自らが望んだのだ。
「ふふふ・・・いやらしい女だ。ずいぶんと締め付けてくるじゃないか。そんなに欲しかったのか?」
俺はレオタード型ボンデージのむき出しになった二つの胸を揉んでやる。
乳首の先を親指でもてあそび、ピアスをツンツンと引っ張ってやる。
「ああん・・・はいぃ・・・これが・・・これが欲しかったんです、お義父様ぁ」
きゅうきゅうと俺のモノを締め付け、髪を振り乱して快楽をむさぼっている。
俺はドスグラーの衣装をはずし、今は洞上健一として百合香を抱いていた。
「ふふふ・・・そんなにいいのか? あそこで寝ているお前の夫のモノよりも」
俺は意地悪く顎で部屋の隅を指し示す。
そう・・・
ここはアジトではない。
洞上家の若い夫婦の寝室だ。
今までは夫と愛を交わしたであろうダブルベッドで、俺は百合香を抱いていたのだ。
しかも、部屋の片隅には、オムツを穿かされて拘束された了史がまだ眠っていた。
「ああんん・・・比べるまでもないですわぁ・・・お義父様のおチンポこそ最高のおチンポです。あの男のフニャチンなんかカスですわ」
軽蔑したような眼差しで了史を一瞥する百合香。
かつて抱いていた愛情は微塵もない。
「あんなフニャチンを今まで素敵なチンポと思わされていたなんてゾッとします。お義父様のおかげで私は本当のおチンポにめぐり会えたんですわぁ」
長手袋に包まれた指に舌を這わせながら、腰を振るのをやめない百合香。
まるですべての精気を吸い取られていくような気さえする。
まさに美しいサキュバスと言えるかもしれない。
「ふふふ・・・了史への愛はもう無いと言うわけか?」
「あるわけがありません。私が愛しているのはお義父様。私はもう身も心もお義父様の女ですわ」
何度聞いてもいいセリフだ。
百合香もそれがわかっているから、何度でも言ってくる。
「では了史と別れるか?」
「お義父様がよろしければ喜んで別れます。あんな男に未練などまったくありませんもの。ああん・・・」
「ふふふ・・・それではあいつにはこの家を出て行ってもらうことにしよう」
「ああん・・・うれしい・・・これからはお義父様と二人きりでこの家に暮らせるんですね? あん・・・気持ちいい・・・」
腰の振りが大きくなり、じょじょに絶頂に向かっていく百合香。
「まだイくなよ、百合香」
「ああん・・・は・・・はい・・・」
だが、もうあまり余裕はなさそうだな。
いつまで寝ているつもりだ、了史のやつめ。

そろそろ麻酔薬が切れる頃とは思っていたが、了史はいっこうに目を覚まさない。
やむを得ず俺は、頭を乗せていた了史の枕を投げつけてやる。
枕は狙いたがわずに了史の頭に命中し、その衝撃で了史が目を覚ました。
「うふふ・・・お義父様お上手ですね」
目の端で枕の行方を見ていた百合香が小さく笑う。
まあ、このぐらいのコントロールはできるさ。
「う・・・あ・・・」
了史がいったい何があったのかときょろきょろしている。
状況把握に時間がかかっているのだろう。
甘いぞ。
すぐに判断できねばそれは命取りになる。
「ああん・・・あん・・・いい・・・気持ちいい・・・」
了史が目を覚ましたことに興奮したのか、百合香のあえぎ声が大きくなる。
「え? あ? な、なんだ?」
目を覚ましたら目の前で男女が絡んでいるのだ。
驚くのも無理はないか。
「あん・・・了史さん・・・目を覚ましたぁ?」
「ゆ、百合香? 百合香なのか? その格好はいったい? 髪も・・・」
「ああん・・・違うわぁ・・・今の私はもうあなたの知っている百合香じゃないの・・・今の私はブラックリリィ。お義父様に生まれ変わらせていただいたのよ」
クスクスと妖艶な笑みを浮かべている百合香。
それでいて、その腰はまったく動きを止めはしない。
「と、父さん? や、やめろ! 百合香に何をしているんだ! 父さん! くっ!」
立ち上がろうとして拘束されていることに気が付いたらしい。
その顔に焦りの表情が浮かんでいる。
「何って見てのとおりだ。百合香はブラックリリィとして生まれ変わり俺の女になった。そういうことだ」
「ふ、ふざけるな! 百合香、父さんから離れろ!」
ガチャガチャと拘束をはずそうとする了史。
無駄なことを・・・
「離れるなんていやよ・・・今いいところなの・・・お義父様のおチンポ、とっても気持ちいいのよ。あなたのとは大違い。ああん・・・イッちゃいそう・・・お義父様ぁ・・・イッてもいいですかぁ?」
甘えるような声を出して見せ付けている百合香。
ふふふ・・・
了史をもてあそんでいるじゃないか。
「ふふふ・・・そんなに気持ちいいか? いいぞ、イッても」
「あん・・・うれしいですお義父様ぁ・・・お義父様のおチンポ最高ですぅ」
ぎしぎしとベッドを揺らし、チラッと了史のほうを見る百合香。
その口元には笑みが浮かび、了史が苦悩しているのが楽しくてたまらないようだ。
「百合香ぁ・・・」
「あはぁん・・・イきますぅ・・・イッちゃいますぅ・・・」
がくがくと躰を震わせて高みに上っていく百合香。
「いいぞ。イけ! イッてしまえ!」
俺も下からずんずんと突き上げる。
「やめろぉっ! やめてくれぇっ!」
「あっ・・・ああん・・・イく・・・イく・・・イッちゃうぅぅぅぅぅぅ・・・」
了史の叫びをBGMにして、百合香は絶頂を迎え、俺も同時に彼女の中に白濁液をぶちまけるのだった。

「はあぁん・・・お義父様。最高でした。気もちよかったぁ」
半分放心したような笑みを浮かべる百合香。
「ふふふ・・・それはよかった。俺も百合香の膣内は最高だったよ」
俺はベッドの上に上半身を起こし、ぐったりと脱力した百合香を抱き寄せる。
「うふふ・・・うれしいです。もっともっとお義父様に気持ちよくなってもらえるよう努力しますね」
「それはありがたいな。俺ももっと楽しませてやるとしよう」
「ああ・・・お義父様ぁ・・・愛してます」
うっとりと俺を見つめる百合香に俺はそっとキスをする。
黒く塗られた唇が柔らかい。
「ゆ・・・百合香」
愕然とした表情の了史。
哀れなやつだ。
「うふふふ・・・見てたんでしょ了史さん? だったらもうわかったわよね? 私はもうお義父様の女なの。身も心もお義父様のものなのよ」
俺に抱かれながら、冷たい目で了史を見る百合香。
口元にはあざけるような笑いが浮かんでいる。
「そんな・・・俺を・・・俺を愛してくれていたんじゃなかったのか?」
「うふふふ・・・以前はそんなこともあったかもしれないわ。私が何も知らない愚かな女だったときにはね。でも、今私が愛しているのはお義父様のみ。お義父様さえいてくれれば何もいらないの。あなたなんかもうどうでもいいのよ」
「ゆ・・・百合香・・・」
口をパクパクさせて言葉が出ないらしい了史。
ただ百合香の名前を呼んでいるだけだ。
「そういうことだ。今の百合香はブラックリリィ。俺の女だ」
俺は百合香の髪を梳いてやりながらタバコを咥える。
スッと枕元のライターを取って火をつけてくれる百合香。
俺は一口タバコを吸うと、そのまま百合香に咥えさせた。
「ふう・・・美味し・・・」
美味そうにタバコを吸う百合香。
「百合香・・・やっぱり君はタバコを?」
「ええ、そうよ。タバコ大好き。今まで嫌っていたのがホントバカみたい」
見せ付けるようにもう一度深く煙を吸い込み、吹きかけるように吐いていく。
「百合香・・・ゲホッ」
漂ってきた煙に了史がむせる。
「うふふふ・・・タバコもチンポもちゃんと味わってみないとわからないものだったのよね。あなたみたいなフニャチンを素敵なチンポだと思わされていたんだもの」
百合香が微笑みながら毛布の上から俺のモノをさすってくる。
黒い長手袋に包まれた細い指が妖しく蠢き、思わず俺のモノがまた硬くなった。
「うふふ・・・これこそが本物のおチンポ。最高のおチンポなのよ」
「やめて・・・やめてくれ百合香・・・百合香・・・」
半泣きになっている了史。
まったくもって哀れなやつだ。

「ああ、もう、まったくうるさいわね百合香百合香って! お前みたいなフニャチンに呼び捨てにされる覚えは無いわ!」
いきなり立ち上がり、つかつかと歩み寄って、ブーツで了史の股間を蹴りつける百合香。
「うぎゃぁぁぁぁぁ!」
了史が目をむいて悲鳴を上げた。
「お前のせいで私は女の喜びを知らずに終わるところだったのよ! お前のフニャチンなんかつぶれてしまえばいいんだわ」
グリグリと了史の股間を踏みつける百合香。
とても楽しそうに見えるのは気のせいか?
「うふふふ・・・わかった? これから私のことを呼ぶときはブラックリリィ様、もしくは百合香様と呼びなさい。いいわね、クズ」
「うぐぐぐぐ・・・」
苦悶の表情の了史。
「そのぐらいでいいだろう」
俺は百合香を止める。
了史など相手にするのもバカらしいのだ。
「あ、はい。お義父様」
にこやかな笑みを見せて脚を下ろす百合香。
了史を足蹴にできたので気分がいいらしい。
「うふふ・・・よかったわね。お義父様が優しい方で」
「うう・・・ううう・・・」
股間の痛みにうめくことしかできない了史。
「お前はクズだから気が付かなかったでしょうけど、お義父様はこれから世界を支配する暗黒の秘密結社クーライの偉大なる首領ドスグラー様なのよ。本当ならお前のようなクズはその素顔を見ただけでも死に値するわ」
いつの間にか了史に対する呼びかけがお前になっている。
完全に了史を見下したということだろう。
「えっ? クーライ? えっ? あの?」
きょとんとする了史。
まあ、当然だ。
自分の父親が秘密結社の首領と言われてもピンと来るまい。

俺は新たに首筋に埋め込んだスイッチに手を伸ばす。
そのスイッチを押した瞬間、俺の周りに粒子が舞い、硬いアーマーを形作っていく。
マントもマスクも同じように粒子から作られ、俺の躰を覆っていく。
百合香のシステムを分析してわかったことだが、これは百合香の躰に埋め込まれていたホワイトリリィの外装装着システムを模したものである。
外装を粒子化して取り込んでおくことができるのだ。
いちいち着替えなくていいのでありがたい。
こんなシステムがあるとは思わなかった。
知っていたらもっと早くに取り入れていただろう。
俺は昨夜一晩かけて、このシステムを俺の躰に埋め込ませたのだった。

「う・・・あ・・・あ・・・」
口をパクパクさせている了史。
ドスグラーの姿になったことで、百合香はスッと跪いて一礼する。
「了史、これが俺の本当の姿だ。俺は秘密結社クーライの首領ドスグラーなのだ」
「嘘・・・嘘だろ? 父さんがあのクーライの?」
「本当だ。今まで黙っていて悪かったな」
「ま、まさか・・・そんな・・・」
驚愕のあまり何も言えないでいる了史。
やれやれ・・・
俺は愕然としている了史をよそに、ベッドの脇に置いておいたカバンを取る。
そしてその中から鍵と銀行の通帳を取り出した。
「ほら」
俺は了史の足元に鍵と通帳を放り出す。
「えっ?」
「俺はお前から百合香を奪った。それはもうわかっただろう」
「奪っただなんて・・・私は自らの意思でお義父様にこの身を・・・」
「今は黙っているんだ、百合香」
顔を上げて自分は奪われたのではないと訴える百合香を、俺はしばし黙らせる。
「これはお前から百合香を奪った慰謝料代わりだ。定期と普通で合わせて一億入っている。当座の暮らしには困るまい」
クーライの活動資金に比べたら、こんな金は微々たる物だ。
「い、一億?」
「そうだ。それとその鍵は都内のマンションの一室の鍵だ。くれてやるからそこで暮らせ。一応家具とかは揃っているが、他にも欲しいものがあれば言えばいい」
クーライの活動用に俺は常にマンションの部屋の二つ三つは確保してある。
拉致した女性をいつもここの地下アジトに連れ込むわけにも行かないからな。
「俺に・・・出て行けと?」
「そうだ。俺のものになった百合香を見ながら暮らすのは、お前には耐えられまい?」
「う・・・うう・・・」
了史の目から涙がこぼれる。
「泣くな。百合香のことは忘れろ。彼女は俺にふさわしい女だったのだ。お前にはお前にふさわしい女がいるだろう。会社に気になる娘はいないのか? 気に入った娘がいれば俺に言え。すぐに拉致してお前を愛するように洗脳してやる。一生お前を愛する浮気の心配のない完璧な妻に仕立ててやるぞ」
「う・・・ううう・・・ううう・・・」
了史はただ泣くばかりだった。

俺は百合香に泣いている了史の拘束をはずすように命じる。
百合香はこくりとうなずくと、すぐに了史の拘束を解きにかかる。
「ほら、もう泣かないの。クーライの首領を父に持ってよかったじゃない。一億ものお金とマンションよ。そこらの女たちが金に目がくらんですぐに寄ってくるわ。そうしたら二三人洗脳してもらえばいいのよ。お前に忠実な女たちのハーレムがすぐにできるわ」
くすくすと笑いながら拘束を解いていく百合香。
「百合香・・・ちくしょう! よくも百合香を! 百合香を返せっ!」
突然殴りかかってくる了史。
バカなやつ・・・
俺は向かってくる了史のこぶしを簡単に受け止め、腕をひねり上げて突き飛ばす。
「うあっ」
よろよろと床に転げる了史。
そこに百合香が鋭い蹴りをねじ込んだ。
「ぐふぅっ!」
「バカじゃないの! ドスグラー様に何てことするつもり? 死にたいのかしらこのクズは!」
ピンヒールのかかとをグリグリとわき腹にえぐり込む百合香。
俺に殴りかかってきたことが彼女には赦せないのだ。
「や、やめろ、やめてくれ」
必死に身をかばう了史。
「やめてくれですって? クズのくせに要求は一人前なのね」
楽しそうに笑みを浮かべている百合香。
俺はその肩にそっと手を置いた。
「もういい、百合香。あとは了史の好きにさせろ」
「でも、クズのくせにドスグラー様に手を上げるなんて・・・」
「いいから」
「はい・・・わかりましたドスグラー様」
しぶしぶ足を離す百合香。
「わかっただろう、了史。もうここにはお前の居場所はない。おとなしくその金を持って出て行くんだ」
「私からもこれをあげるわ」
百合香がベッド脇の机から一枚の紙を取って了史のほうに放り投げる。
「離婚届よ。あとはそっちの名前を書くだけになっているわ」
「うう・・・百合香・・・ううう・・・」
その場にうずくまり泣きじゃくる了史。
哀れなやつだ。
さっさと気持ちを切り替えればいいものを・・・
俺は携帯を使って蜘蛛女に連絡する。
すぐに蜘蛛女と女戦闘員たちが部屋にやってきて、了史の周りを取り囲んだ。
「うわ、な、何だお前たちは?」
青ざめる了史を抱えるようにして無理やり連れ出していく女戦闘員たち。
「や、やめろ! やめてくれぇ! ゆ、百合香~!」
必死で抵抗する了史だったが、女戦闘員に生身の人間がかなうはずもない。
おそらくはどこか適当なところであいつを放り出してくれるだろう。
俺は了史が連れ出されていくのを、ただ無言で見送った。
  1. 2010/03/15(月) 21:01:47|
  2. ホワイトリリィ
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ホワイトリリィ(23)

200万ヒット記念SS「ホワイトリリィ」も今日を含めて残り3回。
今日は23回目です。
気が付けば210万ヒットも目の前。
連載中に達成できますでしょうかね。

それではどうぞ。


23、
手術台に静かに横たわる百合香。
規則正しい寝息とそれに伴う胸の上下が、彼女が眠っていることを示している。
大き過ぎない形のよい胸。
なんともいえず美しい。
「それでシステムを切り離すことは可能なのか?」
俺は医療戦闘員たちに指示を下している蜘蛛女に確認する。
「切り離すこと自体は可能とのことです。ですが・・・」
蜘蛛女が言葉を濁す。
「ですが?」
「ですが、百合香様ご自身の精神を崩壊させる可能性が少なからず起こり得るとのことです」
「むう・・・やはり防御システムが働くのか・・・」
予想していたとはいえ、俺は思わずうなってしまう。
異性人の技術を基にしているクーライの技術でも失敗の可能性を無くしきれないと言うのか・・・
さすが異星人が技術の悪用を阻止する意味でセットしていったものというわけだ・・・
「ドスグラー様が無理やり百合香様を洗脳や改造しようとしなくて正解でした。百合香様の意思に反してそういうことが行なわれた場合、百合香様もろともシステムは消滅する可能性があったとのことです」
「やはりか・・・それで今は問題ないというわけか?」
「はい。百合香様ご自身が我々クーライを受け入れられましたので、システムが反応しなくなっているようです」
手元のデータを報告する蜘蛛女。
俺の計画は間違っていなかったというわけか・・・
だが、システムを切り離せないとすれば厄介だな・・・

「百合香からホワイトリリィを切り離せないとなれば、いつまたホワイトリリィとして我々に敵対するかわからないというわけか・・・だが、切り離すには失敗を覚悟しなくてはならない。どうすればいいか・・・」
俺が苦悩していると、蜘蛛女がクスッと笑う。
こいつめ・・・すでに何か策を持っているんだな?
「ご安心くださいませ、ドスグラー様。切り離す必要はないのです」
「切り離す必要はない? どういうことだ?」
俺はおとなしく蜘蛛女が話すに任せる。
こういう会話も楽しいものだ。
「はい。ドスグラー様は百合香様よりホワイトリリィシステムを切り離し、その上でクーライの一員としての肉体強化をおこなおうとお考えだと思われます」
「そのとおりだ。百合香が病気や事故で死ぬようなことがあってはならないからな」
「ドスグラー様、その二つを分けて考える必要はないのです」
「分ける必要はない? あっ!」
俺はハッと気がついた。
なるほど、そういうことか。
「蜘蛛女、お前が言いたいことは、百合香のホワイトリリィのシステムをそのままクーライで改変し乗っ取ってしまおうということだな?」
「はい。ドスグラー様のおっしゃるとおりです。ホワイトリリィのシステムを乗っ取り、我がクーライの都合のいいように改変する。そうすれば百合香様よりホワイトリリィは消え去り、変わりに我がクーライの闇の女戦士が誕生するというわけです」
蜘蛛女がにっこりとうなずいた。
「それでいい。早速百合香のシステムを我がクーライのものへと改変せよ」
「かしこまりました。ドスグラー様。ですが時間が少々かかるかと・・・初めてのことでありますので」
「かまわん。その間の手は打つ。百合香を頼んだぞ」
「お任せくださいませ、ドスグラー様」
蜘蛛女が一礼する。
俺は百合香を蜘蛛女に任せ、手術室をあとにした。

さて・・・
百合香のシステム改変には時間がかかる。
蜘蛛女にはあのあとメールで細かい指示を与えてあるので問題はないだろう。
俺は久しぶりに会社に連絡をしてみた。
こんなに会社を空けたことなどなかったからな。
まあ、総務部長である俺がいなくても、会社などは問題ないはずだが。
俺は社長の田神紫乃に連絡を取り、問題がないか確認する。
会社のほうは特に問題はないとのこと。
だが、昨日と今日の事件で、うちの社員も二人ほど死んだらしい。
そのため、紫乃と老川専務がこのあと通夜に出ることになったという。
当然のごとく老川専務は、俺がいないことをねちねちと不来坂香穂里に文句を言っているらしい。
やれやれ・・・
これは早々に香穂里を改造してやって、老川を引き裂かせてやる必要がありそうだ。
きっと胸がすうっとするだろう。
専務には代役でも立てればいいか。
さて、彼女には何と融合させてやるのがいいだろうかな・・・
ハンミョウ女というのもいいかなどと考えながら、俺は不来坂香穂里に電話する。
そして老川専務のことをフォローしてやり、業務の問題がないかを確認しておいた。

夜になり、俺はまた蜘蛛女にわがままを言って夕食を作ってもらう。
蜘蛛女はいやな顔をするどころか、むしろ喜んでニコニコしながら作ってくれて、俺は美味しい夕食にありつけた。
正直百合香の作る食事と甲乙付けがたい。
いろいろな悪の組織の首領がいるが、こと食事の面では俺が一番恵まれているかもしれないな。

夕食を終えると、そろそろ了史が帰ってくる時間だ。
了史が帰ってきたときに百合香がいないとなれば、あいつはかなり騒ぐだろう。
浮気を疑い、電話をかけてきたやつだ。
どこに行っているのかと探すに違いない。
となれば、おとなしくしていてもらうことにしよう。
どうせそろそろ百合香のことは告げなくてはならない。
そのあとであいつがどうしようと知ったことではないが、まあ、できる限りのことはしてやるさ。
それが嫁を奪った父親のせめてもの心遣いだろうからな。

俺は当直のコオロギ女に後を任せ、ドスグラーの衣装から着替えて部屋に戻る。
そしてリビングでテレビを見ながら了史の帰りを待った。
クーライのニュースでTVはどこも埋め尽くされている。
昨日今日で死んだのはかなりの数に上ったらしい。
まあ、そのぐらい死んだところで地球全体の人間の数から見れば微々たるものだ。
さほど問題になるようなことではない。
いずれしっかりと管理してやるさ。

「ただいまー」
夜10時近くなって、ようやく了史が帰ってくる。
あいつもこんな時間まで大変なことだ。
これからもっと大変になるのだがな・・・
「ただいま。あれ? 父さん、百合香は?」
リビングに入ってくる了史。
「ん? 今手が離せないようだぞ」
俺はそう言って催眠ガスのスプレーを取り出して吹き付ける。
「ん・・・あ・・・な、何を・・・」
そのままその場に崩れ落ちる了史。
俺は了史が眠ってしまったことを確認すると、あらためて麻酔薬を打ち込む。
これでいい。
これで当分は起きてこない。
俺は上着を脱がせてネクタイをはずしてやると、そのまま肩に担いで二階の部屋に連れて行く。
そして椅子に座らせて、手錠を嵌めて拘束する。
あとで排泄物のために紙おむつを買ってこなくては・・・
ここでお漏らしをされてもかなわんからな。
まあ、明日はゆっくり休め。
会社には俺が連絡しておいてやる。
俺はぐったりとなった了史をそのままにして、二階の部屋をあとにした。

                   ******

ん・・・
朝か・・・
どうやらいつの間にか眠っていたらしい。
時計を見ると朝の6時。
いつもの起きる時間だ。
体内時計とは正確なものだな。
それにしても・・・
あれから12時間ほどが経つが、百合香の報告はまだ来ない。
医療戦闘員たちもてこずっているということか?
それともシステムが予想以上に強固ということなのだろうか・・・

俺は二階の了史の部屋へ行き、まずは了史の様子を確かめる。
相変わらず眠りこけており、起きる気配は微塵もない。
昨夜買ってきた紙オムツを穿かせているので、俺はまずその始末をおこなう。
やれやれ・・・
息子のオムツを取り替える悪の首領とはな・・・
俺はオムツを取り替えると、オムツ姿の了史に苦笑しつつ部屋からアジトに下りていく。
そしてドスグラーの衣装に着替えて司令室に行く。
いつものようにスモークが炊かれ、女怪人や女戦闘員たちが出迎えてくれる。
昨夜からの当直のコオロギ女が異常無しを報告する。
昨日一昨日の襲撃事件で、警察などの警戒が厳重になっているものの、我らの動向を掴むことはできていないとのこと。
当然だ。
我々の動向を警察ごときが掴めるものか。
俺は当直の引継ぎをして休むように言ってやり、蜘蛛女を呼び寄せる。
まったく・・・
蜘蛛女がいなければ俺はどうにもならんな。

すぐに蜘蛛女はやってくる。
均整の取れたボディが動くさまは、なかなかに見ていて気持ちがいいものだ。
「蜘蛛女まいりました」
スッと片膝をついて一礼する蜘蛛女。
「ご苦労。百合香の様子はどうだ?」
「はい。順調にシステム改変が進んでおります。すでにシステムそのものの乗っ取りは成功しましたので、二度とホワイトリリィが現れることはございません」
「そうか・・・」
俺はちょっと複雑な気持ちになった。
あれほど我々の障害となっていたホワイトリリィだが、もはや現れないというのはなんだか寂しいものがある。
「あとはシステムを利用し、百合香様を闇の女戦士へと仕立て上げるばかりです。おそらく午後にはお披露目ができるようになるかと」
「そうか。素敵な悪の女戦士にしてやってくれ。クーライの女幹部にふさわしいようにな」
「はい。心得ております」
にこっと微笑む蜘蛛女。
その口元がなまめかしい。
俺は再び百合香を任せ、蜘蛛女を下がらせた。

俺はそのあとで控え室に下がり、マスクを取って了史の会社に電話をかける。
まさか今オムツして寝ていますとは言わないが、会社を休むことぐらいは伝えてやらねばな。
電話をかけ終わり、ふと気がつくと暇になる。
そういえば、二週間もの有給を取ったわりに、ずっと百合香にかかりきりだったからな。
今日は少しゆっくりするか。
俺は着替えて自室に戻ると、まだ読んでなかった文庫本を取ってリビングに行く。
そしてコーヒーを飲みながら読書と洒落込むことにした。

昼はカップラーメンで済ませ、了史には栄養剤と麻酔薬を追加しておく。
紙オムツも交換してやるが、勃起してない状態で見ても、こいつのモノはそう小さいものではない。
おそらく百合香も楽しませてもらっていただろう・・・
だが・・・
パルスの影響で百合香は了史のモノが貧弱なモノと思い込んでいる・・・
俺のモノこそ最高と思い込んでいるのだ。
まあ、かわいそうだが、こいつのモノは二度と百合香に入ることはない。
了史には別の女でも用意してやるさ。
たとえ了史のことを毛虫のように嫌おうとも、強制的に洗脳してやればすぐに了史を愛するようになるのだからな。
少々人格が壊れたところでどうってことはあるまい。

やがてポケットの中の携帯が鳴る。
蜘蛛女からだ。
どうやら百合香の改変が終わったらしい。
俺はいそいそとアジトに下りる。
そしてまたドスグラーの衣装に着替え、司令室へと入って行った。
なんだかドキドキするな。

「お帰りなさいませ、ドスグラー様」
「「お帰りなさいませ、ドスグラー様」」
俺が司令室に入るたびに繰り返される儀式。
蜘蛛女と女戦闘員たちが跪いている。
だが、百合香の姿はそこにはなかった。
「ご苦労。蜘蛛女、百合香はどうなった?」
俺は首領の席に着くと、蜘蛛女にそう尋ねる。
「はい。すべて終了いたしました」
微笑んでいる蜘蛛女。
こいつめ・・・焦らしやがって。
「それで百合香はどこに」
「お待ちを。百合香様、ドスグラー様がお呼びでございます」
蜘蛛女が怪人たちの出入りする脇の入り口に声をかける。
すると、入り口がスッと開き、闇の中から現れるかのように一人の女が入ってきた。

「!」
俺は思わず息を飲む。
入ってきたのは百合香だ。
だが、そこにいたのは今までの百合香ではなかった。
邪悪で妖艶な笑みを浮かべた闇の女そのものだったのだ。
「うふふ・・・」
カツコツとヒールの音を響かせ、優雅に歩いてくる百合香。
そして俺の前にやってくると、スッと片膝をついて一礼する。
「お呼びでございますか? ドスグラー様」
そう言って顔を上げる百合香。
俺のマスクを模した小さな髑髏の付いたサークレットを額に嵌め、目元には黒いアイシャドウが塗られている。
唇にも同じように黒のルージュが塗られ、チラリと覗く白い歯と好対照を成していた。
「ほう・・・綺麗だな百合香。ちょっと立って見せてくれるか?」
「はい、もちろんです。ドスグラー様」
百合香がスッと立ち上がる。
見事な衣装だ。
黒エナメルのレオタード型のボンデージが身を包み、トゲの付いたチェーンがベルト代わりに巻きついている。
驚いたことにその両胸のところは丸くくり抜かれていて、形のよい乳房が丸見えだ。
おへそのところもダイヤ型にくり抜かれ、かわいくくぼんだおへそが姿を見せている。
乳首にもおへそにもピアスが付けられ、それぞれに小さな黒い宝石が輝いている。
両手には黒エナメルの長手袋が着けられ、二の腕のところにトゲの付いたリングが嵌まっていた。
脚は太ももから下を履き口と足首にトゲの付いたピンヒールのブーツが覆っている。
もちろんそれも黒エナメルだ。
俺が無言で眺めていると、百合香はくるりと躰を回して見せてくれる。
髪は明るい金色に染められていて、背中に流れる部分がつややかに光り、実に美しい。
全体を黒でまとめたその姿は、まさに悪の女戦士にふさわしかった。
「うふふ・・・いかがですか? 似合いますか、ドスグラー様?」
「ああ、とてもいやらしくてよく似合っている。まさに我がクーライにふさわしい悪の女戦士だ」
俺はゆっくりとうなずいた。
とてもよく似合っている。
「ああ・・・うれしいです。私もこの姿がとても気に入りました。こんな素敵な衣装にしていただき、感謝しています」
再び片膝をついて一礼する百合香。
「うむ。これからは我がクーライのために尽くすがいい」
「はい、もちろんですドスグラー様。私はクーライとドスグラー様の忠実なるしもべ。どうぞ何なりとご命令を」
「うむ。百合香よ、今日からはクーライの女幹部ブラックリリィと名乗り、我が片腕として仕えるのだ」
俺はもう一度うなずいた。
「素敵な名前をくださりありがとうございます。私はクーライの女幹部ブラックリリィ。私の身も心もドスグラー様のもの。永遠の忠誠をお誓いいたします」
凛々しい表情で俺を見上げる百合香。
その忠誠の言葉がなんともうれしい。
俺はついに今、最高の女と最高の手駒を同時に手に入れたのだ。
  1. 2010/03/14(日) 20:31:29|
  2. ホワイトリリィ
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ホワイトリリィ(22)

200万ヒット記念SS「ホワイトリリィ」も22回目です。
そろそろ次回作も考えないとなりませんね。

それではどうぞ。


22、
「もしもし・・・洞上です」
下着姿で電話に出る百合香。
しかもショーツは脱いでいるので、股間は晒されたままだ。
まさか電話の向こうではそんな格好をしているとは思うまい。
「あ、了史さん? どうしたの、こんな時間に?」
やはりか・・・
百合香が気になって電話をかけてきたのだ。
俺は無言で百合香の正面に回ると、そそり立つモノを見せつけて、そのまま百合香を抱きかかえる。
「ひゃん」
立位、いわゆる駅弁体位で百合香にいきなり挿入したため、思わず声が出たのだろう。
なんと言ってごまかすか見ものだな。
「あ・・・え、ええ・・・今お茶していたんだけど、こぼしそうになっちゃって・・・ええ・・・もちろん一人・・・あん・・・」
下から百合香の躰を突き上げていく。
「あん・・・ええ・・・今日ですか? これから買い物に行こうと・・・ええ、行きたいの・・・」
おいおい・・・
“イきたいの”の間違いじゃないのか?
俺はそのまま意地悪く突き上げていく。
百合香の股間からはもう愛液がだらだらと流れるまでになっていた。
「あん・・・あん・・・えっ? あ・・・ち、違うの・・・おトイレ・・・おトイレに行きたいの・・・ごめんなさい・・・もう切るわね・・・ええ、お仕事がんばって・・・ああーーん」
受話器を置いたとたんに大声でよがり声を上げる百合香。
多分、今回のことでいっそう了史の疑惑が深まったかもしれない。
百合香は電話を切りたがっていたからな。
「ふふふ・・・どうだ? 興奮しただろう」
「あふぅ・・・は、はいぃ・・・感じますぅ・・・イく・・・イきますぅ」
自由になった指をしゃぶり、興奮に打ち震えている百合香。
「了史はなんだって?」
「あん・・・なんだかよくわかりません・・・一人かとか、どうしてるとか、これからどうするとか・・・」
「ふふふ・・・あいつも百合香が浮気してないか心配なのさ」
「あん・・・いやな男・・・これは浮気なんかじゃないわ。私はもうあの男のものなんかじゃないもの。それにあの男だってホワイトリリィのほうが好きなくせに・・・」
俺は苦笑する。
あの映像は作ったものだ。
まったくの濡れ衣なんだがな。
「ああん・・・イく、イくぅぅぅ・・・」
背筋を伸ばして絶頂を迎える百合香。
俺もそのまま百合香の中に白濁液を放出してやった。

「ふう・・・最高だったよ、百合香」
自室のベッドに寝そべりながらタバコの煙を吐く。
予期していたとはいえ、最高のタイミングで電話をかけてくれた了史に俺は皮肉な思いで感謝した。
あのあと俺は百合香を部屋に連れ込んで、たっぷりとセックス漬けにしてやったのだ。
「うふふ・・・うれしいですお義父様。私ももう死んじゃうかと思いました。あんな激しいセックスは初めて。やっぱりお義父様とのセックスが最高ですわぁ」
セックスの余韻に浸りながらタバコを燻らせている百合香。
マニキュアを塗った指先やアイシャドウに口紅がとても美しい。
俺はそんな百合香に見惚れながら、こっそりと蜘蛛女に携帯電話でメールを送る。
すでに文章は入力していたから、送信スイッチを押すだけでいい。
さあ、お楽しみの時間の始まりだ。

俺はしばらく他愛もない話をしながら蜘蛛女からの連絡を待つ。
街では昨日に引き続きサソリ女とムカデ女の破壊活動が始まっているはず。
その映像をこちらのパソコンに転送する準備が整い次第、連絡が来る手はずになっている。
やがて俺の携帯にメールが入る。
どうやら準備が整ったらしい。
俺はタバコを吸いながら机に移動し、パソコンを立ち上げて映像を表示した。

「百合香。ちょっとこれを見なさい」
「えっ? 何ですか、お義父様?」
ベッドで気持ちよさそうに横になっていた百合香が、躰を起こして画面を見る。
俺はそのタイミングでパルスの照射を開始した。
もっとも、このパルスはもうほとんど用がなくなっている。
百合香の感情はほぼ俺の思うとおりに変わったからだ。
これは最後の一押しに過ぎない。

画面の中では昨日と同じような光景が展開されていた。
ムカデ女とサソリ女が暴れだし、逃げ惑う人々を恐怖に落とし入れていたのだ。
「お義父様、これは?」
「クーライの女怪人が暴れているのさ。どうだい? 気持ちよさそうだろう?」
一瞬俺の顔を見る百合香。
だが、すぐにその口元に冷たい笑みが浮かぶ。
「うふふ・・・ええ、ホント、気持ちよさそうですわぁ」
ベッドに腰掛け、脚を組みなおしてタバコを吸う百合香。
その姿は妖艶で、以前の百合香とはまったく違うものを感じさせる。
「ふふふ・・・そうだろう。逃げ惑うおろかな人間どもが切り刻まれていくのは、見ていて気持ちがいいはずだ」
「ああ・・・はい。お義父様の言うとおりです。うふふふ・・・こんな連中を守ろうとしていたなんてバカみたい。こいつらのような下等なクズどもは、虫けらのように殺されるのがお似合いだわ。うふふふふ・・・」
笑いながらタバコの煙を吐く百合香。
「そうだ。人間どもなど下等なクズだ。こいつらは支配されなければ生きていくことができないクズどもなのだ」
「ええ、そう思います。人間なんてクズ。誰かにすがり付いて生きているだけの下等な連中だわ」
俺は百合香の目が真剣であることを見て取った。
百合香の価値観は変わったのだ。
今の百合香がホワイトリリィになることはもうないだろう。
俺はあらためて、一呼吸を置いてこう言った。
「百合香。クーライの一員となって、この地上を支配したいと思わないかい?」

「お義父様・・・」
きょとんとした表情で俺を見る百合香。
だが、すぐに先ほどの冷たい笑みが浮かんでくる。
「ええ・・・思いますわ。こんな下等なクズどもにいいように利用されていたなんて赦せない。私もクーライの一員となって、クズどもを支配したいです。生かすも殺すも思いのままにしてみたいわ」
「うむ。よく言ってくれたね百合香。俺はうれしいよ。さあ、付いておいで」
俺は百合香に手を差し伸べた。
「お義父様・・・どこへ行くのですか?」
「今から百合香を生まれ変わらせてあげる。さあ、俺に付いてくるんだ」
百合香はタバコを消すと、おずおずと、しかしはっきりと手を伸ばした。
俺はその手を受け取り、百合香を立たせる。
そして下着姿のままで、アジトに通じる押入れの中へと誘い込んだ。

薄暗くひんやりとした空間。
押入れの床が降下し、こんな空間につながっているとは思いもしなかっただろう。
百合香は驚きの表情を浮かべている。
「お義父様・・・ここはいったい?」
「ん? ここはクーライのアジトさ」
「えっ? クーライの?」
「そうだ。我が家の下にはクーライのアジトがあったというわけだ。ふふふふ・・・」
俺はなんとなく笑いがこみ上げる。
驚いた顔の百合香を見るのは気持ちがいい。
「お義父様・・・お義父様はいったい?」
「黙って付いてくるんだ、百合香」
「はい、お義父様」
口をつぐむ百合香。
それでいい。
これからは首領と女幹部という上下関係ができるのだ。
そのあたりはきちんとさせねばな。

俺は百合香を連れて控え室に入ると、いつものように黒いがっしりとしたアーマーを身に着け、襟の高い赤のマントを羽織り白い髑髏のマスクを付ける。
クーライの首領ドスグラーの姿だ。
百合香はその間中ずっと驚きの表情で俺を見つめていた。
ホワイトリリィはドスグラーの姿を直接的には見ていないが、かつてクーライの首領として、日本征服の宣言を出したときにこの姿を一般に見せているので、百合香がそれを知っていたとしても不思議はない。
「お義父様・・・お義父様はまさか・・・」
「ああ、今まで黙っていて悪かった。俺がクーライの首領ドスグラーだよ、百合香」
白い髑髏のマスクの奥から響くくぐもった声。
おそらく意識していない限り普段の俺と結びつけるのは困難だろう。
録画などで何度もドスグラーの声を聞いていたとしても、それが洞上健一の声だとわかる者などまずいない。

「嘘・・・お義父様が・・・お義父様がクーライの首領だったなんて・・・」
口元に両手を当て、驚愕の表情を隠せない百合香。
「驚かせたね。だが、これが本当の俺の姿だ。俺はクーライの首領ドスグラー。百合香・・・俺のしもべになりなさい」
「ああ・・・はい・・・お義父様。私は・・・洞上百合香はお義父様の・・・クーライの首領ドスグラー様のしもべになります」
驚愕の表情がじょじょに失せ、うっとりとしたような表情に変わっていく。
「よろしい。さあ百合香、来なさい」
「はい、お義父様」
俺はマントに包むようにして百合香を寄り添わせる。
百合香も俺に寄り添うようにして歩き出す。
俺は百合香を連れ、控え室から司令室へと向かうのだった。

「うふふ・・・なんか変な気分ですね」
ふと小さく笑う百合香。
「どうした?」
「クーライの首領とホワイトリリィがこうしていっしょにいるなんて・・・でも、私はお義父様の部下を何人も倒してしまったんですね・・・」
過去を思い出しうつむいてしまう百合香。
「それは仕方がない。以前の百合香は異星人や民衆に操られていたようなものだ。気にしなくてもよい」
失ったものは痛いが、それを言ったところでもとに戻るわけではないのだ。
「そう言ってくださると少しは心が軽くなります。ありがとうございますお義父様」
「なに、本当のことを言ったまでだ。着いたぞ」
俺は正面の扉を開け放った。

薄暗い部屋の床にスモークが広がっている。
俺は百合香を連れて室内に入っていく。
ここはクーライのアジトの司令室。
いわば中心だ。
そこは広めのホールになっていて、壁を背にした一段高い位置に首領の椅子が置いてある。
そしてその正面に、蜘蛛女と女戦闘員たちが跪いている。
俺は彼女たちの前を横切り、首領の席に腰掛ける。
脇には下着姿の百合香を立たせた。
ちょっと恥ずかしいかもしれないが、まあ我慢してもらおう。
真っ赤なブラジャーとショーツ、それに同色のガーターベルトとストッキングという姿は、俺にしてみれば百合香にふさわしい衣装だがな。

「お帰りなさいませ、ドスグラー様」
「「お帰りなさいませ、ドスグラー様」」
照明が少し明るくなり、蜘蛛女と女戦闘員の唱和が響く。
「うむ、ご苦労。蜘蛛女、ムカデ女とサソリ女は無事に撤収させたか?」
俺はまず先ほどの作戦行動が無事にすんだかを確かめた。
「はい。現在アジトに向かって撤収中です。警察や自衛隊の妨害もなく無傷でございます」
蜘蛛女が立ち上がり報告する。
蜘蛛女の報告は簡潔明瞭だ。
部下からの報告はこういうものがいい。
「うむ、ご苦労だった。あとでサソリ女とムカデ女が戻ったら俺が褒めていたと言ってやるがいい」
「かしこまりました。二人も喜ぶと思います」
蜘蛛女自身もうれしそうに微笑んでいる。
俺からの褒め言葉は彼女たちにとっては最高のご褒美なのだ。
「さて、蜘蛛女。改めて紹介しよう。俺の隣にいるのが百合香だ。かつてはホワイトリリィとして我らの前に立ちふさがったこともある」
俺は脇に立つ百合香を紹介する。
「いらっしゃいませ百合香様。お噂はかねがねドスグラー様よりお聞きしておりました。クーライへようこそ」
蜘蛛女と背後に控える女戦闘員たちが揃って百合香に一礼する。
なかなかいい感じだ。
「初めまして蜘蛛女さん。それと皆さんも。洞上百合香です。こんな格好ですみません。まさか皆様がいるところへ連れてこられるとは思っていませんでしたので・・・」
少し恥ずかしげに挨拶をする百合香。
まあ、下着姿だから仕方ないか。
「お気になさらず。むしろとてもよくお似合いです。ドスグラー様が惚れ込まれるのも無理はありません」
「ありがとうございます、蜘蛛女さん」
百合香の顔に笑顔が浮かぶ。
「蜘蛛女と呼び捨てになさってください。百合香様はこれより我がクーライでも重要な位置に就かれるお方なのですから」
「えっ? 重要な位置?」
「当然だろう。百合香は俺の女だ。それ相応の位置についてもらわなくてはな」
俺は驚いている百合香にそう言ってやる。
「お義父様。でも私は・・・」
「心配はいらない。百合香は黙って俺の言うとおりにすればいい」
「はい。わかりました、お義父様」
百合香は俺の言葉に力強くうなずいた。

「蜘蛛女、準備はどうだ?」
「はい。いつでも開始できるよう手はずは整っております」
俺の質問にすぐに答える蜘蛛女。
俺はそれにうなずくと、すぐに百合香に向き直る。
「百合香。これよりお前の検査をおこなう。お前からホワイトリリィのシステムを切り離すためだ」
「えっ? 私からホワイトリリィを? そんなことができるのですか?」
百合香が驚愕する。
「ああ、これからきちんと調べてからにはなるが、おそらく我がクーライの技術で可能だろう。やつらの技術レベルはわれわれが手に入れたものと同じだろうからな」
「ああ・・・うれしいです。これでやっとあのいまいましいホワイトリリィから解放されるんですね」
両手を胸のところで組んで目を閉じる百合香。
「ああ、その上でお前にクーライの一員としての強化改造を施す。いいな」
「はい。ありがとうございます、お義父様。よろしくお願いいたします」
「うむ。蜘蛛女、頼んだぞ」
俺は百合香を蜘蛛女に預ける。
「かしこまりましたドスグラー様。百合香様、こちらへ」
蜘蛛女は俺に一礼すると、百合香を連れて司令室を出て行った。
あとは結果待ちということだな。
俺は大きく息を吐いた。
  1. 2010/03/13(土) 21:21:21|
  2. ホワイトリリィ
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ホワイトリリィ(21)

200万ヒット記念SS「ホワイトリリィ」も今日を含めてあと五日。
21回目になりました。
今回のは悪堕ちというよりも快楽堕ちになるかもしれませんね。

それではどうぞ。


21、
午後、ホタル女たちを撤収させたことで騒ぎも一段落し、俺は百合香と二人で楽しい昼食を過ごしたあとで、出かけるふりをしてアジトに下りた。
先ほど起こった殺戮劇を、まるで無かったかのように過ごす百合香に、俺はこれまでの成果を感じていた。
早ければ明日にでも百合香をアジトにつれてくることができるだろう。
百合香に俺の正体を明かし、その上でなお俺の女でいたいと思わせることができれば・・・
そのときにこそ、この計画は成就するのだ。
それももう間もなくだ。

アジトに下りると、すでに蜘蛛女が報告のために控え室に待機していた。
いつもながら有能なやつだ。
俺は今回の作戦が無事にいったことを確認する。
途中から警察や自衛隊が出動していたようだが、そんなものにダメージを受けるクーライの女怪人たちではない。
ホタル女もコオロギ女も無事に帰還し、連れて行った女戦闘員たちも一人残らず帰って来ていた。
ホワイトリリィさえいなければこんなものだ。
今後の世界征服は順調に行くだろう。
順調過ぎて物足りないかも知れないな・・・

俺は司令室に姿を見せ、ホタル女とコオロギ女をねぎらってやった。
二人ともまるで飼い主にかまってもらった子猫のようにうれしそうに俺を見る。
可愛い俺の怪人たち。
これからも俺のために働いてくれるだろう。

二人を下がらせたあとで、俺はムカデ女とサソリ女を呼び出す。
ホタル女やコオロギ女よりも戦闘向きの二人だ。
先ほどの様子を見て、きっと暴れたくてうずうずしているに違いない。
明日はこの二人に暴れてもらうことにしよう。
人間どもにはホワイトリリィが現れないという恐怖を、二日連続で味わってもらわねばな。
俺は呼び出した二人に明日のことを伝え、アジトを後にして外に出る。
今頃百合香は俺の部屋でタバコを吸いながらクロスワードパズルでもやっているかな。
それとも、我慢できなくなってオナニーをしているか。
淫乱な百合香は可愛いものだ。
そんなことを考えながら、俺はコンビニでタバコを買って家に戻った。

「父さん・・・ちょっといいかな」
夜、百合香がお風呂に入りに行ったあとで、了史が俺の部屋にやってきた。
「ん? どうした?」
俺はタバコをもみ消してパソコンのモニターを消す。
まあ、見られて困るものを見ていたわけではないのだがな。
「うん・・・ところで、風邪はもういいの?」
なんとなく歯切れが悪い了史。
俺はこいつのこういうところが嫌いなのだ。
「ああ、百合香さんが看病してくれたからな。だいぶよくなった。明日は様子見て会社に行くことにするよ」
まあ、今週いっぱいはずっと有給休暇なのだがな。
それにしても・・・給料をもらいながら、百合香の調教とはいい身分なものだ。
俺は思わず苦笑する。
まあ、あの会社は俺の手に入れた技術の特許で食っているんだ。
この程度のことはしても罰は当たるまい。

「そうか・・・それはよかった。ところで・・・百合香のことなんだけど・・・」
俺は百合香を呼び捨てにされることにムッとする。
こいつが百合香を呼び捨てにするなど許せんな。
「百合香さんがどうした?」
俺は冷静に聞き返す。
こいつを絶望に突き落とすのはまだ先だ。
今はまだ甘い思いをさせてやるさ。
「最近ちょっと変わった気がするんだ」
「変わった?」
ふふふ・・・鈍いお前でもようやく気がついたか。
「うん。なんだか隠れてタバコを吸っているみたいなんだ。以前はタバコなんて大嫌いって言っていたのに・・・」
「そうか? 確かにリビングでタバコのにおいがしたりするが、俺も吸ったりしているからな。そのせいじゃないのか?」
俺は適当にごまかした。
いまさらごまかすほどのことでもないし、すぐバレるだろうがな。
「最初はそう思ったんだ。父さんの部屋の掃除したりとかもするし・・・でも、多分吸っていると思うよ。結構百合香からタバコのにおいがするんだ」
了史が首を振る。
なるほど、バレバレということか。
「そうか・・・だが百合香さんだって大人の女性だ。タバコを吸ったって悪いことじゃない。それともお前は自分がいやだから吸うなというつもりか?」
「いや、そうは言わないけど・・・なんだか最近化粧だって濃いし・・・」
「美しく見せたいと思う女性は化粧だってするだろう。お前に美しいと思われたいからじゃないのか?」
百合香はそんなことは思ってないだろうがな。
むしろ俺に美しいと思って欲しがるはずだ。
「それにしてはドキッとするような濃い口紅をつけてたりするし、最近はマニキュアもつけているみたいだし・・・もしかして浮気しているんじゃないかと思って・・・」
ほう・・・浮気を疑うようになったか。
まあ、確かにこのところ百合香を急激に変えてきたからな。
そう思うのも無理はないか・・・
「百合香さんはずっと家にいるからそんなことはないと思うがな。今日は一日いっしょにいたが、予定外のことにもかかわらずそわそわしたところも、誰かとメールのやり取りをしているようなところもなかったぞ」
無論寝取った相手がここにいて、今日もたっぷりと百合香の躰を味わったことなど思いもよらないだろうが。
「そうか・・・気のせいならいいんだけど・・・なんだか百合香がもう俺の手の届かないところに行ってしまいそうで・・・」
すでに手が届かなくなっていることに気が付いてないらしい。
「美人の嫁を持つと、男はみんな寝取られないかと心配するものさ。心配しなくても百合香さんが愛しているのは一人だけだよ」
そしてそれはお前ではない。
「そうだといいんだけど」
自信なさそうに笑う了史。
ふん・・・まったく自分に自信が持てないやつだ。
情けないやつ。
俺はここでふといたずらを思いつく。
「そんなに心配なら、明日にでも抜き打ちで百合香さんに電話でもしてみたらどうだ? すぐに出てちゃんと受け答えするようであれば問題ないだろ」
「そうだね。そうするよ。ありがとう父さん」
うんうんとうなずいて部屋を出る了史。
バカなやつだ。
だが、これで明日の楽しみがまた一つできたな。
俺は思わず笑みが浮かんだ。

                   ******

「おはようございます、お義父様」
朝、着替えてリビングへ行くと、キッチンから百合香が声をかけてくる。
新聞を見ながら朝食を食べている了史を横目に見ながら、俺はキッチンに入っていった。
「おはよう、百合香」
「おはようございます」
うっとりと俺を見つめてくる百合香。
唇には濡れたような赤いルージュが塗られている。
俺は了史に気付かれぬようにそっと百合香を抱き寄せ、ディープキスを交し合った。
「ああ・・・お義父様ぁ」
口を離すと、唾液の糸がつぅと引いていく。
リビングに了史がいるということが背徳感を盛り上げてくれる。
「ふふ・・・今日も楽しみにしているといい。会社に行くふりをしているが、行くつもりはないから」
「ホントですか? うれしいです。でもいいんですか? 二日も会社を休んじゃって」
眼を輝かせる百合香。
俺とのセックスが楽しみなのだろう。
「なに、これでも部長だからね。少しは時間の融通が利くのさ」
と、言うか、もともと有給休暇中だからな。
「あん・・・素敵。あの男とは大違いだわぁ。まったくあの男ったらお義父様の足元にも及ばないんだから・・・つまらない人」
チラッとリビングの了史を見る百合香。
その目には軽蔑しか浮かんではいない。
「ふふふ・・・あいつは覇気がないからな。出世は望めんさ」
「本当ですわ。ああ・・・どうして私はあんな男と結婚したのかしら・・・もっと早くお義父様とお会いしていれば・・・」
「ふふふ・・・まあ、あいつのおかげでこうして百合香と出会えたんだ。その意味では感謝しないとな」
「お義父様。私もうあの男の顔を見るのが耐えられないんです。早く死んでくれないかしら」
いまいましげに吐き捨てる百合香。
「ふふふ・・・そこまで言うようになったか。まあ、もう少し我慢するんだ。そのうち百合香の目に触れないようにしてやろう」
「うれしい。お義父様」
俺の胸に身を預けてくる百合香。
俺はそれをギュッと抱きしめた。

「百合香、行ってくるよー」
食事を終えたのだろう。
了史がリビングから声をかけてくる。
「ふん、気が利かない人」
いまいましげに身を離す百合香。
「仕方ないだろう。百合香が俺のものになったことに気がついていないのだから」
「いっそのこと知らせてやりましょうよ。きっと口を開けてポカーンとするわ」
「ふふふ・・・まあ、そのうちにな。ほら、早く行かないと」
「はい、お義父様」
パタパタとリビングに向かう百合香。
一言二言会話を交わし、了史を玄関まで見送っていく。
俺はその様子を笑みを浮かべながら眺めるのだった。

「それであの男ったら、最近ずいぶんと化粧が濃すぎないかなんて言うんですよ。バカじゃないかしら。高校生の小娘じゃあるまいし、淡い色の口紅なんて私がつけるとでも思っているのかしら」
下着姿で俺のモノを取り出しながら了史のことを毒づいてくる百合香。
真っ赤な手袋の指先が妖しく蠢いている。
「あの男には大人の女の化粧なんてわからないんです。ホント、どうしようもないくず男だわ」
「ふふふ・・・あいつは俺と違って派手な女は嫌いなようだからな。それで百合香はなんて言ってやったんだい?」
「私、言ってやったんです。あらそう、そんなに化粧の薄い小娘が好きだったの? もしかしてあんたってロリコンだったのかしらって。うふふふふ・・・」
屹立する俺のモノをうっとりと眺めながら笑っている百合香。
もはや了史に対しては侮蔑しかないのだろう。
「淫らな女こそが美しいということがあいつにはわからないのさ。哀れなやつだ」
「ホントですわ。女は好きな男のためには淫らな淫婦になるものです。お義父様のおかげで私もこんなに淫らになれました。ああん・・・美味しい。お義父様のおチンポ大好き」
ちゅばちゅばと俺のモノを舐めしゃぶる百合香。
真っ赤な下着姿がとても妖しい。
「ふふふ・・・さあ、向こうを向いてお尻を上げるんだ。後ろから嵌めてやる」
「はい、お義父様」
うれしそうにいそいそと後ろを向いてお尻を突き上げる。
俺はその腰を引き寄せるようにして後ろから突き込んでやる。
「アアーン・・・大きい。奥まで来るぅ」
背中をそらせて快感をむさぼる百合香。
肉と肉がぶつかり合い、百合香の襞が絡みついてくる。
「アアーン・・・お義父様・・・お義父様ぁ・・・」
百合香のあえぎも激しくなっていく。
俺もじょじょに射精感が高まっていく。
そのときだった。

「えっ?」
驚いた百合香が声を上げる。
リビングにある電話が鳴り出したのだ。
俺は思わず苦笑する。
了史め・・・
早々に電話をかけてきたか。
「あん・・・もう・・・すぐに留守電になりますから放っておきましょう」
せっかく高ぶってきた百合香は無視したいようだ。
「いや。きちんと出なさい百合香」
せっかくのチャンスだからな。
楽しませてやるよ、百合香。
「あ・・・はい・・・」
しぶしぶベッドから降りる百合香。
そのままリビングに行って受話器を取る。
俺もそのあとに続いてリビングに入って行った。
  1. 2010/03/12(金) 21:18:39|
  2. ホワイトリリィ
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ホワイトリリィ(20)

200万ヒット記念SS「ホワイトリリィ」もいよいよ20回目です。
残りもわずかになってきました。

それではどうぞ。


20、
百合香との夕食を終えた俺はアジトに下りる。
明日からの最終予定を組むためだ。
百合香の心はほぼ俺のものになった。
あとはクーライへ引き入れ、百合香を悪の女にしてやらねばならない。
そのための仕込をせねばな。

「お帰りなさいませ、ドスグラー様」
「「お帰りなさいませ、ドスグラー様」」
司令室に入った俺に対し、片膝をついて跪き、いっせいに一礼するムカデ女と女戦闘員たち。
一糸乱れぬ様は、やはり見ていて気持ちがいい。
ムカデ女もクーライの一員としてがんばっているようだ。
俺は彼女たちにうなずいてやり、首領の席に腰掛ける。
すぐさま通常任務に戻っていく彼女たち。
さまざまなパネルスクリーンが明滅し、さながら特撮番組の悪の組織のアジトそのままの雰囲気だ。
やはりこれこそが俺の求めるもの。
さて・・・明日は誰にやらせるか・・・

俺はムカデ女にコオロギ女とホタル女を呼び出させる。
首領の椅子から直接呼び出してもいいのだが、やはりこういうことは形式的に呼び出させたほうがいい。
二人はすぐにやってきた。
俺に呼び出されたことのうれしさか、複眼をきらきらと輝かせている。
もっとも、ホタル女は同人誌の作業中だったのか、手にトーンの切りくずがついていたが。

俺は二人に明日の計画を伝える。
久々の活動、それも破壊活動に二人は大いに喜んだ。
やはりクーライの女怪人としては、暴れたくてうずうずしていたのだろう。
明日は存分に暴れてもらわねばな。
がんばりますと言うコオロギ女。
テレビで笑顔を振りまいていたアイドル少女の面影はほとんど無い。
お任せくださいませと言うホタル女。
その口元には冷酷な笑みが浮かんでいる。
破壊と殺戮。
この二つが楽しみなのだろう。
俺は細かい注意点を伝えると、明日に備えるように言って二人を下がらせた。
ホタル女め・・・
原稿描きもいいが、ちゃんと休息を取っておけよ・・・

                   ******

「えっ? 父さん具合悪いのか?」
ネクタイを結びながら驚いたように俺の顔を見る了史。
まあ、ここ数年風邪などひいたことがないから無理もない。
「ああ、どうも熱っぽくて躰がだるくてな。仕事が忙しいわけでもないし、行って会社のみんなにうつしてもいけないから、今日は休むことにした」
俺はそう言ってソファにゆったりと腰掛ける。
キッチンから俺を見ている百合香が、にこやかに微笑んでいた。
「そうか。うん、無理をしてこじらせてもよくないしね。ゆっくり休むといいよ。百合香、父さんを頼むよ」
何も知らずにおろかにも百合香に俺のことを頼んでいる了史。
「ええ、もちろんよ。お義父様にはうちでゆっくりしてもらうわ」
甘えるような眼差しで俺を見つめ、うっとりとした表情を浮かべる百合香。
このあとのお楽しみを思い浮かべているのだろう。
ふふふ・・・
百合香もすっかり淫らになってきたものだ。

「行ってきます」
そう言って元気に出かけていく了史。
それを見届けた百合香が、すぐに俺のところにやってくる。
「ああん・・・お義父様ぁ。あの男は行っちゃいましたわ。今日はずっと二人きりですね。うれしい」
ソファに座る俺の膝の上に腰掛け、俺の首に手を回してキスをする百合香。
俺の股間のモノもむくむくと反応してくる。
「うふ・・・お義父様のが硬くなってる。素敵・・・お義父様ぁ・・・お義父様のおチンポください」
甘えたように俺のモノをねだる百合香。
だが、すぐにはやらない。
やはりここはちゃんとせねばな。
「だめだ。ちゃんと着替えておいで。メイクもしてくるんだぞ」
「はい、わかりましたお義父様」
ちょっと残念そうにするものの、百合香はすぐに俺から離れて自室へ向かう。
俺の好みの格好をすることで、彼女自身もスイッチが入ってくるだろう。

俺が部屋に戻って待っていると、少ししてから百合香がやってくる。
部屋に入ってきた百合香に、俺は思わず笑みが浮かぶ。
百合香は鮮やかな紫色のブラジャーとショーツを身に着け、同じ紫のガーターベルトで紫色のストッキングを吊っていた。
両手には二の腕までの長さの紫色の手袋を嵌め、目元にも紫のアイシャドウを引き、唇までもが紫色のルージュで統一されていたのだ。
まさに妖艶さを絵に描いたような百合香の姿に俺は満足する。
「うふふ・・・いかがですかお義父様? ちょっと派手ですか?」
俺の前で一回転してみせる百合香。
気に入った衣装を見てもらいたいかのようだ。
「素敵だよ、百合香。まさに俺好みだ。ちっとも派手なんかじゃないよ。むしろこれこそが本当の百合香なんじゃないか」
「ああ・・・うれしい。ありがとうございますお義父様。うふふ・・・私も、着替えて化粧をしていたら、なんだか自分が生まれ変わるような気がしてました。洞上了史の妻なんてものから、洞上健一の女へと生まれ変わったんです」
欲望に濡れた目で俺を見つめる百合香。
先ほどから俺に抱かれたくて仕方がないのだろう。
パルスの影響で欲望に忠実になっているせいだ。
「ふふふ・・・そうだ、お前は俺の女だ。さあ、まずはおしゃぶりをしてもらおうか」
「はい、お義父様」
ベッドに腰掛ける俺の前に跪き、俺のズボンから紫色の手袋に包まれた指で俺のモノを取り出していく。
「はあ・・・素敵・・・お義父様のおチンポ・・・」
少しの間うっとりと俺のモノを眺めた百合香は、おもむろに俺のモノを咥え込む。
やはりまだ多少のぎこちなさが抜けないが、そこは俺が指導していくとしよう。
俺はしばし百合香の口の中を楽しんだあと、百合香に精液を飲ませてやる。
そしてベッドをきしませて、存分に二人のセックスを楽しむのだった。

ことが終わった余韻の中で、俺は次の行動に移る。
パンツだけを穿いて机に向かい、パソコンを立ち上げてからタバコに火をつける。
セックスをしたあとのタバコは格別だ。
ことに相手が百合香だとなればなおさらだな。
「お義父様、どうなさったんです? お仕事ですか?」
ベッドで毛布に包まりながらタバコを吸っている百合香。
なんとも色気がある姿だ。
「ん、ちょっとな・・・」
俺はタバコを燻らせながら、アジトに対して指示を出す。
それと同時にパルスも強めに設定した。
すぐに蜘蛛女からの了解のサインが来る。
作戦スタートだ。
俺はモニターに外部映像を表示させ、送られてくる映像を待った。

やがてパソコンのモニターに映像が映し出される。
テレビ映像を模してはいるが、作戦現場上空にいるハエ型ロボットからの直接映像だ。
今回の作戦に合わせて放っておいたのだ。
おそらく本物のテレビ中継もじきに始まるだろうがな。

今回の作戦は単純明快。
とにかく破壊と殺戮を存分にやってこいというもの。
その映像を百合香に見せるのが大事なのだから。

画面の中で暴れ始めるホタル女。
手当たり次第に通行人を鉤爪で引き裂いていく。
車だってその鉤爪で車体を切り裂かれ、別の車に衝突していく。
たちまちあたりは阿鼻叫喚の渦となる。
ホタル女から逃げ出した連中は、近くの建物に避難していく。
だが、それを見越していたかのようにコオロギ女が翅を震わせる。
高周波の破壊音波が発生し、たちまち建物が倒壊していく。
なかなかやるじゃないか、二人とも。

「ほう・・・どうやらクーライの怪人が暴れているようだ」
俺は百合香が見えるようにモニターの角度を変えてやる。
「えっ?」
ベッドで上半身を起こし、机の上のモニターを見る百合香。
その目が驚愕に見開かれる。
「本当だわ! すぐに行かなくちゃ!」
タバコをもみ消して立ち上がる百合香。
やはりまだホワイトリリィとしての使命感は完全には消えてないようだ。
そのまま部屋を飛び出そうとする百合香を、俺は呼び止めた。
「行ってどうするつもりだ、百合香?」
「えっ?」
ぴたっと百合香の足が止まる。
「行ってまたクーライの怪人と戦うつもりなのか? またあの恥ずかしい格好をして、男どもの性欲に満ちた目で見られたいのか?」
「あ・・・ああ・・・いや・・・いやぁ・・・」
がたがたと震え始める百合香。
相当にあのことはショックだったようだな。
俺は立ち上がり、そっと百合香を抱きしめる。
そしていっしょにベッドに腰掛けた。
「なぜ百合香がクーライと戦わなくてはならないんだい? 人間なんて下等でおろかな連中ばかりじゃないか。自分で身を守ることさえできずにいて、危機になるとホワイトリリィに助けを求めるだけ。そして自らの危機だというのにもかかわらず、頭の中は好色な思いでいっぱいな連中じゃないか。なぜそんな連中を助けるんだい?」
「ああ・・・私は・・・私はどうして?」
震えながら俺にしがみついてくる百合香。
パルスと俺の言葉、そして先日の自分が性的欲求の対象にされていたことのショックが、百合香の価値観を根底から揺さぶっているのだろう。
「今まで百合香は利用されてきた。異星人にも人間どもにもだ。このまま利用され続けていていいのか? 悔しくないのかい?」
「ああ・・・悔しい・・・悔しいですわ、お義父様」
「そうだろう。見るんだ。百合香を利用してきたやつらが無様な姿を晒しているところを。あんな連中は守ってやる価値などないとは思わないか?」
俺の言葉に百合香はモニターを見つめる。
モニターの中では人々が泣き叫び、他人のことなどお構い無しに我先に逃げ惑う姿が映し出されていた。
「どうだ。無様だろう。やつらは自分さえ助かれば他の者などどうでもいいのだ。無秩序な群集。哀れな下等動物。こんな連中を百合香は守ってきたんだ。愚かしいとは思わないか?」
俺の言葉を聞きながら、百合香は無言でモニターに見入っている。
ふふふ・・・
どうやらうまく行きそうだ。

「うふっ・・・うふふふ・・・」
百合香が乾いた笑いを漏らし始める。
俺は思わず百合香の表情をうかがった。
百合香は目から涙を流していた。
泣きながら笑っていたのだ。
「私・・・今まで何をやっていたんだろう・・・正義のため・・・人類を守るため・・・恐ろしいのに・・・恥ずかしいのに・・・必死になって戦って・・・」
「百合香・・・」
「でも違った・・・私は利用されていただけだったんだ・・・スイッチを埋め込まれ・・・クーライの怪人と戦わさせられ・・・挙句はその姿で性欲の発散までさせられていた・・・私はただ利用されていただけだったんだわ・・・」
ポロポロと涙が百合香の頬を伝う。
見ていてかわいそうだがこれも百合香のためなのだ。
大丈夫。
すぐに百合香にふさわしい心にしてあげるからな。

「百合香・・・」
「お義父様・・・私・・・憎い・・・私を利用した全てが・・・全てが憎い」
百合香の目に再び狂気が宿る。
これでいい。
この狂気を育てていけばいいのだ。
「それでいいんだよ百合香。利用してきたやつらを憎むのは当然だ。憎んで憎んで憎みきればいい」
「お義父様・・・」
俺に肯定され、百合香は自分の考えが間違ってないと思ったはず。
その目は俺を信頼しきっている。
「そして見返してやるんだ。無様な連中を見下し、あざけってやればいい」
「あざける?」
「そうさ。見ろ。やつらは自分の身を守ることもできぬ無様な連中だ。まるで虫けらのようだと思わないか?」
俺は笑いながら言ってやる。
もっとも、クーライの女怪人から身を守れるやつなどまずいないがな。
画面の中で逃げ惑う人々。
それを見つめる百合香の口元がニイッと釣り上がる。
「虫けら・・・うふふ・・・ホント・・・お義父様の言うとおりですわ。ふふふふ・・・無様な連中。どう? 思い知ったでしょ? クーライの女怪人は恐ろしい存在なの。私は一人で戦ってきたのよ。少しは私の気持ちがわかったんじゃない?」
静かにつぶやくように百合香が言う。
いい感じじゃないか。

『助けてくれぇ』
『ホワイトリリィは来てくれないのか?』
『ホワイトリリィ! 助けてぇ!』
ボリュームを絞ったパソコンから、逃げ惑う連中の声がかすかに入ってくる。
それを聞いた百合香の表情が変わった。
「バカじゃないの? 誰があなたたちのためになど変身するもんですか。少しは自分の身は自分で守ったらどうなの」
「そうだな。やつらはどうせ感謝などしない。助けてもらうのが当たり前だと思っているのだ。そして、助けてもらったらあとは用なし。せいぜいホワイトリリィの活躍を録画したビデオでオナニーするだけさ」
俺はタバコを一本差し出した。
「ホント・・・お義父様の言うとおりですわ。愚劣な連中・・・」
タバコを受け取り火をつける百合香。
そして深々と吸い込んで煙を吐く。
「ふう・・・うふふ・・・私ったらなぜあんな連中のために必死で戦っていたのかしら・・・バカみたい。あんな連中、どうなろうとかまわないのに・・・」
「そうだ。あんな連中はどうなったってかまわないのさ。そんな連中にいいように利用されていたなんて腹立たしいじゃないか」
「ええ、ホント。ムカムカする」
いまいましげにタバコを吸う百合香。
実にいい表情だ。
「百合香だって好きにしたいだろう? あんな連中に煩わされることなく」
「もちろんです、お義父様」
「だったら欲望のままに生きてみたらいいんじゃないか? クーライのように」
「えっ? クーライのように?」
百合香が驚いたように俺を見た。
「そうさ。クーライは何者にも煩わされない。彼女たちが唯一従うのは首領の命令だけだ。そのほかは一切関係ない。政府も法律も警察もだ。歯向かう者は全部力でねじ伏せる。気持ちいいとは思わないかい?」
俺の言葉に百合香の口元に再び笑みが浮かぶ。
「言われてみれば・・・そうだったんですね・・・気がつかなかったわ・・・なんてすばらしいのかしら。クーライはそんな素敵な組織だったなんて・・・何者にも煩わされない・・・歯向かう者は力でねじ伏せる・・・うふふ・・・素敵」
「そう思うかい?」
「ええ・・・欲望のままに生きるなんてうらやましいですわ。私も・・・私もクーライの一員になってみたい・・・」
俺は内心の喜びを努めて表に出さないようにする。
ついにここまで来た。
百合香はクーライを受け入れたのだ。
あとはこのまま導いてやればいい。
俺は画面内で暴れているホタル女やコオロギ女が、クーライという組織に所属することでいかに幸せかと言うことを話しながら、二人で寄り添ってタバコを燻らすのだった。
  1. 2010/03/11(木) 21:18:57|
  2. ホワイトリリィ
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ホワイトリリィ(19)

200万ヒット記念SS「ホワイトリリィ」の19回目です。
ようやく二人は・・・(笑)

それではどうぞ。


19、
「えっ?」
俺は百合香をギュッと強く抱きしめる。
「お義父様?」
百合香が驚いたように俺の顔を見つめる。
「俺のものになれ。百合香さんの存在は無意味などではない。世の中の誰もが必要としなくても、俺は百合香さんを必要としている。了史のことなど忘れろ。俺の女になれ。もうホワイトリリィなどやらずにすむ」
「お義父様・・・お義父様は私を必要と言ってくれるのですか?」
俺は黙ってうなずく。
俺には百合香が必要なのだ。
「うれしい・・・お義父様・・・お義父様だけです。私を必要としてくれるのは・・・」
俺の胴体に両手を回してくる百合香。
そのまま俺の胸に頭を預けてくる。
「お義父様・・・私もお義父様のことが好きです。あのことがあってからずっとお義父様のことばかり考えるようになっていました。思えば、最近あの人のことがいやになってきたのも、あの人が私を愛して無いことが感じられてきたからかも・・・」
「百合香さん・・・」
「百合香って呼んでください、お義父様」
「百合香」
「はい、お義父様」
俺に顔を向けて目をつぶる百合香。
俺は百合香の赤い唇に、そっとやさしくキスをした。

俺はそのまま百合香をベッドに押し倒す。
そして荒々しく服を脱がせていく。
驚いたことに、百合香は真っ赤な下着を身に着けていた。
扇情的な真っ赤なブラジャーとショーツだ。
「うふふ・・・こういう下着はお嫌いですか?」
「そんなわけないだろう。大好きだ」
「うれしい。お義父様が喜ぶかなと思ってました。あとでお見せしようと思っていたんです」
両手を俺の首の後ろに回し、いたずらっぽく笑う百合香。
たまらない表情だ。
「いやらしい女だ。俺に抱かれたいと思っていたんだろう」
俺も服を脱ぎ、ズボンを脱ぎ捨てていく。
「はい。お義父様に抱いて欲しい。このところずっとそう思ってました」
「ふん、実はもう了史のことなどどうでもよかったんじゃないのか?」
「はい。先ほどは確かにショックでした。でも、あの人のことなんかもうどうでもよくなっていたことに気がつきました。私じゃなくホワイトリリィが性欲の対象だったことが赦せないんですわ」
「俺はそうじゃない。俺は百合香だから欲しい。わかるな?」
こくんとうなずく百合香。
自分が必要とされるのは誰になのかがわかったのだろう。
俺は下着も脱ぎ捨てて、屹立した股間のモノを見せ付ける。
これまで充分に淫欲をパルスによって増大させられて来ていた百合香だ。
これを見たらたまらないだろう。
「ああ・・・大きい・・・素敵だわぁ・・・怖いぐらい」
うっとりとした目で俺のモノを見つめる百合香。
とろんとした表情がたまらない。

「しゃぶれ」
「はい・・・」
まるで催眠にでもかけられたかのように俺のモノをしゃぶりはじめる百合香。
舌を這わせ口に含み、唾液をまぶしてジュボジュボと音を立てて咥え込む。
あまりフェラチオをやったことが無いせいか、多少ぎこちなくはあるものの、そこがまたなんとも言えず気持ちいい。
先ほどから破裂しそうになっている欲望をまずは一度出してやろう。
百合香の躰を味わうのは、それからでも遅くは無い。
「出すぞ。吐き出さずに飲むんだ。いいな」
「ん・・・」
俺のモノを口に含みながら、百合香は小さくうなずく。
舌を絡ませて吸い上げてくる刺激に、俺はすぐに発射していた。
「ん・・・んぐっ!」
口の中に突然放出され、苦しそうに口を離す百合香。
だが、むせそうになるのを必死でこらえ、俺の出したものを飲み込んでいく。
ふふふ・・・可愛いやつめ。
「どうだ。美味しいだろう。嘘でもいいから美味しいというんだ。そのうち脳が美味しいと感じるようになる」
ここからは暗示も有効だ。
パルスと暗示で百合香を仕上げていく。
「ゲホッ、は、はい。美味しいです」
少しむせたせいで涙目になった百合香だが、それでもちゃんと美味しいと言う。
俺の言いなりになっているのは間違いない。

「股を開け」
俺は少し高圧的に言う。
百合香に主従の立ち居地を教えてやるのだ。
服従する喜びを感じさせてやる。
「はい」
百合香が素直に股を開く。
百合香自身スイッチが入ってきたのだろう。
とろんとした目で俺を見上げている。
すでに赤いショーツにはじんわりと染みができていた。
「どうした。もう濡れているのか? 淫乱な女だ」
「ああ・・・はい。濡れてます。私は淫乱な女なんです」
自分の言葉に酔いしれるように俺の言葉を繰り返す。
自分でも何を言っているかはっきりとはわかってないのかもしれない。

俺はショーツの上から指でそっとなぞってやる。
「はぁん」
たちまち切なそうな声を上げる百合香。
先ほど出したと言うのに、もう俺のモノは鎌首をもたげてくる。
俺は百合香を寝かせると、そっとショーツを脱がせる。
百合香も待ち遠しいかのように自分の指を舐めていた。
「入れるよ」
「ああ・・・はい。お義父様のモノ、入れてください」
「んっ」
あの時以来の百合香の膣内に俺はモノを突き入れる。
ねっとりと絡みつくような百合香の膣内はやはり絶品だ。
俺は少しの間その感触を味わうと、百合香の腰を抱くようにしてずんずんと突いていく。
「ふわ・・・あはぁ・・・大きい・・・大きいよぉ・・・奥まで・・・奥まで来るぅ」
奥まで突き込まれる快感に打ち震えている百合香。
了史め・・・
今のお前ではこうは行くまい。
「はあん・・・はあん・・・はあん」
あえぎ声を上げながら躰を震わせる百合香。
俺もじょじょに射精感が高まってくる。
「ああ・・・だめぇ・・・イく・・・イくぅ・・・イッちゃう・・・」
「ああ、いいぞ。イけ、イッてしまえ」
「はひぃ・・・イくぅ・・・イきますぅ・・・」
俺も出そうになるのをこらえながら、ピストン運動を繰り返す。
百合香の膣内はまさに名器。
やはり了史などにはもったいない。
「ふあ・・・ふあぁぁぁ・・・イくぅぅぅぅぅぅ」
「うお、うおおお」
百合香がシーツを握り締め、躰を震わせて絶頂を迎えると、百合香の膣内がきゅっと締まって俺も同時に発射する。
俺の精液が百合香の膣内に放たれ、俺は力が抜けていく中でその余韻に酔いしれた。

「ふふ・・・よかったぞ、百合香」
俺は百合香の隣に寝そべる。
心地よい疲労感が躰を包む。
「ああ・・・ありがとうございますお義父様。うふふ・・・美味し」
股間から垂れてきた精液を指ですくって舐める百合香。
まさに淫婦の表情だ。
「百合香・・・もうお前は俺のものだ。いいな」
「はい。私はもうお義父様のものです。お義父様の女になります」
「もう、了史に躰を許してはだめだ」
「はい。もうあの人には抱かれません。それに・・・先ほどのセックスを知ってしまったら、もうあの人なんかとセックスはできません」
クスッと笑う百合香。
男としてそう言われるのは心地よいものだ。
パルスの影響も多分にあるだろうが、百合香は俺とのセックスを選んだのだ。

俺はベッドに座りなおすと、机の上からタバコとライターを取って火をつける。
そして一本を百合香に差し出した。
「ありがとうございます」
百合香は下着を身につけながらタバコを受け取ると、俺のライターで火をつけた。
「ふう・・・美味しい。タバコ大好き」
「ふふ・・・百合香がタバコを好きになってくれてうれしいよ。これからもどんどん俺好みの女にしてやろう」
「はい、お義父様。どうか私をもっともっとお義父様好みの女にしてください」
「ふふふ・・・可愛いやつ。だが、まだ了史には気づかれないようにするんだ。あいつも何かとうるさいからな。いいね」
「はい、お義父様」
「いい娘だ」
俺はそっと百合香の肩を抱く。
そしてそのままどちらからともなくキスをしたのだった。

二人で一服し終わった頃に、百合香のスカートで携帯が鳴る。
百合香が携帯をとって確認し、なにやらメールを打っていく。
「あの人からのメールです。もう仕事が終わったんですって。これから帰るって事でした。はあ・・・気が利かない人。もっとゆっくり帰ってくればいいのに・・・」
俺は苦笑する。
以前の百合香なら早く帰ってきて欲しいと願っただろうにな。
「お義父様、あの人が帰る前に食事にしませんか? 私、もうあの人と食事する気にならないです」
「かまわんよ。俺も百合香と二人で食事ができるのは気分がいいからな」
「うふふ・・・そう言ってくださるとうれしいですお義父様。それじゃすぐ支度しますね。あの人の帰ってこないうちに二人で・・・うふふ」
笑みを浮かべながら服を着る百合香。
すぐにキッチンへ向かい、夕食の支度をする。
料理そのものはすでにある程度準備できているのだろう。
程なく百合香が呼びに来て、俺は二人で楽しく食事をした。

                   ******

「ん・・・んちゅ・・・んあ・・・れろ・・・んちゅ・・・」
一心に俺のモノを舐め続ける百合香。
まだぎこちなさはあるものの、一所懸命に舐めしゃぶる姿は可愛いものだ。
「そうだ・・・裏も舐めて袋も口に含むんだ。いいぞ・・・昨日に比べたら雲泥の差だ」
百合香は俺の指示に従い、上達しようと努力している。
俺はそんな百合香の髪をなでてやった。
とたんにうれしそうに笑みを浮かべ、まるで仔犬のような目で俺を見上げてくる。
俺に心酔し服従している目だ。
可愛いやつ。

百合香はどんどん俺好みに変わっていく。
今日は俺がアジトから家に戻ると、ミニスカートに胸元の開いたブラウスで出迎えてくれた。
派手めな化粧もしており、真っ赤な口紅に濃いめのグレーのアイシャドウを引いていた。
爪には赤いマニキュアをし、ストッキングから覗くつま先にもペディキュアを塗っている。
俺が出かける前に言ったとおりにしているのだ。
夕食の前には黒いレースの下着にガーターベルトと黒のストッキングという格好で俺の部屋にやってきた。
耳にもピアスを付け、俺の言うままに俺のモノを舐めしゃぶっているのだ。
レースのショーツはすでに愛液で濡れていた。

「困ったものだ・・・了史はこんなことも教えなかったのか?」
俺はあざけるように言ってやる。
無論、実際に百合香をあいつが仕込んでいたとしたら、俺はあいつを赦さなかっただろう。
「ん・・・ぷあ・・・ああ・・・だって、あの男のチンポなんてしゃぶる気になんてならなかったんですもの」
俺のモノを愛しそうに頬擦りする百合香。
チンポなどという言葉も平気で言うようになっている。
「うふふ・・・これこそ本当のおチンポ。ああ・・・最高。すばらしいわぁ・・・舐めても舐めてももっと舐めたくなっちゃう・・・」
うっとりとした目で俺のモノを見つめ、再び口に含んでいく。
「了史のモノでは満足できなかったんだろう?」
「はい。あの男のチンポなんてチンポじゃないですわ。あんなのとセックスしていたなんて・・・女の喜びを知らずに終わるところでした。んちゅ・・・」
「俺のモノで女の喜びを知ったということか?」
「はい。お義父様のおかげで私は女の喜びを知りました。お義父様のおチンポ・・・最高です」
真っ赤に塗られた唇が俺のモノにキスをする。
俺は百合香に存分にしゃぶらせたあとで、その口中に出してやる。
すると、百合香は俺の精液を口の中でよく味わってから飲んでいた。
「美味いか?」
「はい。とっても」
そう言って微笑む百合香は美しかった。

「ふふふ・・・綺麗だよ百合香。その化粧はとても俺の好みだ」
「ありがとうございます。うふふ・・・うれしい。お義父様に喜んでもらえるとうれしいな」
セックスのあとでベッドに寝そべりながらタバコを吸っている百合香。
真っ赤なマニキュアをつけた指が白いタバコによく映える。
「今度服でも買いに行こう。百合香によく似合う服をな」
俺もセックスを楽しんだあとの気だるい余韻を味わっていた。
「はい。どんな服か楽しみですわ」
にこにこと微笑む百合香。
「ふふふ・・・俺好みのいやらしい服はどうだ?」
「あん・・・もちろん喜んで着させていただきますわ。お義父様の好みの女になりたいですもの」
「ふふ・・・そうだな。もっともっと俺好みの女にしてやるぞ」
「ああ・・・うれしいですわ、お義父様」
俺に抱きつきキスをせがんでくる百合香。
俺もしっかりと抱きしめて百合香の唇を味わった。
「あん・・・お義父様・・・私はお義父様のものです。どうかこれからも可愛がってください」
「もちろんだ。百合香は俺のものだ。もう誰にも渡さない」
「ああ・・・お義父様・・・」
口を離し、俺の顔をうっとりと見つめてくる百合香。
俺にとってまさに至福の瞬間だ。
「明日は会社を休む。たっぷり可愛がってやるからな」
「はい、お義父様。楽しみにしています」
百合香は眼を輝かせてそう言った。
  1. 2010/03/10(水) 21:24:44|
  2. ホワイトリリィ
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ホワイトリリィ(18)

200万ヒット記念SS「ホワイトリリィ」の18回目です。
そろそろ結末に向けて加速していきます。

それではどうぞ。


18、
                   ******

週明け、俺は先週と同じく出勤するふりをしてアジトに下りる。
いつものようにドスグラーの衣装に着替え、司令室へと入っていく。
スモークが炊かれ、いっせいにうやうやしく跪く女たち。
俺はそれに一瞥をくれてやり、椅子に座って報告を聞く。
昨夜の当直はホタル女だったようだ。
俺は彼女から特に問題はなかった旨の報告を聞き、蜘蛛女に引き継ぐように言ってやる。
そして立ち去りかけたホタル女を呼び寄せ、同人誌を読んだことを耳打ちした。
とたんにホタル女は真っ赤になって躰を硬くし、あーとかうーとかしどろもどろになっておかしいほどにうろたえる。
破壊や殺戮をまったく気にしないように洗脳されていても、自分の作品を首領に読まれるのは相当に恥ずかしいらしい。
俺は苦笑しつつホタル女を解放してやる。
青と赤の二人のドールたちの絡みは結構おもしろかったんだがな・・・

蜘蛛女が司令室に来たところで、俺は例の物がどうなったかを確認する。
すでに蜘蛛女の手には、先日の映像を基にした映像をおさめたディスクが握られており、完成したことを伝えていた。
俺は蜘蛛女をつれて控え室に下がり、あらためてディスクを受け取ると、中身の映像を確認する。
期待以上のできに俺は充分に満足した。

蜘蛛女をご褒美に抱いてやり、俺はあらためて今後の手はずを確認する。
今週中には百合香の件にケリをつけ、来週にはクーライの新たなる侵攻を開始するのだ。
そのための準備を滞りなく行なうように、俺は蜘蛛女に命じておく。
おそらくそのときには、俺の傍らには百合香の姿があるだろう。
クーライの新たなる女幹部として・・・

「ただいま」
俺は会社から帰ってきたかのように装い、玄関のドアを開ける。
ふと俺の鼻をくすぐる微香。
リビングからタバコのにおいが漂ってくる。
ふふ・・・
了史に気兼ねせずに百合香がタバコを吸っているのだろう。
俺もせいぜいリビングでタバコを吸って協力してやらねばな。
なにせ了史はまだ百合香がタバコを吸っているなどとは夢にも思っていないはずだから。

「お帰りなさいませ、お義父様」
タバコのにおいを漂わせながら玄関に出迎えに出てくる百合香。
いつになく短いスカートを穿いている。
ナチュラルベージュのストッキングを穿いたすらりとした脚がなまめかしい。
「ただいま、百合香さん。タバコを吸っていたのかな? すっかりタバコが気に入ったようだね」
「ええ、さっきまで吸っていたところです。もうタバコ無しではいられませんわ。どうして今まで吸わなかったのかしら。こんなに美味しいのに」
百合香が妖艶な笑みを浮かべている。
俺の目がちらちらと自分の脚に向けられていると知って、見せ付けるようにすることも忘れない。
「ふふふ・・・了史が知ったらやめろと言うんじゃないか?」
俺は百合香にカバンを手渡しながらそう言った。
「ええっ? 冗談じゃないですわ。あの人なんかにとやかく言わせません。私がタバコを吸ったって私の勝手です。そうでしょ、お義父様」
カバンを受け取りながら仮定の話に憤慨する百合香。
了史の気持ちを思いやることはもうなくなっている。
自らの欲望が大事なのだ。
俺はそのまま百合香を連れ、自分の部屋へと向かって行った。

自室の扉を開けると、百合香もスッと入ってくる。
なんとなくホッとしたような顔をしているのがうれしい。
相変わらず今日も俺の部屋でオナニーしていたし、俺に部屋にいるのがうれしいのだ。
もっとも、俺の部屋でオナニーしていることを俺が知ったりしないように、細心の注意を払ってはいるようで、ゴミなどもすべて片付けられている。
ふふふ・・・
俺がその様子をモニターで見ていると知ったら、なんと言うだろうな。

俺は洋服ダンスの中に仕掛けた物がまだ気付かれていないのを見て安心した。
つい先ほどアジトから直接この部屋に戻り、仕掛けておいたものだ。
オナニー後にこの部屋を出て行ってからは、この部屋に百合香は入っていないはずだから気が付いてないだろうが、やはり気にはなるものだ。
さて、勝負だな。

「お義父様、上着を」
俺のカバンを机の横に置き、上着を脱がせてくれる百合香。
なんというか、妻が戻ってきたようだ。
無論百合香は妻ではないし、今では妻以上に愛しくもある。
百合香はいつものように俺の上着のにおいをかいでからハンガーにかけ、洋服ダンスに入れようと扉を開ける。
そのとたん、どさっと言う感じで紙袋が落ちてきた。

「えっ?」
足元に散らばったものを見て、百合香は目を丸くする。
それは先日アニメショップで買ってきた同人誌の山だ。
それもどぎつい表紙のものばかり。
ホワイトリリィがミニスカート型のコスチュームから性器をむき出しにして、白濁液を浴びているようなものばかりだ。
「えっ? これは? えっ? 私?」
ハンガーをかける手が止まる。
散らばった同人誌の表紙から目が離せないでいる。
「あっ、しまった! 了史のものが・・・」
俺はすぐさま散らばった同人誌を紙袋に入れようとする。
もちろんあわてたふりをして再度ばら撒くのも忘れない。

「ええっ? い、いやぁ! 何これ? 何なのいったい?」
あまりのことに悲鳴を上げる百合香。
無理も無い。
まさかホワイトリリィが性欲の対象となっているなど考えもしなかっただろうからな。
俺がばら撒いたおかげで偶然開いてしまった各ページにもホワイトリリィの痴態が描かれている。
男どもに陵辱され、喜んでいるような表情をしたものだ。
それらを目にした百合香は真っ青に青ざめていた。
「いやぁっ! 私が・・・私がどうして・・・」
普通に考えても、自分が知らないところで性欲の対象になっていると言うのは耐え難いものだろう。
ましてや恥ずかしい格好をしているときの自分ならなおさらだ。

「百合香さん・・・」
俺はそっと百合香を抱きしめる。
一瞬ビクッと躰を硬くしたものの、百合香はそのまま俺に躰を預けてきた。
「どうして・・・どうしてこんなものが・・・」
「すまなかった。百合香さんの眼に触れないようにと思ったことが、かえって百合香さんを苦しめることになってしまった」
俺は後悔したようにつぶやいた。
演技臭くなっているかもしれないが、今の百合香ならわかるまい。
「お義父様・・・私・・・」
肩を震わせ泣き始める百合香。
計算していたとはいえ、かなりの衝撃だったようだ。
「百合香さん。これがやつらの答えなのだ」
「やつら?」
「そう、一般大衆のことだよ。やつらは百合香さんに正義を守ってもらうことなど望んではいない」
「えっ?」
驚いたように顔を上げる百合香。
それを見て俺は続ける。
「やつらが百合香さんに求めるのは性欲の発散の対象だ。いやらしい格好をしたヒロインを妄想の中で陵辱する。それだけじゃ飽き足らず、こうして形にまでしてしまうのさ」
「そんな・・・ひどい・・・それじゃ今まで私がしてきたことって・・・」
「ああ、百合香さんには言えなかったが、ほとんど無駄なことだったのさ。大衆は誰が支配者になろうと関係ない。自分たちの生活がそこそこ脅かされなければ問題とは思わないのさ」
「私がやってきたことは・・・無駄?」
俺はゆっくりとうなずいてやる。
ここで百合香の価値観を崩壊させ、俺の思うままの価値観に染め直すのだ。
「そんな・・・私のやってきたことが・・・」
「百合香さんはただ異星人に利用されただけなのさ。そして大衆はそれを見て性欲を発散させていただけ。あんな恥ずかしい格好でいやな戦いをしなければならない理由など無かったんだ」
「あああ・・・」
俺の言葉に目を見開き、言葉を失ってしまう百合香。
自分の価値観が崩壊して来ているのだろう。
誰しも必死でやってきたこと、良かれと思ってやってきたことが否定されるのはつらいからな。

「いや・・・だったのに・・・戦いたくなんか・・・無かったのに・・・」
「百合香さん」
うつむいて肩を震わせる百合香を、俺はただ抱きしめているだけだった。
「あんな格好して・・・恥ずかしい思いして・・・戦いたくなかったのに戦って・・・」
「百合香さん・・・」
「みんなのためだからって・・・平和のためだからって・・・それが無駄だった・・・全部・・・全部!」
だんだん感情が高ぶってきたのだろう。
百合香の声が少し高くなってくる。
「今までの私はなんだったの? 返して! 私の時間を返してよ! もういや! こんなのいや! ホワイトリリィなんかもういやぁっ!」
私の手をすり抜け、大声で泣きながら足元の同人誌を拾って引き裂いていく。
「百合香さん」
俺はもう一度百合香さんを抱きしめ、少し落ち着くように百合香の頭を胸に押し付けた。
「ぐすっ・・・お義父様・・・お義父様ぁ・・・」
「いいんだよ百合香さん。いくらでも泣いていいんだ。悪いのは他の連中さ。みんな百合香さんを利用しただけなんだから」
「知りたくなかった・・・こんなのがあるなんて知らなければよかった・・・どうして? どうしてこんなものが?」
ハッとしたように顔を上げる百合香。
泣き顔もまた美しい。
「まさかお義父様がこれを?」
俺は黙って首を振る。
普通に考えれば俺の部屋にあるのだし、俺がそういう趣味をもっていたと思われるかもしれない。
だが、今の百合香は俺の説明を黙って受け入れるだろう。
「すまない。これは了史のものなのだ」
「えっ?」
百合香の目が驚愕に見開かれる。
「りょ、了史さんが、これを?」
足元に散らばった同人誌を見下ろす百合香。
「ああ、百合香さんには申し訳なくて今まで言えなかったんだが・・・了史もホワイトリリィを性欲のはけ口にしているんだ。これは了史から俺が取り上げたものだ」
「そんな・・・了史さんまで? どうして?」
「了史にとって百合香さんはホワイトリリィの代わりだった。姿形が似ているからホワイトリリィの代用品として愛したに過ぎなかったんだよ」
「そ・・・そんな・・・」
百合香はただ愕然としている。
俺の告げたことが信じられないのだろう。
無論、こんなのはでっち上げだ。
おそらく了史は心から百合香を愛しているはずだ。
いまいましいことにな。

「これを見てくれ、百合香さん」
ここでさらに仕掛けを施す。
俺はPCのモニターに蜘蛛女に作らせた映像を映し出した。
『ああ・・・ああ・・・リリィ・・・リリィ・・・』
PCのスピーカーから了史の声が流れてくる。
「えっ?」
PCのモニターに釘付けになる百合香。
そこにはホワイトリリィのフィギュアを傍らに置いて、オナニーに励む了史の姿が映し出されていた。
先日の了史のオナニー映像から作ったものだ。
「りょ、了史さん・・・」
口元に両手を当て、映像が信じられないとの表情で目を見開いている百合香。
冷静に考えれば、こんな映像があること自体がおかしいと思うはず。
しかもこの映像は作られたものだ。
クーライの技術陣はいい仕事をしてくれたとはいえ、了史のことを信じていればだまされることも無いだろう。
だが、今の百合香はパルスの影響と先ほどからのショックで冷静な状態ではなくなっている。
この映像も本物と信じているのは間違いない。
そうでなければあそこまで驚愕の表情を浮かべるはずが無いからな。
『ああ・・・リリィ・・・こうやって君を犯すのは最高だ。お前は俺のものだ。俺のチンポの奴隷になるんだ』
「いやぁぁぁぁぁっ!」
両手で耳をふさいでうずくまる百合香。
俺はすぐに画像を消して、百合香の背中を撫でてやる。
「うう・・・うう・・・ひどい・・・ひどいよ・・・愛して・・・愛してるって言ったのに・・・」
肩を震わせて泣きじゃくる百合香。
「百合香さんすまない。こんな映像を見せるべきではなかった」
「ううん・・・いいんです。お義父様は悪くない。悪いのは・・・悪いのは・・・」
「ああ・・・悪いのは了史だ。百合香さんの心を踏みにじったのだからな」
「お義父様・・・」
俺は泣きじゃくる百合香を再び抱き寄せる。
「あいつは俺に言っていた。百合香を愛しているのではないと。俺が愛しているのはホワイトリリィ。本物のホワイトリリィを手に入れられないから、百合香で我慢しているんだと」
我ながらとんでもなくひどいことを言っている。
「あいつは誰でもよかったのだ。ホワイトリリィにさえ似ていれば誰でも。百合香さんでなくたってよかったんだ」
「ひどい・・・私は・・・私は代用品・・・ホワイトリリィの代用品・・・あの人は・・・あの人は私を愛してたんじゃなかった・・・」
「了史も世間のやつらもホワイトリリィがいればいいのさ。百合香さんがいる必要は無い。百合香さんの存在なんか無意味だったのだよ」
「私は・・・無意味・・・あの人もみんなも、私が必死になってあんな格好でただ戦っていればよかったというの? それを見て性欲のはけ口にできるだけでよかったの?」
顔を上げ、すがるように俺を見る百合香。
「百合香さん・・・」
「いや・・・もういや・・・ホワイトリリィが憎い・・・私を私でなくしてしまったホワイトリリィが憎い・・・もうホワイトリリィなどになるもんですか!」
百合香の表情に多少の狂気が垣間見える。
今までの自分を根底から覆されたのだ。
無理も無い。
  1. 2010/03/09(火) 21:22:45|
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ホワイトリリィ(17)

200万ヒット記念SS「ホワイトリリィ」も17回目。
昨日はまたしても当ブログの一日のヒット数の最高記録を塗り替えてしまいました。
毎日多くの方々に読んでいただきまして、本当にありがとうございます。
今日も楽しんでいただけますとうれしいです。

(8日23:30 一部文章表現を変えました)

それではどうぞ。


17、
アジトに戻ってきた俺を、怪人と女戦闘員たちが出迎える。
「お帰りなさいませ、ドスグラー様」
「「お帰りなさいませ、ドスグラー様」」
俺が司令室に入ると、一斉に跪いて一礼する女たち。
今日の当直はタガメ女か。
我がクーライの女怪人の中で、現状唯一の水中戦用の怪人だ。
スイミングクラブのインストラクターだった女を拉致して改造したんだったな。

「異常はないか、タガメ女?」
俺は首領の椅子に腰掛けながら報告を聞く。
とはいえ、特に何もなければ報告することもない。
何か普段と違うことがあったときのみ報告すればいいのだ。
「はい、ドスグラー様。現在のところは何も。新たに女戦闘員を二名補充いたしましたぐらいです」
全身を覆う茶褐色の外骨格をつややかに輝かせ、なまめかしい赤い唇が言葉をつむぐ。
やはりグロテスクさと美しさの同居こそが、女怪人の魅力だろう。
「ほう、女戦闘員が増えたか。会っておこう」
「かしこまりました。96号、97号こちらに来なさい」
タガメ女が女戦闘員のナンバーを呼ぶ。
クーライも女戦闘員は重要な戦力だ。
細かな雑用もこなすし、場合によっては単独任務だってこなしてくれる。
しかし、やはり彼女たちは下級の構成員。
名前はなくナンバーで呼ばれる存在だ。
無論、だからといって粗末に扱うわけではない。
彼女たちあってのクーライだからな。

「キュイーッ! クーライ女戦闘員96号、参りました」
「キュイーッ! 同じく97号、参りました」
二人の黒尽くめの女たちが俺の前に跪く。
全身をピッタリと覆う黒の強化全身タイツは、銃弾だって通さない。
唯一覗いているのは口元だけ。
赤い唇がなまめかしい。
俺は髑髏のマスク越しに鷹揚にうなずいてみせる。
洗脳された二人は、これだけで天にも昇る心地を味わっているに違いない。
良くも悪くもそう洗脳しているのだから。
「ああ・・・ドスグラー様・・・なんてすばらしいお方・・・私はおろかにも今まで女性警察官としてクーライに歯向かっておりました。ですが、こうして女戦闘員に生まれ変わることができて最高に幸せです。今までの私はなんと愚かだったことか・・・どうぞ何なりとご命令を」
「わ、私もです・・・私は保育園の保母として今まで下等な人間どもの子供を愛するなどというおろかなことをしてきました。でも、これからはクーライの一員として、下等な人間どもに恐怖を与えてやります」
うっとりと女戦闘員になったことの喜びを口にする二人。
おそらく数時間前までは必死に抵抗していたんだろう。
だが、こうして仲間になった二人を見るのはうれしいもの。
俺は二人にタガメ女の指示に従うように命じ、その場から下がらせた。

二人を下がらせたのち、俺は蜘蛛女を控え室に呼ぶ。
しばらくして控え室にやってきた蜘蛛女は、俺の机の上にホワイトリリィのフィギュアと同人誌が並べられているのを見て驚いていた。
俺はそれらを手渡すと、ある映像を作るように指示をする。
蜘蛛女はすぐに俺の意図を理解すると、ただちに取り掛かるとのことで部屋を出た。
一人残された俺は、蜘蛛女には見せなかった五体のフィギュアを机に並べ、少しだけ思い出に浸ることにする。
カマキリ女、カゲロウ女、トンボ女、セミ女、そして毒蛾女・・・
手駒を失うということは、なんと寂しいことだろうか・・・

今日も了史は遅くなるということで、百合香といっしょに食事を取る。
百合香ももう俺といっしょに食事をすることは気にならないばかりか、いっしょに食事をできるのがうれしいように見える。
食事を終えると、後片付けもそこそこに俺の部屋にやってくる百合香。
そしていっしょにコーヒーとタバコを楽しむのだ。
何をするでもないが、他愛もない話をして過ごす時間。
まったくもって悪くない。

夜は蜘蛛女に作らせる映像のための仕掛けをする。
まずは了史のにおいを避けるためにできるだけ離れて寝ようとする百合香に、麻酔薬を吹き付けて強制的に眠らせる。
ちょっとかわいそうだが、仕方がない。
百合香にオナニーをさせるのは昼間で充分になったし、いつも寝静まったあとで部屋を抜け出すと言うのも不自然だからな。
百合香もだいぶ性欲の虜になって来ているようだ。
俺といっしょにいるときも、ときどき俺の股間が気になるような仕草をする。
俺の名を呼ばせながらのオナニーが、大幅に百合香の心をゆがめてきているのだ。
あと一押しで、百合香は俺に躰を開くようになるだろう。
百合香を強制的に眠らせたあとで、今度は了史にパルスを浴びせる。
強制的に性欲を高めてやるのだ。
おそらくたぎる股間をもてあまして百合香に迫っていくだろうが、百合香は深い眠りについている。
仕方なく自分で処理するしかないだろう。
それが俺の狙いだった。

『う、うーん・・・百合香・・・百合香』
布団を剥ぎ取り、百合香を揺さぶり起こす了史。
おそらくその股間ははちきれんばかりに勃起しているはず。
パルスによって性欲を高められているのだ。
今の了史は穴があれば何でもいいぐらいの状況だろう。
『百合香・・・百合香・・・頼むよ・・・起きてよ・・・今日ならできそうなんだよ・・・』
情けない声を上げて百合香を起こそうとする了史。
だが、深い眠りについている百合香が起きる気配はない。
『百合香ぁ・・・頼むよぉ・・・やろうよぉ・・・いっしょになろうよぉ・・・』
必死に百合香を揺さぶるも、規則正しい寝息を立てる百合香は起きる様子はない。
『ちぇっ! せっかく今日ならできそうなのに・・・』
あきらめて横になる了史。
無論横になったからといっておさまるはずもない。
『ん・・・あ・・・ああ・・・』
やがて了史は思惑通りにオナニーを始める。
俺はしっかりとその様子を映像に収めさせてもらうのだった。

                   ******

土曜日は本来休日なので、俺は会社に行くふりをすることなく自宅にいた。
了史はこの不景気の中でも仕事があるそうで、いそいそと会社に出かけていった。
百合香はこのところ、了史が出かけるとホッとした顔をするようになっている。
においをもとにした嫌悪感がつのり、いっしょにいるのがかなりいやになっているのだろう。
おそらく寝室も別にしたいと思っているのではないだろうか。

了史が出かけると、すぐに百合香は俺の部屋にやってきてタバコを吸う。
脚を組んでタバコを吸う姿はとても魅力的だ。
こういう妖艶な女性に俺は妙に惹かれるところがある。
接待で時々行っていたクラブなどの水商売の女性に魅力を感じたりするのも、多分そういう部分が影響しているのだろうな。
妻も結構化粧が派手めだったし、タバコもよく吸っていたものだった。
まあ、そのせいで癌になどなったのかもしれないが、今なら癌などになることのない躰にすることもできる。
いずれ百合香にはクーライの女幹部となってもらうのだから。

俺は他愛ない話をしながら、少しずつ百合香がいかに魅力的かを伝えていく。
俺好みの百合香にしていくのだ。
妖艶さのあまり無かった百合香を好きになったのも、こうやって妖艶な女に染めたいと思ったからなのかもしれない。
それと、了史から奪うと言う最高の楽しみのためでもあるな。

我が家は専業主婦がいる家庭としては珍しいのかもしれないが、土曜日か日曜日に駅前の大型スーパーにほぼ一週間分の食料を買い出しに行く。
普段は百合香が軽自動車で買い物に行き、場合によっては了史が付き添うこともある。
俺も車を持ってはいるが、通勤に使うことが無いので、めったに使わない。
ところが今日は百合香のほうから買い物にいっしょに行かないかと誘ってきたのだ。
俺は二つ返事で快諾すると、百合香といっしょに買い物に出かける。
なんだかちょっとしたデートのようで気分がいい。
いつもと違う少し派手めの化粧をして、ミニスカートにハイヒールという姿で俺の車の助手席に乗り込んでくる百合香に、俺はとてもドキドキするものを感じていた。

買い物自体は単にいっしょに食材を選んだ程度のものだったが、楽しい時間だった。
その後スーパー内のケーキショップでケーキを買い、自宅でいっしょにお茶をする。
かつては了史に向けられていたであろう笑顔が、俺に向けられているのはとても気持ちがいい。
俺はいい気分で百合香との時間を過ごすことができた。

日曜日はなんとなく息がつまりそうな雰囲気で過ごす。
どうしてだかわからないだろうが、了史も百合香の機嫌がよくないことはわかっているのだろう。
何が原因なのか、またどうにか機嫌をとろうとして話しかけるのだが、それは百合香にとっては気分のいいものではないのだ。
当然無言でそっぽを向くことになるか、生返事でかわすことになる。
それが続けば了史も話しかけることをやめ、黙ってしまうことになる。
哀れなやつだ。

「父さん、リビングでタバコ吸っただろ! リビングでタバコ吸うのはやめてくれって!」
いきなり了史が怒鳴りつけてくる。
ほう・・・
俺はこのところリビングでなどタバコを吸ったりはしてないが、百合香に相手にされずにいらいらしているのだろう。
かすかなタバコのにおいでも気になったか?
まあ、吸ってないなどと言ってケンカになってもつまらない。
ここは折れておいてやるとするか。
俺がそう思い、すまんと言おうとしたときだった。

「了史さん! お義父様にそんな言い方するなんてひどいと思わないんですか?」
キッチンで怒ったように了史をにらみつけている百合香。
俺は驚いた。
まさか百合香が了史を怒鳴りつけるとはな。
「ゆ、百合香・・・」
目を白黒させる了史。
それはそうだろう。
百合香がこんなことを言うとは思わなかったはずだからな。
「お義父様はタバコがお好きなのよ。それなのに最近は分煙だとかで会社でも外でも好きなようには吸えないの。自宅でぐらいどこで吸ったっていいじゃない」
「百合香・・・でも君だって・・・」
「ええ、以前は私もタバコの煙がいやだなって思ったわ。でもお義父様が好きなものを否定するなんてそれでも息子なの? 情けない人。私はもうお義父様がタバコを吸うのは気にならないわ。どこで吸ってもかまわない」
ああ、そうか・・・
俺はピンときた。
タバコをリビングで吸ったのは百合香だな。
この際、俺にかこつけて家の中で自由に吸えるようにするつもりなのだろう。
もう、了史を気にしているのがいやになったのだ。
「百合香・・・」
「そんなにタバコがいやなら部屋にでもこもっていれば? 本当にお義父様に失礼よ」
「百合香さん、もういいよ」
俺はわざとに了史をかばってやる。
「いいえお義父様、こういうことはきちんと言うべきですわ。お義父様はどこでだってタバコを吸ったっていいと思います。いやなら了史さんが部屋にいればいいんです」
了史はどうしたらいいのかわからないのか、俺と百合香を見たあとで黙って部屋に行ってしまう。
それを見て百合香がクスクスと笑い出した。
「情けない人。女に言われて言い返せもしないんだわ」
そう言いながらリビングに入ってきてソファに座る。
そして灰皿をスッとテーブルに置くと、ポケットからタバコを取り出した。
「お義父様もどうぞ。これでリビングでもタバコ吸えますね。うふふふ・・・うれしい」
脚を組んでタバコに火をつける百合香。
了史をやり込めたことに気分を良くしているようだ。
ふふふ・・・
欲望を優先するようになってきたじゃないか。
いいことだ。
俺は百合香から一本もらうと、百合香に火をつけてもらう。
ふう・・・
こんなに美味いタバコはそうは無いな。
「百合香さんも言うじゃないか」
「うふふ・・・お義父様には申し訳ないんですけど、スーッとしましたわ。最近のあの人ったらホントつまらなくて・・・」
煙を吐きながら嫌悪感も露にする百合香。
「ハハハ・・・そうだな、あいつはどうもおとなしいと言うか覇気が無い。俺から見てもつまらん男だ」
「まあ、お義父様ったら。でもそのとおりだと思いますわ。ホントあんな男のどこがよかったのかしら・・・お義父様のほうが何倍も・・・」
百合香はそう言って少し顔を赤らめる。
「ふう・・・美味しい。タバコって美味しいですね。ね、お義父様」
ごまかすようにタバコを吸う百合香。
その手の爪には、真っ赤なマニキュアが塗られていた。
だんだん派手になっていく百合香。
俺はそれを見てほくそ笑んでいた。
  1. 2010/03/08(月) 21:07:15|
  2. ホワイトリリィ
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ホワイトリリィ(16)

200万ヒット記念SS「ホワイトリリィ」
今日は16回目です。
だいぶ百合香が歪んできたでしょうか?

それではどうぞ。


16、
『タバコ・・・』
つぶやくようにそう言って立ち上がる百合香。
脱いだショーツを穿きなおし、スカートを整えて俺の机に向かう。
その目は机の上に置かれた灰皿とタバコに釘付けだ。
百合香はそのまま机の前の椅子に座り、タバコの箱を手に取った。
『お義父様・・・持っていくのを忘れていらっしゃったんだわ・・・』
タバコの箱をじっと見つめている百合香。
しばらくそのまま動かない。
『一本だけ・・・』
ポツリとつぶやく百合香。
『一本だけ吸ってみようかしら・・・』
箱から一本取り出す百合香。
『お義父様にしかられるかな・・・やめとこうかしら・・・』
いやいや、しかったりなどするものか。
むしろ吸って欲しいのだよ、百合香。
『一本だけ・・・一本だけならいいよね・・・』
取り出したタバコを口に咥える百合香。
俺はパルスをちょっと強めてやる。
『ん・・・咥えただけでいい気持ち・・・』
脇にあるライターを取って火をつける。
慣れないと咳き込んで大変だろうが、そこはパルスでカバーしてやるか。
『ん・・・ゲホッ、ゴホッ、ゲホッ』
一口目から思い切り吸い込んだのだろう。
百合香は派手に咳き込んだ。
『ゲホッ、うう・・・煙~い。喉がひりひりする』
最初だからな。
それに俺のタバコはちょっときつい銘柄だし。
『でも、なんだか気持ちいい・・・もう一口吸っちゃお』
今度は気をつけてゆっくりと吸い込む百合香。
鼻と口から白い煙が吐き出される。
『ふう・・・今度はむせなかったわ。さっきとは違う。なんだか美味しい』
続けてもう一口吸い込む百合香。
こつを掴んだのか、もう咳き込むことはない。
『ふう・・・美味しい。なんだかとっても気持ちいいな。タバコってこんなに美味しいものだったんだわ』
うっとりとタバコを燻らせる百合香。
パルスの影響とはいえ、タバコが好きになってきたようだ。

脚を組みタバコを吸い続ける百合香。
すぐに一本吸い終わり、吸殻を灰皿に押し付ける。
『ふう・・・吸い終わっちゃった・・・なんだか物足りないわ。もう一本いいかしら・・・』
どうしようかと思案顔でタバコの箱を眺める百合香。
だが、すぐに迷いは消え、箱からもう一本取り出して火をつける。
パルスが欲望のままに行動するよう植えつけてきているのが効いているのだ。
『ふう・・・あとで買ってくればいいよね。私の分といっしょに』
じょじょにタバコに嵌まっていく百合香に俺は思わずほくそ笑む。
そして百合香は俺の机の脇に眼を止めた。
『これって・・・お義父様の本かしら』
無造作に雑誌を手に取る百合香。
タバコを灰皿において、パラパラとページをめくりはじめる。
『うふふ・・・すごい下着・・・お義父様はこんな下着が好きなのかな・・・』
それは下着姿の女性がいろいろ載っているアダルト雑誌だった。
いわば俺のもう一つの仕掛けだ。
以前の百合香なら見向きもしなかったに違いない。
それどころか、お義父様ったらなどと言いながら、机の引き出しにしまってしまったことだろう。
だが、今の百合香はパルスの影響下にある。
こういういやらしい下着にも興味がわくように仕向けている。
事実百合香は、タバコを吸いながら雑誌を黙って見ていたのだ。
『ふう・・・うふふ・・・こんな下着もいいかも・・・白やベージュばかりじゃ味気ないし・・・』
そんなセリフを言う百合香に、俺はまたしてもほくそ笑んだ。

「お帰りなさい、お義父様」
夜になりアジトから自宅に戻った俺を、今日も百合香が出迎えてくれる。
いつもと変わらぬ素敵な笑顔だ。
まったく・・・
俺はこの笑顔にしてやられたということかもしれない。
だが、ふと百合香のその笑顔が少し艶を帯びたものになる。
俺に男を感じ始めているのかもしれないな。

「お義父様、少しいっしょにいてもいいですか?」
今日も百合香はそのまま俺の部屋に入ってくる。
「ああ、かまわん」
俺は少しそっけなく言うが、百合香は気にもしない。
それどころか、俺といっしょにいられることに少しうきうきしているかのようだ。
「お義父様」
俺の上着を受け取り、ハンガーにかけながら、百合香が俺を呼んでくる。
「ん?」
「今日タバコを忘れていかれませんでしたか?」
エプロンのポケットから新しいタバコの箱を出してくる百合香。
「ああ、確かに出かけるときに忘れていったみたいだ。だから駅前のコンビニで買ったんだが、それは?」
封を切られてないタバコの箱に、俺は首を傾げて見せる。
「うふふ・・・さっき買って来たんです。今日、お義父様のタバコ、少しいただいちゃいましたから」
「いただいた? タバコを吸ったのかい?」
「はい。ちょっとだけ。うふふ・・・いたずらしちゃいました」
クスクスと笑っている百合香。
まさしく小さないたずらをしちゃいましたと白状する子供のようだ。
「それはかまわんが、百合香さんはタバコが嫌いなんじゃなかったかい?」
「ええ、今まではそう思ってました。でも、タバコ、美味しいんですね」
「そうだろう? タバコはいいものだよ」
「はい、そう思います」
俺はネクタイをはずし、服を着替える。
気楽な普段着姿になる俺を、百合香はなんとなくうっとりと眺めているようだった。
「失礼していいかな」
俺は椅子に腰掛けてタバコを一本取り出す。
百合香が無言でうなずいたので、俺はタバコに火をつけた。
ふう・・・
やはり美味い。
百合香にじっと見られているのは気恥ずかしいが、悪くない。

「お義父様、私も一本いただいてもいいですか?」
俺の服を片付けたあと、ベッドに腰掛けていた百合香がそう言ってきたので、俺は一本差し出してやる。
そして俺のライターで火をつけてやると、百合香は美味しそうに吸い始めた。
「ふう・・・美味しい。うふふ・・・お義父様とお揃いですね」
なんとなくうれしそうな百合香。
俺もうれしくなる。
わずかの期間でここまで百合香を俺好みにしてくれるとはな。
俺はタバコを美味しそうに吸う百合香を、とても好ましく思っていた。

「おっ」
俺はわざとらしく机の上の雑誌に目を留め、すばやく隠そうとして床に落とす。
無論、これは百合香の目を雑誌に引き寄せるため計算しておいた演技だ。
俺は床でページが開いてしまったアダルト雑誌を取り上げ、ばつが悪そうに頭をかく。
「うふふ・・・お義父様。だめですよ、そんな雑誌を机の上に置いたままにしては」
百合香はそう言いながら、ベッドに腰掛けて脚を組み、妖しい笑みを浮かべてタバコを吸っている。
「いや、これはまあ・・・」
「うふふ・・・心配しないでください。お義父様だって男性ですもの。そういう本を見るのも当然ですわ」
百合香は立ち上がり、俺が机の上に置いた雑誌を取ると、ベッドに戻って読み始める。
「素敵・・・女の私が見てもドキドキする・・・お義父様はこんな下着が好みなんですか?」
「そうだな。嫌いじゃない」
「私が・・・私がこういうのを着たら・・・うれしいですか?」
少し赤くなっている百合香。
やはり恥ずかしさがあるのは仕方ない。
「それはうれしいよ。俺のために百合香さんが着てくれるなら、男としてこんなにうれしいことはない」
「本当ですか?」
眼を輝かせる百合香。
思い切って言ったことが肯定されてうれしいのだ。
「ああ、本当だ。百合香さんがこういうのを着たところを見ることができれば、男冥利に尽きる。了史だってそう思うはずだよ」
俺はわざとに名前を出す。
どういう反応が返ってくるか見ものだな。

すぐに百合香の表情が曇る。
「そうでしょうか・・・」
「ん? どういうことだい?」
俺は内心の喜びを隠したまま尋ねてやる。
「了史さん・・・あの人は私が何着たってあまり気にしないし、お義父様のように喜んでくれもしないと思います」
「そうなのか? 俺は百合香さんが綺麗な服を着ていたら目を惹かれるし、素直にうれしいと思うが」
「ありがとうございます。そう言ってくださるのはお義父様ぐらいです」
にこっと微笑む百合香。
「いやいや、男なら誰だって百合香さんの美しさに惹かれるさ。俺だって了史がいなかったら口説いているところだとも」
「本当ですか? うれしいです。お義父様にだったら口説かれてもいいかな・・・」
「おいおい、百合香さん」
「うふふ・・・冗談ですわ」
小悪魔のようにいたずらっぽく笑っている百合香。
どうやらまだ冗談レベルにとどまっているようだな。
もうすぐ本気にさせてやるさ。

その後も百合香と俺はお互いにタバコを吸いながら、雑誌の下着についてあれこれ言い合った。
パルスの影響を受けた百合香は、こうしたいやらしい下着にも嫌悪感を抱かなくなっており、むしろ積極的に着てみたいと思っているようだ。
いずれ俺の前で披露してくれることだろう。

もうすぐ了史が帰ってくるというところで、俺と百合香のいっしょの時間は終わりとなる。
だが、百合香はなんとなくもっと俺といっしょにいたいような顔を見せ、ため息をついて部屋を出て行った。
了史も哀れなやつだ。
俺の息子でなければこんな目には遭わないものを・・・
俺は思わず苦笑した。

さて、了史にもひと働きしてもらわねば。
百合香が出ていったあと、俺はパソコンを立ち上げて蜘蛛型ロボットの映像を入手する。
キッチンで夕食の用意をしている百合香の後ろ姿をモニターに納め、リビングのパルスを了史向けに調節する。
蜘蛛女の言うとおり、各人の脳波に合わせたパルスであれば、単なる影響にとどまらず、かなりの思考制御ができるのだ。
蜘蛛女には本当に感謝しなくてはな。

百合香としばらく部屋でしゃべっていたせいで、夕食は俺も了史といっしょだった。
無論、俺にはパルスの影響など受けることもない。
食事は静かなものだった。
百合香も了史ももくもくと食事をするだけ。
百合香は了史の存在自体が気に入らない状態になり始めているし、了史には百合香への性的な無関心を刷り込んでやる。
二人とも自分たちがパルスの影響を受けているなどとは夢にも思うまい。
だが、じょじょに心をいじられていく。
なんとも楽しいことだ。

                   ******

この日から百合香はタバコを手放さなくなった。
家事の合間にも俺の部屋に入り込んできて、椅子に座って脚を組みタバコを燻らすようになっていた。
さすがにまだ了史が嫌がることはするつもりがないのか、リビングや寝室では吸っていない。
だが、そのうち了史に遠慮しながらタバコを吸う事自体がいやになってくるだろう。

俺の部屋にいる間は、常時百合香にパルスを照射し続ける。
だから百合香はどんどん変わっていく。
家事を終えたあとの俺の部屋でのオナニーはもう日課のようになっていた。
雑誌に載っていたようないやらしい下着も、ネットで取り寄せ始めているようだ。
以前の清楚な百合香ではなくなってきていた。

夕方、俺はアジトのことを蜘蛛女たちに任せ、都心へと出かけていく。
週末の仕込みと来週での仕上げに向けての材料を仕入れるためだ。
とはいえ何のことはない。
アニメ・ホビーショップへ行くだけなのだ。
五十になるというオッサンがだ。
やれやれ・・・

店に入ると、俺は同人誌コーナーに行ってみる。
ここにはさまざまな同人誌が置かれているが、そのコーナーの一角を占めるのがホワイトリリィに関するものだ。
日本を守る謎のスーパー美女ヒロインとくれば、人気が高いのもうなずけるというもの。
中には我がクーライの女怪人との絡みを描いたものまであるというのには苦笑するしかない。
まあ、蜘蛛女のムカデ女へのお仕置きを見れば、当たらずと言えども遠からずか・・・

百合香はこんなものが出回っているなど気が付いてもいないだろう。
専業主婦としてほとんどの時間を家で過ごしている彼女だ。
ネットなどを見ても、こういうものに触れることはそうあるまい。
そこを突かせてもらうとしよう。

俺はなるべく派手な表紙の物を十冊ほども選ぶ。
ホワイトリリィの人気は高いから数にはまったく苦労しない。
選んだのはホワイトリリィが性器をむき出しで見せ付けているようなものや、陵辱されて喜んでいるような表紙の物だ。
バイザーのおかげでその下にある百合香の顔は誰も知らない。
だが、同人誌の表紙に描かれているホワイトリリィはときどき素顔を晒している。
その顔は可愛く描かれているものではあるものの、百合香には似ても似つかないものであることに、俺はホッとするものを感じていた。

「ん?」
なんだか見たことがあるようなものを見て、俺はふと気になった。
それはホワイトリリィとはまったく関係のないマンガの同人誌だ。
確か、二人組みの小学生がいきなり魔法を使える人形にされてしまい、世界に広がる闇と戦うとか何とか・・・と言う話だったはず。
表紙には赤と青の二人の少女が描かれ、「聖なるお人形」とタイトルが書かれている。
はて・・・?
どこで見たのか・・・
この絵はどこかで見た気がするのだが・・・
ああ、そうか。
俺ははたと気が付いた。
これはホタル女の絵だ。
あいつめ・・・
しっかり同人誌を売っているのか。
作者名「倉井蛍子」ときたもんだ。
やれやれ・・・
仕方ない、売り上げに協力してやるとするか。
俺は苦笑すると、その本を一冊手に取った。

さて、同人誌コーナーのほかにもう一ヶ所行っておこう。
フィギュアコーナーだ。
この店でも結構なスペースを割いている。
当然ホワイトリリィのフィギュアも置いてあるはずだ。
実物ヒロインとして認知されているホワイトリリィだ。
フィギュアが出ないはずがない。
俺はフィギュアコーナーで肉感的に作られているホワイトリリィのフィギュアを見つけると、思わずにやっとしてしまう。
はたから見れば、きっといやらしいオヤジに見えたことだろう。
だが、こうも目当てのものがあっさりあると、世の男どもがホワイトリリィをどう見ているかがうかがい知れると言うものだ。

俺はホワイトリリィのフィギュアのボックスを手に取ると、ふと目にしたその隣に置いてある商品に複雑な思いを感じてしまう。
極彩色の翅を広げた毒蛾女や、鋭いカマを振上げたカマキリ女、細身の躰が美しいカゲロウ女たちがそこにいた。
セミ女もトンボ女もみんなホワイトリリィに倒されたクーライの女怪人たちだ。
そのいずれもがフィギュアとして並べられている。
無論、わずかしかない写真や映像から原型が作られているため、細部においては元の女怪人たちとは違うところも多い。
だが、こうして目の前に彼女たちがいるのを見ると、あらためて失ってしまった彼女たちのことが思い返される。
俺は五体の女怪人たちのフィギュアも手に取ると、まとめてレジへ持っていった。
結構な出費だが、まあ、これで百合香の心をゆがめ、ホワイトリリィの存在を抹消できれば安いものだ。
  1. 2010/03/07(日) 20:48:03|
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北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
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