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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

血に飢えたバニー

先日、ツイッターであるホラー映画のことを知りました。
その映画は、主人公のママがなぜかバニーガール姿になって人を殺していくと言うものだそうで、大型ナイフを両手に持ったグラマラスで不気味なバニーガールがパッケージに描かれているものでした。

私はなぜかそれが気になりまして、映画はまったく存じないのですが、ママ・バニーガール・殺人狂というキーワードから短編SSを書いてみることにしまして、出来上がったのがこのSSです。

元の映画とはまったく関係のないストーリーでしょうが、楽しんでいただけましたら幸いです。
なお、後半で視点が変わりますのでご注意ください。

それではどうぞ。


「血に飢えたバニー」

「ねーねー、これって琴葉(ことは)の家の近くじゃない?」
授業が終わって帰り支度をしている私に、美帆(みほ)が声をかけてくる。
「なに?」
私がきょとんとしていると、美帆はスマホを見せてくれた。
そこにはニュース速報が出ていて、こう書いてあった。
『コンビニで刺殺事件。男女三人が包丁のようなもので刺されて死亡。犯人は逃走後死亡。自殺と思われるが、着衣なし』
はあ?
なにこれ?
確かに家の近くのコンビニだ。
私もたまに立ち寄ることがあるお店。
そんなところでこんな事件が起きたって言うの?
大変じゃない!

「だ、大丈夫、琴葉? 顔色悪いよ」
美帆が心配そうに私の顔を覗き込む。
何だか思った以上にショックを受けたみたい。
そりゃ、身近なよく知っている場所でこんな事件が起きれば、ショックを受けるのはしょうがないよね。
「う、うん。大丈夫」
私は努めてにこやかに返事する。
「し、心配ないよ。犯人死んだみたいだし・・・」
美帆は元気付けようとしてくれているのだろう。
そりゃあ、犯人はまだ逃亡中なんてことになったら、怖くて家に帰れないけど。
でも、ちょっと待って・・・
この着衣なしって・・・どういうこと?
犯人は裸で犯行を行ったの?
私はもう少し詳しく見ようと思ったが、どうやら事件の第一報らしく、それ以上のことは載っていないようだった。

                   ******

多少の不安はあるものの、私はバスに乗って家に帰る。
途中何台かのパトカーがすれ違っていった。
何度かスマホで続報がないか見てみたけど、まだ詳しいことはわかってないらしい。
わかったのは犯人が若い女性だったと言うこと。
犯行時には服を着ていたらしいが、どうも特殊な服装だったのではないかと言う。
コスプレでもしていたのだろうか・・・

コンビニとその周囲は警察によって封鎖されていた。
私はその様子をバスの中から見た後、家の近くのバス停でバスを降りた。
こっちはコンビニのある表通りとは違って裏通りになる。
昼間でもあんまり人はいない住宅街。
私はちょっと周囲を気にしながらも、いつものように家に帰った。

「ただいまー」
玄関のドアを開けて家に入る私。
あれ?
なんかいつもと違う臭い?
何の臭いだろう・・・

「お帰りなさい。早かったのね」
奥からママの声がする。
「ただいまー」
私は靴を脱いでリビングに向かう。
するとママがキッチンからちょうど出てきたところで、私はその格好に思わずカバンを取り落とした。
「マ、ママ?」
おそらく私は唖然としていたと思う。
だって・・・
ママは・・・ママはバニーガールの格好をしていたんだもん。
黒くて胸から下腹部を覆うレオタードかコルセットみたいなコスチュームに、脚には目の細かな網タイツを穿き、頭にはウサギの耳の付いたカチューシャをはめている。
両手首にはカフスを付け、首にはリボンのような蝶ネクタイを巻いている。
どこからどう見ても、TVとかで見かけるバニーガール姿。
何があったのいったい?

「マ、ママ・・・その格好はいったい?」
「うふふふふ・・・どお、この格好? 似合うかしら? うふふふふ」
調理の途中だったのか、ママは右手に包丁を持ったまま、くるりと一回転してみせる。
お尻にはちゃんと白く丸いふわふわした尻尾も付いていて、背中の部分はやや広く開いていた。
そりゃあ、確かにママはまだぎりぎり30代だし、躰のラインも気を使って維持してきたみたいだから決して似合わないわけじゃなく、むしろとっても似合っていて素敵なんだけど・・・
なんだろう・・・
娘の立場からすると母親がバニーガールの格好をしているなんてとっても恥ずかしいわけで・・・

「どうかしら?」
「う、うん・・・に、似合うと思う・・・けど・・・」
「あー、やっぱりぃ? でしょう? 私だってまだまだ捨てたものじゃないわよね? ちゃんと体形維持にも気を使ってきたし、まだまだ若い娘には負けないわよぉ」
うれしそうに喜んでいるママ。
あうう・・・ママってあんなに胸大きかったっけ?
眼のやり場に困るよぉ・・・
「そ、それはともかく、どうしたのその衣装? 買ったの?」
うう・・・ママがこんな衣装を買ったなんて思いたくないけど・・・
「うふふ・・・もらっちゃったのよ」
「えっ? もらった? 誰から?」
「知らない人」
「し、知らない人ぉ?」
私は驚いた。
知らない人からもらったって、いったい?

「知らない人ってどういうこと?」
「それがねぇ、お昼過ぎに買い物行って帰ってくる時、コンビニの近くでこのバニーガールの格好をした女の人と会っちゃったの」
「コンビニの近く?」
なんだろう・・・
何だか悪い予感しかしないよぉ・・・
「その女の人は、片手に血の付いた包丁を持っていて、すごく焦っていたみたいだったわ。綺麗な人だったのにとっても怖い表情で、しかもあちこちに血が付いていたから、ママはもう恐ろしくなっちゃって声も出せなかったの」
私はごくりとつばを飲む。
「その女の人は、私と出会って最初びっくりしたような感じだったんだけど、私と目が合うと笑みを浮かべたわ。そして、持っていた包丁で自分の首を切り裂いたの」
「えっ? 自分の首を?」
「ええ、血が噴水のように噴出して、その女の人は地面に倒れたの。ママはもう何が何だかわからなくなって、悲鳴も上げられなかったの。でも、少し落ち着いてきたら、その人の着ている衣装がとても素敵に思えてきたの」
「え? 衣装って・・・バニーガールの衣装?」
「ええそうよ。すごく素敵で、バニーガールの衣装を着た自分の姿を思い浮かべたの。そうしたらもうとても着てみたくなっちゃって、すぐにその女の人から衣装を剥ぎ取ったわ」
「剥ぎ取った?」
なんだろう・・・
ママがそんなことをするなんて・・・
なんか変よ・・・
変だよ・・・
そういえば・・・コンビニでの事件の犯人って・・・着衣なしだったって・・・

「ママ・・・その衣装って・・・その女の人って・・・」
犯人だったんじゃ・・・
「ええ、もうすぐに全部脱がせてエコバッグに押し込んで家にまっすぐ帰ってきたわ。そうしてすぐに服を脱いで着替えたの。もう最高。とっても着心地がよくて気持ちいいの。バニーガールの衣装は最高よ。もうこれ以外着たくないわ」
「ママ、それ・・・その衣装ヤバイと思う。それ、犯人の着ていたものだから、警察に届けないと・・・」
「え? いやよ! なに言ってるの? このバニーガールのコスチュームは私のものよ。誰にも渡さないわ」
私は驚いた。
ママが突然すごく怖い眼をしたのだ。
まるで・・・
まるで私を殺しかねないぐらいに・・・

「それより、今晩はごちそうよぉ。雄一(ゆういち)君のお刺身なの。たっぷり作るからいっぱい食べるのよ」
「えっ? 雄一君? 雄一君ってお隣の?」
雄一君はお隣に住む小学生の男の子だ。
パパが海外出張とかで、母親の明美(あけみ)さんと二人で暮らしている。
うちのママも時々おかずをおすそ分けしたりしているけど・・・
お隣から雄一君がお刺身を持ってきたってこと?
「そうよぉ。どこがいいかしら? 腕? 脚? 内臓も血がたっぷりよねぇ」
な、なに?
ママは何を言ってるの?
私が何も言わないでいると、ママはくるっと振り返って台所に行く。
そして何かを手に持って戻って・・・

「ウゲェ・・・ゲェッ・・・」
私は思わず吐いていた。
ママが・・・ママが持ってきたのは・・・人間の腕だったのだ。
「大丈夫、琴葉? 具合悪かったの?」
ママが心配して私のそばに来てくれる。
「マ、ママ・・・それ・・・」
「これ? 言ったでしょ? 雄一君よ」
「ど・・・どうして・・・」
何が・・・何が何だかわからない・・・
どうしてママが?

「どうしてって・・・このバニーガールの衣装を着たら、すごく気持ちよくなったんだけど、何か物足りなく感じたの。それでよく考えたら、ママまだ血を浴びてなかったのよね。バニーガールなんだから血を浴びなくちゃならないわ。だからお隣の明美さんなら、少しぐらい血を分けてもらえると思ったんだけど、なんか怖がったり逃げようとしたりしたからそのまま切り裂いちゃったのよ。血が吹き出て綺麗だったわぁ。たっぷり浴びてきたの。気持ちよかったぁ」
まるで楽しい体験をしてきたかのようにうっとりしているママ。
違う・・・
こんなのママじゃない・・・
ママじゃないよぉ・・・
私は少しずつ後ずさるようにしてママから距離をとる。
「あらぁ? 顔色悪いわよ、琴葉。さっき吐いたし、やっぱり具合悪いんじゃないの?」
私はぶんぶんと首を振る。
パパァ・・・早く帰ってきてぇ・・・
「どうしたの? どこか行くつもり?」
私は何とかここから逃げ出したくて、少しでもママから遠ざかろうとしていたのだ。
「ち・・・ちょっと学校に忘れ物が・・・」
「あら、だめよ。もうすぐ晩御飯なんだから。明日どうせ学校に行くんだしいいでしょ? それより・・・」
ママの顔に笑みが広がる。
「ママなんだかまだ血を浴び足りてない気がするのよね。琴葉の血を浴びたらきっとすごく気持ちよくなれるような気がするんだけど・・・琴葉、少し血を出してもらっていいかしら」
にたぁっと笑って包丁を構えるママ。
私はもう必死でぶんぶんと首を振る。
「大丈夫よ。首筋を切れば一瞬ですむわ。そんなに痛くないわよ。たぶん・・・」
「いや・・・いやよ・・・」
私はもう悲鳴をあげることもできない。
「うふふふふ・・・琴葉の血をちょうだーい!」
包丁を振りかざしてママが飛び掛ってきた・・・

                   ******

何が起こったのかわからない・・・
気が付くと、床には血溜りができていて、ママが血まみれで倒れていた。
両目は開いたまま天井を見つめ、顔は青ざめて息をしていなかった。
包丁を持って飛び掛ってきたから、私は必死で抵抗した。
そうしたらもみ合っているうちにママが血を流して倒れたのだ。
ママ・・・
私は・・・私は・・・
救急車・・・
救急車呼ばなくちゃ・・・
救急車・・・
ママが倒れているって・・・
ママがバニーガールの衣装を着て倒れているって・・・
とっても素敵で綺麗で美しくてかわいいバニーガール姿で倒れているって・・・
なんて素敵・・・
血に塗れたバニーガールがこんなに素敵だなんて・・・
バニーガールってなんて素敵なのかしら・・・

私はママの躰からバニーガールの衣装を脱がしていく。
動かなくなったママにはもう不要のものだ。
私が着ればバニーガールになれる。
私もバニーガールになれるのよ。

私は着ていたものをすべて脱ぎ、バニーガールのコスチュームを身に着ける。
素脚に網タイツを穿き、バニーコスチュームを着て胸を収める。
私の胸にぴったりだわ。
まるで服が私に吸い付いてくるみたい。
両手首にはカフスを付け、首には蝶ネクタイをつける。
頭にウサ耳の付いたカチューシャをはめて完成。
うん、最高だわ。
バニーガールになるのって最高。
人生最高の日だわぁ。

私はすぐに姿見のところへ行って、鏡に姿を映してみる。
うふふふふ・・・
ママも素敵だったけど、私もなかなか様になっているじゃない。
見ているだけで気持ちよくなっちゃうわ。
でも・・・
でもなんか・・・
なんか物足りない・・・
何かが足りないわ・・・

私はリビングに戻ってみる。
倒れたママの手元に転がっている包丁。
ああ、そうよ・・・
血が足りないんだわ。
血しぶきを浴びてないんだもの。
バニーガールとしては未完成よね。
うふふふふ・・・
それがわかれば話は早いわ。
血しぶきを浴びてくればいいの。
そう・・・誰かの血をたっぷりと・・・
うふふふふ・・・

私は足元の包丁を拾い上げると、そのまま玄関へと向かう。
もう外は暗い。
人を殺すにはちょうどいい時間帯だわ。
うふふふふ・・・

                   ******

「ふう・・・」
私は署から黙って持ち出してきた荷物を置いてソファに深く腰を下ろす。
今日は最悪の日だった。
一日で管内で十一人もの人間が死んだのだ。
そのうち二人は自殺。
残りはみんな殺された。
自殺した二人は犯人。
その二人に九人が殺されたのだ。
いったい何が起こったのか・・・

昼過ぎに起こったコンビニでの刺殺事件。
三人の人間が刃物で殺され、犯人と思われる女性は逃走中に自殺と思われる形で死んでいた。
しかも裸で。
着衣は付近を捜したものの見つからなかった。

そして夜になって通り魔殺人。
こちらも犯人は女性、しかも女子高生だった。
彼女はなんていうか、その夜のお店で見かけるようなバニーガールの格好をして通行人を包丁で刺した。
動機はまったくわからない。
あっという間に三人の人間を刺し殺し、私たち警察が追い詰めると、にっこり笑って首筋を持っていた包丁で切ったのだ。
そのときの表情は忘れられない。
なんとも言えない喜びとも悲しみともつかないような笑み。
私はそのとき一瞬彼女と目が合った。
狂気に満ちたような目ではなかった気がするわ・・・

その後彼女の自宅で、裸で死んでいた母親を発見。
台所から切り裂かれた子供と、隣の家から子供の母親の遺体も発見された。
すべて彼女がやったことなのだろうか?
鑑識の話ではどうもそうではなさそうだけど・・・

とにかくよくわからない事件。
薬物反応はなかったそうだし、いったい何が起こったのか・・・

私は持ってきた荷物を広げてみる。
証拠品として押収された彼女の衣服。
黒いバニーガールの衣装。
網タイツと蝶ネクタイやウサギの耳のカチューシャもある。
どうして彼女はこんなものを着て人を殺していったのか・・・
こんな素敵な衣装を着て・・・
バニーガールになって・・・

私は着ていた衣服を脱ぐ。
下着も脱いで裸になり、網タイツを穿いていく。
バニーガールの衣装を身に着け、カフスや蝶ネクタイもつけていく。
気持ちいいわ・・・
何だかすごく気持ちがいい・・・
頭にウサギ耳のカチューシャを付け、バニーガールになる私。
うふふふふ・・・
素敵・・・
さっきまでの私じゃないみたい。
警察官の私は消え、バニーガールの私になる。
うふふふふ・・・
なんていい気持ち。
最高だわ。

でも何か物足りない。
何かが・・・
私は持ってきたもう一つの証拠品に目をやった。
血の付いた包丁。
彼女が持っていたものだ。
うふふふふ・・・
そうだわ・・・
血よ・・・
血が足りないんだわ。
血を浴びてこそ私はバニーガールとして完成するの。
血を浴びなきゃ・・・

私は玄関の靴箱から、バニーガールに似合うハイヒールを出して履く。
外は真夜中。
人通りは少ないだろうけど、まったくいないわけじゃないでしょう。
何人か殺して血を浴びれば・・・
うふふふふ・・・
きっと最高の瞬間だわ。
私は夜の街へと出かけていった。

END
  1. 2016/01/20(水) 21:01:45|
  2. その他短編SS
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マチルダたん鹵獲

昨日の記事に対して、ジャック様が大変妄想心を刺激してくださるコメントを下さいましたので、ついつい書いてしまいました。

英軍歩兵戦車マークⅡマチルダを擬人化して鹵獲されるところです。
しょうもないものを書いていると笑って読んでやってください。

それではドゾー。

私は歩兵戦車マークⅡマチルダ。
国王陛下の軍隊の機甲旅団の中核よ。
私の自慢はこのすごーく厚いドレス。
そこらの男じゃ歯が立たないわよ。
華奢な脚だってジャパニーズスタイルって言われる長いスカートで隠しているから大丈夫。
ダンスの途中に足をもつれさせるなんてことは無いわ。
でもね、この分厚いスカートのせいで、走るのだけは遅いの。
それだけがちょっと困っちゃうのよね。
何せ今いる所は暑い暑い砂漠なの。
砂漠って拠点が少ないから、どうしても機動戦が多くなるのよね。
クルセイダーちゃんは巡航戦車だからいいけれど、私やバレンタインちゃんは走るのが遅いから困っちゃうの。
でも、この厚いドレスのおかげでちょっとぐらい叩かれてもまったく平気。
だから、あのマカロニ野郎どもなんか、まったく私たちには歯が立たないのよ。
様無いわよね。

でもね、最近ちょっと状況が変わったの。
あのちょび髭親父のお気に入りのロンメルって奴がこの砂漠にやってきたのよ。
二号とか三号とか四号とかってお妾さん一杯引き連れちゃってさ。
いやな奴。
私たちはあんな奴には負けないんだから。
そりゃあ、私たちの上官ってあんまり頼りにならない感じだけど、でも姉妹たちは一杯いるから大丈夫よね。

そんなある日、私はたくさんの姉妹たちや、同じ歩兵戦車のバレンタインちゃんたちと一緒にちょび髭親父の部下どものところへ出かけたの。
もちろん、大勢の歩兵さんたちと一緒にね。
暑い砂漠だけど、平らな砂地はそれなりに走りやすいし、敵の数は少ないから楽勝よ。
ヨーロッパで見せ付けた私のドレスの威力もあるしね。
ちょび髭の部下どもには、私のドレスを破くことのできるような対戦車砲は持っていないもの。
思う存分に暴れてあげる。
見てらっしゃい。

見つけたわ。
敵の拠点よ。
おとなしくしているみたいだけど、あんたらはこのアフリカにいるだけで邪魔なの。
さっさとこの砂漠から出て行きなさい。
私は歩兵さんたちを引き連れて、姉妹たちとともに突進する。
あ、もちろん歩兵さんたちはちゃんと私に付いて来られるわよ。
私は歩兵戦車なんだから、走るのは遅いけど、ちゃんと歩兵さんの速度に合わせてあげられるの。
ちゃんと考えているんだから。

どうやら敵は陣地で防御するみたいね。
あーん、どうしよう。
私って歩兵さんの支援のための歩兵戦車なんだけど、陣地攻撃って苦手なのよね。
ほら、陣地攻撃に適している炸裂弾。
榴弾って言うんだけど、私ってあれ持っていないのよ。
お友達のバレンタインちゃんも同様で、このあたりは私たちの開発者がどう考えていたのか聞きたいぐらい。
まあ、でも行くしかないわ。
私の分厚いドレスで敵弾を弾きながら、機関銃を撃ちまくってやる!

え?
あ・・・
嘘?
あ・・・マチルダ五号ちゃんも?
嘘、嘘よー!
どうして私たちの厚いドレスがこうも簡単に破られちゃうわけ?
そんなバカな!
あ・・・またしても・・・
そ、そんなー。
ああー!
それは無いでしょ!
それって高射砲じゃない!
戦車撃つ大砲じゃないわ!
卑怯よ、卑怯!
う~、なんて憎たらしい!

あっ、痛っ!
ああ~、履帯が切られちゃったわ。
う、動けない・・・
ど、どうしよう・・・
あっ、みんなどこへ行くの?
いやぁっ、逃げないでぇ!
戻ってきてぇ!
置いて行かないでよぉ!
待ってぇ!
ああ・・・・・・
行っちゃったわ・・・
どうしよう・・・

あっ、ドイツ兵がやってきたわ。
私はもう動けない。
どうしようもないよー。
誰か助けてー!

あーあ・・・捕まっちゃった。
こんなはずじゃなかったのになぁ。
どうしてこうなっちゃったのかしら。
どれもこれも、あの高射砲が悪いのよ。
高射砲で戦車を撃つなんて卑怯だわ。
戦争にだってルールがあるのよ。
なんて言ってても仕方ないわね。
私は捕虜なんだからおとなしくするしかないか。

あら?
あれはバレンタイン八号車ちゃんだわ。
彼女も捕まっちゃったのね。
残念だけど、仲間がいてちょっと嬉しい。
どうやら彼女は地雷を踏んだようね。
私と同じく履帯が切れちゃって身動きが取れなかったんだわ。
足を怪我したら動けないもんね。
仕方ないよね。

あれ?
ドイツの連中がバレンタインちゃんに何か始めるわ。
何をする気かしら。
あら?
もしかして足回りの怪我を治してくれているの?
結構優しいのかも。
バレンタインちゃんも嬉しそうだわ。
このまま修理してもらえば、いざという時いつでも逃げられるもんね。

あ、私のところにも来た。
私の足も直してくれるのね?
ありがとう。
私ちょび髭親父は大嫌いだけど、ドイツの軍人さんはちょっと見直しちゃった。
うん、それでいいわ。
もう大丈夫。
これでまた走れるわ。

ち、ちょっと!
あなたたち何しているの?
バレンタインちゃんに何をしているのよ!
や、やめなさい!
そんな黒の十字マークを大きく書くなんてやめてー!
私たちは国王陛下に忠誠を誓ったイギリス軍の戦車なのよ!
そんな十字のマークなんて見るのもいや・・・
え?
やだ、バレンタインちゃん何を言っているの?
私は総統閣下に忠誠を・・・誓いますですって?
ど、どういうことなの?
しっかりして、バレンタインちゃん!
えっ?
あなたもすぐにわかるですって?
このマークを付けられれば身も心も総統閣下に捧げるようになるって?
そ、そんな・・・
そんなのはいやぁっ!
しっかりしてバレンタインちゃん!
あなたは洗脳されているのよ!
目を覚まして!

あ・・・来る。
ドイツ人がペンキと刷毛をもってこっちに来る。
いやぁっ!
私はイギリス軍よ!
ドイツ軍なんかじゃないわ!
ドイツ軍になるのはいやぁっ!
ああ・・・黒いペンキが私のドレスに・・・
ああ・・・ドイツの黒い十字のマークが・・・
私のドレスを・・・染めて・・・行く・・・
私は・・・
私はイギ・・・リ・・・

うふふ・・・
さあ、出撃よ。
ロンメル将軍のもと、総統閣下のためにイギリス軍を駆逐するの。
このアフリカはおろか中東も総統閣下のもの。
スエズはもう目前だわ。
神出鬼没のロンメル将軍を恐れ崇めるがいい。
私はドイツアフリカ軍団のMkⅡ748(e)。
こうして形式番号もいただいたわ。
今の私はもう身も心も総統閣下のもの。
うふふふ・・・
イギリス人ども、このアフリカから出て行くがいいわ!
  1. 2007/03/01(木) 21:20:07|
  2. その他短編SS
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  4. | コメント:3

寝取られ

えーと・・・

ちょっと読む方によっては不快感を与えるSSですので、初めてこの機能を使いますね。

個人的には「物語として」は寝取られ好きなもので、こんな話を書いて見ました。

寝取られに抵抗の無い方のみお読み下さいませ。

[寝取られ]の続きを読む
  1. 2007/01/12(金) 21:38:57|
  2. その他短編SS
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  4. | コメント:11

こんなのもけっこう好きです

シチュだけの単発一本勝負ですが、鬼畜舞方はこんなネタもけっこう好きなんですよ。
やっぱおにゃのこを手駒にできるっていいですよね。(笑)

「過去の思い出」

すん・・・すん・・・すん・・・

誰かが泣いている。

痛いよぉ・・・やめてよぉ・・・

女の子の悲鳴。

クスンクスン・・・ひどいよひどいよぉ・・・

これは夢か?
泣いているのは誰なんだ?

私・・・私・・・初めてだったんだよ・・・

太ももに一筋の赤い線。
これは俺がやったことか?

ひどいよぉ・・・私・・・私・・・

涙でくしゃくしゃになった顔。
それは俺がよく知っている顔だった。

ばかぁ・・・弘樹のばかぁ・・・

乱れた制服の前をかき抱いて泣きじゃくる少女。
奈津紀・・・
俺は彼女の名前を知っていた。

私・・・私・・・初めては・・・初めては・・・弘樹にあげるつもりだったんだよ・・・

お互いに知り合って何年になるのだろう。
お互いに男と女だということを意識してどれくらいになるのだろう。

でも・・・でも・・・こんなのってないよぉ・・・ひどいよぉ・・・

いつも笑っていた奈津紀。
それが今は泣いていた。
それは俺がしたことなのか?
違うと言ってくれ・・・奈津紀。

「さま・・・じん様・・・ご主人様」
俺はまどろみの中から引き戻される。
「ご主人様、お目覚めですか?」
にこやかに俺の顔を覗き込んでくる奈津紀。
真っ赤なエナメルのボンデージを身にまとい、手にはムチを持っている。
「ああ、悪い。寝ていたか?」
俺は頭を振って目を覚ます。
どうやらうたた寝をしていたらしい。
「くすっ・・・ご心配なく。メスどもの調教は私がしておきましたから」
妖しく魅力的な笑みを浮かべる奈津紀。
今までずいぶん楽しんでいたのだろう。
うっすらと汗をかき、真っ赤な唇を舌先が舐めて行く。
「すまんな。まかせっきりで」
「うふふ・・・いいえ、私も楽しませていただきましたから」
しなだれかかるように俺に寄りそう奈津紀。
赤い皮の長手袋が俺の股間にそっと伸びてくる。
「どうした、欲しいのか?」
「はい、ご主人様の寝顔を見ていたら・・・その・・・」
うっとりと淫靡な表情で俺を見上げてくる奈津紀。
あの夢の中の奈津紀はどこへ行ったのだろう・・・
今の奈津紀は俺の片腕としてメスどもの調教を楽しんでいる。
真っ赤なボンデージにハイヒールブーツがとてもよく似合う淫靡な女だ。
そこにはあの奈津紀は存在しない。

だが・・・
俺は満足だった。

[こんなのもけっこう好きです]の続きを読む
  1. 2005/11/06(日) 20:59:41|
  2. その他短編SS
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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