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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

ママがゲーム機になっちゃった……

今日は予告も何もなしでしたが、短編SSを一本投下します。

タイトルは「ママがゲーム機になっちゃった……」です。
私、あおばさんの「ゲーム機お姉ちゃん」のイラストとか、MTさんの「ゲームマザー」というSS作品とか、すごく好きなんですよね。
人間がゲーム機にされて、ただゲームのために使用されてしまうというのがツボなんですかねー。

ということで、MTさんの「ゲームマザー」に似たような作品になってしまいましたが、お楽しみいただけましたら幸いです。
それではどうぞ。


ママがゲーム機になっちゃった……

 「はあ……」
 思わずため息をついてしまう拓広(たくひろ)。
 学校の帰り道をトボトボと歩いている。
 早く帰ってゲームをして遊びたいのはやまやまなのだが、ゲームをしているとママがうるさいのだ。
 まだゲームを始めてそんなに時間が経たないうちから、勉強しろ宿題しろゲームばかりするなと文句ばかり言う。
 別に勉強や宿題をしないわけじゃなく、拓広自身はゲームばかりしているつもりはないのだが、どうもママにはゲームしかしていないように見えるらしい。
 友達との話題のためにも自分自身の楽しみのためにも、ゲームで遊ぶことは拓広にとっては大事なことなのだが、毎日毎日耳元でうるさく言われ続けるとゲームで遊ぶのもつらくなるというもの。
 それゆえに、遊びたいけど帰りたくないという矛盾した気持ちになってしまうのだった。

 「ママがうるさく言わなければいいのになぁ……」
 拓広はそうつぶやく。
 もしママがうるさく言わないのなら、ちゃんと宿題や勉強だってやるし、お手伝いだってするのになとも思うのだ。
 「はあ……」
 またしてもため息をつく拓広。
 小学生の彼にとっては切実な悩みなのだ。

 「そうだ。神様にお願いしてみよう」
 ふと拓広は、帰り道の途中にある祠のことを思い出す。
 小さな祠でちょっとした雑木林の中にあるのだが、神様がいるから粗末にしてはいけないよといつも言われている場所だ。
 実際近所の人がいつも掃除をしているのか、いつ行ってもきれいになっているのだが、なんとなく雰囲気が厳粛な感じがして、拓広はめったに行くことは無い。
 でも、もしかしたら神様がママにもう少しゲームを許してやるように言ってくれるかもしれないのだ。
 拓広はそう思い、祠に通じる道に入っていった。

 祠の前までやってくると、拓広はなんだか空気がひんやりとしているような感じがした。
 周囲には誰もいなく、ちょっと離れた通りの音さえもここには聞こえてこないような感じがする。
 祠の扉は開いており、中にはよくわからない像なのか石なのかが置かれていた。
 拓広はちょっと戸惑ったものの、とりあえず祈ってみようと思い、柏手を打ってお祈りする。
 「ママがゲームするなって言わないようにしてください。むしろもっとゲームしろって言うくらいがいいです」
 拓広は目をつぶって一礼する。
 すると、何かが耳元を通り過ぎたような気がして、拓広は思わず目を開けた。
 だが、そこは特に何も変わった様子はなく、ただひんやりとした風が通り抜けるだけだった。

                   ******

 「はあ……」
 掃除機をかけながらため息をつく亜樹美(あきみ)。
 テレビの前に置かれた灰色のゲーム機がどうにも目障りに感じてしまう。
 物理的に掃除機かけの邪魔になるということではない。
 存在自体が目障りなのだ。
 小学生の息子は学校から帰ってくると、いつもゲームで遊んでいる。
 最初は少しぐらいいいかとは思ったものの、夕食後まで遊んでいるのだ。
 本人は勉強も宿題もしているというけど、机に向かっている時間なんてわずかなもの。
 だからついついゲームをやっていると文句を言いたくなる。

 「ゲーム機なんて無ければいいのに……」
 思わずそうつぶやく亜樹美。
 この件については夫の紀之(のりゆき)もあてにはならない。
 むしろゲームくらいはいいんじゃないかと息子を甘やかすのだ。
 時々一緒になって遊んですらいるし……
 ゲームなどどこが面白いのだろうか……
 面白くないとは言わないけど……

 その時室内に風が吹く。
 「えっ?」
 窓は閉まっているのにどうして風が?
 亜樹美が不思議に思っていると、風はゲーム機を持ち上げる。
 「えええっ?」
 思わず声をあげてしまう亜樹美。
 強風がゲーム機を吹き飛ばしたのではない。
 ほんのちょっとしたそよ風程度のものが、重いゲーム機を宙に浮かせたのだ。
 「ど、どういう?」
 亜樹美は不思議に思ってゲーム機に手を伸ばす。
 その瞬間ゲーム機からまばゆい光が発せられ、亜樹美の目をくらませる。
 そしてそのままゲーム機は亜樹美の躰にすうっと入りこんでしまい、亜樹美はその場に倒れ込んだ。

                   ******

 「ブゥオーーーン」
 亜樹美のスピーカーから起動音が鳴る。
 「う、うーん……」
 ゆっくりと上半身を起こす亜樹美。
 だが、その姿は先ほどとは似ても似つかないものに変化していた。
 亜樹美の首から上はまるで薄型テレビのような四角い液晶モニターになっており、左右にスピーカーが付いている。
 躰は女性のような美しく滑らかなボディラインを見せているが、全身がグレーのプラスチックになっている。
 両胸のふくらみには乳首の代わりに右には十字型のキーが、左には四つのボタンが付いていた。
 またおへそのところには縦にスリットができており、ゲーム用のディスクを入れられるようになっている。
 両手と両足もグレーのプラスチックでできていて、関節部分は球形のジョイントになっており、足はハイヒールを履いたような形状になっていた。
 それはまさに女性とゲーム機が融合したような姿だった。

 「わ、私はいったい……」
 薄型モニターになった頭を振る亜樹美。
 その画面にはゲーム機の起動画面が映っている。
 「そうだわ、掃除……私は掃除の最中……」
 だが、亜樹美の中で掃除はどうでもよくなってくる。
 「ああん……そうよ……ゲーム……ゲームがしたいわ。早く誰かが私でゲームをしてくれないかしら」
 亜樹美の中で今まで感じたことの無かった欲求が生まれてくるのだ。
 「そうだわ。もうすぐ拓広が帰ってくるはず。ああん……拓広ぉ……早く私でゲームしてぇ」
 息子の帰りが待ち遠しく感じる亜樹美。
 彼女はワクワクしながら息子の帰宅を待つのだった。

                   ******

 「ただいまぁ……」
 願掛けを済ませた拓広が帰ってくる。
 そしてリビングに入ってきたところで、彼は目を丸くした。
 「お帰りなさい拓広ぉ。さあ、ゲームをしましょ」
 そう言って正座をしている灰色の女性のような存在。
 いや、そもそも人だとは思えない。
 なぜならその者の首から上は薄型テレビのような四角い液晶モニターであり、どう考えても人間の頭が入るような着ぐるみマスクとは思えないし、躰だって灰色のプラスチックでできたマネキンみたいなのだ。
 胸もむき出しで、片方には十字キーがあり、もう片方にはボタンが四つ付いている。
 腰の括れや全体のフォルムは確かに女性っぽかったけど、なんと言うか機械人間といった感じだ。

 「わわわわわ、だ、誰? 誰なの?」
 拓広は思わず手にしたカバンを落としてしまう。
 「ええ? なにを言ってるの? ママに決まっているでしょう? さあ、ゲームよ。ゲームをしましょう」
 そう言って亜樹美は正座から足を伸ばして座り直す。
 彼女の太ももの上は座れるようになっているのだ。

 「マ、ママ? ウ、ウソでしょ?」
 唖然とする拓広。
 いったい何がどうなっているのだろう?
 このゲーム機ともロボットともつかないものがママだって?
 「ウソなんかじゃないわよ。あ、もしかして私の躰が変わったからわからなかった?」
 四角いモニター画面がちょっとうつむく。
 どうやら自分の躰を見ているらしい。
 「ほ、本当にママなの? どうしてそんな……」
 拓広の声は震えている。
 この機械人間がママだとはとても思えない。
 「そうよぉ。確かに今朝までの私とはちょっと違うものね。でもどう? ママの新しい姿は?」
 亜樹美は立ち上がってクルリと回り、自分の躰を見せつける。
 「わぁ……」
 思わずドキッとする拓広。
 グレーのプラスチックの人形のようだとはいえ、背中やお尻は大人の裸の女性のラインそのままなのだ。
 まるで女性のヌードを見せられたような気がしてしまう。
 「マ、ママ……」
 「うふふ……どう? 私ねぇ、拓広の好きなゲーム機になったのよぉ。素敵でしょう? さあ、ゲームしましょ」
 再び床に座って足を投げ出す亜樹美。
 そして自分の太ももをポンポンと叩く。
 「さあ、ここに座って。ママが使い方を教えてあげる」
 「え? う、うん……」
 まるでキツネにつままれたような気分でどうにも理解しがたいが、ともかく拓広はゲーム機となった亜樹美の太ももに座るのだった。

 「ほらよく見て。ママの顔はモニターになっているの。ここにゲーム画面が映し出されるわ」
 「う、うん」
 亜樹美は自分の機能を解説しはじめる。
 「今はまだ起動画面だけど、いろいろなゲームを映し出すことができるわよ」
 「ママ……ちゃんと見えるの?」
 「えっ? どうして? ちゃんと拓広の顔が見えているわよ」
 亜樹美には拓広の質問の意味がよくわからない。
 「だって……目がないから……」
 言われてみればその通りだと思う亜樹美。
 確かに彼女の顔は全面が液晶モニターになっており、目もカメラもない。
 だが、どういうわけか問題なく見えるのだ。
 「そう言えばそうよね。不思議ね。でもちゃんと見えるから大丈夫よ」
 「そうなんだ」
 拓広もなんだかわからないが、そう言われれば納得するしかない。
 それよりも、目の前にある二つのおっぱいが気になってしまうのだ。

 「うふふ……気になる?」
 拓広の目がちらちらと自分の胸を見ることに気付く亜樹美。
 「え? う……うん……」
 拓広は赤くなってしまう。
 「恥ずかしがることは無いわ。ママのおっぱいはコントローラーなの。ほら見て、右側は十字キーになってて上下左右をこれで操作するの。左側には四つのボタンが付いているから、これでいろいろと決定できるのよ。ほら、持ってみて」
 亜樹美は拓広の手を取って自分の胸を持たせる。
 「あぁぁん……気持ちいい。ママのおっぱいでガンガン私を操作してねぇ」
 思わず声をあげてしまう亜樹美。
 コントローラーを操作させることがこんなに気持ちがいいなんて……

 「あん……」
 だが残念なことに拓広はすぐに手を引っ込めてしまう。
 なんとも恥ずかしい気持ちやおっぱいを触るのがいけないような気持ちが、どうしても出てしまうのだ。
 「うふふ……心配しなくていいのよ。このおっぱいはコントローラーだから、いつでもどんどん触って操作していいの」
 亜樹美はそう言って微笑んで見せようとするが、残念なことに彼女の顔は液晶モニターに起動画面が映っているだけだ。
 「う……うん……」
 そう言われても、拓広はどうしてもおっぱいを触るのは恥ずかしく感じる。
 その様子はゲーム機になった亜樹美にはちょっと残念だ。

 「大丈夫よ拓広。すぐに慣れるわ。それでね、ここにはゲームディスクを入れられるようになっているの。好きなゲームのディスクを入れてね」
 亜樹美はとりあえず自分の機能の説明を続け、おへそのところに縦に入ったスリットを指で示す。
 「あ、もちろんネットにつないでくれれば、ゲームのダウンロードも可能よ。内部ストレージは充分な容量があるから、たくさんダウンロードしてくれてかまわないわ」
 「そ、そうなんだ……」
 拓広はそうとしか言いようがない。
 これが本当に起こっていることなのだろうか?
 ボクは何か悪い夢でも見ているのではないだろうか?

 「あとこのスリットの下側には男性向けアダルトゲーム対応のオナホールがちゃんとあるの。おちんちんを入れると気持ちいいわよ」
 亜樹美は指をずらして股間の性器を指し示す。
 「えっ? えっ? えええっ?」
 思わず飛び退るようにして立ち上がる拓広。
 いきなり女性のオマンコを見せられてはそうなろうというものだ。
 「あん……拓広にはまだ早かったわね。そうだわ、パパなら大丈夫ね。パパにたっぷりアダルトゲームを楽しんでもらいましょ。拓広はもう少し大人になってからね」
 性器部分にセットされたオナホールを指で広げて見せながら亜樹美は楽しそうに話す。
 ゲーム機になってしまった彼女には、もう機能を使ってもらうことだけが喜びなのだ。

 「マ、マ、ママ……・お、お願いだから元に戻って。ママがゲーム機なんていやだよ」
 目を逸らしながら拓広がやっとの思いで言う。
 いったいどうしてこんなことに……
 あ……
 もしかしてボクが神様にお願いしたからなの?
 そんなぁ……

 「ええ? イヤよ。私はゲーム機よ。ゲーム機以外の何者でもないわ」
 不満そうな声をあげる亜樹美。
 彼女は今の自分に満足していたのだ。
 人間に戻りたいなどとは全く思わない。
 「そんなことよりゲームしましょ。ゲームゲームぅ。ママでたっぷりゲームしてぇ」
 誘うように手で拓広を呼ぶ亜樹美。
 もうゲームをしてほしくてたまらない。

 「そんなぁ……ご、ご飯とか……晩ご飯とかどうするの?」
 拓広は焦ってしまう。
 ママが家事をしなくなったらどうしようと思ってしまうのだ。
 「ええ? そんなのいいじゃない。私は電気があればいいの。まあ、どうしてもって言うのならやってもいいけど……そんなことより早くゲームしましょう。ゲームぅ」
 亜樹美にとってはもう家事などどうでもいいのだ。
 先ほどまで使っていた掃除機も放り出されたままである。
 「そんなぁ……困ったなぁ……」
 頭を抱える拓広。
 確かにもっとゲームをしろと言われるぐらいがいいとはお願いしたけど、それはこんなはずじゃなかったのだ。

 「ねえ、ゲームしましょう? 拓広ぉ、早くぅ」
 甘えるような声で拓広を呼ぶ亜樹美。
 ゲーム機になった彼女は、とにかくゲームをしてほしくてたまらない。
 「そんなぁ……神様ぁ、ママをもとに戻してぇ!」
 拓広の願いはむなしく、ゲーム機になったママは拓広にゲームをしようと呼び続けるのだった。

END


いかがでしたでしょうか?
よろしければ感想コメントなどいただけますと嬉しいです。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/04/16(日) 19:00:00|
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骨だけの女

今日は超短編SSを一本投下。
(´▽`)ノ

今朝ほどTwitterで女戦士をスケルトン化したら意思が残ったみたいなツイートをしたのですが、なんかSSにできそうだったので書いてみましたところ、先ほどできあがりましたので即投下。
タイトルは「骨だけの女」です。
短いですがお楽しみいただければと思います。


骨だけの女

 しまったなぁ……
 リーザは後悔していた。
 勇躍乗り込んではみたものの、そこは人身売買のゴロツキの集まるあばら家ではなく、魔術師のねぐらだったというわけなのだ。
 子供がさらわれたという話だったから、てっきりゴロツキどもがどこかに売り飛ばそうとしているのだと思い、それなら一刻も早くと相手のことを何も知らずに乗り込んだのがまずかった。
 まさか相手が魔術師だったなんて……

 なんとまあ……
 魔術師は困惑していた。
 まさか単身で女戦士が乗り込んでくるとは思わなかったのだ。
 確かに魔法薬の材料としての子供をさらっては来たが、子供などどこでどうなるかわからないもの。
 魔物に襲われて死ぬこともあれば病気で死ぬこともある。
 そうなってもいいように複数産んでおくのが普通なのだ。
 一人二人さらったからと言ってわざわざ追いかけてくるようなことでもあるまいに。
 それに……
 私を相手にするなら、せめて冒険者パーティでやってきてほしいものだ。
 女戦士一人でやってくるとは無謀に過ぎるというものだろう。

 こうしてにらみ合っていても仕方がない。
 幸い剣は既に抜いてある。
 あとは踏み込んで切りかかるだけ。
 魔術師は確かに強敵かもしれないが、弱点だってあるのだ。
 その最たるものは呪文詠唱だろう。
 魔法は呪文を詠唱しないと発動しない。
 だからパーティを組んだ時も、魔術師の呪文詠唱が終わるのをカバーする戦士が必要なのだ。
 軽戦士で身軽な私ならば、呪文詠唱が終わる前に相手を……
 リーザは意を決した。

 やれやれ……
 足元に倒れている女戦士。
 逃げもせずに切りかかってくるとはおろかな女だ。
 だいたい呪文詠唱なしに発動する魔法で身を守っていないとでも思っているのか?
 魔法の矢を二発も食らえば即死だろう。
 ちょうどいい。
 今後こういうやつが入ってこないように、ゾンビにでもして門番に置いておこうか……
 いや、ゾンビはどうしても肉体の腐敗臭が好きになれん。
 それに見れば若い女戦士。
 女の顔が腐っていくのを見るほど酔狂でもない。
 いっそスケルトン(動く骸骨)にでもしようか。
 スケルトンなら戦士にはぴったりだろう。
 うむ、そうしよう。

 そんな……
 いったい何が起こったのだろう……
 呪文の詠唱などなかったのに……
 気付いたら何かに躰を貫かれていた。
 一撃を与えることすらできずに倒れるだけ。
 情けない……
 こんなことで死ぬというのか?
 リーア……
 ごめ……ん……

                   ******

 あ……れ?
 意識が戻ってくる。
 私は死んだのでは?
 死なずに済んだのかな?

 呪文の詠唱が聞こえてくる。
 その声を聴いているとなんだか心地よくなる。
 支配者の声だ。
 私のすべては彼のもの。
 私は彼に従わなければならないのだ。
 ご主人様……

 何かが躰から流れていく。
 躰がどんどん軽くなるのだ。
 なんだろう……
 すごく気持ちがいい。
 今までなんと邪魔なものを身に着けていたものか。
 躰がこんなに軽いものだったなんて……

 だんだん周囲の様子がわかってくる。
 呪文の詠唱をしているのはあの魔術師。
 彼こそが私のご主人様。
 私は彼に造られるのだ。
 なんてうれしいことだろう。

 「む?」
 呪文の詠唱が終わった魔術師はふと気づく。
 目の前に横たわる女戦士は、今すべての血肉が溶け落ちて骨だけになった。
 その骨は魔力で動き、彼の命令に従う不死の奴隷。
 スケルトンと呼ばれる骸骨戦士だ。
 そのはずなのだが……
 すべての血肉が溶け、骨だけになったはずのスケルトンの胸に、なぜか心臓だけが残っているのだ。

 「心臓が残った?」
 なぜ心臓だけが残っているのか?
 もちろん動いてはいない。
 死んでいる。
 普通アンデッド作成呪文で作り出されたスケルトンに心臓など残るはずもない。
 だが、なぜかあばら骨の内側で心臓だけが浮いているのだ。
 いったいどういうことなのか?

 命令がない……
 呪文の詠唱は終わっている。
 私はもうできあがっている。
 なのに命令がない。
 動いてもいいのだろうか?
 起き上がってもいいのだろうか?
 起き上がってご主人様にご挨拶してもいいのだろうか?

 『あ、あのぅ……』
 リーザはしびれを切らして声を出す。
 「なにっ?」
 驚愕したようなご主人様の表情。
 何か驚かせるようなことをしてしまったのだろうか?
 私はただ起き上がってもいいかたずねようとしただけなのに。

 魔術師は驚いた。
 スケルトンがしゃべったのだ。
 スケルトンがしゃべるなど聞いたことも無い。
 いったいこいつは何者だ?
 ただのスケルトンではないというのか?

 「お前は……なんだ? スケルトンなのか?」
 ああ……ご主人様が返事をしてくれた。
 それだけでリーザはうれしくなってしまう。
 『はい。私はご主人様に造られたスケルトンです。ご主人様のために働きます』
 「か、会話が……できるだと?」
 またしてもご主人様が驚かれている。
 どうしてしまわれたのだろう?
 私の答えがご不満なのだろうか?

 『申し訳ございませんご主人様。驚かせるつもりはありませんでした』
 スケルトンの言葉に魔術師はただただ唖然とする。
 このスケルトンには知性がある。
 というか、おそらくは元の女戦士の魂が残ったままなのだ。
 信じられない。
 普通ゾンビやスケルトンになったものは、元の魂など消滅する。
 ただ命令に従って動くだけの人形になるのだ。
 いったいどこでどうしてしまったというのだろう……

 『あの……ご主人様。起き上がってもよろしいでしょうか?』
 「あ、ああ……」
 よかった。
 やっとご主人様の許可がいただけた。
 リーザはゆっくりと躰を起こす。
 すごい。
 なんて躰が軽いんだろう。
 今までの躰とは全く違う。
 力を入れなくても自由自在に動く感じだ。

 立ち上がったスケルトンがそのままスッとひざまずく。
 『偉大なるご主人様。私をお造りいただきましてありがとうございます。私はご主人様の忠実なしもべ。どうぞ何なりとご命令ください』
 うーむ……
 あばら骨の内側に動かない心臓がある以外は、いたって普通のスケルトン……いわゆる人間の骸骨のようだ。
 だが、どうやら意識を持っており話もできるという意味では普通のスケルトンではありえない。
 「お前は我が命令に従うか?」
 魔術師は確認のために問うてみる。
 『もちろんでございます。私はご主人様に造られたスケルトン。ご主人様の命令に従うのが私の存在する意味です』
 どうやら命令には従うようだ。
 ならばこれは面白い存在かもしれん。
 しばし使役して様子を見たほうがいいだろう。

 「ならば入り口のところで見張りをせよ。誰がやってきても中に入れてはならぬ」
 『かしこまりました、ご主人様』
 リーザは最高の幸福を感じる。
 ご主人様の命が下ったのだ。
 スケルトンとしてこれほどうれしいことは無い。
 主人のために働くことこそがスケルトンである私の存在意義なのだ。
 誰がやってきたとしても、絶対に中に入れはしない。
 リーザはそう決意する。

                   ******

 人間の時に使っていた剣を持ち、入り口のところに立つリーザ。
 彼女の役目はここで見張りをし、ご主人様の邪魔をするおろか者が来たら排除することなのだ。
 命令を果たしていると思うだけで気持ちがいい。
 それにこの躰の軽いこと。
 今まで筋肉だの内臓だのという余計なものを身に付けていたのだから当然だ。
 極限まで削減したこの躰が軽くないはずがない。
 どうして今まであのような重い躰で活動しようとなどしていたのか不思議なくらいだ。
 こうしてご主人様にスケルトンとして造り変えていただいたことを心から感謝したいとリーザは思う。

 それにこの躰なら疲れることも無い。
 ご命令に従いいつまでだって立っていられる。
 ご主人様のご命令に従うという喜びがあるから、飽きることだってあり得ない。
 最高の躰だわ。
 みんなもご主人様にスケルトンに作り替えていただけばいいのに……
 リーザはそう思う。

 おや?
 誰かがくる気配がする。
 生きている人間だ。
 生きているというだけでムカムカする。
 心臓など止まってしまえばいい。
 生きている人間など見たくもないわ。

 「お姉ちゃん……どこ?」
 来たのは軽装備の弓戦士の女性。
 ショートボウを手にしている。
 茶色の髪を後ろでまとめ、菫色の目で周囲をうかがうことに余念がない。

 リーア……
 リーザはその女性に見覚えがある。
 彼女の妹なのだ。
 彼女が戻ってこないので探しに来たのだろう。

 『リーア』
 「ひっ!」
 リーザが呼びかけたのに、妹は恐怖に目を見開いている。
 どうしたのだろうか?
 私を探しに来たのではないかしら?

                   ******

 「ふーむ……」
 魔術師は考える。
 どうやら可能性としては、あのスケルトンはまだ完全に死んでいなかったのではないだろうか。
 仮死状態の人間をスケルトンにしてしまったために、魂が消滅しなかったのかもしれない。
 それが正しいかどうかはわからない。
 もう一度試してみてもいいかもしれない。

 ガタッと入り口の方で音がする。
 「ん?」
 魔術師は立ち上がる。
 また誰か来たのだろうか?
 あのスケルトンに門番を任せてはみたが、あっさりやられてしまったのかもしれん。
 やれやれ……

 「おや?」
 入り口に倒れている一人の女。
 その後ろにはあのスケルトンが立っている。
 『ご主人様。お願いがあります』
 「お願い?」
 スケルトンがお願いだと?
 魔術師は聞いてみることにした。

                    ******

 魔術師の家の入り口に二体のスケルトンが立っている。
 二体とも普通のスケルトンとは違い、あばら骨の内側に心臓が浮いている。
 もちろんその心臓は動いてはいないが、なぜか心臓だけ存在するのだ。

 『お姉ちゃん。この躰ってすごくいいね』
 『でしょ? 以前の人間の躰なんか比べ物にならないわ』
 『うん。すごく軽くてなんでもできそう』
 『肉だの内臓だの本当に邪魔くさかったのね』
 『スケルトンになれてよかった』
 『本当ね』

 二体のスケルトンが笑い合う。
 その声はどこか女性の笑い声のようだった。

END

いかがでしたでしょうか?
よろしければ感想コメントなどいただければと思います。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2023/03/05(日) 19:00:00|
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先輩は後輩を守りたい

来月に向けていくつかSSを書き始めてはいたのですけど、昨日の私の誕生日に「お誕生日SS期待してまーす」というお声をいただきましたので、急遽昨日今日で誕生日祝いの超短編を一本書き上げましたので投下しますねー。

タイトルは「先輩は後輩を守りたい」です。
楽しんでいただけましたら幸いです。
(´▽`)ノ


先輩は後輩を守りたい

 「ふう……すっかり遅くなっちゃったわね」
 すっかり日も暮れた通りを二人の制服姿の女子高校生が歩いている。
 「すみません真衣(まい)先輩。私が上手くできなかったせいで……」
 少しうつむきながら申し訳なさそうに謝罪を口にするやや小柄な少女。
 どうやら横を歩く女子高校生の後輩らしい。
 どことなく小動物っぽい愛らしさがある子だ。
 スポーツ部所属らしく締まった躰をしてはいるものの、女性らしい柔らかいラインが美しい。

 「瑞希(みずき)ちゃんのせいじゃないわよ。ちゃんとカバーできなかった私が悪いの。もう少しうまくカバーしてあげられれば……」
 横を歩く先輩が苦笑する。
 「そんな、真衣先輩はまったく……」
 思ってもみなかった答えに瑞希は驚く。
 憧れの真衣先輩とペアを組めたのはとてもうれしいことだったが、今のところは自分が足を引っ張っているだけでしかないのだ。
 真衣先輩にカバーしてもらわなくてもちゃんとできるようにならなくてはいけないのに……

 「ううん。瑞希ちゃんは後輩なんだし、先輩の私がちゃんとサポートするのは当たり前だよ。それに瑞希ちゃんはしっかりやってる。むしろ私の方がカバーしてもらっているぐらい」
 やや茶色いショートカットの髪をしたボーイッシュな真衣が首を振る。
 スタイルもよくとても活発な彼女は、みんなのあこがれの的でもある。
 もちろん瑞希もその一人だ。

 「まあ、今日はコーチの虫の居所が悪かったのかな。うちらだけじゃなくみんなしごかれていたもんね。と、瑞希ちゃんの家はそっちだっけ?」
 通りと裏手につながる道との分岐で真衣は立ち止まる。
 「はい。それじゃせんぱ……」
 また明日と続けようとした瑞希は、真衣がすたすたと自分の行く道の方に曲がったことに驚く。
 「えっ? 先輩は向こうじゃ?」
 「もうこんなに暗くなったし、可愛い後輩を一人で帰せるわけないでしょ」
 そう言ってほほ笑む真衣。
 「でも、それじゃ先輩が……」
 私の家まではいいけど、そこから先は先輩一人になってしまうのでは?
 瑞希はそう思う。
 「いいからいいから。私はどうとでもなるから。先輩は可愛い後輩を守りたいのでーす」
 おどけたようにそう言って手を差し伸べる真衣。
 「はい」
 瑞希も明るい笑顔を見せ、その手に引かれるように真衣の元へと歩き出す。

 「それにしても、このあたりはホントに暗いね」
 「ええ、いつもの時間ならまだもう少し人通りもあるんですけど……」
 真衣と瑞希は人通りのない寂しい道を歩いていく。
 このあたりは住宅街でも外れに位置するので、家の数も少なくまだ空き地のままのところも多いのだ。
 幸い人通りがないということは、誰かにあとをつけられたりしているということも無いので、それは助かるのだが、用心するに越したことはない。

 「た、助け……ぐはっ!」
 何か人の声のようなものと、ドサッと何かが倒れたような音がする。
 「えっ?」
 「な、何?」
 真衣と瑞希が顔を見合わせる。
 「聞いた? 今の?」
 「ま、真衣先輩も聞こえました?」
 いったい何の音だったのだろうか?
 誰かいるのだろうか?
 二人はしばらくその場に立ち止まって様子をうかがうが、それから音は聞こえてこない。

 「だ、大丈夫かな? 瑞希ちゃんの家ってこの先だよね?」
 「え、ええ、そうです」
 とりあえず変な物音もしないようだ。
 ここにいつまでも立っているわけにもいかないだろう。
 まずは瑞希ちゃんを無事に送り届けなくては。
 「い、行こうか」
 真衣は先に立って歩きだす。
 「は、はい」
 瑞希も恐る恐るそのあとに続いた。

 「ヒッ!」
 突然小さく悲鳴を上げる瑞希。
 思わず真衣が瑞希に振り向く。
 すると、瑞希が進行方向ではなく脇の空き地を見ていることに気が付いた。
 「瑞希ちゃん?」
 「ひあっ! せ、先輩……あれ……」
 瑞希が指さすのは空き地にある小さな盛り上がり。
 最初は刈り集めた雑草でも置いてあるのかと思ったが、その黒い盛り上がりが動いているのがわかる。
 「えっ?」
 真衣が声を上げたとき、その盛り上がりがうずくまった人影であることに気付き、その顔が二人の方を振り向いたことがわかる。
 「ケケケケケ……見たな!」
 その顔は黒い毛で覆われ、赤く丸い目がいくつも光っていた。
 さらにそいつは立ち上がると、肩から腕が二本ずつ生えていたのだ。
 まるで人とクモが合わさったような姿である。

 「わぁっ!」
 「きゃぁぁぁぁぁっ!」
 思わず悲鳴を上げ、手にしたカバンを落としてしまう瑞希。
 「ケケケケケ……俺様の姿を見たからには生かして返すわけにはいかん」
 躰中を短い黒と赤の剛毛で覆われ、腕が二本ずつあるクモの化け物が二人に向かって襲い掛かってくる。
 真衣はとっさに化け物の目標が瑞希だと見ると、そのまま体当たりをするようにして化け物に横合いからタックルした。
 「瑞希ちゃん、逃げて!」
 両方とも逃げだすと思っていたのか、タックルをされたことで化け物がバランスを失う。
 そのため、化け物の鋭い爪は瑞希の腕をかすめるだけに終わる。
 その隙に真衣は化け物と瑞希の間に入り込むようにして立ちはだかった。

 「せ、先輩!」
 制服の袖を切り裂かれ、真っ青な顔をした瑞希が震えている。
 「早く逃げて! すぐに警察呼んで!」
 「で、でも先輩が……」
 真衣はなんとか瑞希を逃がそうと、カバンを振り回して化け物に飛び掛かる。
 「いいから早く! えーい!」
 「は、はい! す、すぐに警察を呼びます! 待っててください!」
 瑞希はようやく自分はこの場をいったん離れて警察を呼ぶ方がいいと思い、走ってこの場を後にする。

 「ケケケケケ……あの子を逃がそうとでもいうつもりか?」
 クモの化け物がその赤い目で真衣をにらむ。
 「瑞希ちゃんの方には行かせない!」
 カバンを手に真衣も化け物をにらみ返す。
 「ケケケケケ……俺様はクモビルグだ。小娘、俺様が怖くないのか?」
 「こ……怖い……怖いけど……私は先輩だから、後輩を守るんだ!」
 がくがくと震える足を必死に抑え、目をそらさないように耐える真衣。
 ともすればくじけそうになる心を、なんとか保とうと自分に言い聞かせているのだ。

 「ケケケケケ……面白い小娘だ。気に入ったぞ。ちょうど俺様の手足となって働く手駒が欲しいと思っていたところだ。お前を俺様のしもべにしてやろう」
 ニタッと笑い、鋭い牙を見せるクモビルグ。
 「な? ふざけるな! 誰があんたのしもべになんか……」
 なるものかと言おうとした真衣だったが、いきなり躰に白い糸が巻き付いてしまう。
 「えっ?」
 ねばつく糸は真衣の両手を閉じ込めるように躰ごと巻き付き、真衣は身動きが取れなくなってしまう。
 「そ、そんな……むぐっ」
 悲鳴を上げようにも口のあたりにも糸が巻き付き、まるで白い猿轡をされたようだ。

 「ケケケケケ……」
 絡みついた糸を引っ張り始めるクモビルグ。
 それに伴い、真衣の躰もじょじょに引き寄せられていく。
 「むー! むー!」
 必死に叫ぼうとする真衣だが、まったく声が出せない。
 やがて真衣の躰はクモビルグの四本の腕に抱きとめられてしまう。
 「むー! むー!」
 真衣は必死にもがくも、絡みついた糸はまったく切れる様子がない。
 「ケケケケケ……俺様の糸は人間ごときの力では切れん。お前には俺様の血を分けてやる。俺様のしもべになるのだ」
 「むーっ!」
 真衣の首筋にクモビルグが噛み付く。
 傷ついた真衣の首から血が流れていく。
 するとクモビルグは今度は自分の腕を噛んで傷付け、そこから出るどろりとした黒い血を真衣の首筋の傷に当てるようにして流し込む。
 「むーっ!」
 真衣の首筋に垂らされたクモビルグの血が、真衣の血と混じり合っていく。
 真衣の躰ががくがくと震え、クモビルグが手を離したことで、その場で地面に倒れ込んでしまう。
 「ケケケケケ……」
 ニヤリと笑みを浮かべ、真衣の体に巻き付けた糸をほどいていくクモビルグ。
 あとは待つだけだ。

 やがてゆっくりと真衣が立ち上がる。
 そして、その鋭い爪で着ていた制服や下着を切り裂いていく。
 つま先から何か尖ったものが突き出して裂けてしまったローファーや、履いていた白いソックスも脱ぎ捨てられる。
 今の真衣にとっては、衣服など躰を拘束するもの以外の何物でもないのだ。
 すべてを脱ぎ捨てた真衣は、闇の中にその姿をさらす。
 それは以前とはすっかり変わってしまった姿。
 躰には短い赤と黒の剛毛がまるでスクール水着や袖なしのレオタードを着たような形に生えており、両手も二の腕から先が、両足も太ももから下の部分がまるで長手袋やサイハイソックスを着けたかのように剛毛で覆われている。
 足は指が消えて一つにまとまり、つま先からは太く鋭い爪が一本伸びていた。
 手にも指先から黒く鋭い爪が伸びている。
 顔は一見すると以前と変わらないようだったが、額には三つの赤い単眼が並んで輝き、目も白目や瞳が消えて赤い目に変化している。
 少し開いた口もギザギザな歯が見えており、犬歯は牙のように尖っていた。

 「あ……れ……私……」
 ゆっくりと顔を上げる真衣。
 「ケケケケケ……どうやら終わったようだな」
 少女の変化にクモビルグは笑みを浮かべる。
 これでこの娘は俺様の意のままだ。
 「終わったって……何が終わったのですか、お父様? ケケケ……」
 クモビルグの言葉にキョトンとして首をかしげる真衣。
 無意識にクモビルグと同じような音を出している。
 「ケケケケケ……お父様だと? 俺様を父と呼ぶのか?」
 意外な言葉にやや戸惑うクモビルグ。
 「えっ? だって私はお父様の血をいただいたんだからお父様の娘です」
 真衣はそう思う。
 それともお父様と呼んではいけなかったのだろうか?

 「ケケケケケ……そうだな。お前は俺様の娘だ」
 にやりと笑って真衣の頭をポンポンと叩くクモビルグ。
 娘というのも悪くない。
 「はい。お父様。ケケケケ……」
 真衣はなんだかうれしくなる。
 クモビルグ様の娘で良かったと思うのだ。
 「ケケケケケ……名前はなんと言う?」
 「私ですか? マイです。ケケケ……」
 「ケケケケケ……それではマイよ、先ほどお前が逃がした娘は友達か?」
 「はい。私の後輩で瑞希ちゃんと言います。そういえば私……彼女をどうして……」
 逃がしてしまったのだろうとマイは思う。
 お父様が捕えようとしたのに邪魔しちゃうなんて……
 「ごめんなさいお父様、私……」
 うなだれるマイの顎をクイッと持ち上げるクモビルグ。
 「ケケケケケ……ならばどうすればいいか、わかるな?」
 「はい。瑞希ちゃんを捕まえてお父様のところに連れてきます。ケケケケ……」
 クモビルグの顔を見つめ、きっぱりと答えるマイ。
 「では行け。ケケケケケ……」
 「はい、お父様」
 コクンとうなずくと、マイは思い切りジャンプする。
 それは以前の真衣では考えられないほどのジャンプだった。

                   ******

 「はい……はい……そうです。はい……その交差点を右折してまっすぐ来てもらえれば……はい……お願いします。はあ……」
 通話を切ったとたんに思わず力が抜けてしまう。
 へなへなとその場にへたり込んでしまう瑞希。
 その姿を街灯が闇の中に照らしている。
 よかった……
 あとは警察が来てくれるのを待つだけ。
 思わず化け物が出たなどと言ってしまったけれど、警察の人はパトカーを向けると言ってくれた。
 あれが本当に化け物だったのかは自信がない。
 もしかしたら見間違えだったのかもしれない。
 でも、変質者みたいなものだったかもしれないし、警察が来たら安心だろう。
 そういえば先輩は……
 真衣先輩はどうなったのだろう?
 大丈夫だろうか……
 大丈夫だといいけど……

 戻ってみるべきだろうか?
 それとも警察が来るまで動かない方がいいだろうか?
 瑞希は迷う。
 どうしよう……
 真衣先輩……
 先輩も早く逃げてきて……

 いきなりシュッと風を切るような音が聞こえ、手にしたスマホが飛んでいってしまう。
 「えっ?」
 一瞬何が起こったかわからない瑞希。
 突然持っていたスマホが何かに引っ張られたような気がして、気付くと手の中から消えていたのだ。
 「ケケケ……もう、ダメじゃない。どこかに連絡なんかしちゃ。それにお父様から逃げるなんて……」
 暗闇の中から聞き慣れた声が聞こえてくる。
 「えっ? えっ? 先輩? 先輩ですか?」
 きょろきょろと周りを見る瑞希。
 だが周囲には誰もいない。
 「ケケケ……ここ、ここよ」
 瑞希は声が上の方から聞こえたような気がして、思わず顔を上に上げる。
 「ひっ!」
 すると、向かい側の電柱の上に裸の女性のようなシルエットがあることに気付く。
 「ケケケ……ダメじゃない、瑞希ちゃん。逃げたりしちゃ」
 そのシルエットがひょいと瑞希の前に飛び降りてくる。
 「ひぃっ!」
 小さく悲鳴を上げる瑞希。
 そこには黒と赤の短い剛毛で躰を覆い、両手と両足も同じような剛毛に包まれた女が立っていたのだ。
 しかもその女は真衣先輩によく似た顔をしているものの、その目は赤く輝き、額にも赤く丸い単眼が三つ並んでいた。

 「ケケケ……もう、瑞希ちゃんたら私を置いて行っちゃうんだもん、いけない子だね」
 マイは糸を使って瑞希から取り上げたスマホを握りつぶす。
 今の彼女には容易いことだ。
 こんなものでよそと連絡を取られてはたまらない。

 「えっ? そんな……まさか……先輩……なんですか?」
 愕然とする瑞希。
 目の前にいる先輩は、まるであの化け物と同じような姿ではないか。
 「ケケケ……そうよ。違うように見える?」
 「ど、どうして……そんな……」
 「ケケケケ……私はお父様に血を分けていただいたの。お父様のおかげで私はお父様の娘になれたのよ」
 マイは街灯に照らされた自分の躰を誇らしく思う。
 目の前にいる人間の娘と違い、マイは父の血をいただいたのだ。
 それがどんなにうれしいことか。

 「ケケケ……さあ、お父様がお待ちかねよ。一緒に来て」
 マイの言葉に瑞希は首を振る。
 「もう……ダメよ瑞希ちゃん。先輩の言うことは聞かなくちゃ。ケケケケ……」
 「いやっ、いやですっ!」
 瑞希はひたすら首を振る。
 こんなのは悪夢だ。
 あの真衣先輩がこんな……

 遠くからパトカーのサイレンの音が聞こえてくる。
 「ケケケ……瑞希ちゃんったら警察を呼んだのね。仕方ないわね」
 マイは股間に意識を集中する。
 するとマイの股間から強靭な糸がするすると伸び始め、マイはその糸を器用に操って瑞希に絡めていく。
 「きゃあっ! いやぁっ! むぐっ!」
 クモビルグと同じように瑞希を口を糸でふさぐマイ。
 父と同じようにできるのはとてもうれしい。
 「ケケケ……さあ、お父様のところに行きましょうね」
 マイは糸でからめとった瑞希の躰を抱えると、ジャンプしてその場を後にした。

                   ******

 「ケケケケ……」
 急速に熱を失っていく女の腹から爪を引き抜く。
 何が起こったのかわからないという表情で床に崩れる中年の女性。
 それが数時間前まで母などと名乗っていたのが、ミズキには許せない。
 私の親はお父様のみ。
 お前のような人間のはずが無いわ。
 ミズキはそう思う。
 お父様の血で私は先輩と同じくお父様の娘になった。
 だからこの家の人間は偽りの家族。
 生かしておけるはずが無いわ。
 「ケケケケ……」
 ミズキは血に濡れた爪をぺろりと舐める。
 人間の血の味も悪くない。

 「ごふっ!」
 背後で男の声がして思わず振り返る。
 完全には死んでいなかったのか、床に倒れたまま落ちていたスマホに手を伸ばそうとしていたらしい中年男が、マイ先輩の爪で背中から貫かれたのだ。
 「ケケケケ……もうミズキったら油断してるから。ちゃんと相手のとどめを刺さないと」
 爪を引き抜いて立ち上がるマイ。
 「ごめんなさい先輩。その男がまだ生きていたとは。死んだと思ったのに……ケケケケ……」
 ぺこりと頭を下げるミズキ。
 その姿はマイとそっくりで、彼女もクモビルグの血を与えられたことを物語っている。

 「ケケケ……まあいいわ。これでこの家の人間はみんな殺したかしら」
 「はい。この家には私の偽の父と母がいただけですから。ケケケケ……」
 ミズキは忌々しそうに床に倒れた中年男女を見下ろす。
 「なら大丈夫ね。いい、油断しちゃダメよ、ミズキ。私たちのミスはお父様に迷惑をかけることになるんだから。ケケケケ……」
 「はい。でも、その時はマイ先輩が助けてくれるんですよね? ケケケケ……」
 いきなり甘えたような甘い声を出すミズキ。
 「もう、ミズキってばぁ……当たり前でしょ。後輩を守るのは先輩の役目ですもん。ケケケ……」
 苦笑しながらもミズキの頭をなでるマイ。
 「さあ、行きましょ。お父様がお待ちよ。ケケケケ……」
 「ケケケ……はい、先輩。うふふ……私、お父様の娘になれて幸せです」
 それはミズキの本心だ。
 先輩と一緒にお父様の娘になれたというのは、なんと幸せなことだろう。
 「私もよ。私たちはお父様の娘。お父様のためならなんでもする。ケケケケ……そうでしょ、ミズキ?」
 「もちろんです、マイ先輩。ケケケケ……」
 窓を開けて身を乗り出しながらマイはミズキを振り向き、ミズキもまたマイを見る。
 二体のクモ少女は、お互いに顔を見合わせてニタッと笑う。
 そして窓から夜の闇へと姿を消すのだった。

END

いかがでしたでしょうか?
短時間で作った割にはまあまあかなと。(^o^;)
よろしければ感想コメントなどいただけますと嬉しいです。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2022/06/10(金) 21:00:00|
  2. 異形・魔物化系SS
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魔法熟女ラビカルバニー

昨日の「機械化シチュ」SSに続きまして、新年SS第二弾は私の作品ではメジャーな「悪堕ちシチュ」もののSSを投下です。

タイトルは「魔法熟女ラビカルバニー」です。
魔法で熟女でバニーですってよ奥様! (笑)

お楽しみいただければ幸いです。
それではどうぞ。


魔法熟女ラビカルバニー

 「人間たちに悪さをする魔物たち! おとなしくなさい!」
 夜の闇に響き渡る軽やかな声。
 気を失った女性に食らいつこうとしていた鬼のような姿の魔物が、思わず振り返る。
 そこには、二メートルほどもある長さの大きな杖を持った美しい女性が立っていた。
 銀色をしたその杖には、先端に大きな青い宝玉が嵌まっている。
 しかもその女性は、ピンク色のバニーガールコスチュームを身に着け、脚には網タイツとピンクのハイヒール型のアンクルブーツを履き、頭頂部にはウサミミの付いた髪飾りを付けていた。
 いわばよく見るバニーガールそのものが大きな杖を持っているという格好だったのだ。

 「ゲゲ……ナニモノダ?」
 たどたどしい日本語を口にする鬼のような魔物。
 おそらくその姿を見た者が、物語に出てくる鬼というものを伝えたのであろう。
 「わ、私は……うう……ま、魔法熟女……ラビカルバニーよ……」
 顔を真っ赤にしながら、最後の方は消え入りそうな声でその名を言うバニーガール姿の女性。
 確かに熟女というにふさわしく四十代くらいの女性のようで、ほど良く肉の載った肉体がバニーガールコスチュームで強調され、妖艶さを醸し出している。
 大きな胸ははちきれんばかりであり、丸いお尻も尻尾の付いたコスチュームからあふれそうなぐらいだ。
 だが、それがかえって魅力的でもある。

 「ゲゲ……ウマソウダ」
 足元に転がった女よりはるかに襲いがいのありそうな女。
 鬼はそう思う。
 こいつを犯して食えばきっと美味なことは間違いないだろう。
 「グゲゲゲゲ」
 鬼がその両手を振りかざしてバニーガールに襲い掛かる。
 「ひい……」
 その圧倒的な迫力に思わず小さな悲鳴を上げる彼女。
 こんなことに巻き込まれるなんて考えたこともなかったのに……

 「ラビカルスタッフを向けるんだホイ」
 彼女の背後からふわふわと空中に浮いた白ウサギのぬいぐるみのようなものが声をかける。
 「こ、こう?」
 彼女は言われたとおりに手にした大きな杖を鬼に向ける。
 これこそ魔法熟女ラビカルバニーの武器の魔法の杖、ラビカルスタッフだ。
 すると、その先端に埋め込まれた青い宝玉から稲妻のようなものが走り、鬼に命中する。
 「グギャァァァ」
 一瞬で鬼は黒焦げとなり、グズグズと崩れていく。
 あとには細かなチリが残るだけだった。

 「すごい……こんな威力が……」
 思わず目を丸くする彼女。
 まさかあの強そうな鬼が一撃とは。
 「これがラビカルスタッフの威力だホイ。これからお前は魔法熟女ラビカルバニーとして、魔物たち を狩っていくんだホイ」
 ふわふわと飛んできて彼女のそばに来る白ウサギのぬいぐるみ。
 「ねえ……お願いだからその熟女ってのは……」
 「夕べも言ったホイ。お前はとても少女とは言えないホイ。それにいやなら絵梨香(えりか)がやることになるホイ。もともとそのコスチュームは絵梨香に合わせて作られているホイ」
 自分の着ている躰にぴちぴちのバニーガールコスチュームを見下ろす彼女。
 確かに彼女には一サイズ小さいのは間違いなさそうだ。
 「うう……わ、わかったわよ……」
 がっくりとうなだれるラビカルバニーだった。

                   ******

 「おはよう、ママ。うーん……」
 眠い目をこすりながら起きてくる少女。
 どうして学校などに行かなくてはならないのかと毎朝思ってしまうのは仕方がない。
 「おはよう。ほら、早く仕度しないと遅れるわよ」
 母は娘をせかし、遅刻しないようにと念を押す。
 「わかってるよぉ……ふわぁ……」
 あくびをしながら顔を洗いに洗面所へ行く娘。
 その間にも母は食事の支度に余念がない。
 夫と娘を学校に送り出すのは大変だ。
 やれやれ、毎朝戦争だわぁ。

 「それじゃ行ってくるよ」
 一足先に仕度を終えた夫が声をかけてくる。
 「行ってらっしゃい。お弁当は持った?」
 「ああ、持ったよ」
 カバンをちょっと掲げる夫に、母であり妻である彼女は笑顔で見送りをする。
 「気を付けてねー」
 「行ってらっしゃいパパ」
 顔を洗い終えた少女も父を見送り手を振る。
 「さ、絵梨香もさっさと朝ごはん食べちゃいなさい」
 「はーい」
 毎日のルーティンワークとは言うものの、慌ただしいのは否めない。
 朝は忙しいのだ。

 「行ってきまーす」
 「行ってらっしゃい。車に気を付けるのよー」
 「わかってるってぇー」
 はずむような足取りで学校へ向かう娘に、思わず母も笑顔になる。
 もう小学生じゃないというのに、ついつい車に気を付けてなどと言わずもがななことを言ってしまうのは母親としての癖なのか。
 とはいえ、これで朝の慌ただしさも一段落。
 少しは落ち着いた時間を迎えることができる。

 「ふう……」
 とりあえず椅子に腰を下ろす彼女。
 「お疲れ様だホイ」
 「ひゃぁっ!」
 いきなり声をかけられ、思わず椅子から飛び上がりそうになる。
 見ると、いつからいたのか、ふわふわと空中を白ウサギのぬいぐるみが浮かんでいた。
 「ルビ君? もう、びっくりさせないで!」
 彼女はふわふわと宙に浮かぶ白ウサギのぬいぐるみにそう声をかける。
 このふわふわと浮かぶウサギのぬいぐるみ……実は妖精だというが……を見てしまったのが、彼女、荒実理津香(あらざね りつか)の運命の変転の始まりと言っていい。
 このウサギの姿をした妖精ルビのおかげで、彼女は魔法熟女ラビカルバニーにならざるを得なくなってしまったのだから。

 「まったく、どこに隠れていたんだか……まさか絵梨香に変なこと言ってないでしょうね」
 「言ってないホイ。それよりもお茶の一つぐらいは出してほしいホイ」
 すすすっとテーブルの上に降り立ち、お茶を要求するルビ。
 「もう、厚かましいんだから」
 やれやれと思いながらも、ちょうど自分も飲みたかったこともあり、理津香は立ち上がる。
 そして朝ごはん代わりにクッキーを二枚ほど添えて出す。
 少しでもあのコスチュームが似合うように痩せなくては……

 そもそもの発端は一昨日の夜中にこの妖精を見たからだった。
 珍しくも夜中に尿意を覚えて起き出し、トイレを済ませてベッドに戻ろうとしたところで娘の部屋の方へ向かう白く光る火の玉のような物を見つけてしまい、思わず小さくひいっと声を上げてしまったのだ。
 その白い火の玉は、理津香の声を聞きつけるとすうっと彼女の元にやってきて、白ウサギのぬいぐるみの姿に変わっていった。
 あまりのことに理津香が床にへたり込むと、その白ウサギのぬいぐるみは彼女に向かってこう言った。
 「おい、騒ぐなホイ! おとなしくするんだホイ!」
 「え? えええええ?」
 ぬいぐるみが動いている上に、さらに言葉をしゃべったことで、理津香は完全にパニックになる。
 これは夢よ……
 夢に違いないわ……
 理津香は必死にそう思い込もうとしたが、白ウサギのぬいぐるみはお構いなしに近づいてくる。
 「ルビは光の妖精だホイ。この世界は邪悪な魔物に浸食されつつあるホイ。だから、これからあの部屋の少女を魔法少女に変身させ、魔物と戦ってもらうホイ。だからおとなしくしているホイ」
 白ウサギのぬいぐるみはそう言うと、再び白く光る火の玉に変化して絵梨香の部屋に行こうとした。

 「え? えええええ?」
 思わず声を上げる理津香。
 「ま、待って! 待ちなさい!」
 理津香は必死にルビを止める。
 この白ウサギのぬいぐるみがしゃべったのも恐怖だが、絵梨香に魔物と戦わせようとするなんて冗談じゃない。
 あの子はまだ中学生になったばかりよ!
 娘にそんなことをさせられるものですか!
 「なんだホイ? ルビは忙しいホイ。時間がないホイ」
 「妖精だかルビだか知らないけど、娘には手を出さないで!」
 フラフラと立ち上がる理津香。
 なんとしてもこのわけのわからないものを絵梨香の元へ行かせるわけにはいかない。
 「そうはいかないホイ。彼女は魔法少女になる資格があるホイ。彼女に魔法少女になってもらって、この世界を守るホイ」
 白ウサギのぬいぐるみの姿に戻るルビ。
 「どうして? どうしてあの子なの? 他の人にやらせればいいじゃない! 大人じゃダメなの?」
 子供に戦わせようなんてひどすぎる。
 魔物との戦いなんてありえないわ。
 理津香はルビをにらみつけた。

 「ダメだホイ。あの子が適任だホイ」
 首を振るルビ。
 「どうして? あの子じゃなくてもいいでしょ? 魔物と戦わせるなんてひどすぎる! お願い、あの子にそんなことをやらせないで!」
 両手で拝むようにしてお願いする理津香。
 だが、ルビはプイとそっぽを向く。
 「お願いします。あの子には……あの子にはそんな危険なことはさせないで」
 理津香はひざまずいて懇願する。
 「そんなにあの子が魔法少女になるのはいやかホイ?」
 いやに決まっている。
 そもそもこれ自体が夢であってほしいし、魔物と戦うなんて夢じゃなかったとしたらなおさらやらせられるはずがないと理津香は思う。

 「親としてあの子が危険な目に遭うのを見過ごすわけにはいきません! どうか諦めて……」
 土下座をしてルビに頭を下げる理津香。
 「だったらお前がやるホイ」
 「は?」
 思わず顔をあげる理津香。
 「だったらお前がやるんだホイ。あの子を魔法少女にしたくないなら、お前が魔法少女になるんだホイ」
 「え? ええええええ?」
 またしても思わず声が出てしまう。
 魔法少女になれですって?
 そんなの無理に決まっている。

 「どうするホイ? お前が嫌ならあの子にやらせるしかないホイ」
 「ぐっ……」
 言葉に詰まる理津香。
 でも、絵梨香にやらせるわけにはいかない……
 それぐらいなら……
 「わ、わかったわ……ま、魔法しょ……少女になります。なりますから……」
 「わかったホイ。あの子の親だから素養がないわけでもなさそうだホイ。とりあえずお前で代用してみるホイ。お前がダメだったら、すぐにあの子に変更するホイ」
 ルビが絵梨香の部屋を見る。
 「だ、ダメ! あの子はダメ! や、やります。私がやりますから」
 絵梨香のため……絵梨香のために……
 理津香はやるしかなかった。

 カランと音がして、理津香の目の前に黒い革の輪っかのようなものが現れる。
 「それを首に着けるホイ。魔法少女の変身リングだホイ」
 「変身リング?」
 理津香はそれを手に取ってよく見てみる。
 どう見てもウサギのワンポイントが付いた黒革の首輪と言っていいものだ。
 「これを首に?」
 理津香の言葉にルビがうなずく。
 そんな……
 これではまるで犬か何かみたいではないか……
 「いやなら……」
 理津香が戸惑っていると、ルビが変身リングを取り上げようとする。
 「いやじゃない。いやじゃないです」
 慌てて理津香はそのリングを首に嵌める。
 理津香の首には少し大きいようだったが、留め具をパチンと留めると、すうっと縮まって理津香の首にぴったりと合わさった。

 「それでいいホイ。これでお前は魔法少女ラビカルバニーになるんだホイ」
 「ラビカルバニー?」
 「そうだホイ。その変身リングのウサギのワンポイントに指を当て、ラビカルバニーチェンジというホイ」
 は……恥ずかしい……
 ルビの言葉に思わず顔が赤くなる理津香。
 「早くやるホイ!」
 「わ、わかったわよ。うう……」
 理津香は仕方なく立ち上がり、首輪のウサギに右手の人差し指と中指を当てる。
 「ラビカルバニーチェンジ!」
 理津香がそう言うと同時に首輪が輝き、光の渦が理津香の躰を包み込む。
 「ひえええええ」
 なにがなんだかわからないが、理津香の全身に光がまとわりつき、その姿を変えていく。
 やがて光が収まると、そこにはピンクのバニーガールコスチュームをまとった理津香が立っていた。

 「えええええ?」
 我に返った理津香が思わず声を上げてしまう。
 足にはヒールの高いピンク色のアンクルブーツに黒の網タイツ。
 胴体部分には肩がむき出しになるピンク色のバニーガールのコスチューム。
 お尻には丸くて白いシッポもある。
 手首にはカフスが付き、頭にはピンク色のウサギの耳を模したカチューシャが乗っかっていた。
 まさに絵に描いたようなバニーガールの姿ではないか。
 これを着るのはさすがに恥ずかしすぎる。

 「成功だホイ! これでお前は魔法少女ラビカルバニーになったんだホイ! 魔法……少……女?」
 理津香が変身したことに喜びつつも、最後は首をかしげてしまうルビ。
 「ちょ、ちょっと! これじゃない衣装はないの? これはあまりに恥ずかしいわ」
 思わずもじもじと躰を隠そうとしてしまう理津香。
 まさかこの歳になってバニーガールの恰好をするとは思いもしなかったのだ。
 「無いホイ。いやなら……」
 「ああ、いやじゃない、いやじゃないんだけど……その……」
 ルビの言葉を慌てて遮る理津香。
 これではほとんど脅迫である。
 「だったらその恰好を受け入れるホイ! 今からお前は魔法少女……」
 ルビはそこまで言って考え込む。
 「いや、魔法熟女ラビカルバニーだホイ! 魔物たちからこの世界を守るホイ!」
 ビシッと理津香を指さすルビ。
 「じゅ……熟女って、そんな……」
 「いやなら……」
 「わ、わかった! わかりました!」
 半ばやけくそで答える理津香。
 こうして理津香は魔法熟女ラビカルバニーとなってしまったのだった。

                   ******

 「本当にこっちで合ってるの?」
 深夜、人々が寝静まったころに、ふわふわと浮く白ウサギのぬいぐるみと、その隣に大きな杖を持ったピンク色のバニーガールが五階建てほどのビルの屋上に立っている。
 「間違いないホイ。魔物の気配が濃くなったホイ」
 周囲に気を張り巡らせているルビ。
 魔物の探知はルビの役目であり、その退治はラビカルバニーである理津香の役目なのだ。
 「あそこだホイ」
 「行きましょう」
 一人と一匹がビルの屋上からジャンプする。
 理津香はあらためてラビカルバニーとなった自分の力に感心してしまう。
 こんな高いビルから遠くへジャンプすることはもちろん、地面に着地しても全くなんともないのだ。
 人間では考えられないことだろう。
 光の使徒としての力にはすごいものがある。

 「ゲゲ……オンナ……クウ……」
 クンクンと鼻を鳴らして獲物のにおいを嗅ぐ一匹の魔物。
 額からは一本の角が生え、黄色い目がらんらんと輝いている。
 口からは牙が覗き、筋肉が発達した肉体は巨人を思わせる。
 青白い肌をしたその姿は、まさしく物語に出てくる青鬼と言ったところだろう。
 今その鬼は、どこかに手ごろな獲物はいないかとうろつきまわっているところだったのだ。

 「どうやら今回も低級の魔物のようね」
 数回ほどの戦いで、理津香も戦う相手のことがわかってきていた。
 主に現れるのは低級の魔物であり、鬼に似た姿の連中だ。
 鬼たちは性欲と食欲を満たすために人間を襲い、食い散らかしていく。
 こいつらが社会を混乱させていくようになれば、やがて中級から上級の魔物も現れるようになり、世界は浸食されていくのだ。
 だからこそ、今のうちに低級の魔物である鬼たちを始末していき、社会を平穏にしておかなければならない。

 「今のところは数も一体ずつですんでいるホイ。この調子で地道に潰していけば、やがてこの世界は危険だということで魔物も来なくなるはずだホイ」
 「そのためにも……ということね」
 ルビと顔を見合わせる理津香。
 やらねばならない以上はやるしかないのだ。
 いまだにこのバニーガールの恰好には抵抗はあるものの、それでもだいぶ慣れてきたようで、今では戦うときには恥ずかしさも感じない。
 今日も早いとこあの鬼を片付け、家族が目を覚まさないうちに戻らなくては……

 「ラビカルフラッシュ!」
 魔物に向けた杖の先端から稲妻がほとばしり、魔物を包み込むようにして焼き尽くす。
 黒焦げになった魔物は崩れ去り、塵となって風に飛ばされていく。
 「ふう……」
 今回は手ごわかった。
 ラビカルバニーの躰もあちこち痛む。
 全身を覆うバリアーのようなものがあるので、直接的な傷はめったにつかないものの、受け止めきれないダメージはやはりあるのだ。
 これはまた明日はあちこち痛いかも……
 ラビカルバニーになったことで驚異の回復力も手に入れた理津香だったが、それでも数時間は痛みが残るのだ。
 明日の掃除はきついなぁ……
 理津香はルビとともに家に向かいながらも、そんなことを考えていた。

                   ******

 「もう……何体倒せばこの世界をあきらめてくれるの?」
 ラビカルバニーに変身した理津香が宙を舞う。
 屋根伝いにジャンプし、魔物が出現した現場に急ぐのだ。
 このところ二日と空けずに現れる魔物たち。
 もし自分がいなかったら……今頃どうなっていたのかと思うとゾッとする。
 もしかしたら絵梨香が魔物の被害に遭っていたのかもしれない……
 そんなことにさせてなるものですか!

 「いた! あ、あれは……まずいホイ」
 魔物を見て驚いているルビ。
 「えっ? どうしたの? きゃっ!」
 一歩遅れて地面に降り立つ理津香。
 だが、そこにいた魔物に思わず手で目を覆って小さく声を上げてしまう。

 そこにいた魔物は明らかにこれまでの鬼のような魔物ではなく、別の種類だったのだ。
 頭部はトカゲかヘビのような生き物を思わせ、目は瞳が縦に細長く金色に輝いており、ギザギザの歯が覗く口からは長い舌がだらんと垂れている。
 躰は筋肉質の男のような人間ぽい姿をしているものの、皮膚は灰色でナメクジのようなヌメッとした感じを思わせる。
 お尻からは太いシッポが伸びており、背中には背びれのようなものも生えていた。
 なにより驚いたのは、股間にオスの証ともいうべき立派なペニスがぶら下がっており、それがみるみるうちにムクムクとそそり立ってきたのだ。

 「ケケケケ……」
 長い舌で舌なめずりをする魔物。
 明らかにラビカルバニーの出現に性欲を刺激されているようだ。
 「ル、ルビくん、あれは……いったい?」
 「中級の淫魔だホイ。今までの低級の魔物とは能力が格段に上だホイ」
 「そ、そんなぁ……」
 ルビの言葉にラビカルステッキをぐっと握りしめる理津香。
 今までよりも格段に上だなんて……
 私で勝てるの?

 「大丈夫だホイ。ラビカルバニーには光の防護があるから淫魔の攻撃など通じないホイ。相手のパワーにさえ気を付ければ問題ないホイ」
 「わかったわ」
 ルビの言葉を信じ、素早く一撃を繰り出す理津香。
 その重い一撃がステッキを通じて放たれる。

 上がった土煙が一瞬視界を遮って淫魔の姿が隠れる。
 間髪入れずにダッシュで飛び出し、そのまま杖を叩きこむ。
 「えっ?」
 だが、杖に魔物に当たった時の衝撃がこない。
 突き込んだ先に淫魔がいないのだ。
 「どこ? きゃっ!」
 相手を探そうとした瞬間に脇腹に尻尾の一撃を食らって弾き飛ばされる。
 そのまま地面に倒れ込むも、素早く躰を回転させて立ち上がる。

 「ケケケケ……オマエ、マホウショウジョ……ジャナイ?」
 口からよだれを垂らし、ラビカルバニーをにらみつける淫魔。
 「残念だったわね、魔法少女じゃなくて! 私は魔法熟女ラビカルバニーよ!」
 何度言っても恥ずかしくなるようなネーミングだが、もう慣れたし、どうせ聞いているのはルビとこの魔物だけなので気にしない。
 「ケケケ……マホウジュクジョ……オレ……コノミ」
 ニタッと笑う淫魔に理津香はゾッとする。
 「好みって……まさか私に欲情している?」
 淫魔の股間のペニスは先ほどからそそり立ったままだ。
 その形は確かに夫どころか人間では比べ物にならないくらいに太くてたくましい。
 だが、そんなものに犯されるなんて考えたくもない。

 「オマエ……コノミ……オレノ……ドレイニスル」
 べろりと再び舌なめずりをする淫魔。
 そそり立つペニスからは先走りの液があふれてくる。
 「ど、奴隷?」
 奴隷って、あの鎖でつながれて働かされる人のこと?

 「心配ないホイ! どうやらこいつは作隷(さくれい)淫魔らしいけど、光の防護が守ってくれるホイ!」
 「さ、作隷淫魔?」
 淫魔と対峙したままルビに聞き返す。
 いったい何のことだろう?
 「作隷淫魔は犯した相手を自分の言いなりになるメス奴隷にしてしまう淫魔だホイ」
 「えっ? ええええ?」
 メス奴隷?
 メス奴隷ってアダルトビデオやゲームに出てくるようなやつのこと?
 そんなぁ……

 とにかく、この魔物を倒さなくては被害が広がってしまう。
 理津香は気を取り直して、再度淫魔にラビカルステッキからの一撃を繰りだそうとする。
 だが、一瞬早く淫魔の舌が素早く伸び、理津香の手からステッキを弾き飛ばしてしまう。
 「あっ!」
 まさかこの距離に舌が届くとは思っていなかった理津香。
 慌ててステッキを拾いに行こうとするが、その躰に舌が巻き付いてくる。
 「えっ? ウソ!」
 ぐっと強い力で引き寄せられる理津香。
 巻き付いた舌の力が強く、ラビカルバニーの力でもまったく振りほどけないのだ。
 理津香はなすすべもなく引き寄せられてしまう。

 「ダメだホイ! なんとか抜け出すホイ!」
 「そ、そんなこと言っても……くっ」
 ルビの言うとおりになんとか抜け出したいのだが、躰に巻き付いた舌が離れない。
 それどころか、外そうとしてもぬらぬらとした唾液で掴みづらいのだ。
 「ケケケ……ツカマエタ」
 「くっ、は、離しなさい!」
 引き寄せると同時に自らも近づいてきた淫魔が、理津香の躰を抱きしめる。
 強靭な尻尾も脚に巻き付いてきて、理津香はさらに抜け出すことが難しくなってしまう。
 「ケケケケ……オマエツヨイ……オレノコノミ……ドレイニスル」
 「だ、誰があんたなんかの・・・」
 理津香は必死で身をよじってなんとかしようとするものの、まったく振りほどけない。
 い、いったいどうしたら……

 シュルルと理津香の躰に巻き付いていた舌が離れていく。
 そして淫魔の口に戻っていったと思うと、今度は理津香の口めがけて伸びていく。
 「う……うぶっ!」
 歯を食いしばっていたにもかかわらず、淫魔の舌はたやすく理津香の口をこじ開ける。
 そ……そんな……
 理津香は気色悪い舌がのどの奥に入り込んでくるのを感じる。
 まるでイラマチオをされているようだ。
 「う……ごご……」
 息がつまりそうになる。
 た……助けて……
 喉の奥に何か流し込まれていく。
 途端に躰が熱くなってくる。
 な……なんなの?

 「ケケケケ……オレノダエキ、メスヲハツジョウサセル……スグニオレノホシクナル」
 舌を入れたままで、器用に言葉を発する淫魔。
 そ、そんな……
 絶対に……そんなことは……
 淫魔の言葉に首を振る理津香。
 だが、躰はどんどんほてってくる。
 股間がうずき、セックスしたくなってくる。
 ああ……そんな……
 「ケケケケ……オマエ、オレノモノ」
 「んぐ……んぐぅ」
 いやぁっ!

 「ラビカルバニー! 落ち着くんだホイ! 大丈夫だホイ! 光の防護があるから性行為をしたことが無い処女には淫魔の攻撃は効かないホイ!」
 「んんんんんん!!」
 理津香が愕然とする。
 ウソでしょ……
 私は処女じゃないんですけど……

 理津香の目がだんだんトロンとなってくる。
 胸がドキドキする。
 躰が熱い。
 セックスしたくてたまらない。
 おマンコにぶっといチンポをハメてほしい。
 はあぁぁぁん……

 「ケケケケ……キイテキタヨウダナ」
 シュルルと理津香の口から舌が引き抜かれ、淫魔の口へと戻っていく。
 「ハア……ハア……」
 呼吸が荒い。
 オスが欲しくて欲しくて仕方がない。
 彼に思いっきり抱かれたい。
 欲しい。
 欲しいの。

 理津香の目が欲望に満ちていく。
 目の前の淫魔のそそり立つペニス。
 どうしようもなくあれが欲しい。
 あのペニスが欲しい。

 「ハア……ハア……ハア……」
 理津香はその場に膝をつく。
 「ああ……」
 そして淫魔の太ももに縋りつくようにして、そのペニスに頬擦りする。
 「ケケケケ……ホシイカ?」
 「欲しい……欲しいです……」
 うっとりとした目で淫魔を見上げる理津香。
 「シャブレ」
 “待て”を解除された犬のように、理津香は淫魔のペニスを口に含む。
 先ほどの舌よりも太いにもかかわらず、それは理津香の口を喜ばせ、感じさせてくれる。
 一瞬で襲ってくる幸福感。
 強い主人のペニスを舐める喜びのようなものがあふれてくる。
 ああ……好き……
 このおチンポ……大好き……
 理津香はおいしそうに淫魔のペニスをしゃぶっていた。

 「どうしてだホイ? 淫魔の攻撃が効いているホイ? ラビカルバニー、しっかりするホイ! 負けちゃダメホイ!」
 ルビが大声で叫んでいる。
 だが、理津香の耳には届かない。
 淫魔の唾液を流し込まれ、その虜になってしまっているのだ。
 「んむ……んん……」
 先ほどとは違い、自らのどの奥までペニスを頬張っていく理津香。
 今まで感じたことのない快感と幸福感が理津香を包む。
 「ケケケ……ダスゾ」
 淫魔がそう言った次の瞬間、理津香の口の中いっぱいにねばつく液体が放出される。
 それがなんとも言えずうれしいし、また美味しく感じてしまうのだ。
 理津香は淫魔の精液をたっぷりと受け止め、口の中で味わっていく。
 そして、すべてを飲み干して口の中を開けてみせた。

 「ケケケ……オマンコヲダセ」
 「はい」
 理津香はためらいもなく変身を解除する。
 光に包まれた理津香の躰は、一瞬でラビカルバニーから普段の理津香の姿になる。
 そしておもむろに下着を脱ぎ捨てると、淫魔の前で寝転んで股間をさらしてみせた。
 「ああ……」
 深夜の路上であられもない格好をしているというのに、理津香は幸せを感じていた。
 強いオスに支配される喜び。
 おマンコを求められ、見られる喜び。
 これからたくましいチンポを突き込んでもらえる幸せ。
 いずれもこれまで味わったことのないものだ。
 理津香は幸せだった。

 「ケケケ……」
 淫魔が先走りを滴らせたペニスを理津香に突き立てようとする。
 「ああ……」
 その様子に胸を高鳴らせる理津香。
 もはや夫のことも娘のことも脳裏から消え去り、ただただペニスを入れて欲しがっている一匹のメスだ。
 「ラビカルバニー! 屈しちゃダメだホイ! どうして淫魔なんかに負けているホイ!」
 ルビの叫びも今の理津香には雑音にしか聞こえない。
 それどころかうるさく耳障りな叫びに感じるのだ。
 なにをあんなに叫んでいるのだろう?
 これからあの素敵なおチンポを味わえるのに……
 ああん……
 早くぅ……

 「ケケケ……オレノチンポイレル……オマエトリコ……オレノドレイナル……イイナ?」
 「はいぃ! なりますぅ! 奴隷になりますぅ!」
 淫魔の言葉にうなずく理津香。
 注ぎ込まれた唾液が理津香から正常な思考を奪っているのだ。
 今の理津香はおチンポを入れてもらえるならどんな言葉にもうなずくだろう。

 ズブリと淫魔のペニスが理津香のおマンコに突き入れられる。
 「ひゃぁぁぁぁん!」
 思わず歓喜の声を上げてしまう理津香。
 なんてすごいの?
 こんな素敵なおチンポは初めて。
 今まで経験したどんなチンポよりも素晴らしいわ。
 ああぁぁん……
 幸せ……
 幸せですぅ……

 ズンズンとリズミカルに突き入れられる淫魔のペニス。
 理津香の躰がそのたびに前後する。
 口からよだれを垂らして全身を襲う快感に身をゆだねる理津香。
 こんな気持ちよさは初めて。
 もうこれ以外のチンポとのセックスなど考えられない。
 私の身も心もこの方のもの。
 私のすべてはこの方のものなのぉ。

 「ああ……ああああああああああ……」
 全身を振るわせながら絶頂に達していく理津香。
 それと同時に淫魔のペニスからも大量の精液が理津香の中へと流し込まれる。
 それは作隷淫魔の名にたがわず、理津香の体内へと潜り込み、その脳まで浸透していくのだ。
 作隷淫魔の精液を取り込んだメスは、その支配下に置かれ、文字通りメス奴隷と化すのである。

 だが、理津香の場合はそれだけでは終わらなかった。
 ラビカルバニーの変身を解除したのちも理津香の首に嵌まっていたリング。
 そこから急激に黒い霧のようなものが広がったのだ。
 「ゲゲゲゲ?」
 突然のことに慌てて理津香から離れる淫魔。
 ペニスが抜き取られた理津香のおマンコから、淫魔のザーメンが垂れ落ちる。

 黒い霧はやがて粘性を持つコールタールのように変化し、理津香の躰を覆っていく。
 顔も躰も手も足も覆い尽くし、やがて理津香は真っ黒なタール人形のようになってしまう。
 そしてすぐにそのタールが収縮し始め、理津香の躰を覆う衣装のように変化する。
 足の部分は太ももまでの黒いハイヒールのブーツへと変わり、両手も二の腕までの長手袋に変わっていく。
 胴体部分もこれまでのバニーコスと同じような胸から股間までを覆う黒いボンデージスーツへと変化する。
 背中からは黒いコウモリのような翼が広がり、お尻からは黒く先端が矢じりのようになった細長いシッポが生えていく。
 額にも黒いサークレットのようなものが嵌まり、首の変身リングはトゲの付いた首輪となる。
 耳は細長く尖り、頭の両側からはねじれた角が伸びていく。
 開いた両目は金色に輝き、瞳が盾に細長く変わっていた。
 理津香は淫魔に変貌していたのだった。

 「なんてこったホイ……中級どころか上級クラスの力を感じる淫魔だホイ……」
 理津香の変化を愕然とした表情でルビは見つめる。
 「ゲゲゲ……コレハイッタイ?」
 淫魔も異常を感じたのか、少し後ずさりをする。
 「ハア……ン。うふふ……大丈夫ですわご主人様。私はご主人様のメス奴隷です」
 ゆっくりと立ち上がる理津香。
 その姿はまさに妖艶な女淫魔そのものだ。
 「ゲゲゲ……ホントウカ? オマエ……オレヨリツヨソウ」
 「この力をくださったのはご主人様。私をこうして淫魔にしてくださった素敵なお方。私はもう身も心もご主人様のものです。私をどうかご主人様のメス奴隷としておそばにおいてくださいませ」
 やや及び腰の淫魔に対し、理津香はそう言ってひざまずく。

 「ケケケケ……コレハイイ……オマエ、オレノメスドレイ……イイナ?」
 「はい、ご主人様」
 うっとりと自らの主人を見上げる理津香。
 「ケケケ……オマエ……ナマエ……ナニ?」
 「名前ですか? ラビカル……って、それは以前の名前でした。うふふ……淫魔熟女インビキュラなんて言うのはいかがでしょう?」
 今の理津香にとっては、人間の名も魔法熟女の名も似つかわしくない物であり、新たな名を名乗るのは当然である。
 「ケケケ……インビキュラ……オボエタ」
 「ありがとうございますご主人様。このインビキュラ、未来永劫ご主人様のメス奴隷としてお仕えいたします。どうぞ、このインビキュラのメス穴を存分にお楽しみくださいませ」
 インビキュラは嬉しそうに一礼し、淫魔のペニスを欲望に満ちた目で見つめていく。
 「ケケケ……ホシイノカ?」
 「ああ……はい、ご主人様。ですが、その前に……」
 インビキュラはスッと立ち上がり、背中のコウモリの翼を広げてジャンプする。
 そしてこそこそと逃げ出そうとしていたルビの前へと降り立った。

 「うふふ……どこへ行くのかしら、ルビ君?」
 「な? お前には関係ないホイ! お前はもう魔法熟女じゃなく淫魔になってしまったホイ。だからルビにはもう関係ないホイ!」
 後ずさりをし、逃げる隙を伺うルビ。
 「うふふ……そうね。もう私とは関係が無くなったから、これからあの子のところに行って魔法少女にするつもりなんでしょ?」
 インビキュラの金色の目がルビをにらみつけ、口元には笑みが浮かんでいる。
 「そ、そうだホイ! お前たちの好きにはさせないホイ! あの子に魔法少女になってもらって、お前たちを倒してもらうホイ!」
 ルビは振り返って走り出すように見せかけ、逆にインビキュラの脇をすり抜けようとする。
 「ひぎゃっ!」
 だが、インビキュラの手から放たれた黒い稲妻がルビを直撃して、ルビを地面にたたきつけた。

 「ダメよルビ君。あの子はこれからご主人様の餌になってもらうの。あの子ならきっとご主人様も満足してくださるわ。魔法少女なんかにさせたりしないんだから」
 地面に倒れたルビにゆっくりと近づくインビキュラ。
 「そんな……自分の娘を餌にする気かホイ?」
 ルビが驚愕する。
 「あら……私は淫魔よ。人間の小娘なんて淫魔にとって餌以外の何者でもないでしょ? うふふふふ……」
 インビキュラが再び手から黒い稲妻を出す。
 「ひぎゃぁぁぁぁぁ!」
 黒焦げになって崩れ去るルビ。
 「うふふ……これで邪魔者は消えたわ」
 インビキュラはにやりと笑った。

 「ケケケケ……ヨウセイヲケシテシマウトハ……」
 淫魔にとってもこれは驚きだった。
 妖精を消すのは中級の魔物では難しいのだ。
 それをあっさりとやってしまうとは……
 「うふふ……ご主人様にとっても邪魔になるかと。それに、私にとっても目障りでしたから」
 ゆっくりと淫魔のそばに戻ってくるインビキュラ。
 「さあ、邪魔者はいなくなりましたわご主人様。どうぞこのメス奴隷のインビキュラの躰を存分に味わってくださいませ。うふふふ」
 そう言いながら淫魔の腕に自らの腕を絡ませる。
 「ケケケ……タノモシイ……イイゾ、タップリカワイガッテヤル」
 淫魔としてもまんざらではない。
 こんな強い淫魔が自分のメス奴隷なのだ。
 喜ばしいことに違いない。
 「ん……」
 抱き寄せられ、淫魔のキスを受けるインビキュラ。
 二体の淫魔は、そのまま闇の中へと消えていくのだった。

END


いかがでしたでしょうか?
よろしければ感想コメントなどいただけましたらうれしいです。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2022/01/03(月) 20:00:00|
  2. 異形・魔物化系SS
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吸精! 淫毒ヒトデ

今日は私の誕生日ということで、皆様から多くのお祝いの言葉やプレゼントなどをいただきました。
そのお返しの意味も込めまして、新作SSを一本投下させていただきますね。

「魔界の絶叫」様というサイト様をご存じでいらっしゃいますでしょうか?
以前はいくつもの女魔物の画像や、女魔物が男性を襲うようなSSを掲載されていらっしゃったものでした。
私もそういう画像やSSには大変楽しませていただいたもので、私の作品にもいくらかは影響を与えていただいたと思います。

先日ふと思い出し、そういえばずいぶんと楽しませていただいたよなぁと思い返しましたところ、私もそのようなエロさのあるSSを書きたいなと思いましたので、今回「魔界の絶叫」様オマージュという感じの作品を書かせていただきました。

タイトルは「吸精! 淫毒ヒトデ」です。
「魔界の絶叫」様の作品には足元にも及ばないとは思いますが、お楽しみいただけましたら幸いです。

それではどうぞ。


吸精! 淫毒ヒトデ

 浜原慶子(はまはら けいこ)は32歳の主婦。
 夫の幸介(こうすけ)の稼ぎがそれなりに良く、息子の直幸(なおゆき)がまだ小学校低学年ということもあって専業主婦をしている。
 今日は家族そろって海水浴を楽しみに、海へとやってきていたのだった。

 「ほらほらナオ君、あんまりはしゃいでいると転ぶわよ」
 まだまだ美しいプロポーションが水着に映える。
 マンションでも美人の若奥さんとして知られている慶子だ。
 浜辺でも男たちの視線を集めていた。

 「ママー! こっちこっち」
 直幸が浮き輪に躰を通し、早くも海の中へと入っていく。
 今日はいつもの砂浜ではなく、ちょっと足を延ばして磯の浜にやってきており、水がとてもきれいだ。
 「もう、ナオ君ったら……そんなに慌てて海に入らないの!」
 慶子は仕方なく水に足を浸けていく。
 もちろんビーチサンダルは履いたままだ。
 こういう岩場はちょっとしたことで足を切ったりしてしまう。

 「二人ともー、気を付けるんだぞ」
 ビーチパラソルを立て、敷物を敷いて荷物を置いていく幸介。
 こちらも引き締まった躰が潮風にさらされている。

 「ママー、こっち来てー!」
 今日は波も穏やかで、浮き輪もあるからなのか、直幸は足の届かないあたりまで行ってしまう。
 海面からは水中の岩が見え、そこには様々な生き物がいるのが見て取れる。
 小さな魚も泳いでおり、見ていてとても楽しくなるのだ。
 きっとママもこれを見たら楽しいだろう。

 「もう……一人でこんなところまで来たら危ないでしょ」
 ようやく慶子も直幸のところまでやってくる。
 このあたりまでなら、なんとか彼女でも背が立つが、これ以上沖へ出られたら何かあった時に困るかもしれないのだ。
 だが直幸はそんな心配などどこ吹く風という感じで楽しんでいる。
 「ママ、見て見てー。お魚がいっぱいいるよ」
 確かに岩場には小さな魚がたくさんいる。
 人に慣れているのか、あんまり逃げようともしていないようだ。
 夏場は人がいるのが当たり前なのかもしれない。

 「そうねー。綺麗ねー」
 慶子も思わず楽しくなる。
 岩場にはさまざまな海藻が揺れ、小さなイソギンチャクなんかもいて、まるで上から見る小さな水族館のようだ。
 だが……慶子は気付いていなかった。
 ここには何かの間違いでこの場にいたとしか言いようがない、魔界の生き物が潜んでいたのだ。
 それは星のような形をしたヒトデ。
 赤褐色に紫をちりばめたような色の星形の魔界のヒトデが、何を思ったのかひそかに慶子に近づいていたのだった。

 「さ、パパのところに戻りましょ」
 「うん」
 慶子が直幸を連れて浜に戻ろうとしたとき、魔界のヒトデはそっと慶子の水着の背中に張り付いていく。
 そして、そのままお尻を伝い、足の付け根のところから水着の中へと潜り込んでいく。
 実はこの魔界のヒトデは淫毒ヒトデと言い、幼生を産み付ける相手を探していたのだ。

 「ひうっ!」
 いきなり股間に入り込んで来ようとするものに驚く慶子。
 な、なに?
 なんなの?
 慌てて手で股間にいるものを取り出そうとする。
 だが、水着の上からではうまくいくはずがない。

 「ママ?」
 母親が突然棒立ちになったことに直幸も驚く。
 「えっ? な、なんでもないのよ」
 慌てて直幸に背中を向ける慶子。
 いきなり子供の前で股間をいじっているのを見せるわけにはいかない。

 あん……
 な、なんなの?
 股間をうねうねと刺激してくるような動き。
 なんだか感じて気持ちよくなってしまいそう。
 慶子はなんとか水着の隙間から手を入れ、股間にへばりついているものを引きはがす。
 えっ?
 ヒトデ?
 見ると慶子の手の中には、赤褐色の星形の生き物が蠢いていた。
 だが、すぐにそれは砂のように崩れて水の中に消え去っていく。
 ええっ?
 な、なんなのいったい?
 なんだったの、今のは?
 慶子の手の中には、もう何も残ってはいなかった。

 「ママ?」
 「えっ? あっ? ご、ごめんね」
 自分が直幸をほったらかしていたことに気付く慶子。
 だが、さっきのヒトデはいったい何だったのだろう?
 あそこに潜り込もうとするなんて、いやらしいヒトデだわ……
 「ママ、もしかしておしっこ?」
 「えっ? ち、違うわよ! 絶対違うわよ!」
 思わず顔が赤くなる慶子。
 確かに股間を抑えてもじもじしていたのでは、そう見えてもおかしくないかもしれない。
 「違うわよ。海の中でおしっこしたりしてないからね」
 慶子は慌てたように直幸を連れて浜へと戻っていった。

                   ******

 「疲れたのかい?」
 帰り道、ハンドルを握る幸介が助手席の慶子に声をかける。
 「えっ? あ……ううん、別に疲れてないわ」
 ぼうっとしていた慶子は、ハッと我に返ると笑顔でそう答える。
 後部座席では一日楽しんだ直幸が、すうすうと寝息を立てている。
 確かに正直言ってやや疲れはあるものの、それよりも慶子がぼうっとしていたのは、先ほどから何となく股間がうずくような感じがしていたからなのだ。
 なんだかもやもやしてエッチな気分になってしまう。
 しばらく夫ともご無沙汰だったし、先ほどヒトデがそこを刺激してきたので、そういう気分が湧いてきてしまったのかもしれない。
 とはいえ、直幸が今寝てしまっているとなれば、夜はかえって遅くまで起きてしまっているかもしれないし、夫の幸介も今日は運転等で疲れているので早く寝たいだろう。
 残念だけど、今晩は二人で楽しむというわけにはいかなさそうだ。
 慶子は窓外を流れる景色を眺めながら、何となく悶々とした思いを感じていた。

 慶子は気付いてはいなかったが、彼女にはすでに淫毒ヒトデの幼生が産み付けられていた。
 幼生たちは慶子の体内に潜り込むと、慶子の肉体と融合し、彼女を淫毒ヒトデの成体とするべく活動を始めていたのだ。
 だが、幼生たちの活動には彼女の性欲が必要だった。
 そのため、幼生たちは慶子の肉体に自らの淫毒を流し込み、慶子の性欲を高めているのだった。

 「はあ……ん……」
 思わず手がスカートの中に伸びてしまいそうになる。
 いけないわ……
 こんなところでこんな気分になるなんて……
 隣では夫の幸介が車を運転しているのだ。
 とてもその横でオナニーをするわけにはいかない。
 かと言って、どこかで休息してというのも、直幸を連れている以上は難しそうだ。
 早く家に戻って、直幸が早く寝てくれるのを祈るしかないかもしれない。
 はあん……
 どうしてぇ?
 どうしてこんなにエッチな気分になっちゃうのぉ?

 火照る躰を持て余しつつも、なんとか家に帰って家族の夕飯を済ませる慶子。
 思ったとおり車の中で寝た直幸は、夜遅くなるにつれて目がさえていき、逆に幸介は明日の出社に備えて早く寝るという。
 仕方なく慶子は叱り付けるようにして直幸を寝かせ、悶々とする躰を抱えながら、眠れない一晩を過ごす羽目になってしまった。

                   ******

 「ふわぁ……行ってらっしゃい、パパ」
 大きなあくびをしながら、玄関で出社する幸介を見送る慶子。
 結局昨晩はほとんど眠れなかったのだ。
 「行ってくるよ。眠そうだねぇ。大丈夫か?」
 思わず妻の眠そうな顔に幸介は苦笑する。
 「ええ……大丈夫よ。なんだか夕べは全然眠れなくて。ナオ君を送り出したら少し寝かせてもらうわね」
 「それがいい。おーい、直幸、お前も早くしないと遅れるぞ」
 「うん、今行くー」
 奥から元気な声が聞こえてくる。
 幸介がドアを開けたところで、学校へ行く支度を整えた直幸も玄関にやってきた。
 「行ってきます、ママ」
 「行ってらっしゃい。気を付けてね」
 二人を笑顔で見送る慶子。
 慌ただしい朝の時間がやっとひと段落する。

 「ハア……ハア……」
 二人を送り出してリビングに戻ってくる慶子。
 その息が荒い。
 「もうダメ……我慢できない……」
 すぐにベッドルームに駆け込み、スカートを脱いでいく。
 起きたときからずっと我慢に我慢を重ねていたのだ。
 二人が出ていくまではと必死に……

 「はあん……」
 ベッドに横たわり、ショーツを脱ぎ捨てて股間に指を這わせていく。
 これよぉ……
 これが欲しかったのぉ……
 どうしてか、昨日からずっと性欲が高まりっぱなしなのだ。
 本当は幸介とセックスをしたかったのだが、そうもいかず、ただただ悶々と過ごしてきた昨晩。
 やっと思い切りオナニーができるのだ。
 慶子の指は優しいながらも激しくおマンコを刺激する。

 快感の高まりとともに、慶子の体内では淫毒ヒトデの幼生たちが活発に活動を始める。
 慶子の肉体と一体になり、慶子の躰を変化させるのだ。
 快感とともに慶子の躰は淫毒ヒトデへと変わっていく。
 背中には赤褐色の外皮が広がっていき、両手も先のとがったヒトデの星形の先端部分に変わっていく。
 形の良い両胸は、乳首から淫毒をまき散らす器官となり、おマンコもまるで獲物を捕食するかのようにパクパクと口を開くようになっていく。
 頭や両足も背中側の外皮が広がって覆っていき、大きな星型のヒトデの形へと変わっていく。
 お腹には先端が吸盤になった小さな管足(かんそく)がびっしりと広がり、それらがうねうねと蠢いていく。
 「はあ……ん……ああん……感じるぅ……イ……イく……イくぅ……イッちゃうぅぅぅぅ」
 オナニーの絶頂とともに、慶子は淫毒ヒトデへと変わってしまうのだった。

 「ハア……ハア……気持ちいい……オナニーがこんなに気持ちいいなんて……」
 ゆっくりと躰を起こす慶子。
 その腹部では管足がうねうねと動いており、乳首からはたらたらと紫色の淫毒が垂れている。
 おマンコも淫毒を垂らすヒトデマンコとなり、男のチンポに吸い付くのにふさわしいものになっていた。
 頭部も髪の毛はすべて抜け落ち、ヒトデの外皮が頭を覆うように被さって、三角頭巾をかぶったような形状となり、黒い目と切れ込みのような口だけになっていた。
 「うふふふふ……とっても気持ちいいわ……なんだか生まれ変わったみたい……」
 異形となった躰を見ても違和感を覚えない慶子。
 慶子の躰はすでに幼生たちによって淫毒ヒトデの成体へと変えられており、彼女の思考も淫毒ヒトデのものになってしまったのだ。
 「ああん……お腹がすいたわぁ……なんだか“あれ”が欲しくなっちゃった……うふふふ……」
 紫色に染まった舌でぺろりと舌なめずりをする慶子。
 それはもはや獲物を求める淫毒ヒトデそのものだった。

 この家の男が帰ってくるまでには、まだ相当時間がある。
 とてもそんなには待っていられない。
 慶子はフラフラと窓に近づくと、窓を開けて壁に躰を這わせていく。
 ヒトデとなった躰は、壁に張り付くようにへばりつき、そのままうねうねと壁を這い上っていくのだ。
 彼女の部屋は七階建てマンションの五階にある。
 落ちたらひとたまりもないが、ヒトデになった慶子にとっては壁を這い上るなど簡単なこと。
 やがて慶子は六階の部屋を外から覗き見始める。
 三つほどの部屋には誰もいなかったが、四つ目の部屋を覗き込んだ時、慶子の口元に笑みが浮かんだ。
 「見ぃつけた」
 紫色の舌がべろりと垂れ、獲物を見つけた喜びに震える。
 部屋には、大学生くらいの青年がおり、パソコンに向かって何かをしているところだったのだ。

 突然バリンと窓が割れる音が響き、青年は驚く。
 何事かと思って窓の方を見た青年の目に、大きな赤褐色のヒトデが窓からゆっくりと入ってくるのが映る。
 「わぁっ! な、なんだ?」
 思わず椅子から立ち上がる青年。
 「オホホホホ……美味しそうなオスがいるわぁ。さあ、お前のザーメンを味わわせてちょうだい」
 部屋に入り込み、ゆっくりと立ち上がる慶子。
 漆黒の目が青年を見つめ、赤い口から紫色の舌が覗いている。
 腹部には無数の管足が蠢き、股間のヒトデマンコがパクパクと口を開いていた。

 「わぁっ!」
 目の前にいるのがヒトデと女性を掛け合わせたような化け物と知り、青年は恐怖におびえる。
 だが、慶子が乳房を揺らして甘い淫毒を振りまくと、頭がぼうっとなってくる。
 これこそ、淫毒ヒトデが獲物を捕獲する淫毒なのだ。
 「オホホホホ……どう? 気持ちよくなってきたでしょ? さあ、いらっしゃい。アタシがもっともっと気持ちよくしてあげるわ」
 「う……ううう……」
 淫毒ヒトデの声に引かれるように、青年はフラフラと近寄っていく。
 「うふふふ……」
 やってきた青年の前にかがみこみ、ズボンを下ろしていく慶子。
 すでに青年のチンポは、はちきれんばかりに大きくなっている。
 「うふふふ……美味しそう」
 慶子は味見とばかりにパンツから取り出した青年のチンポを咥え込む。
 「うっ……」
 なにがなんだかわからないうちに、青年は固くなったチンポを淫毒ヒトデにフェラされてしまっていた。

 ねっとりとした舌遣いが、たちまちのうちに青年を絶頂へと導いていく。
 すぐに慶子の口内に熱いザーメンがほとばしる。
 「ん……んん……」
 流し込まれた白濁液を味わうようにして飲み干していく慶子。
 夫のチンポをフェラすることさえ好きではなかった以前の彼女からは、考えられないことだ。

 「んふ……美味しいわ。さあ、今度はこっちよ」
 パクパクと口を開けているヒトデマンコを指先で撫でると、慶子はそのヒトデの躰で青年を押し倒す。
 「あ……」
 両手両足を広げて星形のヒトデの形になると、そのまま包み込むようにして青年の躰に圧し掛かり、チンポをヒトデマンコに導いていく。
 淫毒のせいで青年のチンポは再び大きく勃起しており、管足に導かれるままに、慶子のヒトデマンコにするりと入れられてしまうのだった。
 「あん……いいわぁ……」
 慶子が熱い吐息を漏らす。
 オスのチンポは最高の御馳走。
 淫毒ヒトデにとっては、大好物の食べ物なのだ。
 うねうねと蠢くヒトデマンコ。
 青年のチンポは先ほど出したばかりというのに、早くも射精のための突き上げが起こってくる。
 淫毒ヒトデの淫毒が、青年のチンポに作用して射精を促しているのだ。

 「あ……あああ……ああああああ」
 淫毒ヒトデに組みし抱かれながら、青年は再びザーメンをほとばしらせる。
 「ああん……熱いわぁ……ザーメン熱いわぁ……気持ちいい……」
 紫色の慶子の舌が、青年の頬をぺろりと舐める。
 「まだよ……もっともっと出すの。アタシの中にたっぷりと出しなさい。オホホホホ……」
 淫毒ヒトデとなった慶子は、さらに青年のザーメンを求めていく。
 「あうう……」
 もうやめたいのにやめられない。
 青年はまさに淫毒ヒトデの餌食だった。

 ジュルッジュルッジュルッ……
 液体をすするような音が部屋に響く。
 「ん……」
 ゆっくりと立ち上がる慶子。
 その姿はまさに女とヒトデが一体となった異形。

 彼女の足元には青年の着ていた衣服が落ちている。
 いずれも何かねばつくような粘液で濡れていた。
 「うふふ……ごちそうさま」
 ぺろっと舌なめずりをする慶子。
 ザーメンを出し続けた青年は、やがて命も肉体も溶かされて吸い取られてしまったのだ。
 これもまた淫毒ヒトデの食事だった。

 青年を食べて満足した慶子は、そのまままた入ってきた窓から外に出る。
 そして壁を這い降りて、自分の部屋へと戻っていった。

                   ******

 「ただいまぁ」
 学校を終えて帰ってくる直幸。
 ドアを開けた瞬間に、中からなんだか甘い香りが漂ってくることに気が付く。
 「あれ? なんのにおいだろう?」
 もしかしたらママが何かお菓子でも作ってくれたのかな?
 そんな淡い期待を胸にリビングに入る直幸。
 だが、そんな期待は一瞬にして消え去ってしまう。
 リビングには赤褐色をした大きなヒトデが立っていたのだ。
 えっ?
 なんで?
 なんでこんなのがうちにいるの?

 「ああーん……お帰りなさい、ナオ君。あふぅーん……」
 甘い吐息を吐き出す慶子。
 美味しそうな男がやってきたのだ。
 なんて美味しそうなかわいい男。
 でも、残念ながらちょっと幼すぎる感じもする。
 食べるのをためらってしまいそう。

 「わぁ! お化け!」
 あまりのことに言葉を失っていた直幸が、我に返ったようにそう叫ぶ。
 「ああーん……ひどいわナオ君。アタシはママよぉ。ママの顔を見忘れちゃったのぉ?」
 ヒトデの化け物がニタッと笑っている。
 「えっ? ママ?」
 よく見ると、ヒトデの胸のあたりにはママのような丸いおっぱいが二つ付いており、声もママの声によく似ている。
 でも、明らかにどう見ても人間じゃない。
 「そうよぉ。ママよぉ。どう? 素敵でょ? ママは変わったの。今のママは淫毒ヒトデなのよぉ」
 紫色の舌がぺろりと唇を舐める。
 黒い目が欲望にギラつき、股間のヒトデマンコは男を求めてひくひくと蠢いていた。

 「インドク……ヒトデ?」
 直幸はなんだか頭がくらくらしてくる。
 ムワッとする甘い香りが直幸を包み込んでいるのだ。
 慶子の胸や股間から垂れる淫毒が部屋に充満し、直幸から思考を奪っていく。
 「そうよぉ。ママは淫毒ヒトデなの。さあ、いらっしゃい。ママにナオ君の味を味わわせてちょうだい」
 誘うように広げた両手を前に出す慶子。
 直幸は何がなんだかわからなくなり、フラフラと淫毒ヒトデに引き寄せられていく。
 「オホホホホ……いい子ねぇ、ナオ君。おいしそうだわぁ」
 近づいた直幸を抱き寄せ、その頬に舌を這わせる慶子。
 直幸は頭がぼうっとしてしまい、なすがままにされていく。

 「うふふ……」
 片手で直幸の顎を持ち上げ、口付けをする慶子。
 その口からとろとろと淫毒が流し込まれていく。
 「んぐ……んぐ……」
 流し込まれた淫毒をのどを鳴らして飲み込んでしまう直幸。
 躰がかあっと熱くなり、なんだかおちんちんがムズムズしてしまう。
 「あっ……あっ……」
 思わず手で股間を抑えてしまう直幸。
 未知の感覚が直幸の背筋を駆け抜けていく。

 「オホホホホ……ちょっと早いけど、ナオ君のおチンポもこれで美味しいザーメンを出せるようになったのよ。さあ、ママにナオ君のザーメンをちょうだい」
 「あ……あああ……」
 慶子は直幸をそっと床に寝かせると、逆向きになってその上に乗り、直幸のズボンを下ろしていく。
 すっかり大きくなってパンツの中で膨らんでいる直幸のチンポに、慶子の黒い目が輝きを増す。
 「オホホホホ……いいわぁ……まだ若いけど美味しそう。いただきまーす」
 パンツから直幸のチンポを取り出し、その口に含んでいく慶子。
 唾液と舌を絡ませ、その肉棒をおいしそうにしゃぶっていく。
 「あ……ああ……」
 慶子の下にされ、初めてチンポをしゃぶられて衝撃を受ける直幸。
 だが、流し込まれた淫毒が強い快感を感じさせていく。
 「ああ……ああああああ……・」
 あっさりと初めての精液を慶子の口の中に放出してしまう直幸。
 そのまだ未成熟な味を慶子はたっぷりと堪能する。

 「オホホホホ……気持ちいいでしょ? ママはこのザーメンが大好物なの。今度はこっちにちょうだい」
 躰の向きを入れ替え、直幸に向き直って股間のヒトデマンコを開いて見せる慶子。
 紫色の淫毒をとろとろと溢れさせ、物欲しそうにひくひくしている。
 それを見た直幸は、またチンポがむくむくと大きくなってしまう。
 自分でもどうしようもないのだ。
 慶子は不気味な笑みを浮かべて直幸の上に覆いかぶさっていく。
 そして包み込むようにして、直幸のチンポをヒトデマンコに取り込んでいくのだ。
 「ああ……ん……いいわぁ……まだ熟してないけど美味しい……うふふふふ……」
 「あ……あああ……」
 ぬちゅぬちゅとヒトデマンコにチンポを凌辱されていく直幸。
 淫毒による快感が直幸を闇に染めていく。
 「オホホホホ……怖がることはないわ。ナオ君はこれからアタシのペットになるの。アタシのためにザーメンを出すザーメンペットになるの。たっぷり可愛がってあげるからね。オホホホホ……」
 べろりと慶子の舌が直幸の頬を舐める。
 直幸はただどうしようもなく、慶子のヒトデマンコに精液を流し込むのだった。

 ぐったりと床に横たわる直幸を見下ろしている慶子。
 その口元には笑みが浮かんでいる。
 さっきの男のようにこの子を食いつくすつもりはない。
 この子はかわいいザーメンペット。
 これからも美味しいザーメンを出し続けてもらわなくては。
 そのためにも、母乳のような淫毒を与え続け、この子のチンポを成長させ続けるのよ。
 慶子はそう思う。
 直幸はもう慶子にとっては美味しいザーメンを出すザーメンペットにすぎなかったのだ。

 両手でお腹をさする慶子。
 うまい具合に、そろそろ幼生ができてきたようだ。
 あとはこれを植え付ければ……
 「うふふふふ……」
 慶子が小さく笑う。
 さあ、行きましょう。
 淫毒ヒトデを増やすのよ……

                   ******

 慶子は窓から外へ出る。
 壁を這って別の部屋へと向かうのだ。
 外はそろそろ夕暮れ。
 誰かが上を見上げれば、壁に大きなヒトデが張り付いているのが見えるだろう。
 だが、そんなことはもうどうでもいいし、それにここは裏通りに面している。
 人影はない。

 三階に降りたあたりで、窓から中を覗き込む慶子。
 学校から帰ってきたと思われる高校生ぐらいの少女が、制服から私服に着替えている最中だ。
 なんていいタイミング。
 彼女ならちょうどいい。

 ガラスの割れる音に振り向く少女。
 その目が恐怖に見開かれる。
 部屋の窓が割られ、そこからゆっくりと赤褐色の大きなヒトデが入ってきたのだ。
 「ひぃっ!」
 着替え途中の下着姿のまま逃げ出そうとする少女。
 だが、慶子の手がその脚を捕まえてしまう。
 「あっ!」
 倒れ込んだ少女に、慶子はゆっくりと乗っていく。
 「い、いやっ! いやぁぁぁっ!」
 悲鳴を上げる少女。
 だが、その姿はじょじょに淫毒ヒトデの下に隠れていく。
 「オホホホホ……お前も淫毒ヒトデになるのよ」
 慶子は器用に管足を使い、少女の躰を仰向けにする。
 そしてその口をふさぐように自分の口を重ね合わせ、淫毒と化した唾液を流し込む。
 「あ……」
 すぐに少女の躰は火照り、声を上げることもできなくなる。
 全身に快感が走り、股間がうずいてくる。
 「ホホホホ……さあ、お前にも淫毒ヒトデの幼生をあげるわ。たっぷり受け取りなさい」
 「あ……あああ……」

 少女のショーツがはぎとられ、まだ誰も受け入れたことのない股間があらわになる。
 そこにこすりつけるように慶子のヒトデマンコが押し付けられ、幼生が潜り込んでいくのだ。
 それと同時に言葉にできないほどの圧倒的な快感が少女を包み込んでいく。
 「はあ……ん……はあん……」
 快楽に押し流されて甘い吐息を漏らす少女。
 初めての感触に何も考えられなくなる。
 「オホホホホ……気持ちいいでしょう? お前の中で幼生が成長し融合していくの。気持ちよさの中でお前は淫毒ヒトデになるのよ」
 「はあん……はあ……ん……」
 身もだえしながら幼生を取り込んでしまう少女。
 その様子に慶子は満足の笑みを浮かべていた。

 やがてぐったりとなった少女から慶子は離れる。
 少女の躰は慶子の出した淫毒に塗れていた。
 「うふふふ……あとでたっぷりとオナニーしなさい。そうすれば……うふふふふ……」
 慶子はそう言うと、また窓から外へと這い出していく。
 次の相手を探しに行くのだ。

 「はあぁん……ああん……」
 次は二階の主婦が甘い声を上げる。
 そろそろ晩ご飯の支度にとりかかろうとしていたところを、慶子に襲われたのだ。
 甘い淫毒を流し込まれ、自ら股間をこすりつけていく彼女。
 そこに慶子から幼生を送り込まれ、体内に潜り込まれていく。
 「ああぁぁぁぁぁん」
 頭の中が真っ白になるぐらいの絶頂とともに、彼女もまた幼生を受け入れるのだった。

                   ******

 「うふふふふ……」
 日も暮れて自室へと戻ってくる慶子。
 床にはまだ下半身をむき出しにした直幸が眠ったままだ。
 かわいそうに、これでは風邪を引いてしまう。
 慶子はそっと包み込むように直幸の上に覆いかぶさる。
 そしてゆっくりと抱え上げ、子供部屋のベッドに寝かせてやる。
 これでいい。
 この子はかわいいザーメンペット。
 明日になればまた美味しいザーメンを出してくれるはず。
 そのザーメンを使えば……
 オホホホホ……
 今日は二人に幼生を植え付けた。
 早ければ今晩にも二人は淫毒ヒトデになるだろう。
 そうすれば……
 ああん……
 またお腹が空いてきちゃったわ……

 やがて、仕事を終えた幸介が自宅に戻ってくる。
 今日も一日頑張り、くたくただ。
 月曜日は特に疲れるような気がする。
 早くお風呂に入って晩酌を楽しみたいものだ。

 「ただいまぁ」
 玄関のドアを開けて入ると、部屋の中は真っ暗だ。
 明かりが点いていないうえに、なんだか甘い香りがする。
 嗅いでいるとなんだかくらくらして、エッチな気分になってくるような感じだ。
 これはいったい?

 疑問に思いながらリビングに入る幸介。
 真っ暗だが、ここにも甘い香りが濃く充満している。
 香りに包まれていると、だんだん頭がぼうっとしてくる
 部屋の中央には何か人影のようなものが立っているようだが、なんだかよくわからない。
 幸介は手探りで、部屋の入口にあるスイッチを探し、明かりを点ける。
 これは何だろう……
 リビングには赤褐色をした巨大なヒトデが立っていた。
 星形に手足を広げ、細い管足がうねうねと蠢いている。
 胸のところには形良い乳房が二つあり、乳首からは甘い香りのする紫色の液が垂れている。
 股間のところにはパクパクと口を開くヒトデマンコが、こちらも淫毒を垂らしていた。

 「お帰りなさい、あなた」
 ヒトデの化け物の言葉を幸介はぼうっとした頭で聞いていた。
 妻の慶子の声のような気もするが、どうにも考えがまとまらない
 部屋の明かりを点けたあたりから、頭がぼうっとしてどうしようもないのだ。
 それと同時に、股間がビンビンにたぎってくる。
 今すぐにでもチンポを扱いて出したいくらいだ。
 「オホホホホ……アタシの淫毒が効いてきたみたいね。もう出したくてたまらないでしょ?」
 「あ、ああ……はい」
 ヒトデの化け物の言うとおりだ。
 幸介はもう早く出したくてたまらなくなっていた。

 「オホホホホ……さあ、いらっしゃい」
 慶子が夫を呼び寄せる。
 カバンを放り出し、フラフラと淫毒ヒトデに近づいていく幸介。
 もはや妻のその姿に疑問を持つこともできないのだ。
 そばにやってきた夫に笑みを浮かべ、慶子はその場にかがみこむ。
 ヒトデとなったその手で幸介のズボンを下ろし、パンツも脱がせて屹立したチンポをあらわにする。
 「はあ……ん」
 うっとりとそれを見つめる慶子。
 淫毒ヒトデにはたまらないごちそうなのだ。
 「はむっ」
 慶子は幸介のチンポを咥え、舌を絡めて味わっていく。
 「ああ……」
 幸介の躰を快感が走り、思わず声が出てしまう。
 「んぷっ……さあ、たっぷり出しなさい。お前のザーメンを味わわせて」
 そう言って再びチンポを咥える慶子。
 はちきれんばかりに固くなった幸介のチンポは、慶子の舌の刺激にすぐに白濁液を出していく。
 「んぐっ……んん……」
 心ゆくまで美味しいザーメンを味わう慶子。
 やはりある程度熟成したザーメンの方が味わい深い。
 子供のザーメンはフレッシュすぎるのだ。
 もちろんどっちも捨てがたい。

 「さあ、次はこっちに」
 立ち上がって指先でヒトデマンコを広げてみせる慶子。
 「ハア……ハア……」
 淫毒に犯された幸介は、再びチンポを固くしていく。
 出し尽くすまで出させられる淫毒なのだ。

 慶子は幸介を床に横たえ、やはり覆いかぶさるように上に乗る。
 そして再び固くなったチンポにヒトデマンコで吸い付くのだ。
 「うっ……」
 「オホホホホ……アタシのヒトデマンコはいかが? とっても気持ちいいでしょ? さあ、いっぱい出しなさい」
 獲物を捕食するかのようにチンポに絡みついて扱いていく淫毒ヒトデのヒトデマンコ。
 にゅぷにゅぷと音を立てて蠢く慶子のヒトデマンコに、幸介はただなすすべなく搾り取られていく。
 「ああ……あああ……」
 やがて何度目かのザーメンを放出し、幸介はがっくりと息絶えた。

 「あん……もう死んじゃったの? だらしない男ねぇ。でもちょっともったいなかったかしら。ザーメンペットにしてあげてもよかったのに。まあいいわ」
 がっかりしたようにつぶやく慶子。
 そのまま幸介の躰を包み込みながら溶かしていく。
 あとは溶けた躰を吸い尽くすだけ。
 「うふふふ……美味しい。男を食べるのは美味しいわぁ」
 静かになった部屋に、慶子の声だけがかすかに響いた。

                   ******

 「ん……」
 ベッドの中で目を覚ます直幸。
 部屋の中は真っ暗だ。
 どうやらいつの間にか眠ってしまったらしい。

 「よいしょ」
 直幸は起き上がってベッドから出る。
 なんだかお腹が減ってしまった。
 そういえば晩御飯食べたっけ?
 食べないで寝ちゃったのかな?
 パジャマにも着替えてないし。
 変だなぁ……

 気が付くと下半身がむき出しになっている。
 慌てて部屋の明かりを点け、タンスからパンツを取り出して穿いていく直幸。
 どうしてパンツを脱いだのかさっぱりわからない。
 いったいどうしたんだろう。

 とにかくお腹が空いた。
 ママはまだ起きているだろうか?
 何か食べるものはあるだろうか?
 そんなことを考えながら部屋を出る直幸。
 廊下に出ると、リビングの方から声が聞こえてくる。
 なんだろう?
 パパとママがまだ起きているのかな?

 リビングに近づくと、甘い香りが漂ってくる。
 その香りを嗅ぐと、なんだか頭がぼうっとしてくる。
 ボクは何をしていたんだっけ?
 どうしてボクは起きてきたんだっけ?
 よくわからなくなりつつも、躰はフラフラとリビングへと向かっていく。
 それと同時に、痛いくらいにおちんちんが大きくなって、何かが出てきそうになってくる。
 「ハア……ハア……」
 直幸はなにがなんだかわからないうちに、リビングの前へと来てしまっていた。

 「ああ……ん……ケイコ様ぁ……」
 「ハアァン……ケイコ様ぁ……」
 リビングでは、赤褐色をした三体の淫毒ヒトデたちが躰を絡み合わせていた。
 慶子の手で淫毒ヒトデの幼生を植え付けられ、淫毒ヒトデの成体へと変化してしまった女たちだ。
 彼女たちは壁を這い上り、慶子の部屋へと集まってきていたのだ。

 「オホホホホ……二人ともすっかり淫毒ヒトデになったわね。もう男は食べたんでしょ?」
 その躰を彼女たちと絡ませながら、慶子は二人の耳元でささやいていく。
 「はい……ケイコ様。アタシは帰ってきた夫をぺろりと」
 「ああん……アタシはパパを食べちゃいました。うふふふふ……」
 三体の淫毒ヒトデは、その柔らかい躰を絡め合わせてお互いのヒトデマンコや淫毒を垂らしている乳房を愛撫しあっている。
 「オホホホホ……それでいいのよ。それが淫毒ヒトデの楽しみであり、栄養源なの。わかるでしょ?」
 「はい、ケイコ様ぁ」
 「アタシたちは淫毒ヒトデですわぁ、ケイコ様ぁ」
 三体のヒトデたちが淫毒をまき散らしながら絡み合っている。
 その光景を、直幸はただ股間を固くして見ているだけだった。

 「オホホホホ……ナオ君ったら、そんなところで覗き見かしら?」
 慶子は入り口から顔をのぞかせている息子に気が付く。
 どうやら起きてきたらしい。
 昼間にたっぷり搾り取ってしまったので、回復に時間がかかったのだろう。
 おそらくザーメンも溜まってきたころだ。

 「ケイコ様、あの子は?」
 「ケイコ様のお子様ですか?」
 二体の淫毒ヒトデも直幸に気が付く。
 二人はすでに慶子の支配下であり、慶子を女王のように思っているのだ。
 「オホホホホ……ええそうよ。あの子にはアタシの淫毒をたっぷりと流し込んで、ザーメンペットにしてやったの。そろそろザーメンが溜まったころよ」
 慶子はぺろりと舌なめずりをする。
 長い紫色に染まった舌だ。
 その唾液も男を狂わせる淫毒である。

 「ああん……素敵ですわぁケイコ様」
 「アタシもザーメンペットを一人くらい作ろうかしら」
 二体の淫毒ヒトデはうらやましそうに慶子の躰に絡みつく。
 「オホホホホ……そうしてもいいわよ。でも、気を付けないと吸い尽くしちゃうからね」
 「はい、ケイコ様。うふふふふ……」
 「うふふふふ……」
 欲望の目で直幸を見つめる淫毒ヒトデたち。

 「さあ、ナオ君、いらっしゃい。ママがまたたっぷりとザーメンを吸い取ってあげる。オホホホホ……」
 慶子の呼ぶ声に、直幸はフラフラとリビングへと入っていく。
 その股間はもうはちきれんばかりに勃起している。
 あとは淫毒ヒトデにその身を任せるだけ。
 また目くるめく快楽の世界が少年を待っているのだった。
 永遠に……

END

いかがでしたでしょうか?
「魔界の絶叫」様に少しでも恩返しとなるような作品となっておりましたらうれしいです。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2021/06/09(水) 21:00:00|
  2. 異形・魔物化系SS
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泥人間のつぶやき

なんか今日は年明け早々に掃除やったり洗濯したりと、いつもの日曜日にやる家事をやっておりましたので、ごく普通のいつもの日曜日という感じでお正月感がほとんどなくなってしまいましたねー。

とはいえ、今日は新年SS第二弾を投下したいと思います。
タイトルは「泥人間のつぶやき」です。
なんかいつもとは違う趣の作品になったような気もしますが、お楽しみいただけましたら幸いです。

それではどうぞ。


泥人間のつぶやき

 私は泥人間です。
 正確には何と呼ばれるのかわかりませんが、私たち親子はそう呼んでいます。
 泥人間というのは、肉体がどろどろの泥のような粘りのある液状で、自分の意志によって人間の姿に擬態することができる生き物のことです。
 でも、私は元からそういう生き物だったわけではありません。
 私は以前は普通の人間でした。
 でも、ご主人様によって泥人間に作り替えられてしまったのです。

 ご主人様がどのような存在なのか、私は知りません。
 お姿も見たことがありません。
 どうして私を泥人間にされたのかもわかりません。
 ただ、私の中に強いご主人様への服従心みたいなものがあることだけはわかります。
 ご主人様の命令なら、私は何でもしてしまうでしょう。

 私が泥人間に生まれ変わったのは、今から三週間ほど前のことでした。
 その日、私は両親と一緒に田舎のおばあちゃんの家から家に帰る途中でした。
 おばあちゃんの家ではいっぱい美味しいものを食べさせてもらい、高校生にもなったのに、こっそりお小遣いまでもらって、楽しかったです。
 もちろん後でお母さんにはちゃんと言いました。
 そんな楽しかったおばあちゃんの家から帰る途中、私たちの乗っていた車は、突然真っ白な霧に包まれてしまいました。
 お父さんは慌てて急ブレーキをかけ車を止めました。
 幸い事故を起こすようなことはなく、車は無事に止まりましたが、窓ガラスの外は真っ白で何も見えません。
 霧にしてはいくらなんでも濃すぎます。
 まるでミルクの中にでもいるかのようでした。

 「まいったな、何も見えんぞ」
 お父さんはそう言って窓を開け、外を見ようと身を乗り出しました。
 すると、白い霧が車内に入り込み、お父さんの姿を見えなくしてしまいました。
 続いて助手席にいたお母さんも。
 後ろの座席にいた私のところへも霧は流れ込んできて、私はそれがなんだかとてもねっとりした感触だったことを覚えています。
 やがて私の躰はどろどろと溶けだしていきました。
 私は驚きましたが、不思議と恐怖はありませんでした。
 なんというか……ああ、私は今作り変えられているんだ……そんな気持ちでした。

 どろどろに溶けていく私の躰。
 爪も歯も骨も硬いところも柔らかいところもすべてどろどろに溶け、私の躰は服から抜け落ちて、車の床に溜まってしまいました。
 目も鼻も口も無くなってしまったのに、なぜか私は見ることも聞くこともできました。
 その時は気付きませんでしたが、今ではその状態でしゃべることだってできます。

 やがて私の中にある思いが生まれてきました。
 私は作り変えられたのだ。
 今の私は人間ではなく、泥人間なのだ。
 ご主人様によって作り変えられ、その命令を待つ身なのだと。
 でも、私は違うと思いました。
 私は人間です。
 泥人間なんかじゃありません。
 ご主人様の命令には従いますけど、私は人間です……と。

 やがて白い霧は消えました。
 ずいぶん時間が経っていたようで、なぜか車は人気のない山道に止まっていました。
 私はどろどろになった躰を動かし、人間へと擬態していきました。
 擬態は簡単でした。
 そうなりたいと思えば良かったのです。
 どろどろの躰を服の中に潜り込ませ、そのまま人間の姿に擬態するだけでした。
 それだけで私は、車に乗っていた時の姿に戻ることができました。

 前の席では、お父さんもお母さんも姿を現しました。
 二人とも擬態を終えたのです。
 きっと私と同じようにして、元の姿に戻ったのでしょう。
 「行こうか」
 「ええ」
 お父さんとお母さんがそう言いました。
 私はその言葉を聞いて、何かが変わってしまったような気がしました。

 家に帰ってきたのは、もう夜の九時ごろでした。
 お父さんもお母さんも何事もなかったように家に入りましたが、部屋に入ると、いきなり躰をどろどろと液体のように変化させてしまいました。
 『ふふふ……やっと本当の姿になれるな』
 『ええ、ホントね。こっちの姿の方がいい気持ちだわ』
 どろどろに液状化したお父さんとお母さんは、空気を振るわせて声を出しているのです。
 いつもとは違う声ですけど、ちゃんと聞き取れました。
 『奈菜美(ななみ)もそんな擬態は解いていいんだぞ』
 『ええ、そうよ。ここには私たちしかいないわ』
 どろどろのアメーバのようになったお父さんとお母さんがそう言ってきます。
 でも、私はどうしてもその姿に戻る気にはなれませんでした。
 だって、私は泥人間じゃありません。
 私は人間です。
 そう思ったんです。

 「私はもう少しこの姿でいるわ」
 私はそう言いました。
 『あら、物好きねぇ』
 『まあまあ、それもいいさ。いきなりご主人様に作り変えられて、まだ戸惑いがあるんだろう。それに、もしいきなり誰かが来たとしても、奈菜美に出てもらえばいいさ』
 私が擬態を解くつもりがないと知ると、お母さんは笑い、お父さんはそう言いました。
 私はそんなことよりも、夕食をどうするかの方が気になっていました。
 なんだかお腹が空いていましたし、午前中におばあちゃんの家を出てから、何も食べてなかったんです。

 『そうだなぁ……どこか食べに行こうか』
 『それがいいわ。どこにしましょう……』
 私が食事はどうするのか聞くと、お父さんとお母さんはそう言いました。
 「ええ? 食べに行くの?」
 私はちょっと面倒に感じてしまいました。
 それならば、途中でどこかによればよかったじゃないかと思ったんです。
 また出かけるなんて……

 『ねえ、あの家はどう? 先日引っ越してきたって言うあの家』
 『ん? 角の一軒家かい?』
 『ええ。あの連中ならまだ近所づきあいも少ないでしょうし……』
 えっ?
 私はお父さんとお母さんは何を言っているのかと思いました。
 近所に引っ越してきた人たちがどうしたというのでしょうか?
 『そうだなぁ……でも、あそこは夫婦二人じゃなかったかい? 奈菜美の食べる分が無いよ』
 『ああ……そうだったわねぇ』
 「ちょ、ちょっと待って! お父さんもお母さんも何を言っているの?」
 私は思い切ってそう聞きました。
 二人がなんだかとても恐ろしいことを話しているような気がしたのです。
 『何って、食べたいんじゃないのか?』
 「食べたいけど……お父さんもお母さんも何を食べようとしているの?」
 私は恐る恐る尋ねます。
 なぜなら、私はその答えを半分知っていたからです。
 『何って……人間でしょ?』
 『ほかに何を食う気なんだい?』
 アメーバのような躰をうねうねとさせながらお父さんとお母さんはそう言うのを、私はショックを受けつつも、やっぱりという思いで聞きました。

 「いやっ! そんなのいやっ!」
 私は思わず叫んでいました。
 だってそうでしょ?
 人間を食べるなんてありえない!
 そんなの……
 そんなの……
 『どうしたの、奈菜美?』
 『いやって、食べたくないのかい?』
 お父さんとお母さんは心配そうに躰をグネグネさせていました。
 私はうなずき、人間は食べたくないと答えました。
 『変な子ねぇ。お母さんなんか早く食べたくてわくわくしているのに』
 『お父さんもだぞ。みんなで一緒に食べに行こう?』
 私は首を振りました。
 人間を食べるなんてどうしてもいやです。

 『そうか……奈菜美はまだ子供だから、以前の気持ちがまだ残っているのかもしれないな』
 『そうなのかしら? 奈菜美、少しだけでも食べてみない? 私たち泥人間は人間を食べるのが当たり前なのよ』
 私はもう一度首を振りました。
 『そうか。それならそれで仕方がない。俺たちだけで行こう』
 『そうね。それじゃ奈菜美にはお留守番をお願いしようかしら。ねえ、それならやっぱりあそこに行きましょ? 食べるなら若い人間の方がいいと思わない?』
 お父さんもお母さんも、もう私のことなどどうでもよくなったかのようでした。
 それよりも、早く人間を食べたくて仕方がないようでした。
 「お父さん、お母さん!」
 私は二人に行くのはやめてと言いましたけど、二人とも再び脱ぎ捨てた服の中に入り込むと、人間の姿になって、そのまま出かけてしまいました。
 私は仕方なく、冷蔵庫にあったソーセージやチーズなどを取り出して、擬態を解いてそれらを取り込んでいきました。
 泥人間の食事は、食べたいものに覆いかぶさるようにして包み込み、それから溶かして食べるのです。
 今頃お父さんとお母さんは、そうやって人間を食べているのだと思いましたが、私にはできそうもありませんでした。

                   ******

 翌朝目が覚めると、擬態をしてパジャマを着て寝ていたはずなのに、いつの間にかすっかり擬態が解けてどろどろのアメーバ状に戻ってしまっていました。
 「おはよう、起きた?」
 擬態しなおして下に降りていくと、見知らぬ若い女性がいました。
 「えっ?」
 私が戸惑っていると、その女性はくすくすと笑いだしてしまいます。
 「うふふふ……お母さんよ、お母さん。どう? 結構イケてない?」
 「えっ? えええ?」
 私が驚いていると、お母さんはその姿でポーズを取っています。
 「ど、どうしたの?」
 「うふふ……擬態に決まっているでしょ。どう? この姿なら人間の男が寄ってくると思わない?」
 確かに今のお母さんの姿は、若くて美人です。
 擬態で違う人の姿になるなんて思いもしませんでした。

 「お母さんばかりじゃないぞ」
 私が振り向くと、そこには若くてかっこいい男性が。
 「お父さんなの?」
 「ああ、これで女性を引き込もうと思ってな」
 私に対してもウィンクをしてくるお父さん。
 「うふふ……素敵よお父さん」
 「いやいや、この姿なら康秀(やすひで)と名前で呼んで欲しいなぁ」
 「まあ、それなら私も麻弥子(まやこ)と呼んでちょうだい」
 「麻弥子」
 「康秀さん」
 私が唖然とする中で、お父さんとお母さんは互いの名前を呼び合って抱き合ってます。
 今までのお父さんとお母さんとは全く思えません。

 「で、今日は奈菜美はどうするんだ?」
 「えっ? 学校に行こうと思っているけど」
 「学校? どうして?」
 若い女性の姿のお母さんがあきれたようにそう言います。
 「だって、今日は月曜日だし」
 「学校なんて行く必要はないんじゃないか? 俺たちは泥人間なんだ。人間のようなことをする必要はないんだぞ」
 「そうよ。私たちみたいにこれから一緒に人間狩りに行きましょ? 夕べ食べたけど、人間ってとってもおいしいわよ」
 私は首を振りました。
 聞きたくなかった……
 やっぱりお父さんもお母さんも人間を食べてしまったんだ。
 本当に二人とも泥人間になってしまったんだわ……

 私はお父さんお母さんを振り切るようにして学校へ行きました。
 二人はそれぞれまた人間を食べに行ったとあとで聞きました。
 人間を食べるということに、お父さんもお母さんももうなんとも思っていないようでした。
 それどころか、むしろ楽しんでいたんだと思います。
 お父さんは会社に行くのをやめ、お母さんと人間を食べたときのことを楽しそうに話します。
 お母さんもいろいろな姿に擬態して男の人を引き寄せるのが楽しいようでした。

 私は学校ではできるだけ以前と同じように暮らそうと思いました。
 だってそうでしょう?
 私は人間です。
 躰がどろどろになるような生き物に作り変えられてしまいましたけど、私は人間なんです。
 だから、人間を食べるのは違うと思ったんです。

 友人ともいつもと同じように過ごしました。
 家に帰ればお父さんとお母さんがどろどろのアメーバのような姿で楽しそうにしています。
 昼間はそうして家で過ごし、夜になれば美男美女の姿に擬態して人間を食べに出かけるのです。
 お父さんもお母さんももうそれが当たり前のようでした。
 生活に必要なお金は、食べた人の財布を奪ってくるみたいでした。
 ほかにもスマホや貴金属なども奪ってきたことがあるみたいです。
 私がやめるように言っても、こんな面白い食事をどうしてやめなければならないんだという始末でした。
 それに、泥人間が人間を食べた後に残るのは、その人が身に着けていたものだけです。
 死体が残らないうえに、いつも違う人間の姿に擬態しているのですから、警察にだってわからないでしょう。
 二人はそう言って笑ってました。

 私はお母さんからお金をもらい、生肉とかお刺身とかを買ってきて食べてました。
 やっぱり、火を通したものよりも、生の肉類の方が美味しいんです。
 私は、必死に自分は人間だと心の中で言い続けながら、生肉を食べてました。

 その日、私は友人の野乃香(ののか)と一緒に、校舎裏の用具倉庫に授業で使った道具を置きに行っていました。
 野乃香とは、私の名前が奈菜美だったこともあり、何となく語感が似ているねということで仲良くなりました。
 私たちは他愛のないおしゃべりをしながら用具倉庫に向かっていましたけど、途中、野乃香が何かに躓いて転んでしまったんです。
 持っていた道具類とともに派手に転んでしまった野乃香を、私は立たせてあげようと手を差し伸べました。
 幸い野乃香に怪我をした様子はなく、野乃香も苦笑いをしながら、差しだした私の手を握りました。
 その時、私は知ってしまったんです。
 人間の味を……

 私はその日まで誰か他の人間と触れ合うようなことがありませんでした。
 もし誰かと触れ合っていたら……
 きっと野乃香には手を差し伸べなかったかもしれません……
 ううん……
 逆にもっと早かったかも……

 私が引き起こしてくれないので、野乃香は不思議に思ったようでした。
 「奈菜美?」
 彼女は私をそう呼んだことに、私は気付きましたが、ほとんど耳に入ってきませんでした。
 彼女の手が……あまりにも美味しくて……
 私は周囲を確認しました。
 ここは人気のない校舎裏。
 今なら私たち以外ここにはいない。
 そのことが私に行動をさせてしまいました。
 誰かがいてくれていれば……
 「ひっ!」
 小さく悲鳴を上げる野乃香。
 私は彼女が大声を上げられないように、すぐさま頭から覆いかぶさりました。

 彼女が私の下でもがくのがわかりました。
 楽しい……
 逃げようともがく人間を覆い尽くしていくのが、こんなに楽しいことだとは知りませんでした。
 私は擬態を解き、野乃香を覆い尽くします。
 どろどろの私の躰は、簡単に野乃香の躰を包み込みました。
 私の中で、野乃香はもがきながら溶けていきます。
 それを私は食べるのです。
 美味しい……
 なんて美味しいんでしょう……
 人間がこんなに美味しいなんて知りませんでした。
 でも、この瞬間私は知ったのです。
 人間こそが私の食べ物だと。
 私は知ったのです。

 野乃香がいなくなったことは、学校で騒ぎになりました。
 でも、私は用具倉庫で別れた後は知らないと言い続けました。
 見つかったのは野乃香の制服だけ。
 躰は私が食べてしまっただなんて誰も思いません。
 結局野乃香は用意していた別の服に着替えて姿をくらましたのだろうということになりました。

 私は人間を食べたこと、それがとても美味しかったことをお父さんとお母さんに話しました。
 二人はとっても喜んでくれて、これで奈菜美も完全な泥人間になれたねと言ってくれました。
 私も、自分が泥人間として完成したという自覚が生まれ、これまでの自分がとても馬鹿らしく感じました。
 私は人間なんかじゃありません。
 私は泥人間なのです。

                   ******

 「うふふふ……今では私も、こうやって擬態して、人間狩りを楽しんでいるんですよ」
 家では本当の泥人間の姿でリラックスして、外に出る時には擬態するんです。
 生肉なんてもう食べることも無くなりました。
 お父さんやお母さんと同じように、以前の自分とは違う姿に擬態して、こうやって獲物を誘うんです。
 バカな人間が、のこのことやってくるんですよね。
 そう言った連中を襲って食べて、所持金なんかを奪っちゃいます。
 ホント、楽しいんですよ。

 ご主人様がいつ命令をくださるのかはわかりませんけど、もしかしたら、こうやって人間を食べることこそがご主人様の望みなのかなという気もします。
 だって、この星って人間が多すぎると思いません?
 少し食べて減らすべきだと思うんですよ。

 「今まで私の話を聞いてくれてありがとうございました。いかがでした? そんなに面白い話でもなかったとは思いますけど」
 「えっ? どうしてそんな話をって? いやですね、あなたから聞いてきたんですよ? どこに住んでるのとか普段何しているのとか」
 「顔が青ざめてますけど、大丈夫ですか? うふふ……もしかして逃げようとか考えてます?」
 「いやですねぇ。逃がすはずないじゃないですか。こうしてがっちり手をつないでますし、今晩の食事はあなたなんですから」
 「それじゃ、いただきまーす」

END

いかがでしたでしょうか?
よろしければコメント等いただけますと嬉しいです。
よろしくお願いします。

明日はもう4日で月曜日。
早いですねー。
それではまた。
  1. 2021/01/03(日) 21:00:00|
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今日は忙しいクリスマス

今日はクリスマスですね。
私はいつもの通り、一人で過ごすクリスマスです。(笑)

で、今年は特に何をするでもないなぁと思っていたんですが、今朝ふと思いついたネタがありましたので、急遽SSを一本書いてみちゃいました。
タイトルは、「今日は忙しいクリスマス」です。

本当に今朝思いついて、ばばばって書き上げたものなので、短い作品ではありますが、お楽しみいただけましたら幸いです。
それではどうぞ。


今日は忙しいクリスマス

 「ただいまー。さむーい」
 私は予約していたお店から受け取ってきたケーキの箱を、落とさないように気を付けながら、玄関のドアを開ける。
 さすがにこの時期はタイツを穿いていても寒いわ。
 家の中からは料理のいい香りが漂ってくる。
 私は玄関に入って靴を脱ぎ、リビングへと向かった。

 「お帰りなさい。ご苦労様」
 「ただいまー。ケーキ取ってきたよー」
 台所からお母さんの声がして、私はそれに返事をする。
 テーブルにはチキンのもも肉が焼かれたものが用意されていて、否が応でもクリスマス気分を盛り上げてくれる。
 「あれ? チキン用意したんだ? お父さんが買ってくるって言ってなかった?」
 私はケーキの箱をテーブルに置き、コートを脱ぐ。
 「お父さんが買ってくるはずないでしょ。今日だってクリスマスで忘年会だーって言ってたもの。帰りは遅いし、チキンだって忘れているわよ」
 台所からシチューの皿を持ったお母さんが出てきて、テーブルの上に並べていく。
 「ええー? それなのに買ってくるなんて言ってたの?」
 「そうよぉ。いつ買っていつ帰ってくるつもりなのやらねぇ?」
 私もお母さんも苦笑する。
 ホントにもう……
 お父さんって、そういうところあるよねー。

 「さ、お父さんは何時になるかわからないから、先に食べちゃいましょ」
 私がコートをハンガーにかけて戻ってくると、お母さんはもう皿にシチューをよそっているところだった。
 私は急いで手を洗って、テーブルに着く。
 うーん・・・いい香り。
 クリームシチューとチキン。
 これがうちのクリスマスの定番なのよねー。
 美味しそうー。

 ガタン!
 えっ?
 二階で物音?
 思わず私もお母さんも天井を見上げてしまう。
 「今の音、何?」
 「さ、さあ……」
 私はお母さんに首を振るしかない。

 ギシッ……ギシッ……ギシッ……
 えっえっえっ?
 何かが階段を降りてくる?
 嘘でしょ?
 今うちにはお母さんと私しかいないはずなのに?
 ど、泥棒?
 ど、ど、ど、どうしよう……

 私とお母さんは顔を見合わせる。
 足音のようなものはリビングの入り口まで来て……
 私はいつでも警察を呼べるようにテーブルに置いてあったスマホを持つ。
 ど、どうしよう……

 「ほっほっほ……メリークリスマース!」
 「きゃぁーっ!」
 「ひぃーっ!」
 思わず私もお母さんも悲鳴を上げてしまう。
 勢いよくドアを開けて入ってきたのは……
 サ、サンタクロースぅ?
 そこには、まるで絵の中から抜け出してきたかのような、赤い服を着て白いひげを生やした恰幅のいい男性が立っていたのだ。

 「ほっほっほ……驚かせたかな? すまんすまん。なにせ時間が無いのでね」
 サンタクロースは片手を上げて挨拶めいたことをしてくる。
 「だ、誰ですか? で、出てってください! 出て行かないと、け、警察を呼びますよ!」
 お母さんの声が震えている。
 私も、手が震えてしまう。
 サンタの恰好をした強盗?
 本物のサンタな訳が無い……
 「ほっほっほ……無駄じゃよ。ここには結界を張った。最新の機械とは言え、結界を通して通話はできんじゃろ。ん? 女が二人か……男はおらんか……まあいい」
 け、結界?
 いきなりファンタジーな用語?
 結界を張ったって、どういうこと?

 私は警察への電話をかけてみる。
 だが、電波の受信表示は出ているのに、うんともすんとも返事がない。
 「ほっほっほ……無駄じゃと言ったろう?」
 「あ、あなたはいったい……」
 「わしはサンタクロースじゃ。ええい、時間が無いと言っておろう! この際女でも構わんか。わりと世界中でも女サンタはメジャーのようだしな」
 「時間が無いとか、女でも構わんとか、一体何のことですか? お願いですから出てってください」
 お母さんが必死に訴える。
 警察を呼べないなんて……
 どうしたらいいの?

 「黙れ! まずはお前じゃ!」
 「お母さん!」
 「えっ? きゃぁっ!」
 サンタが右手をお母さんに向け、そこから白い光を出す。
 白い光がお母さんを包み込み……
 「えっ? お、お母さん?」
 「フゴッ! フゴッ! わ、私は、いったい?」
 お母さんの着ていたものが一瞬にして変わってしまっていたのだ。
 お母さんは躰にぴったりした茶色の全身タイツのようなものを着せられ、頭からは大きな枝分かれした角が二本伸び、首には鈴の付いた首輪をつけていた。
 両手と両脚はまるで蹄のようになっていて、お尻には小さな尻尾が生えている。
 鼻には赤く丸い球体が付けられ、耳は三角で左右にピンと伸びていた。
 まるで……まるでトナカイをディフォルメしたいやらしい着ぐるみを着せられたみたいで、胸も股間もぴったりと布が張り付いたようにその形をあらわにしているのだ。
 「お母さん・・・」
 私はそれ以上の言葉が出ない。
 いったい何が起こったというの?

 「フゴッ! フゴッ!」
 何があったかわからないような表情で鼻を鳴らしているお母さん。
 なんていうか、おっぱいも躰のラインも布がぴったり張り付いててもろに浮き出ていて……その……なんだか見ているこっちが恥ずかしくなってしまう。
 「ようしよし、お前はトナカイじゃよ。ソリを引くトナカイじゃ」
 「フゴッ! ああ……そうです……私はトナカイでした。ソリを引くトナカイですわ」
 お母さんがとんでもないことを言いだしてしまう。
 「お母さん!」
 「あん……違いますぅ……私はトナカイですよ。お母さんじゃありません」
 赤い鼻を私に向け、笑顔でそう答えるお母さん。
 そんな……
 嘘でしょ……

 「何をしたの? お母さんに何をしたのよ! お母さんを元に戻して!」
 私はサンタに向かって怒鳴りつける。
 「ええい、うるさいやつじゃ。時間が無いというのに。お前はこうじゃ!」
 「ひっ!」
 サンタの右手が私に向く。
 そこから白い光が……

 「あ……れ?」
 私は……
 私はいったい?
 私は自分の恰好を確認する。
 躰にぴったりしたノースリーブの真っ赤なレオタード。
 まるでおへそのくぼみも見えそうなくらいに、私の躰にぴったりフィットしている。
 首のところには白い毛が付いているので暖かい。
 両脚には網タイツと赤いブーツ。
 もちろんブーツの履き口にも白い毛が付いている。
 両手にも二の腕までの赤い長手袋。
 頭にもちゃんと白い毛玉の付いた赤いサンタ帽をかぶっているわ。
 うんうん。
 ちゃーんとサンタクロースよね。

 「ほっほっほ……これでお前たちはサンタクロースとトナカイじゃ。しっかり子供たちにプレゼントを配るんじゃぞ。時間が無いから急ぐんじゃ」
 もう一人のサンタクロースが、私にそう言って外を指さす。
 そうだわ。
 急がなきゃ。
 夜が明ける前に子供たちにプレゼントを配らなきゃね。

 「行くわよ、トナカイ!」
 「フゴッ! はい、サンタさん」
 私はトナカイを連れて二階へ上がる。
 窓の外にはプレゼントを積んだソリが浮いている。
 私はそのソリにトナカイをつなぎ、私も乗り込んでいく。
 「さあ、行くわよ!」
 私が鞭を振るうと、トナカイはソリを引いて空を走り出す。
 待っててね、子供たち。
 今サンタがプレゼントを持っていくからね。
 私は目覚めたときの子供たちの喜ぶ笑顔を思い浮かべながら、トナカイに鞭を入れるのだった。

                   ******

 「やれやれ……これでこのあたりはなんとかなりそうじゃな」
 まったく……
 サンタが世界中の子供たちにプレゼントを配るなど、誰が決めたことやら……
 一人でなどでできるはずが無かろう……
 この国だけでも、もう二、三人は必要じゃな。
 次は誰をサンタにしようか……
 まあ、誰でもいいわい……
 やれ、忙しい……
 ここが終われば次の国にもいかねばな……

END

いかがでしたでしょうか?
よろしければ感想コメントなどいただけますと嬉しいです。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2020/12/25(金) 19:30:00|
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「いいもの」をもらってしまった女性教師

昨日まで、ブログ開設から5500日到達記念SS「あいつのママは俺のメス馬」を投下させていただきましたが、今日は短編を一本投下させていただきますねー。

タイトルは、「「いいもの」をもらってしまった女性教師」です。
はたして「いいもの」とは何なのでしょうか?
お楽しみいただければと思います。

それではどうぞ。


「いいもの」をもらってしまった女性教師

「う、うーん・・・」
背筋を伸ばして硬くなった躰をほぐしていく。
机に向かって同じ姿勢をしているものだから、時々こうやって躰をほぐしてやらなくてはならない。
ついでにお茶でも淹れようか。
そう思い席を立つ柳野麻梨(やなぎの まり)。
彼女はこの女学院の教師であり、教師である以上はいろいろとやらなくてはならないことが多かったのだ。

「ふう・・・さて、もうひと頑張り」
お茶を淹れて席に戻る。
試験の検討、授業の進め方、生徒との接し方、やることは山ほどあるのが今の教師だ。
わかってはいるのだが、時々むなしくもなってくる。
はたして、自分の授業は生徒たちの役に立っているのだろうか?
彼女たちの将来に少しでも有用であるといいのだが・・・

気が付くと、もうずいぶんと遅い時間。
ほかの教師たちもほとんどいなくなっている。
そろそろ切り上げて帰ったほうが良さそうだ。
完全に仕事を終えたわけではないのだが、まあ、残りは明日でもいいだろう。
麻梨はそう思い、机の上を片付けて席を立つ。

「それじゃお先に失礼します」
まだ残っている教師たちに挨拶をして、職員室を後にする。
蛍光灯に照らされた廊下がどこか寒々しい。
昼間は生徒たちの声が響く学校も、夜も遅くなれば寂しいものだ。
階段を降りて職員玄関から校舎の外へ出る。
春の陽気がやっとこの時間まで残るようになってきて、暖かいのはありがたい。
今学年はまだ始まったばかり。
また一年間生徒たちを指導していかなくてはならない。
麻梨は思わずため息をついて苦笑した。

『ん・・・んん・・・』
どこからか声が聞こえたような気がする。
なんだろう?
気のせいだろうかと思いかけたとき、荒い息遣いのような音も聞こえてくる。
「なにかしら?」
校舎脇の方からだ。
こんな時間だが、まだ残っている生徒がいるのかもしれない。
一応確認したほうがいいかも・・・

麻梨は校門へ向かうのをやめ、校舎脇の暗がりの方へと向かう。
「ん・・・ん・・・んん・・・」
荒い息遣いと規則正しい押し殺したような声。
え?
まさか・・・
学校の敷地内で?
そんな・・・
まさか・・・
あまりにも脳裏に思い浮かんだことがバカげているとは思ったものの、高校生ともなれば性に興味を持つのは避けられない。
しかし、ここは女学院の校内だ。
生徒同士でというよりも・・・誰かが忍び込んで生徒を襲っているのかもしれない。
とにかく何をしているのか確かめなくては。

校舎脇のごみ置き場。
音はその陰の方から漏れている。
麻梨はいつでも通報できるようにスマホを手にそこへ駆け込むと・・・絶句した。

「ん・・・んぐ・・・んん・・・」
女学院の制服を着た女子生徒が一人、地面にぺたんと腰を下ろし、口に男の股間のものをくわえさせられている。
逃げられないように頭の両側を押さえつけられ、無理やりにくわえさせられたうえで前後にピストンさせられているのだ。
そして、その女子生徒を押さえつけ、無理やりくわえさせているのは・・・鬼だった。

「そ・・・んな・・・」
青白い肌をしたそれこそ民話に出てくるような鬼がそこにいたのだ。
額には一本の角が生え、尖った耳や牙の生えた口を持ち、筋肉隆々とした躰つきをしたまさに鬼。
腰巻を巻いた下半身からは太い性器が屹立し、無理やり女子生徒の口を犯している。
そんな信じられないような光景が、麻梨の目に飛び込んできたのだった。

「むっ、見たな?」
鬼がギロッとした目で振り向く。
「ヒッ!」
その赤い目を見た瞬間、麻梨はその場にへたり込んでしまう。
とてつもない恐怖に襲われ、立っていられなくなったのだ。
「あ・・・あああ・・・」
悲鳴も上げることができず、スマホを操作することなど論外だ。
ひと睨みされただけで、麻梨はもう何も抵抗することができなくなっていた。

「ほう、女か。しかもどうやらここの関係者のようだな。ちょうどいい、しばらくそこでおとなしくしていろ」
野太い声が麻梨の腹に響いてくる。
それが何か重しを載せられたかのように麻梨の躰を動かなくさせてしまう。
それこそ、息をするなと言われれば、息を止めてしまいそうなほどに麻梨はもう逆らうことができなくなっていた。

「ん・・・んん・・・」
その間も鬼は女子生徒の口を犯し続けている。
太い性器を口に押し込まれ、苦しそうにしている。
何とか助けなくてはならないはずなのに、まったく声を上げることすらできない。

「んん・・・んちゅ・・・んむ・・・」
えっ?
麻梨は驚いた。
女子生徒の表情が、だんだんととろけてきたのだ。
あれほど苦しそうにしていたはずなのに、今では自ら鬼の性器をおいしそうにしゃぶっているようなのだ。
これはいったい?

「グフフフ・・・どうやら俺のモノの味が分かったようだな。さあ、出すぞ。飲め」
鬼がそう言うと同時に、女子生徒の口から紫色の粘りのある液体があふれてくる。
どうやら鬼の精液が彼女の口の中に放出されたのだろう。
それが口の中で収まりきれずにあふれたのだ。

「ん・・・んぐ・・・ん・・・」
口の中の精液を飲み込んでいく女子生徒。
その目はどこか虚ろで生気がない。
「よし、少し眠れ」
鬼が女子生徒にそう言うと、女子生徒はその場にくたっと倒れ込む。
どうやら鬼に眠らされてしまったらしい。
でも、どうしたら・・・

「グフフフ・・・」
鬼がその太い性器を腰巻の下にしまい込むと、麻梨の方へと向き直る。
「ひっ・・・」
思わず息をのむ麻梨。
もしかしたら次は自分かもしれないのだ。
だが、逃げようにも躰がまったく動かない。
悲鳴を上げることさえできないのだ。
誰か・・・
誰か助けて・・・

「グフフフ・・・女、お前はここの『教師』と言われる存在だろう? 違うか?」
麻梨のそばにやってくる鬼。
大人の男性よりもほぼ頭一つ分ぐらい身長が高く、横幅も広い。
何より筋肉が発達しており、力はとても強そうだ。
麻梨の首など一捻りしてしまうだろう。

「答えろ!」
「は、はい・・・そうです」
麻梨は逆らえなかった。
鬼の野太い声が彼女に抵抗の余地を与えなかったのだ。
麻梨はもう、まるで蛇に睨まれた蛙のように、おとなしく従うしかなかった。

「グフフフ・・・ならばちょうどいい。お前は俺の手伝いをするのだ」
「えっ?」
麻梨は驚く。
手伝いを?
いったいどういう?

「グフフフ・・・ここは若くて生きのいい女がたくさんいる。ここを巣にすればいつでも若い女の精気を食うことができるからな。そのためには俺のために働く奴がいると助かる」
「なっ?」
麻梨は声を失う。
この学院を巣にしようというのか?
鬼の巣に?

「そ、そんなこと・・・で、できません・・・」
麻梨は必死に首を振る。
こんな鬼に学院を好き勝手にされてたまるものか。
なんとしても生徒たちを守らねば。
そうは思うものの、現実には鬼を前にして何もできない自分が歯がゆい。
せめて・・・せめて誰か来てくれれば・・・

「グフフフ・・・なぜだ? お前にもいい目を見せてやるぞ。そうだ。『いいもの』をやろう。こいつをもらえばお前も考えが変わるだろう」
そう言って鬼は腰巻の下に手を伸ばす。
いったい何をするつもりなのかと麻梨がいぶかしがっている間に、鬼は何やら下腹部に力を込め、何かを取り出そうとしているようだ。
「ん・・・んんんっ・・・ふん!」
やがて鬼は腰巻の下から手を抜くと、太いピンク色の巨大なミミズのようなものを握っていた。
長さは一メートルにはやや届かないほどだが、それは頭の部分がまるで男性器のような形をしており、今にも口のところから精液を出すのではないかと思えるほどにそっくりなのだ。
その巨大なミミズのようなものが、うねうねと鬼の手の中でうねっている。
鬼はそれを麻梨の顔のそばに差し出した。
「ひぃっ!」
小さい悲鳴を上げる麻梨。
「どうだ? かわいいとは思わんか?」
ニタッと笑う鬼に対し、麻梨は必死に首を振る。
「グフフフ・・・そうか。だが、こいつはお前のことを気に入ったようだぞ」
巨大ミミズのその男性器のような頭部が、まるで鳴き声を上げるかのようにうねって、麻梨の頬のそばをかすめていく。
「いやぁっ!」
思わず両手で払いのけようとする麻梨。
「グフフフ・・・そう嫌うな。なに、こいつがもたらしてくれる快楽を知れば、お前もすぐにこいつがかわいく思えるようになる」
そう言って、鬼は麻梨の躰を押し倒し、タイトスカートの中に手を入れた。

「い、いやっ!」
逃げようと必死にもがく麻梨だったが、鬼の力は強く身動きができない。
鬼は麻梨のスカートの中でパンストとショーツを引き裂くと、むき出しになった股間に手にしたミミズをねじ込んでいく。
「ひぃーっ!」
いきなり太いものを突き入れられ、麻梨は痛みに悲鳴を上げる。
「グフフフ・・・こいつは『淫蟲(いんちゅう)』というやつでな。お前の躰に潜り込み、肉体に癒着してお前に快楽をもたらすようになる。そうなればお前も楽しめるぞ」
「いやぁぁぁぁ・・・むぐっ!」
先ほどまでとは違い身の危険がそうさせたのか、麻梨は大きな悲鳴を上げたものの、すぐに鬼によって口をふさがれてしまう。
「怖がることはない。すぐに気持ちよくなる」
「むーん・・・むー」
口を押えられながらいやいやをする麻梨。
その間にもミミズのような生き物は麻梨の中に入り込み、胎内で動いているのを感じてしまう。
それと同時に強烈な快感が一気に襲ってきて、麻梨は一瞬にして絶頂してしまった。
ああ・・・そんな・・・
なにがなんだかわからないうちに全身の力が抜けていく。
麻梨の目から一筋の涙がこぼれた。

「グフフフフ・・・気持ちよかっただろう? まあ、その『淫蟲』と仲良くするんだな。ククク」
ぐったりした麻梨から離れ、立ち上がる鬼。
そのまま寝かされていた女子高生を抱え上げ、闇の中へと消えていこうとする。
「ま、待って! その子は? 彼女は?」
麻梨は力の入らない躰で必死に手を伸ばす。
「グフフフ・・・俺の名は淫鬼(いんき)だ。覚えておけ」
鬼はそう言い残し、姿を消す。
「そ・・・んな・・・」
あとには麻梨だけが残された。

                   ******

頭がぼうっとする。
なにがなんだかわからない。
あの後どうやって帰ってきたのかも覚えていない。
なぜ通報も何もしなかったのかもわからない。
一つだけ言えることは、手が止まらないということだけだ。
この淫鬼によって植え付けられた淫蟲を扱く手が止まらないということだけ・・・

「ああ・・・で、出るっ!」
麻梨が握る太いミミズのようなものの先端から、ビュルッと紫色のねばつく液体が噴出する。
そのたびにベッドのシーツが紫色に染まる。
もう何度出したかわからない。
でも、出しても出しても止まらない。
まるで壊れてしまった何かのよう。
気持ちよくてたまらない。
もっともっと出したくなる。
扱くのをやめられない。

あの後、麻梨は気が付くと電車に乗っていた。
いつの間にかパンストとショーツは脱ぎ捨てられ、タイトスカートの下はむき出しだった。
隣のつり革につかまる女性のにおいが鼻をくすぐってくる。
いいにおいだ。
とてもたまらない。
麻梨の中で何かが書き換えられていく。
女が・・・
女が欲しい・・・
麻梨のスカートの下で何かが蠢いていた。
それが麻梨には心地よかった。

もっと彼女のにおいを嗅いでいたかった。
もっと彼女と触れ合いたかった。
もっと彼女を感じたかった。
だが、そう思ううちに麻梨の家の最寄り駅についていた。
麻梨は名残惜しさを感じたものの、ふらふらと電車を降りて家に帰る。
夜が気持ちいい。
気が付けば道にはあちこちに女の姿がある。
それがとてもドキドキする。
女が欲しい。

家に帰ってきてふらふらとベッドに横たわる。
なんだかよくわからない。
今日は何があったのか?
明日は何をしたらよかったのか?
とりあえず躰を起こして服を脱ぐ。
上着を脱いでスカートを下ろす。
「ひっ!」
麻梨は悲鳴を上げた。
股間から太く長いミミズのようなものが伸びていたのだ。
それは麻梨の性器の中へとつながっており、先端が男のペニスの亀頭のような形状をしていた。
そいつはまるで自意識を持つかのように鎌首をもたげ、麻梨の顔と向き合っていた。

「そんな・・・」
麻梨は思いだした。
あの淫鬼がこの淫蟲を麻梨の中に埋め込んだのだ。
それが今こうやって頭を出している。
なんということだろう。

麻梨はすぐに両手で淫蟲を抜き取ろうと握り締める。
「ひっ!」
だが、その途端、背筋がぞくぞくするほどの快感が麻梨の躰を走り抜け、麻梨はベッドに倒れ込んだ。
「あ・・・あああ・・・」
気持ちいい・・・
気持ちいい・・・
麻梨の手が自然に動き始める。
淫蟲を扱き始めるのだ。
まるで男が自分のペニスを扱くように。
ああ・・・気持ちいい・・・
麻梨の扱く手が止まらなくなる。
淫蟲がその先端から紫色の液体を出すまでに、それほど時間はかからなかった。

                   ******

「ん・・・」
麻梨の目がゆっくりと開く。
カーテンの隙間から差し込む外の光が、部屋をすでに明るくしている。
もう朝だ。
麻梨はゆっくりと躰を起こし、布団をめくる。
あちこちが紫色に染まったシーツ。
掛け布団の下のタオルケットにも同じ染みが付いている。
それがなんだかほほえましい。
昨夜たっぷり出したというのに、寝ている間にも出してしまったのだろう。
旺盛な性欲が内からあふれてくるのだ。
もっともっと出したい。
女を犯してたっぷりとそそぎ込みたい。
そして精気を食らうのだ。
若い女の精気をたっぷりと。
麻梨は笑みを浮かべる。
そして、先ほどから彼女の股間から延びて鎌首をもたげている淫蟲にそっと手を伸ばして引き寄せる。
うふふふふ・・・
なんて素敵なのかしら。
ええ・・・
これからはいつも一緒よ。
あなたと私は一つなの。
よろしくね。
麻梨は淫蟲の頭にそっとキスをした。

なんだか照れ臭そうにも見える感じでするすると麻梨の胎内に消えていく淫蟲。
うふふふ・・・かわいい・・・
それはもう麻梨にとって嫌悪するべき存在ではなくなっていた。
たった一晩で、麻梨の世界はすっかり書き換わってしまっていたのだ。

麻梨はベッドから起き出すと、カーテンを開ける。
朝のまぶしい陽光が差し込み、麻梨の顔を照らし出す。
麻梨は自分の世界が変わってしまったことを感じていた。
昨日までとは全く違う世界。
欲望のままに生きる世界が広がったのだ。

するりと股間から淫蟲が顔を出す。
それを見た麻梨の顔に思わず笑みが浮かぶ。
「ええ・・・わかっているわ。さあ、狩りに出かけましょう。クフフフフ・・・」
ぺろりと舌なめずりをする麻梨。
そう。
狩られる側だった彼女は、狩る側へと変わっていたのだった。

身支度を整えて学園に向かう。
道にも電車内にも美味しそうな女がたくさんいる。
知らなかった。
この世界にはこんなに美味しそうな女たちがたくさんいたなんて。
これなら思う存分狩りができるだろう。
淫蟲も待ちきれなさそうにスカートの下で蠢いている。
ちょっと気を許すと、スカートを持ち上げてしまいそうだ。
ダメよ・・・
こんな大勢のいるところではダメ。
獲物と二人きりの時じゃないと・・・ね。
うふふふふ・・・
麻梨は淫蟲にそう言い聞かせる。
麻梨と淫蟲とはもう一つの存在。
麻梨は淫蟲であり、淫蟲は麻梨なのだ。
麻梨は学院に着くのが待ち遠しくてたまらなかった。

学院に到着した麻梨は、胸いっぱいに空気を吸う。
まだ始業前だが、すでにここは女の精気で満ちている。
淫鬼様がここを巣にしようと望むのも当然だと麻梨は思う。
その巣の一員に選ばれたことが麻梨はうれしい。
この学院を淫鬼様の巣に作り変える。
彼女はそのために選ばれたのだ。
そのためのご褒美も一緒に。

早くだれか女を襲いたい。
胎内の淫蟲も待ち焦がれている。
誰がいいだろう?
この学院にはかわいい娘がたくさんいる。
選び放題だ。
ああ・・・
早く誰か食べたいわぁ。
麻梨は職員室の窓から、登校してくる生徒たちの姿を眺めていた。
舌なめずりをして・・・

                   ******

「ひっ!」
おびえる女子生徒。
その表情が麻梨に背中がゾクゾクするほどの快感をもたらす。
知らなかった。
これが獲物を追い詰める快感。
狩るものの喜びなのか。
知らなかったわぁ。

一日がとても長く感じた。
授業をやっていても、ついつい生徒たちに目が行ってしまう。
誰にしよう。
彼女がいいかしら。
こっちも美味しそう。
そう思うだけでゾクゾクした。
休み時間になるたびにトイレに駆け込み淫蟲を扱く。
そうしないと、待ちきれない淫蟲が授業中にスカートを持ち上げそうになるのだ。
まるで男がズボンの前を膨らませるように。

今日はこの娘に決めた。
地味でおとなしいメガネの娘。
おそらくまだ生娘だろう。
においがそう教えてくれる。
こういう娘はこれを待ち望んでいるに違いない。
ひとたび淫蟲の味を知れば、病みつきになるに違いないわ。
手始めにこの娘の精気をたっぷりと・・・
クフフフフ・・・

「せ、先生・・・冗談は・・・」
準備室の隅に追い込まれる女子生徒。
名前はなんだったかしら?
そんなことはどうでもいいわ。
私はただ犯したいだけ。
お前をたっぷりと犯したいだけ。
麻梨の口元に笑みが浮かぶ。
タイトスカートが淫蟲の頭部に持ち上げられ、まるでスカートの下にペニスがあるような形が浮かぶ。
「せ、先生・・・?」
その浮き出た形を見て、女子生徒が青ざめる。
「クフフフフ・・・怖がることはないわ。とっても気持ちよくしてあげるから」
ぺろりと舌なめずりをする麻梨。
もはや彼女にとって女子生徒は守るものではなく狩るものなのだ。

「いっ、いやっ!」
どうにか逃げ出そうとする女子生徒を壁に押し付け、スカートの下から淫蟲をのぞかせる。
「ひぃっ!」
その太いミミズのようなものは、先端がまるで男性器のような形をしているのだ。
「クフフフフ・・・お前の精気を味わわせてちょうだい」
麻梨は両手で女子生徒を押さえつつ、淫蟲を彼女のスカートの中へと入れていく。
同時に女子生徒の口をふさぐようにキスをして、その舌で彼女の口の中を味わっていく。
「む・・・むぐぅ・・・」
力で押さえつけられる恐怖に何もできない少女は、麻梨のなすがままとなっていく。
やがて淫蟲は器用に女子生徒のショーツの下へと潜り込み、彼女の股間へと入っていく。
ああ・・・温かくて気持ちいい・・・
淫蟲の歓喜が伝わってくる。
これが・・・
これが女を犯す気持ちよさなの?
なんて気持ちがいいのだろう。
最高だわ。
麻梨はもう快感しか感じない。
これこそが彼女の求めるものであり、彼女の喜びなのだ。
「ああ・・・幸せぇぇぇぇぇ!」
麻梨はそう叫んでいた。

「ん・・・んむ・・・んちゅ・・・」
とろけたような顔で一心に麻梨の股間から延びる淫蟲をしゃぶる少女。
先ほどまでの恐怖におびえた表情はかけらもない。
「クフフフ・・・いい娘ね。美味しいでしょ?」
椅子に座って足を開き、スカートの下から延びる淫蟲がしゃぶられるのを見つめる麻梨。
なんてすばらしいのだろう。
これでもうこの娘は私のとりこ。
いつでも呼び出して精気をすすることができるのだ。
もちろん彼女一人では足りない。
もっともっと多くの生徒を犯さなくては。
もっとたっぷりと。
クフフフフ・・・

ふと背後に気配を感じて振り返る。
「グフフフフ・・・どうやらプレゼントは気に入ってくれたようだな」
ニタッと下卑た笑いを浮かべている鬼がそこにいた。
「淫鬼様」
麻梨は驚いたように彼の名を呼ぶ。
まさかこんな時間から姿を見せてもらえるとは思わなかったのだ。
慌てて立ち上がろうとした麻梨を、淫鬼が手で制する。
「いい、そのまま楽しめ」
「よ、よろしいのですか、淫鬼様?」
麻梨にはもう様付けで呼ぶことに何の違和感も感じない。
「よい。俺は・・・」
ゆっくりと麻梨の背後から前に回ってくる淫鬼。
そのまま麻梨の下から延びる淫蟲をまたぐようにして椅子の前に仁王立ちとなり、腰巻の下からその巨大な肉棒を出す。
「お前の口をいただこう」
「ああ・・・はい、喜んで。淫鬼様」
麻梨の表情が緩む。
淫鬼様のペニス。
それはどんなものよりも素晴らしい。
麻梨はそっと淫鬼のペニスに頬擦りすると、その先端にキスをして頬張っていく。
「んん・・・んむ・・・」
なんて幸せなのだろう。
上からは淫鬼様のペニスに口を犯され、下では逆に麻梨の淫蟲が女子生徒の口を犯しているのだ。
こんな快楽があっただろうか?
麻梨の全身を快感が貫いていく。

「グフフフ・・・淫蟲は気に入ったか?」
「んちゅ・・・はい・・・とっても・・・」
女子生徒同様にとろけた表情を浮かべている麻梨。
「俺のために働いてくれるな?」
「もちろんです。こんな『いいもの』をいただけたのですもの。私は淫鬼様のためなら何でもいたします」
こくりとうなずく麻梨。
淫蟲は最高だ。
もう淫蟲なしでは生きられない。
これからは淫蟲でもっともっと学院の女子生徒を犯すのだ。
そして、この学院を淫鬼様の巣に作り変えるのだ。
麻梨はそう思う。
「グフフフ・・・いい娘だ。この学園を俺の巣にする手伝い、期待しているぞ」
「はい、お任せくださいませ。淫鬼様」
麻梨はうっとりと崇拝の目を淫鬼に向け、再び彼の太いペニスにむしゃぶりつくのだった。

END

以上です。
これで本当に手持ちのSSはすべてきれいさっぱり吐き出してしまいましたので、次作までは少々お時間をいただくかもしれません。

とはいえ、何か書きたいなぁとはいつも思っておりますので、なるべく早く次作を投下できればと思います。
それでは次作をお楽しみに。

ではではまたー。
  1. 2020/08/12(水) 21:00:00|
  2. 異形・魔物化系SS
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淫魔になった私

昨日に引き続き、新年二本目のSSを投下いたします。
タイトルは「淫魔になった私」です。

それではどうぞ。


淫魔になった私

「う・・・ん・・・んん・・・」
寝苦しい・・・
躰が熱い・・・
何かがおかしい・・・
熱い・・・
熱い・・・
あああああ・・・

「ハッ」
私は目を覚ます。
室内はもううっすらと明るい。
もう朝なの?
「はあ・・・はあ・・・」
私は額の汗をぬぐう。
すごい汗だわ・・・
いったいどうして・・・
ん?
私は何か違和感を覚える。
「えっ?」
私の手が真っ黒?
これはいったい?
私はがばっと跳ね起きて、枕もとのスタンドを点ける。
すぐに明かりが点き、室内がさらに明るくなった。

「えええっ?」
私は驚いた。
私の両手が真っ黒なのだ。
しかも、明かりに照らされてつやつやと輝いている。
これはいったい?
よく見ると、私の躰も黒くなっている。
つやつやと光を反射し、それでいて黒が際立っているのだ。
私はベッドから降りて全身を見下ろしてみる。
「なんなの・・・これ?」
私は思わずつぶやいてしまう。
昨夜着たはずのパジャマは消え去り、私は漆黒の衣装を着ていたのだ。

「ど、どういうこと?」
私の両脚は黒いエナメルのハイヒールのブーツを履いていた。
それも太ももまである長さのブーツだ。
こんなブーツを買った覚えは全くないのに。
それどころか、私自身が着ているものと言えば、まるで肩紐の無い黒い水着ともバニーガールのコスチュームともいえるようなエナメルでつやつやした衣装なのだ。
それもおへそのところの部分がくりぬかれたようになっていて、おへそが丸見えになっている。
背中も大きく開いているみたいで、とても恥ずかしいデザインの衣装だ。
どうしてこんなものを着ているの?
両手だって、ブーツやこの衣装と同じくエナメルの長手袋を嵌めている。
さっき手が真っ黒だと思ったのはこのせいだ。
二の腕までの長手袋なんてどこからいったい?

と、とにかくこんな衣装は脱いでしまわなくては。
私は手袋を外そうとする。
「痛っ!」
ええっ?
手袋が腕に密着してしまっているわ。
どうして?
そんな・・・
服もブーツも試してみるけど、まるで躰の一部にでもなったみたいに脱ぐことができない。
どうして?
いったいどうして?
私はいったいどうなってしまったの?

と、とりあえずそろそろ朝の支度をはじめなくちゃ・・・
私は鳴る直前になっていた目覚ましのスイッチを切り、この格好のままでは恥ずかしいので上にパジャマの上着を羽織り、朝の支度をしようと部屋を出る。
カツカツとブーツのヒールの音が響いて気持ちいい。
向かいの部屋にはあの子が寝ていて、美味しそうなオスのにおいがかすかに感じ取れる。
そろそろあの子もそう言う年ごろなのかしらね。
うふふ・・・
私はペロッと舌で唇を舐める。
あの子の味はどんなかしら・・・

まずはとにかく顔を洗って朝食の支度をしなくては・・・
それにしてもなんだか暑い。
こんなものを着ているせいかしら・・・
私は羽織っていたパジャマの上着を脱いで、リビングの椅子の背もたれにかける。
ふう・・・
これでいいわ。
私は洗面所に行って顔を洗う。
冷たい水がほてりの残った顔に気持ちがいい。
洗顔を終えて顔を上げた私は、鏡の中に映った自分の顔を見る。
ええっ?
私はまた驚いた。
額の両側、こめかみのあたりから、左右に二本の角が生えていたのだ。
角は左右からねじれるように伸びて、額の正面のあたりへとつながっている。
ど、どうしてこんなものが?
これじゃまるで鬼みたいじゃない。

(鬼なんかじゃないわ)
えっ?
今声が聞こえたような・・・
(うふふふ・・・やっと私の声が聞こえるようになってきたかしら?)
やっぱり聞こえる。
「誰? 誰なの?」
私は周囲を見る。
でも、誰もいない。
声は女性のようだからあの子のはずがないし・・・
いったい誰?
(うふふ・・・私は淫魔)
「インマ?」
声はまるで頭の中から響いてくるみたい。
嘘でしょ?
頭の中で?
(直接話しかけているからそう聞こえるだけよ。あなたもすぐにできるようになるわ)
「わ、私が?」
(そうよ。だってあなたも淫魔なんだもの)
「インマ? 私がインマ?」
違うわ・・・
私は・・・私は丘矢紫織(おかや しおり)よ。
インマなんかじゃないわ。

(いいえ、あなたは淫魔)
否定する私の頭の中に声が響く。
「違う! 違う!」
必死に首を振る私。
私はインマなんかじゃない!
(いいえ、あなたは淫魔よ。淫らな魔物と書いて淫魔。怖がることはないわ。すぐにあなたは淫魔であることを喜びに感じるようになるの)
そ、そんな・・・
そんなのいや!
いやです!
(これはあなたが望んだことよ。心の奥底でね)
「私が?」
私が望んだことですって?
そんなバカな・・・
(すぐにわかるわ。すぐにね。うふふふふ・・・)
頭の中の声が小さくなって消えていく。
いったい今のは?
今のはなんなの?
私はいったいどうなってしまったの?

「ママ・・・」
私は驚いて心臓が飛び出しそうになる。
「こ、こうちゃん?」
私が振り向くと、起きたばかりで眠そうに眼をこすっている浩平(こうへい)が洗面所の入り口に立っていた。
「ママ?」
なぜかぼうっとした表情で私を見ている浩平。
その理由に私はハッと気が付いた。
「こ、こうちゃん? ち、違うのよ。これは違うのよ。これはちょっとした手違いみたいなもので、ママは好きでこんな格好をしているんじゃないのよ。ホントよ」
私は手と首を振って弁解する。
こんな格好を好きでしているんじゃないのよ。
ああ・・・
こうちゃん・・・信じて・・・

「こうちゃん?」
どうしたのかしら?
浩平はただぼうっと私を見ているだけ。
その目もどこか虚ろで、なんだかまだ夢の世界にいるみたい。
もしかして立ったまま寝ちゃっているのかしら?
「こうちゃん?」
私は浩平のそばに行く。
ああ・・・
なんだかいいにおい・・・
浩平のにおいだわ・・・
美味しそうでたまらない・・・

「こうちゃん?」
「ママ・・・」
ぼうっとしたまま返事をする浩平。
「こうちゃん・・・」
私は浩平の前にしゃがみ込むと、パジャマのズボンを下ろしていく。
いいにおい・・・
オスのにおいだわぁ・・・
ああ・・・
美味しそう・・・
パジャマのズボンを足元まで下げると、彼のパンツも下ろしていく。
まあ・・・
この子ったら、まだ小さいのにちゃんと勃起してくれているわ。
なんて嬉しいの。
ママを見て勃起してくれたのね。
嬉しいわぁ。

私はそっとおちんちんを手に取ると、思わず頬擦りしてしまう。
彼の熱さが頬に伝わってくるみたい。
なんて素敵。
ああ・・・
どんな味なのかしら・・・
いただきま・・・

「あっ!」
私は思わず浩平を突き飛ばすようにして離れる。
ダメ!
ダメよ!
私はこの子の母親なのよ!
こんなのはダメ!

「マ、ママ?」
浩平がびっくりしたように私を見ている。
何が起こったのかわからないのだろう。
「ご、ごめんねこうちゃん。ごめんなさい」
私はその場を逃げるようにあとにする。
ああ・・・私はなんてことを・・・

                   ******

結局私は風邪を引いたということにして、できるだけあの子と顔を合わせないようにして学校へと送り出す。
あの子を見てしまえば、またあんなことになってしまうかもしれない。
いったい私はどうしてしまったの?
本当に淫魔になってしまったというの?

浩平が学校に行った後、私は職場に欠勤の電話をしておやすみをもらう。
こんな格好では職場に行けるはずもない。
私は改めて自分の姿を鏡に映す。
何となくバニーガールを思わせるような肩紐の無い胸から下だけを覆う黒い衣装。
しかもお腹の部分にはひし形にくり抜かれ、おへそがそこから露出している。
背中も大きく開いていて、肩甲骨のあたりには黒いこぶのようなものがある。
これはいったい何なのだろう?
両脚には太ももまでの長さのロングブーツを履いており、かかとはピンヒールみたいになっている。
両手も二の腕までの長さの長手袋で覆われており、いずれもがつややかな黒いエナメルレザーでできているようだ。
頭にはこめかみのあたりから左右に二本の角が出ており、ねじれたように額の方へと伸びている。
問題なのは、これらがすべて躰に密着していて、脱ぐことができないということだ。
まさか、これからずっと私はこの姿のままなのだろうか・・・
淫魔・・・
どうして私は淫魔になど・・・

                   ******

「ん・・・?」
玄関で呼び鈴が鳴ったみたい。
私はソファーの上で目を覚ます。
時計を見るともう午後一時。
知らないうちにうたたねをしてしまっていたらしい。

再び呼び鈴が鳴る。
「はーい。今行きます」
私は玄関へと向かう。
こんな時間に誰かしら?

「はい、どなた?」
『ネットスーパーです。ご注文の品をお届けに参りました』
あ・・・そういえば午前中に注文していたんだったわ。
外出しないようにしようと思って・・・
なんでそんなことを思ったんだったかしら・・・

「はい」
玄関を開ける私。
宅配の男性がギョッとした顔をする。
あら、若くていい男じゃない?
美味しそう。
そういえばお昼まだだから、お腹が空いたわぁ。
私は思わず舌なめずりをする。
オスのいいにおいがプンプンするわ。

「ねえ、上がってお茶でもいかが?」
私は宅配のお兄さんを誘ってみる。
うまくいけば味見ができるかも。
「い、いえ・・・商品はこれで全部ですので、し、失礼します」
必死に私を見ないようにしつつも、ちらちらと目が私を追ってくる。
うふふ・・・
無理しなくていいのに。
もっと私を見て。
この胸なんかどうかしら?
私はおっぱいを持ち上げてみせる。
あら?
私の胸ってこんなに大きかったかしら?
なんだか私にふさわしいわね。

「で、では」
「あら、残念」
そそくさと逃げるように去ってしまった宅配のお兄さん。
せっかく美味しそうなオスだったのに。
残念だわ。
でも、外からはオスのにおいがたくさん漂ってくる。
ああ・・・
たまらないわぁ・・・
オスのにおいっていいにおいなのねぇ・・・
食べたくなっちゃう・・・

私は届けてもらったものを片付けようと室内に入る。
その時、室内の鏡に私の姿が映り、私はハッとした。
わ、私はいったい?
今、私は何を考えていたの?
オスを食べたいって・・・そんな・・・

あの宅配の男性がギョッとした顔をしていたのも当然だ。
こんな淫靡な格好をしたまま玄関を開けたのだもの。
びっくりするのも当たり前だわ。
ああ・・・
それなのに私は・・・
胸を見せつけようとさえ・・・
私の胸・・・いつの間にこんなに大きく?
それにお尻もなんだか大きくなったみたい・・・
そんな・・・
私は・・・私は・・・

いけない・・・
もうすぐあの子が帰ってくるわ。
こんな状態で、もしあの子が帰ってきたら・・・
私はまたあの子を・・・
あの子のおちんちんを味わおうとしてしまうかもしれない・・・

私は首を振る。
そんなことは許されない。
私はあの子の母親なのよ。
そんなことができるはずがないわ。
どうしたら・・・
いったいどうしたら・・・

私は窓を開けて外に出る。
背中の羽を広げて私は家を後にする。
とにかく今はどこかに姿を隠した方がいいだろう。
あの子のことは心配だけど、私がそばにいるわけにはいかない。
この状況を何とかしなくては・・・
ああ・・・どうしたらいいの?
私はどうしたら・・・

                   ******

なんだか頭がぼうっとする。
ここはどこ?
私はいったい?
お腹が空いたわ・・・
何か食べなくては・・・
何か・・・

いつの間にか周囲はもう暗い。
私は何をしているのだろう?
家に帰らなくては・・・
もうあの子が帰ってきているはず。
早く帰って・・・
帰って一緒にご飯を食べなくちゃ・・・

人気のない通り。
会社に戻るのか、それとも家に帰るのか、一人のサラリーマンが歩いている。
美味しそう・・・
私は思わず唾をのむ。
いいにおい。
オスのにおいだわ。
ああ・・・
なんていいにおいなの。

私はひらりと飛び降りる。
うふふふ・・・
突然目の前に私が降り立ったのでびっくりしているわ。
それなりに年齢が行っている男性だけど、性欲は有り余っていそう。
美味しそうだわぁ。

あん・・・
逃げなくてもいいのよ。
私はただあなたが欲しいだけ。
あなたの性欲を味わわせて欲しいの。
私は羽を広げて飛び上がり、再び彼の前へと舞い降りる。
うふふふふ・・・
怖がることはないわ。
さあ・・・私の目を見て・・・
私の目を・・・

「ん・・・んん・・・」
私は彼を物陰に連れ込むと、そのおちんちんにむしゃぶりつく。
美味しい・・・
なんて美味しいのかしら。
おちんちんがこんなに美味しいものだなんて知らなかったわ。
どうして今まで食べずにいたのかしら・・・

彼のザーメンを味わったあと、私は彼の上に馬乗りになって彼のおちんちんを下の口で咥え込む。
ああん・・・
セックスいい・・・
いいわぁ・・・
おちんちん最高。
たまらないわぁ。
私は指を舐めながら腰を振る。
彼のおちんちんからザーメンを残らず搾り取るの。
全部全部搾り取っちゃうの。
ああん・・・気持ちいいわぁ・・・

                   ******

「んふふ・・・」
アタシはぺろりと舌なめずりをする。
アタシの足元には干からびたオスの死体が一つ。
吸いすぎちゃったかしらね?
でもまあいいわ。
美味しかったわよ。
こうなるとデザートが欲しくなるわね。
もちろんデザートは・・・
んふふふ・・・

アタシは羽を広げて空へ舞い上がる。
気持ちいいわぁ。
最高の気分。
なんて気持ちがいいのかしら。
背中の羽はアタシを軽々と宙に舞わせてくれるし、お尻から延びた尻尾は飛ぶ時のバランスを整えてくれる。
青く染まった肌は夜の闇に溶け込み、アタシの姿を闇と同化させてくれる。
夜にふさわしい肌の色だわ。
んふふふ・・・

アタシは一軒のアパートの屋根に舞い降りる。
んふふ・・・
濃厚なオスのにおいもするけど、これは後でも構わない。
今食べたいのはデザートなの。

アタシはある部屋の窓を開ける。
中は暗い。
でもアタシには何の問題もない。
むしろ暗闇こそアタシたちの世界。
昼間の方が好きじゃない。

テーブルに突っ伏して眠っている少年。
あらあら・・・
ママを待っていて寝てしまったのね。
泣いていたのかしら?
こんなに遅くなるまで帰らないなんて、悪いママねぇ。
でも、もう大丈夫よ。
アタシがたっぷりとかわいがってあげる。
とっても気持ちよくしてあげるわ。
んふふふふ・・・

アタシは少年の頬を舌で舐める。
ちょっと塩辛い。
やはり泣いていたのね。
「ん・・・」
少年が目を覚ます。
「・・・誰?」
寝ぼけ眼でアタシを見る少年。
かわいいわぁ。
まだ熟していないオスのにおい。
んー・・・
たまらない。

「こうちゃん」
アタシは彼の名を呼ぶ。
確かそういう名前だったはず。
「ママ? ママなの?」
一瞬驚いたように目を見開いたものの、すぐにその目がとろんとなる。
んふふふ・・・
容易いものねぇ。
オスをその気にさせるのなんて簡単。

「こうちゃん」
アタシはそう言って両手を広げる。
「・・・ママ・・・」
少年は立ち上がって、ふらふらとアタシの方へとやってくる。
いい子ね。
たっぷりとかわいがってあげる。
アタシは彼を抱きしめて頬擦りをする。
柔らかいわぁ。
なんて美味しそうなのかしら。

立ち昇るオスのにおい。
この子もアタシに興奮してきたみたい。
アタシはこの子のズボンを脱がせ、パンツも下ろす。
まだ成熟しきっていないオスの性器が、それでも天に向かってそそり立っていた。
かわいい・・・
アタシはおちんちんに頬擦りする。
なんて美味しそうでかわいいおちんちん。
たまらないわぁ。

「あ・・・」
彼が小さく声を上げる。
んふふ・・・
アタシの口の中はいかが?
気持ちいいでしょ?
出しちゃっていいのよ。
あなたの味を味わわせてちょうだい。

やがてアタシの口の中に粘りのある液体が飛び出てくる。
ああん・・・
なんて美味しいの。
これがこの子の味なのね。
美味しいわぁ。
もっともっと飲みたくなっちゃう。

(うふふふ・・・もうすっかり淫魔になったみたいね? 息子さんの味はどう?)
頭の中に声が響く。
ええ、とてもおいしいわ。
私も声を出さずに答えていく。
息子の味は最高よ。

アタシは彼のおちんちんをきれいに舐め、その先端に吐息を吹きかける。
それだけでもう彼は再び元気になっていく。
今度はこっちね。
アタシは股間を指で広げておマンコを作り、彼を押し倒す。
「あ・・・ああ・・・」
んふふ・・・
だめよぉ。
こっちにも熱いのをちょうだい。
こうちゃんの熱いのが欲しいのよぉ。

彼の上で腰を振るアタシ。
彼のおちんちんはまだ未熟だけど、それがまたたまらない。
なんだかかわいくて仕方がないわ。
(あらあら・・・息子さんを襲っちゃうなんて。夢がかなってよかったわね)
夢?
アタシの夢?
んふ・・・んふふふふ・・・
そうだわぁ・・・
これがアタシの夢だったんだわ。
アタシはずっとこうちゃんと一つになりたかったんだわ。
これこそがアタシの夢だったのよ。
(そう・・・これがあなたの夢。だからあなたを淫魔にしてあげたの。どう? 淫魔になった気分は?)
最高よぉ。
最高に決まっているわぁ。
淫魔は最高。
アタシはもう身も心も淫魔よぉ。
淫魔シオリよぉ。

アタシが腰を振っていると、こうちゃんのザーメンがアタシの中にほとばしる。
ああーん・・・
いいわぁ。
これがこうちゃんのザーメン。
こうちゃんのザーメンがアタシの中に流れ込んできたのねぇ。
最高よぉ。
ゾクゾクしちゃう。

「ママ・・・」
「こうちゃん・・・」
アタシはこうちゃんの唇にキスをする。
こうちゃんはアタシのもの。
これからもずっとずっとアタシのものよ。
さあ、行きましょう。
ふたりで淫魔の世界へ。
これからもママがこうちゃんをたっぷりと気持ちよくしてあげるわ。
んふふふふふ・・・
アタシはこうちゃんを抱きかかえると、そのまま闇の中へと飛び去った。

END


いかがでしたでしょうか?
清楚な女性が淫魔になっちゃうっていいですよねー。
それにしてもなんか息子を襲う話が続いてしまいました。
結構好きなシチュなんですよー。(^_^;)ゞ

今日はこれにて。
それではまた。
  1. 2020/01/04(土) 20:00:00|
  2. 異形・魔物化系SS
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チンポ怪人出現

ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、pixiv等で「マラ頭巾」なる作品がいくつかございます。

そのデザインがとてもいやらしくてエロくていいなぁと思いましたので、今回そのデザインを基にした怪人に登場願うことにいたしました。
「マラ頭巾」ではお顔が全部あらわになっているのですけど、今作中のチンポ怪人は口元だけが出るようなデザインとなっております。

タイトルは「チンポ怪人出現」です。
お楽しみいただければ幸いです。
それではどうぞ。


チンポ怪人出現

「う・・・うう・・・ん」
だんだんと意識がはっきりしてくる。
ここはどこ?
私はいったい?

「ハッ」
私は目を開ける。
ここはいったい?
確か私は本部に戻る途中で襲撃を受けて・・・
あっ、ほかの二人は?

気が付くと私は両手を広げて固定され、十字架に磔にされたような形で立たされていた。
しかも、着ていた制服は脱がされ、首から下はまるでパンティストッキングの生地みたいな薄手のナイロンのようなものでできた透ける衣装を着せられている。
まるでストッキングでできている全身タイツのよう。
全身に着ているのに胸も、おそらく股間も透けて見えてしまっている。
は、恥ずかしい・・・
どうしてこんなのを着せられているというの?

「お目覚めですかぁ?」
やや甲高い女性の声。
カツコツという硬質の足音が響き、私の前に一人の女性が現れる。
見るからにけばけばしい化粧をし、真っ赤な唇に笑みを浮かべているその顔は、見るものによっては美しいというのかもしれない。
黒い皮の躰にぴったりした水着のような衣装をまとい、その胸をこれでもかとばかりに誇示している。
脚には網タイツを穿き、黒いブーツを履いていた。
何度かモニターで見かけた女性。
魔女ベルリシラ。
この世界を狙う悪魔どもの一人。

「どう? 眠り薬でゆっくり眠れたかしら?」
ベルリシラが黒い手袋に包まれた手で私の顎を持ちあげる。
私は無言で彼女をにらみつけた。
「あらあら、ご機嫌ななめみたいね。まあいいわ。もうすぐそんな気分も消え去るでしょうから」
ベルリシラが私の顎を離し、一歩後ろに下がる。
「私をここに連れてきたのはあなただったのね」
「当然でしょ。私たちにとって邪魔な組織であるパルサーチームの司令官なんですもの。丁重にご招待させてもらったわ」
やはり私をパルサーチームの司令官と知って拉致したわけか・・・
人違いでごまかすというわけにもいかなさそうね。

「ほかの二人はどうしたの?」
「始末したわ。必要ないもの」
ふふっと笑うベルリシラ。
私は護衛の二人のことを思い、唇を噛む。
悪魔め・・・
絶対に許さない。

「安心しなさい。あなたは殺さないわ」
「私を生かしておけば、あなたが後悔するわよ」
「さあ、どうかしら」
「ひっ!」
突然ベルリシラの手が私の胸を揉み、思わず声が出てしまう。
くっ・・・
私を辱めるつもりなのか?

「こんな服を着せて・・・私をどうするつもり?」
「うふふふふ・・・似合うわよ。全身パンストみたいで黒くてスケスケでおっぱいもおマンコも丸見え。あんまりお手入れはしていないみたいね。草がぼうぼう」
「くっ・・・黙れ! ひゃぁっ! やめろぉ!」
ベルリシラの手が今度は私の股間をまさぐってくる。
くう・・・
こんな目に遭わされるなんて・・・
いっそ殺したらどうなの!

「そんなことをしても無駄よ。いっそ早く殺したらどう?」
「言ったでしょ? あなたは殺さない。簡単に殺しちゃつまらないでしょ。それよりも・・・」
ベルリシラの顔が私のすぐそばに近づいてくる。
「お前にはたっぷりと屈辱を味わわせ、パルサーチームには絶望を思い知らせてあげるわ。もっとも、すぐにお前は屈辱など感じなくなっちゃうでしょけど」
そう言ってペロッと私の頬を舐めるベルリシラ。
いったい何をするつもりなの?
何をされても私は屈したりなど・・・

「これが何かわかるかしら?」
脇のボックスから何かを取り出すベルリシラ。
何?
三角の器?
それは中央がくぼんだ奇妙な形をしたピンク色のもの。
私が答えずにいると、ベルリシラがニヤッと笑う。
「ああ、ごめんねぇ。逆さまだったわぁ。これはね、こうするものよ!」
そう言って手にしたその器のようなものを私の頭にかぶせてくる。
「な、何?」
それは器のような硬いものではなく、何かぐにゃっとしたようなもので、私の頭にマスクのようにかぶせられ、首元まで覆ったかと思うと、肩と胸のあたりまで覆ってしまう。
さながら頭部がピンク色のマスクに覆われてしまったかのようで、視界がピンク一色になる。
「な、何これ? 何なの?」
どうやら口元だけは覆われていないようで、声を出すことはできるが、周りがまったく見えないのだ。
「うふふふふ・・・心配はいらないわ。すぐに感じ取れるようになるはずよ」
感じ取れる?
どういうこと?
ああん・・・
なんだか変な感じ・・・
胸が・・・もやもやする・・・

目の前がだんだんとちらちらしてくる・・・
なんだかうっすらと目が見えてきたような気がするわ。
これは手ね?
ベルリシラが私の顔の前で手を振っているんだわ。
「な、何をしているの?」
「手を振っているの、わかる?」
「わ、わかるわ」
ええ、なんだか周囲の様子がわかってきたわ。
磔になった私の前で、ベルリシラが手を振ってにやにやと笑っている。
それにとってもいい匂い。
これは彼女の匂いかしら?
ああん・・・なんだかムラムラしてきちゃうわ。

「じゃあ、これが何かわかるかしら?」
ベルリシラが何かを持ってくる。
何かしら?
板のようなもので・・・何かが映っているわ。
これは鏡ね。
ということは映っているのは私?
そ、そんな・・・これが私だというの?

私は驚いた。
そこに映っていたのは両手を広げて磔にされた女。
でも、その姿はとても異様だったのだ。
胸から下は黒い全身ストッキングを着たようにうっすらと透けた裸の女性。
おっぱいもおマンコも透けてほとんど丸見えになっている。
でも、胸から上は、まるでピンク色の・・・
まるでピンク色した男の人のあれのよう・・・
そう・・・
まるでチンポのようだったのだ。
エラを張り三角形の先端をそそり立たせたあのチンポのように・・・

「あはははは! どう? チンポになった気分は? すごくよく似合っているわよ」
ベルリシラが笑っている。
そんな・・・
私がチンポに?
チンポになっちゃったというの?
いや・・・
いやよ!
チンポなんていや!
いやよぉ!

「いやぁぁぁぁぁ!」
私は思い切り悲鳴を上げる。
いやよぉ!
取って!
取って取って取って!
この変なのを取ってぇぇぇぇ!

「あはははは・・・大丈夫よ。心配いらないわ」
えっ?
大丈夫?
どういうこと?
「言ったでしょ? すぐにいやじゃなくなるって」
「ひゃっ!」
鏡を置いたベルリシラが私の胸を揉んでくる。
「ほーーーら、気持ちいいでしょ?」
「いやっ! いやっ!」
私は身をよじって何とか逃れようとする。
でも磔になっていて動けないわ。
ああ・・・
な、なんなの?
なんだかいつもと感じが違うわ。
胸・・・
胸がなんだか・・・
クニクニと中で硬いものが動いているような・・・
ああん・・・
気持ちいい・・・

「うふふふふ・・・吐息が甘くなってきたわよ。胸がタマタマになってきたのがわかるでしょ? あんたはチンポになるのよぉ」
「いやぁ・・・いやぁ・・・」
ああん・・・
タマタマ気持ちいい・・・
さわさわと揉み揉みされるの気持ちいい・・・
だ、だめぇ・・・
タマタマだめぇ・・・
感じちゃう・・・
なんか感じちゃうぅ・・・

「うふふふふ・・・次はこっちよ」
「ひぃっ!」
ベルリシラの両手が私の首筋を撫でてくる。
な、何これぇ?
首筋を撫でられるのがこんなに気持ちいいなんてぇ。
信じられないぃ。
「ほーーら、シコシコ・・・シコシコ・・・」
「ひあぁぁぁぁ」
彼女の手が私の首筋を上下に撫でるたびに、私の全身を快感が走る。
嘘でしょ?
こんな快感初めてぇ。
気持ちいいー!
気持ちいいよぉ!

いつしか私はおマンコからだらだらとお汁を垂らしていることに気が付いた。
ああん・・・
おマンコ汁が出ちゃう・・・
だってぇ・・・
気持ちいいんだもん。
おマンコなんかよりもずっと気持ちがいいの。
おチンポシコシコ・・・
もっとシコシコしてぇ・・・

あっあっあっ・・・
なんか来る・・・
なんか来ちゃう・・・
頭のてっぺんになんか来るぅ・・・
出ちゃう出ちゃう出ちゃう・・・
あひーあひーあひー!
出ちゃうぅぅぅぅぅぅ・・・
私の躰にドバドバと降り注ぐ白い液。
あはあ・・・
なんか出ちゃったぁ・・・
気持ちいい・・・
なんだか頭の中が空っぽになっちゃったかのよう・・・
ああん・・・
もっともっと出したいわぁ・・・
あははははは・・・

「あっはははは・・・いっぱい出したわねぇ。どう? ザーメンを出した気分は?」
あー・・・
アタシが出したのはザーメンだったんだぁ・・・
あははは・・・
もう最高!
ザーメンもっともっと出したーい。
ドピュドピュって出したいわぁ・・・

カチャリと音がして、アタシの両手と両脚が自由になる。
あはぁ・・・
うれしい・・・
これでタマタマ揉み放題だわぁ。
アタシはさっそくお胸タマタマを揉んでいく。
ああん・・・
お胸タマタマがコリコリして気持ちいい・・・

「うふふふふ・・・」
アタシを見ているベルリシラが笑みを浮かべているわ。
あはぁ・・・
いい匂い。
メスの匂いだわ。
ああん・・・
彼女ってなんてエロい躰をしているのかしら。
思わずシコりたくなっちゃうじゃない。
シコシコしてザーメンをドピュドピュとぶっかけたいわぁ。

「あーらら、すっかりチンポ怪人になっちゃったかしら?」
私はハッとする。
わ、私はいったい何を・・・
私は首筋をさすっていた手を必死の思いで下ろす。
「違う・・・」
「あら? まだ自我が残っていた?」
「私は・・・私はチンポ怪人なんかじゃない!」
そうよ。
私はチンポ怪人なんかじゃないわ!
私は地球を守る・・・地球を守る・・・なんだったっけ・・・とにかく地球を守るチームのシコシコを・・・シコ指揮を執るのよ。
ああ・・・シコシコ・・・シコシコしたい・・・
シコシコしてドピュドピュ出したい・・・
私はベルリシラから顔をそらす。
ダメよ!
彼女を見ていたらムラムラしてシコっちゃいそう・・・
見てはダメ!

「あらぁ? もしかして、私を見て勃っちゃっているのかしらぁ? なんだかうれしいわね。ほーら、もっと見ていいわよぉ。私でシコっちゃいなさい」
「あっ!」
ベルリシラがアタシのそばに寄ってきて、いい匂いを振りまきながらアタシの顔を振り向かせる。
ああーーん・・・
メスだわぁ。
それも上質なエロいメス。
たまんなーい。
くふふふふ・・・
マン汁が垂れてきちゃう。
お胸タマタマもザーメン作っちゃうわよぉ。

ダメ・・・ダメよぉ・・・
ああん・・・
お胸タマタマ揉み揉みぃ・・・
ダメぇ・・・
ダメなのにぃ・・・
ああん・・・手が止まらないわぁ・・・
揉み揉みだけじゃダメ・・・
シコシコしなきゃ・・・

「あはははは! 私でシコってくれるのね? うふふふふ・・・ほーら」
ベルリシラ様がアタシのためにポーズを取ってくださっているわ。
それもペタンこ座りでおマンコに手を添えてオナりポーズなんてぇ。
最高ですわぁぁぁ。
アタシはもうたまらなくなって首筋を両手でシコっていく。
シコシコシコシコ・・・
ああん・・・気持ちいいー!
お胸タマタマからザーメンが上がってくるわぁ。
頭がピクピクしちゃうぅ・・・
あひぃ・・・
ダメ・・・
アタシはチンポじゃ・・・
アタシは地球を・・・
地球のメスでシコシコして・・・
ザーメンドピュドピュぶっかけるのよぉぉぉぉぉ・・・
あひぃぃぃぃぃぃ・・・

アタシの頭からドロドロザーメンがドプドプとあふれ出る。
あはぁぁぁぁ・・・
気持ちいいぃぃぃぃぃ・・・
ザーメンドピュドピュ気持ちいいわぁ・・・
もっともっと出したいわぁ・・・

アタシは全身の力が抜けたように床にへたり込む。
あはぁ・・・
なんだかもうどうでもいいわ。
エロいメスを見てシコシコできればそれでいいの。
ああん・・・
もう何も考えられない・・・

「うふふふふ・・・今度こそ完全にチンポ怪人になったんじゃない?」
ベルリシラ様がアタシの頭から漏れ出した残りを指ですくって舐めてくださる。
あはぁ・・・
うれしい・・・
アタシのザーメンもっと舐めてぇ・・・
「はぁい・・・アタシはぁおマンコ汁垂らしながら頭シコシコしてザーメンドピュドピュ飛ばすチンポ怪人ですぅ。もっともっとザーメン出したいですぅ」
アタシも自分の躰に付いたザーメンを指で舐めてみる。
あはぁ・・・
これがアタシのザーメン・・・
いいんじゃなーい?

                   ******

「うわー!」
「きゃぁー!」
悲鳴を上げて逃げまくる人間たち。
ああん。
オスはどうでもいいのよね。
オスなんか見たってアタシは勃ったりしないのよ。
やっぱりメス。
エッロいメスの熟れた躰を見ると、アタシはムラムラして勃っちゃうのよ。
そしてシコシコしてドピュドピュしちゃうわけ。
特におびえる表情のエロいメスに頭チンポからアタシのザーメンをぶっかけるのは最高の気分なのよねー。
ああーーん・・・
たまんないわぁ。

あはぁ・・・
見ーつけた。
エッロいメスだわ。
あらあら、旦那さんと一緒かしら?
邪魔ねぇ。
でも、熟女人妻のメスなんてアタシの頭チンポにズッキンズッキン響いてくるじゃないー。
これはもうシコシコしてぶっかけなくちゃね。

「う、うわっ」
「ひぃー!」
アタシはちょっとジャンプして、逃げる二人の前に飛び降りる。
うふふふふ・・・
こんなのチンポ怪人のアタシには朝勃ち前のオナニーよぉ。
「く、来るなぁ!」
あらあら、奥さんを守ろうと必死ねぇ。
手なんかつないじゃって何年ぶりぃ?
熟れ熟れボディに初々しい感じが加わって最強じゃない。
たまんないわぁ。

「はぐっ!」
アタシはオスの頭に鋭い爪で突きを入れる。
オスの頭は簡単に破裂し、周囲に血と脳みそが飛び散る。
あひゃひゃひゃひゃ・・・
気持ちいいー!
ザーメンをドプドプと出すのもいいけど、こうしていらない人間を殺すのも気持ちがいいわぁ。

「ひぃーー! あなたぁーー!」
両手を頬にあてて恐怖に悲鳴を上げるつがいのメス。
いいわぁ。
もうアタシのマンコは濡れ濡れで頭チンポが痛いぐらいに勃っちゃっているわぁ。
人妻ってホント、たまらないエロさよねぇ。
ああん・・・
先走りが出ちゃう。

「いやっ! こ、来ないでぇ!」
一歩二歩と後ずさるメス。
あん、怖がらなくていいのに。
あんなオスのチンポなんかよりぃ、アタシの頭チンポの方が大きくて立派よぉ。
ほら、カリだってこんなに広がっているのよぉ。
見ただけでおマンコ濡れ濡れになっちゃわないぃ?

「いやぁっ!」
アタシは震えるメスの顔を見ながら両手で首筋から頭チンポを扱きだす。
ああん・・・いいわぁ・・・
シコシコ・・・シコシコ・・・シコシコ・・・
ああん・・・来ちゃう来ちゃう来ちゃうぅ・・・
イくぅぅぅぅぅぅ・・・
アタシの頭チンポからザーメンが勢いよく噴き出して彼女の躰を白く染め上げる。
あひゃひゃひゃひゃ・・・
サイコー!
アタシのザーメンでメスのザーメン漬けが一丁上がりねぇ。
あひーん。
気持ちいいー。

「ま、待ちなさい!」
あらぁ?
誰の声?
なんかどこかで聞いたことのあるような声だわぁ。
でも、なんかムラムラしちゃうメスの声ねぇ。
アタシが声の方を向くと、そこには黄色のバトルスーツを身に着けたメスが一人立っている。
あらぁ?
確か・・・イエローパルサーだったかしら?
ああん・・・スーツが躰に張り付いて胸や太ももがいい感じのラインを出しているわねぇ。
けっこうエロエロじゃなーい?

「うっ・・・な、なんて形の怪人なの?」
あらぁ?
アタシを見て顔をそらすなんて、結構初心なのかしら?
そういうのもたまらないわねぇ。
躰はエロエロなのに心は初心なんて犯してくださいって言っているようなものじゃない。
これはもうアタシのザーメンでドロドロのぐちょぐちょにしてあげないとねぇ。
あひゃひゃひゃひゃ・・・
シコシコたまらなーい!

アタシはザーメンをぶっかけるべく、イエローパルサーにとびかかっていった。

END

よろしければ感想コメントなどいただけますと嬉しいです。
それではまた。
  1. 2019/09/15(日) 21:00:03|
  2. 異形・魔物化系SS
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北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
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