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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

試験に向けて

ストレスが溜まっているのでしょうか?
妄想が結構わいてきます。
一方でWordの検定も近づいてます。

うおお!
どうすりゃいいんだ!

ということで、ついついSSを書いてしまいました。
これも文字入力の練習さと自分をごまかして。(笑)
楽しんでいただければ幸いです。


試験に向けて

「ふう、これで美香(みか)も大学生か。おめでとう。しっかり勉強してくれよ」
娘のグラスにビールを注ぐ父。
まだ未成年ではあるが、お祝いの時ぐらいはいいだろう。
「本当よー。学費高いんですからね。ちゃんと勉強して元を取ってもらわないと」
決して嫌味ではなく、半分冗談ではあるのだが、目が笑っていない母。
「わかってます。ちゃんとやるから」
注いでもらったビールのグラスを手に取る娘。
どこにでもあるような普通の家庭だ。
今日は娘が大学に合格したことによるお祝いなのだろう。
テーブルの上には出前で取り寄せたお寿司が置かれ、デコレーションケーキもその横に鎮座する。
組み合わせ的にはあり得ないのだろうが、お祝いを豪華にしたいと思うとこうなるのだろう。

「それじゃ美香の大学合格を祝してカンパーイ!」
父の掛け声とともにグラスを掲げる三人。
だが、その腕が宙で止まり、その目が驚愕に見開かれる。
突然室内に黒雲が沸き起こり、その中から一人のいかつい男が現れたのだ。
男はマントを羽織り、肩などにとげのついた黒い軍服のような服を着て、軍帽のようなものをかぶっている。
全くこの場には似つかわしくない人物だ。

「な、なんだお前は?」
一瞬の驚愕ののち、我に返った父親が男に声をかける。
「やかましい! 俺様は忙しいんだ! おとなしくしていろ。死にたくなければな」
男が口を開いて一喝する。
その迫力と威圧感に、我に返っていた三人はまたしても動きが止まってしまう。
「まったく・・・新型プログラムの検定試験など、なぜ俺様がやらねばならんのだ」
ぶつぶつ言いながら勝手に椅子に座り、小脇に抱えていたノートパソコンを開く男。
いかつい男とノートパソコンの取り合わせも何か妙におかしみを感じさせる。
「あの・・・家をお間違えでは? ここは私たちの家なのですが・・・」
「黙れと言っているだろう! 殺されたくはあるまい?」
黙ってしまった父親に対し、何とか男を追い出そうとした母親も、一喝されて黙ってしまう。
それほどに男の発する威圧感はすごかったのだ。

「まったく・・・あいつは自分ができるからといろいろとうるさいからな。まずは『ワープロソフト風改造ソフト』とやらを立ち上げてと・・・立ち上げると言っても立ち上がってはいかんぞ」
なにやらぶつぶつ言い始めるいかつい男。
背中を丸めてノートパソコンの画面に見入っている。
「よしよし立ち上がったな。次はと・・・新規ファイルを作成し書式を整えてと・・・で?」
男が唐突に顔を上げ、三人を見回す。
ひそかにテーブルの下でスマホで警察に連絡を取ろうとしていた美香は、思わず手が止まってしまった。
「ん? どうやらここは三人家族のようだな? まあ、練習にはちょうどいいか」
うんうんと一人でうなずき、男は再びノートパソコンの画面に目を落とす。
「あ、あの・・・家を間違ってませんか? そろそろ出て行って・・・」
「うるさいやつらだな。まずはお前らを黙らせるか」
言葉を途中で遮り、ぎろりと父親をにらみつける男。
「ええと、挿入タブから表の挿入を選んでと・・・三人だから四行二列でいいか・・・」

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すると、ノートパソコンの画面に表が表示される。
「うむ、名前は・・・ええい、いちいち聞くのも面倒だからこれでいいか」

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男はこう文字を打ち込んだ。
すると、三人の躰に一瞬ピリッと電気が走ったような感覚が起きる。
「ん?」
「い、今のは?」
顔を見合わせる三人。
楽しいはずの合格祝いパーティーがどうしてこんなことになってしまったのか・・・

「よしよし。うまく認識が行われたようだな。それではこうだ・・・」
再び文字入力を行っていく男。

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男が入力を終えると、三人から表情が消える。
そして、じっと男に注目を始めるのだった。
「よしよし。うまく作動したな。俺様の名はバゴーズ。お前たちは俺様に従うのだ」
「「「はい。バゴーズ様」」」
無表情のままで一斉に返事をする三人。
「よしよし。ではまずお前からだ・・・」
そういって父親にいくつか質問をするバゴーズ。
その答えをノートパソコンに入力していく。

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次に母親と娘にも同じように質問し、文字入力をしていく。

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「うむうむ。あとはこの表の中を変更していけばいいわけだな。なんだ。簡単ではないか。これなら検定も楽勝だな」
うんうんと一人うなずくバゴーズ。
だいたい試験しますからねとは何事だ!
アルフィナめ、単なる秘書官のくせして生意気にも俺様に指図とは。
ちょっと技術部門にいいものを作らせたからと自慢げにしおって。
このようなもの、すぐに使いこなして見せるわ。
作戦に必要なものを自分が使えないのでは指揮官として問題だからな。
いちいちアルフィナを戦場に呼ぶわけにもいくまい。
そう思い、予想外に使いやすそうなことにホッとするバゴーズ。

一方で、表中に“バゴーズに従う”と表記されてしまったことで、バゴーズに逆らえなくなってしまった三人。
みんなそれぞれが不安そうな表情でバゴーズがこれから何をするのかを見つめている。
助けを求めたくても、先ほどバゴーズにおとなしくしていろと言われてしまったので、大声を出すこともできない。
「まずはお前からだ。お前は何にしようか・・・」
ぎろりと父親の伸夫(のぶお)を見やるバゴーズ。
そのままにやっと笑ってカタカタとキーボードに文字を入力していく。

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「ひぐっ」
突然しゃっくりのような声を出す伸夫。
その躰がじょじょに茶色の毛におおわれていく。
「あがっ! あがががが・・・」
のけぞるように躰をそらし、苦しみ始める伸夫。
着ている服も掻きむしるようにして引き裂き、その茶色の毛におおわれた躰をあらわにしていく。
「ひぃっ!」
「パ、パパッ!」
思わず立ち上がり、苦しむ父親に駆け寄ろうとする母と娘。
「座っていろ! 座っておとなしく見ているのだ。その男が変化するところをな」
「「は、はいっ!」」
立ち上がりかけた二人は、すぐに背筋を伸ばして返事をし、そのまま椅子に座ってしまう。
父親のところに行きたくても、座っていろと言われたので立つこともできないのだ。
その間にも、父親の変化は進んでいく。
躰全体を茶色の短い毛が覆い、まるで何かの動物にでもなったかのようだ。
「あ、あなた・・・」
「パパ・・・」
立ち上がれないもどかしさと、父親が何か得体の知れないものになっていくような恐怖に、母と娘は包まれていた。

「キキ・・・キキキキ・・・キキーッ!」
苦しんでいた父親の口から奇声が発せられる。
服がちぎれぼろぼろになった躰は毛で覆われ、その両腕からは膜のようなものが躰の両脇にかけて広がっている。
耳は先端がとがって大きくなり、口からは乱杭歯となった牙がのぞいている。
「キキーッ! キキーッ!」
奇声を上げるその姿は、まさに人間離れした異形という感じだ。
「あ、あなた!」
「パ、パパ!」
席を立てないまま、父親の変化に衝撃を受ける二人。
目の前で人間が異形の化け物になっていくのだから当然だろう。

「キキキキー! 俺は人間伸夫と吸血コウモリの合体怪人コウモリ男41歳! オスでジャクドのメンバー。バゴーズ様に従います。キキキキー!」
すっくと立ちあがり、奇声を上げて書き換えられた表のとおりに宣言するコウモリ男。
まさしくその姿はコウモリと人間が合体したものにほかならず、両腕から両わき腹にかけて広がる羽が印象的だ。
「うむ。それでいい。お前はコウモリ男。これからはジャクドのために働くのだ」
完全に変化したコウモリ男に満足するバゴーズ。
これは面白いではないか。
これなら現場で簡単に怪人を作り出すことができる。
今までのようにアジトに連れ帰る必要もなくなるではないか。

「あなた・・・」
「パパ・・・」
青ざめた表情でコウモリ男を見つめる母と娘。
愛する夫と父が化け物になってしまったのだから無理もない。
「キキキキー! 素晴らしいぞこの躰は。お前たちも早くバゴーズ様に書き換えてもらうがいい。キキキキー!」
牙を剥きだしてにたぁっと笑うコウモリ男。
「うむ。次はお前だ」
コウモリ男の言葉に促されたわけでもないだろうが、バゴーズは次の標的に母親を選ぶ。
「ヒイッ!」
恐怖に悲鳴を上げる慶子(けいこ)。
だが、座っていろと言われた躰は頑ななまでに動かない。

その間にバゴーズはカタカタとキーボードで文字を入力する。

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入力を終えてEnterボタンを押した途端、慶子が躰をびくっと震わせる。
「ひぐっ! い、いや・・・あ・・・あがががが・・・」
先ほどの伸夫と同じように苦しみ始める慶子。
強い力で服を引き破り、下着もむしり取っていく。
「マ、ママ!」
先ほどと同様に見ているしかない美香。
一方、すでに変化を終えたコウモリ男はにやにやしながら妻の変貌を眺めている。
「あぐぐぐぐ・・・」
裸になってしまった慶子の肌が、じょじょに緑色に染まっていく。
さらに表面がびっしりと細かいうろこ状へと変化していく。
苦しげな息をする口からは、舌がだらんと飛び出すと、そのままシュルシュルと床に付くまで伸びていく。
「ひぃぃぃぃぃぃ!」
母親の変化に目を覆って悲鳴を上げる美香。
ついに恐怖がバゴーズのおとなしくという指示を超えてしまったのだ。
それでも両手で口元を抑え、できるだけ声を抑えた悲鳴になっているところは、この表による指示の拘束力の強さを示しているだろう。
その間にも母親の変化は続いており、両目がギョロッと飛び出したかと思うと、そのまま顔の両側へと移動し、そこで上下左右自由に動く目玉へと変化する。
両手の指先の爪は鋭く尖り、両足はハイヒールのブーツのように変化する。
お尻からは小さく短い尻尾が伸び、そこで変化は終了した。

「ケケ・・・ケケケ・・・ケケケケケ・・・」
奇妙な笑い声をあげる慶子。
「マ、ママ・・・?」
「ケケケケケ! アタシは人間慶子とカメレオンの合体怪人カメレオン女39歳よぉ! メスでジャクドのメンバー。バゴーズ様に従いますわぁ。ケケケケケ!」
垂れ下がっていた舌をシュルッと引っ込めると、今度は素早く伸ばしてテーブルの上のフォークをはじき飛ばし、壁に突き立てる。
「フフフ・・・それでいい」
二人目も問題なく怪人に変化させることができ、バゴーズは笑みを浮かべる。
「キキキキー! いい女怪人になったではないか。美しいぜ、カメレオン女」
コウモリ男がぺろりと舌なめずりをする。
性的興奮をしているのは間違いない。
「ケケケケケ! でしょう? アタシもまだまだ捨てたもんじゃないわよねぇ。ケケケケケ」
頭の後ろに手を当て、クイとポーズをとるカメレオン女。
自らの肉体に誇りを感じているようだ。
確かに緑や赤のうろこ状の皮膚に覆われてはいるものの、そのラインは女性の柔らかさや腰の括れ、形の良い乳房など美しいと言えなくもない。
二人とも完全に自分が怪人となったことを喜んでいるようだ。
これも表の威力なのだろう。

「いやぁ・・・いやぁ・・・」
両手で顔を覆って泣き出してしまう美香。
両親がともにおぞましい化け物になってしまったのだ。
当然だろう。
「戻して・・・パパとママを元に戻して!」
涙ながらに美香がバゴーズに懇願する。
「キキキキー! 冗談じゃない! ただの人間に戻るなんて願い下げだぜ」
「ケケケケケ! アタシもごめんだわぁ。この躰はとても素晴らしいのよ! 下等な人間なんていやよ!」
だが、完全に身も心も怪人と化した二人は逆に人間に戻ることを拒否してくる。
「ケケケケケ! それよりも、あなたこそ早くバゴーズ様に書き換えてもらいなさい。怪人になるのはとてもいい気持ちよぉ。ケケケケケ!」
「キキキキー! まったくだ! お前も早く怪人になるがいい」
「いや! いやぁっ!」
頭を抱えるようにして首を振る美香。
「クククク・・・嘆くことはない。お前もすぐに書き換えてやる」
そう言ってノートパソコンに文字を入力し始めるバゴーズ。
二人が順調にいったことで、気をよくしているのだ。
「やめ! やめてぇっ!」
美香が必死に訴えるものの、バゴーズの指はたどたどしくもキーを打ち込んでいた。

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入力を終えてEnterキーを押すと同時に、美香の躰に異変が起こる。
「あぐっ・・・あぐぅ・・・ぐぅ・・・」
喉を掻きむしるように苦しみ始める美香。
そのまま胸から服を引き裂いてちぎっていく。
やがてその躰が変化し始め、頭部が巨大に膨らんでいき、躰にも毒々しく赤黒いイボが現れていく。
膨らんだ頭部はやがて傘のように開いていき、顔の部分は襞が作られて目鼻がその中に埋もれていく。
服を引きちぎった爪は鋭く尖り、脚はハイヒールのブーツのように変化する。
「ふう・・・ふう・・・ふう・・・」
全身が巨大な毒キノコのように変化する美香。
その苦しそうな息遣いがやがて収まっていく。

「クシュ・・・クシュシュシュシュ・・・」
奇妙な声を発する美香。
その閉じられていた目が開き、口元にニタァッと笑みが浮かぶ。
「クシュシュシュシュ! アタシは人間美香と毒キノコの合体怪人毒キノコ女18歳! メスでジャクドのメンバーよ。バゴーズ様に従いますわ。クシュシュシュシュ!」
表のとおりに声を上げる毒キノコ女。
もはやそこに清楚な女子大生の姿はない。
むしろ不気味な妖艶さを漂わせる女怪人の姿がそこにあった。
「よし、これでお前もジャクドの怪人だ。これからは俺様の命令に従うのだ」
「クシュシュシュシュ! もちろんです、バゴーズ様。どうぞ何なりとご命令を。クシュシュシュシュ!」
毒キノコ女が巨大な傘の広がる頭を下げる。
「キキキキー! これでわれら親子はみんな怪人に生まれ変わったわけだな」
「ケケケケケ! まあ、いやだわコウモリ男ったら。あたしたちはもう親子なんかじゃないでしょ? アタシたちはお互いジャクドの怪人同士。仲間でしょ」
「クシュシュシュシュ! そうよ。あたしたちは仲間。一緒にジャクドのために働くのよ。」
「キキキキー! そうだったな。俺たちは仲間だ。よろしく頼むぜ」
「ケケケケケ! こちらこそよぉ」
「クシュシュシュシュ! 仲良くしましょうね」
三体の怪人たちが仲良く笑いあっている。
それは数十分前と同じような光景だが、その姿は大きく変わっていた。

「クシュシュシュシュ! それにしても最高だわ。なんて気持ちがいいの。こんな素晴らしい怪人になれるのに嫌がっていたなんてバカみたい」
広がった頭部の傘を揺らしながら毒キノコ女が躰をかき抱く。
「キキキキー! まったくだ。怪人になれて最高だぜ。これもバゴーズ様のおかげだな」
「ケケケケケ! 本当ね。バゴーズ様には感謝してもしきれないわぁ」
シュルシュルと舌を伸ばすカメレオン女。
コウモリ男もうんうんとうなずいている。
「ふん・・・感謝などはいらん。しっかり働いてくれればいい」
「「「ハッ、バゴーズ様!」」」
感謝などという言葉を聞き、ぶっきらぼうにいうバゴーズ。
それにも三体の怪人たちは声をそろえて返事をする。
「ふん・・・お前たちは単に俺様の検定試験対策の結果生み出されたにすぎんのだ。せいぜいそれを忘れるな。まあ、当面は今まで通り人間どもに紛れて暮らすのだ。いいな。命令は追って与える」
「キキキキー! かしこまりました。しかし、この姿では人間どもに紛れるというのは・・・」
コウモリ男が困ったような顔をする。
怪人の姿のままではいずれ騒ぎになりかねない。
「むっ、そういえば擬態能力を書き込んでいなかったな」
急ぎカタカタとキーボードに打ち込むバゴーズ。
擬態能力は基本設定ではなかったようで、書き加える必要があったのだ。
ついでに表の枠を広げ、メインの能力も書き加えておく。

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Enterキーを押すとすぐに以前の人間の時の姿に変化する三体の怪人たち。
「キキキ・・・おっと、この姿ではキキキキーはまずいな。だが、これで周囲の人間どもに怪しまれることはないな」
「怪しむような人間は殺してしまえばいいのよ。こんな姿いやだわ。無防備すぎるじゃない」
「アタシもいやよ。毒キノコ女の姿がいいわ」
すぐにカメレオン女と毒キノコ女は怪人としての姿に戻ってしまう。
「ふん、家の中ぐらいならいいだろう。だが外に出るときは注意しろよ」
「ケケケケケ! わかっておりますわぁ」
「クシュシュシュシュ! 早くこの姿で常にいられる社会にしたいです」
「それなら俺も。キキキキー!」
そういってコウモリ男も怪人の姿に戻る。
まあ、よかろう。
いざとなればこの家の周囲を始末すればいい。
そう思い、バゴーズは苦笑した。

                     ******

「それでそのまま戻ってこられたんでしたね?」
赤いボンデージ衣装に身を包んだ妖艶な美女が書類束を片手に立っている。
バゴーズの秘書官を務めるアルフィナという女性だ。
有能で事務処理は完全に任せている。
「ああ、何か問題があったか?」
グラスを傾け酒を飲むバゴーズ。
いつ飲んでもこのワインという酒はうまい。
地球を占領した暁には母星に持ち帰るのもいいだろう。
「特に何も。というより、こちらの指示を完璧にこなしてくれています。元が家族だったからなのか、コンビネーションもいいようです。行き当たりばったりで怪人にしたにしては優秀かと」
「ほう。それはいい」
うんうんとうなずくバゴーズ。
あの三体は確か、バゴーズが引き上げるときには怪人化祝いとか言って用意したごちそうを食べていたのではなかったか。
「特にカメレオン女の暗殺の能力はなかなかです。保護色を使ってターゲットに忍び寄り、その舌で縊り殺す。彼女自身暗殺をかなり楽しんでいるようですわ」
「クククク・・・俺様の目に狂いはなかったということだ。あの主婦はどこか屈折したものを持っていたのだろう」
「おそらくその通りかと」
「それで? 結果は出たのか?」
「はい。バゴーズ様の検定試験の結果が出ました」
書類束を開くアルフィナ。
そのしぐさが美しい。
「もちろん合格だろうな? 俺様はきちんと使いこなしたのだから」
「いいえ、不合格です」
あっさりと言い放つアルフィナ。
「な、なんだと? どうしてだ!」
思わずグラスを取り落としそうになるバゴーズ。
不合格など信じられない。
だが、アルフィナはふうとため息をついた。
「解答欄をすべて一つずつずれて記入されてました。ですからバゴーズ様はそそっかしいところがあるとあれほど・・・」
「な・・・それは何とかインチキできんのか!」
「できません!」
きっぱりとアルフィナに言われて頭を抱えるバゴーズ。
「ですが、追試を行います。今度はしっかり注意してくださいませ」
「う・・・わかった」
「大丈夫です。解答自体は合っていたものばかりですから。解答欄さえ間違えなければ・・・」
「わかった、気を付けよう」
苦笑するしかないバゴーズ。
だがまあよかろう。
ジャクドに三体の怪人が加わったのだ。
それもアルフィナによればなかなか有能そうではないか。
それでいい。
バゴーズはグラスをぐいっと傾け、アルフィナの腰を抱き寄せるのだった。

エンド

うーん、表を別に画像として掲載しなきゃならないのは面倒ですね。
いかがでしたでしょうか?
よろしければコメントなどいただけますとうれしいです。

それではまた。
  1. 2017/03/21(火) 21:19:13|
  2. 改造・機械化系SS
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夢がかなうとき

4000日&丸11年連続更新達成記念というにはあまりにも短編ではありますが、SSを一本投下いたします。
タイトルは「夢がかなうとき」です。

もうね、まさに私個人の夢がかなったらこうなるのだろうなというシチュエーションの短編です。
本当にシチュのみの短編SSですが、楽しんでいただければ幸いです。
それではどうぞ。


夢がかなうとき

「ん・・・んちゅ・・・れろ・・・んぷ・・・」
まさか・・・本当だったなんて・・・
俺の股間に顔をうずめ、一心不乱に俺のモノをしゃぶる黒髪の女子の姿に俺は驚きを隠せない。
驚きはその少女の行為だけではない。
その少女は黒いレオタードを身につけ、黒タイツを穿いて目の周りに黒いアイシャドウを引いている。
両手には黒い長手袋をはめ、脚にはヒールが長い黒のブーツが履かれていて、頭には黒いベレー帽をかぶっている。
つまり全身を黒一色で固めているのだ。
なぜそんな服装をしているのかといえば、俺がそう願ったからに過ぎない。
悪の組織の女戦闘員はそういう姿であるべきだと俺が思ったからなのだ。
だからと言って彼女がそんな格好をする理由はなかったはずだ。
これもまた俺の願いがかなったということなのだ。
学校で一番の美人と言われている彼女をだますのはちょっと気が引けたけど、どうせ試すなら手の届かない相手にしようと思ったのだ。
先生が呼んでいるという嘘に簡単に引っかかってくれた彼女は、あっさりと俺に拉致され、こうして体育倉庫につないだ隠し通路からアジトへと連れ込んだのだ。
そこから先は簡単だ。
気を失わせた彼女を、手術台に寝かせるだけ。
あとは自動で行われる。
俺がスイッチを入れただけで、彼女はあっという間に俺の思う悪の組織の女戦闘員に変わっていったのだった。

そして今、彼女は俺を首領様とあがめて崇拝し、自分の口で俺のモノをしゃぶってくれているのだ。
地下に作られた謎の施設。
その入り口がなぜ俺の部屋につながっていたのかはわからない。
だが、これで俺の夢はかなうのだ。
古い特撮番組にでてきた悪の組織。
その首領になりたいという俺の夢が・・・
ばかばかしいがあのDVDを見たときから、俺はいつか悪の組織の首領になりたかったのだ。
それがまずかなわないものだったとしてもだ。
だが今は違う。
彼女を見れば、夢はかなうに違いない。
そうだ・・・俺の夢はかなうのだ。

                   ******

「尾野(おの)さん・・・いや、今は女戦闘員01号だったな。今の気分はどうだ?」
俺はゆったりしたイスに座りながら、目の前にひざまずいている彼女に尋ねる。
その口には先ほどザーメンを出したばかりだ。
「はい。とてもすばらしい気分です。私は女戦闘員になるために生まれてきたと感じます。こうして首領様に女戦闘員にしていただきましてとても幸せです」
片ひざを付いて頭を下げる女戦闘員01号。
学校一の美人が俺の前にひざまずいている。
しかも俺の大好きな特撮の女戦闘員の格好をしてだ。
それだけで俺の股間はまた膨らんでくる。

「01号、今お前に家族を始末して来いと言ったらどうする?」
「もちろんすぐに始末してまいります。それにあのような下等な人間どもはもう私の家族などではありません。私は首領様にお仕えする女戦闘員です」
ひざまずいたまま顔を上げて笑みを浮かべる女戦闘員01号。
その笑みは冷酷な笑みだ。
家族思いだった彼女は、もう家族を下等な存在としか思わなくなっているのだ。
「それでいい。今は命じる気はない。それよりも・・・」
彼女が女戦闘員になったことで、この設備が本当に使えるということがわかった。
ならば夢をかなえるためにも、組織員を増やすのが次の仕事だろう。
「01号。お前の友人たちを拉致して連れてくるのだ。お前の友人たちもかわいい娘が多かったはずだな。お前同様女戦闘員にしてやろう」
「はい。かしこまりました。きっとみんな女戦闘員となる喜びを感じるでしょう」
家族を始末しろと言われたときとはまた違ううれしそうな笑みを浮かべる01号。
心から友人たちが女戦闘員となることをうれしく感じているに違いない。
俺がうなずくと、彼女はすっと立ち上がり、美しいボディラインを惜しげもなくさらしたレオタード姿の背を見せて、俺の前を後にした。

                   ******

「えっ? ど、どういうこと?」
「いやっ! な、なんなの?」
「は、放して! 助けてぇ!」
「美理(みり)、どういうことなの? 私たちをどうするつもりなの?」
ずらりと並んだ女子たち。
いずれもが手術台に寝かせられ、手かせ足かせで固定されている。
今から彼女たちを改造し、女戦闘員に仕立て上げるのだ。
01号が連れてきただけあって、みんなかわいい女子たちだ。
きっと素敵な女戦闘員になるに違いない。

「うふふふふ・・・みんな怖がることはないわ。あなたたちも私と同じく首領様にお仕えする女戦闘員になるの。すばらしいわよ」
心から信じきっている笑顔で友人たちにそういう01号。
「01号。お前がスイッチを押すといい。友人たちを女戦闘員にしてやるのだ」
「はい、首領様」
「いやぁっ!」
「やめてぇっ!」
女子たちの悲鳴が響く中、01号は嬉々としてスイッチを押す。
たちまち手術台には色とりどりのカラフルな光線が照射され、女子たちの躰を染め上げた。

カツコツとヒールの音が床に響く。
「うふふふふ・・・」
「うふふ・・・」
「うふふふふ・・・」
かすかな笑い声を上げながら一様に冷酷な笑みを浮かべている女子たち。
いずれ劣らぬ学校内の美人たちが一列に並んで俺の前に立っている。
しかも全員がそろって01号同様に黒いレオタードに黒いタイツを身に着け、黒い長手袋とブーツを穿き、黒いベレー帽をかぶっている。
そして目には黒いアイシャドウを引いているのだ。
なぜそうなるのかはわからないが、着ていた物を分解し再合成したりするのかもしれない。
もっとも、彼女たちにとってはもはや衣服ではなく肌なのかもしれないけど。

「「「イーッ!」」」
いっせいに右手を挙げて敬礼する女子たち。
いや、今はもう女戦闘員たちだ。
「私は女戦闘員02号です。首領様に永遠の忠誠を誓います」
「私は女戦闘員03号。どうぞ何なりとご命令を」
「私は女戦闘員04号です。首領様のためなら何でもいたします」
「女戦闘員05号です。首領様にはむかうものは私が始末いたします」
先ほどまで必死に逃げようとしていた彼女たちが、今では俺に忠誠を誓っている。
これだ。
これこそが俺の求めてきたもの、俺の夢だったものだ。
「イーッ! 首領様。私たち女戦闘員に何なりとご命令を」
俺の脇に立っていた01号が、彼女たちの横に行き、右手を挙げる。
これで女戦闘員たちは一応そろった。
あとは女怪人だ。

                   ******

「う・・・うーん・・・」
手術台に寝かせられている里倉弥生(さとくら やよい)先生。
メガネをかけた童顔が特徴で、そのせいか年より若く見え、生徒たちよりも幼い印象すら与えてくる。
教え方は上手で、俺は里倉先生のおかげで数学の成績が上がったようなものだ。
やさしくてかわいらしいと生徒たちの間でも人気が高い。
「よくやったぞお前たち」
俺は居並ぶ女戦闘員たちに声を掛ける。
「「「イーッ! ありがとうございます。首領様!」」」
いっせいに右手を挙げて敬礼する女戦闘員たち。
その表情は俺の言葉にうれしさをにじませている。
みんな俺の命令に従うのが気持ちよくて仕方がないのだ。
俺の忠実なしもべたち。
かわいいやつらだ。

「うーん・・・こ、ここは?」
メガネの奥の目をゆっくりと開ける里倉先生。
「え? え?」
起き上がろうとして自分の両手両足が固定されていることに気が付いたらしい。
周囲も薄暗いし、きっとかなり驚いているだろう。
「うふふふふ・・・」
「うふふふふ・・・」
「うふふふふ・・・気が付いたようね」
周囲にいる女戦闘員たちが里倉先生を見下ろしている。
黒い衣装に身を包み、黒いアイシャドウを引いた女子たち。
里倉先生は何がなんだか理解できまい。
「あ、あなた方はいったい? 飯野(いいの)さん? 川島(かわしま)さん? 野村(のむら)さん?」
「うふふふふ・・・それは私たちが女戦闘員になる前の名前」
「今の私たちにそのような名前は無意味」
「私たちは首領様にお仕えする女戦闘員なのよ」
冷たい笑みを浮かべながら里倉先生を見下ろしている五人の女戦闘員たち。
「女戦闘員? どういうことなの? 私をいったいどうするつもりなの? 悪ふざけはやめて!」
身をよじって手足の固定から逃れようとしている里倉先生。
小柄な躰と童顔のせいで、なんだか少女を捕らえているような感じがする。
だが、躰つきは紛れもなく大人の躰で、バランスの取れたボディラインが美しい。

「うふふふふ・・・恐れることはないわ」
「うふふふふ・・・先生は選ばれたのです」
「先生は首領様に選ばれ、女怪人に生まれ変わるのです」
相変わらず笑みを浮かべている女戦闘員たち。
これから起こることに胸を躍らせているのだろう。
「03号」
俺は一段高くなっている席から女戦闘員03号に声を掛ける。
本当ならレリーフ越しに声を掛けてやるほうがそれらしいのだろうが、まあ、それはおいおい。
「イーッ! お呼びですか首領様?」
すぐに03号が俺の足元にやってくる。
「お前は里倉先生を尊敬していたそうだな」
03号、川島愛華(かわしま あいか)は教職希望で、里倉先生のような教師になりたいと言っていたらしい。
「イーッ! それは以前の人間だったころの私の考えです。今の私が尊敬するのは首領様ただお一人のみ。あのような下等な人間を尊敬することなどありえません」
まさに俺好みの返事を返してくる03号。
アイシャドウを引いた目がうっとりと俺を見上げている。
「そうか。それなら彼女を再び尊敬できる存在にしてやるのだ。スイッチを入れろ」
「イーッ! かしこまりました」
一礼して手術台に戻る03号。
里倉先生のかけているメガネをやさしくはずし、そっと脇によけておく。
そして脇にあるスイッチのそばに行き、力強くそれを押した。

「きゃあーーっ!」
すぐさま里倉先生の躰に色とりどりの光が放射される。
先生の着ているものが粉々に分解され、一糸まとわぬ裸になる。
そしてすぐに先生のきれいな肌が黒く短い剛毛に覆われ始め、その形も変わっていく。
思ったとおりだ。
このシステムは女戦闘員どころか女怪人を作ることさえできる。
それも俺の思ったとおりにだ。
誰が用意したものかは知らないが、有効に活用させていただこう。

光が明滅するたびに先生の躰は変わっていく。
もはや以前の先生の面影はどこにもない。
だが、全体的なラインはやっぱりあのかわいらしい先生だ。
俺はその姿を見ているだけで、股間が硬くなっていた。

「ケケ・・・ケケケケケ・・・」
光の明滅が終わり、手術台の上から奇妙な声が漏れてくる。
俺があごをしゃくると、01号が手足の固定をはずす。
ゆっくりと躰を起こす異形の姿。
なれど、それは妙に美しく俺には感じた。

「ケケケケケ・・・なんだかすごく気分がいいわぁ・・・力がみなぎってくる感じ」
床に脚を下ろし、立ち上がるかつての先生。
黒と黄色の剛毛に覆われた手足。
両脇からは新たに小さな脚も生えている。
お尻には大きなふくらみが付き、額には小さな単眼が並んでいる。
それは蜘蛛の姿。
里倉先生は蜘蛛と人間が合わさった蜘蛛女になったのだ。

鋭い爪が付いた手をすっと脇に置かれたメガネに伸ばす蜘蛛女。
だが、手にとって持ち上げたところで、その手が止まる。
「ケケケケケ・・・こんなものはもう必要ないんだわ」
口元に冷酷な笑みを浮かべ、そのままメガネを床に落とす。
そしてハイヒール状になった足でメガネを踏み潰した。
「ケケケケケ・・・」
つぶれたメガネを満足そうに見下ろす蜘蛛女。
「改造が終わったようだな、蜘蛛女よ」
俺は蜘蛛女に声を掛ける。
やはり組織の怪人第一号は蜘蛛でなくてはな。
「ケケケケケ・・・蜘蛛女・・・それが私の新しい名前なのですね?」
先ほどとは違い、やさしい笑みを浮かべる蜘蛛女。
「そうだ。お前は俺の手で生まれ変わった。今のお前は怪人蜘蛛女だ」
「ケケケケケ・・・なんて素敵なのかしら。私はもう下等な人間なんかじゃないわぁ。私は蜘蛛女。私をこんなすばらしい躰にしてくださってありがとうございます。どうぞ何なりとご命令を、首領様」
俺の座っている場所にまで近づいてきて、すっとひざまずく蜘蛛女。
そうだ。
これこそが俺の夢だ。
俺は悪の組織の首領なのだ。
今は第一歩を歩き始めたに過ぎない。
これからどんどん組織を大きくしてやろう。
女怪人も女戦闘員もたくさん作り出そう。
そして世界を裏から混乱させてやるのだ。
表立って世界征服なんてめんどくさいことはしない。
俺は俺の好きなように生きる。
そのための女怪人であり女戦闘員なのだ。

「蜘蛛女よ。組織のために有用な女たちを次々とさらってくるのだ。いいな?」
「かしこまりました。首領様のお目にかなう女性たちをたっぷりと捕らえてまいりますわ。お任せくださいませ」
一礼していた顔を上げ、牙のある口元につめたい笑みを浮かべる蜘蛛女。
やさしい里倉先生はもういない。
ここにいるのは俺の命に忠実に従う怪人蜘蛛女だ。
「ケケケケケ・・・お前たち、私に付いていらっしゃい」
立ち上がりざまに振り向き、女戦闘員たちに声をかける蜘蛛女。
「「「イーッ! かしこまりました、蜘蛛女様!」」」
右手をいっせいに挙げて従う女戦闘員たち。
蜘蛛女が自分たちの指揮官であるということを、ごく自然に受け入れているのだ。
もちろんそれは俺がそう設定したからだが。
蜘蛛女と女戦闘員たちはカツコツとヒールの音を響かせてアジトを後にする。
その後姿の美しさに、俺はしばらく見惚れていた。

                   ******

「ケケケケケ・・・あなたは選ばれたのですわ、森沢(もりさわ)先生」
「こ、これいったい? いやっ、いやぁっ!」
学校でも美人の誉れ高い森沢めぐみが手術台に寝かされている。
美貌と知性を兼ね備えた才女だ。
確かに彼女なら組織の女怪人にふさわしい。
必死に嫌がる彼女だが、極彩色の光が彼女の躰に照射されると、みるみるうちに彼女の躰が変化する。
やがてゆっくりと立ち上がる異形の姿。
「ああ・・・なんていい気分なのかしら。私はもうくだらない人間なんかじゃないわ。首領様にお仕えする女怪人サソリ女よぉ。キキキキキ・・・」
右手の毒針から毒を滴らせながら、うれしそうに笑うサソリ女。
また一人、俺の配下の女怪人が増えたのだ。

「そんなぁ・・・」
「先生が・・・森沢先生が・・・」
「いやぁ! いやぁ!」
サソリ女の脇では、数人の女子生徒たちが女戦闘員に拘束されて立っている。
目の前で起こったことが衝撃的だったようで、みんな青ざめた顔をしているようだ。
「うふふふふ・・・心配は要らないわ」
「お前たちもすぐに私たちのように女戦闘員に生まれ変わるの」
「そうなれば、首領様にお仕えする喜びと、怪人様に対する尊敬の念が芽生えるわ」
女子生徒たちを逃がさないように囲んでいる女戦闘員たち。
サソリ女の手術が終わった手術台に、次々と女子生徒たちを寝かせていく。
やがて彼女たちも黒レオタードに黒タイツという姿の女戦闘員へと生まれ変わっていった。

これでいい。
俺の組織はどんどんと構成員が増えていく。
いずれは学校だけにとどまらず、町や県へと広がるだろう。
そしてやがては世界へも。
俺の作った悪の組織が暗躍するのだ。
なんて楽しい夢の世界。
ここまで来たら組織名を決めようと思う。
もちろんその名は一つしかない。
俺は偉大なるあの作品に敬意を表し、心をこめて組織の名を「ショッカー」と名づけるのだった。

エンド
  1. 2016/07/23(土) 22:08:33|
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性処理用女怪人誕生

昨日予告しましたとおり、3500日記念の新作SSを一本投下いたします。

今回の作品は、悪堕ちというよりもエロ堕ちと言っていいかと思います。
短い作品ですが、お楽しみいただければと思います。


性処理用女怪人誕生

「う・・・こ、ここは?」
薄暗い部屋の中で姫原さおり(ひめはら さおり)は目が覚めた。
一瞬自分が、なぜこのような場所で寝ているのかわからなかったものの、どうやら麻痺ガスを嗅がされ、意識を失ってしまったらしい。
しまった・・・油断してしまったわね・・・
さおりは歯噛みする。
彼女は友人たちとの楽しい会合で、つい油断してしまったことを悔いた。

姫原さおりは地球防衛チームサンダーナイトの一員サンダーピンクである。
彼女を含むサンダーナイトは、地球を狙う邪悪な組織スカルダーと日夜戦い続けていたのだ。

「どうやら捕まってしまったみたいだし、とにかく何とか逃げ出さないとね」
さおりは躰を起こそうと試みる。
麻痺ガスの影響は抜け切っているようだったが、残念ながら両手両足が拘束されているようで起き上がることができない。
あちゃー・・・まずったなぁ・・・美紗子司令にまた怒られちゃう・・・
さおりの脳裏に美人だが厳しい司令官の姿が浮かぶ。
きっとまた今回のことも怒られるのだろう。
だが、それもここから逃げ出すことができてからのことだ。

さおりは両手両足の拘束を何とかはずそうともがいてみる。
だが、そう簡単に拘束が解けるはずもない。
おそらく何度試みても難しいだろう。
そうなると・・・
きっとスカルダーの連中は自分をこのままにはしておくことはないだろう。
おそらくどこかへ移送することになるはず。
もしくは牢のような場所に入れられるかも。
そのときにはこの拘束がはずされるだろう。
そのときがチャンスだ。
さおりはそう考える。
それならば、下手にもがいて体力を消耗するのは得策ではない。
今はおとなしくしてスカルダーの連中を油断させたほうがいい。
さおりは一回深呼吸をして、おとなしく横になったまま事態の変化を待つことにした。

「ふむ・・・無駄な足掻きはしないか。さすがはサンダーピンク」
重々しい足音が響き、一人の偉丈夫が近寄ってくる。
「お前は、スカルダーの指揮官ゼネラルヘル」
近寄ってきた相手が怪人クラスではなく大幹部ゼネラルヘルであることに驚くさおり。
どうやら相手を油断させて脱出というのもそう簡単ではなさそうだ。
「ほう、我のことを知っているか。地球人の情報収集力もなかなか侮れんな」
重厚な甲冑を着た男がにやりと笑っている。
黒い全身タイツを着たような躰に銀色の甲冑が重なって鈍くひかっている。
「私をどうするつもり? 人質にするつもりなら無駄なことよ」
さおりはそう言い放つ。
おそらくサンダーナイトチームはさおりを見捨てる決断を下すだろう。
人質を取られたからといって、地球を危険にさらすわけには行かないのだ。
「ふん、お前を人質にするつもりなどない」
「だったら早く殺したらどう? 私を生かしておけば、いろいろと厄介なことになるかもしれないわよ」
さおりは挑発するようにゼネラルヘルをにらみつける。
何とか相手の隙を導いて、ここから脱出するチャンスを作るのだ。

「ふん、お前を殺すつもりはない。殺すつもりならとっくに殺している」
「それじゃ私をどう・・・」
「お前たちサンダーナイトによって、我がスカルダーはずいぶんと煮え湯を飲まされた。この屈辱は晴らさねばならん」
苦々しげにさおりを見下ろすゼネラルヘル。
その目が怒りに満ちている。
「屈辱・・・」
これまでサンダーナイトはスカルダーの地球侵略の野望をことごとく打ち砕いてきた。
それは彼らにとっては相当な屈辱だったと言うことなのか。
「そうだ。だからお前には我等以上の屈辱を与えてやるのだ。もっとも・・・お前自身は屈辱と感じないかもしれないがな」
ゼネラルヘルの口元に笑みが浮かぶ。
その笑みはさおりの背中に冷たいものを感じさせるには充分過ぎる笑みだった。
「いったい何を・・・」
「クククク・・・お前には我がスカルダーの女怪人になってもらおう」
「スカルダーの女怪人に?」
スカルダーはその地球侵略の尖兵として、地球の生き物を模した怪人を投入してくるのが常だった。
主に昆虫などグロテスクな生き物が多かったが、その怪人に自分がされると言うのか?
さおりは恐怖した。
「いやっ! いやよ! 怪人になんかなるのはいやっ!」
先ほどまでの冷静さは消えうせ、必死に拘束をはずそうともがくさおり。
だが、手足を固定した拘束は全くびくともしない。
「クククク・・・改造を始めるとしよう」
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!」
薄暗い室内にさおりの悲鳴が木霊した。

                    ******

「う・・・あ・・・」
どうやらまたしても気を失っていたらしい・・・
だが、今度は冷んやりとした床に横たわっていたようだ。
幸い両手両足の枷ははずされているらしい。
「ここは・・・いったい?」
先ほどと同じような問いをつい発してしまう。
もっとも、先ほどとは言ったものの、あれから何時間経っているのかさっぱりわからないが。

ゆっくりと彼女は起き上がる。
薄暗いせいかなんだか目がおかしい。
小さな画像がいくつも見えるような感じがするが、どうしたのだろうか。
思わず目をこすろうとして、彼女は自分の腕がいつもと違うよう感じることに気が付いた。
「えっ? これが私の手?」
彼女の腕は黄色の細かい毛のようなものがびっしりと表面を覆っていた。
それは腕から手の甲にまで広がっていて、節くれだった指には鋭い爪が付いている。
「えっ? な、なんなの・・・これ?」
彼女はあわてて自分の躰を見下ろした。
すると驚いたことに、腕だけじゃなく腹部以外の彼女の躰全体が黄色の細かい毛に覆われていることに気が付いた。
腹部はなにやらうねうねとした蛇腹状の皮膚が覆っており、二つの膨らんだ胸はまるで昆虫の腹のような同心円状の節で形作られていた。
背中には薄い赤と黄色の翅がたたまれており、彼女がちょっと力を入れると、蝶か蛾の翅のように広がっていく。
「い・・・いやぁ・・・な、何なのこれ・・・私はいったい・・・」
思わず恐怖に頭を抱えてしまう。
いったい自分の身に何が起こったと言うのだろう。
以前の自分はこんな姿ではなかったはずではなかったか?

「おっ、目が覚めたようだな。邪魔するぜ」
室内に入ってくる異形の影。
がっしりとした体格に黒い細かい毛が全身にびっしりと生えている。
口元はあごが左右に分かれ、額にも目があり、お尻の部分は巨大なふくらみになっている。
どこからどう見てもクモをベースにした怪人だ。
「あなたはスカルダーの怪人!」
「ああん? お前だってスカルダーの女怪人じゃねーか」
「えっ?」
クモ怪人の言葉に驚く彼女。
「そ・・・そんな・・・違う・・・私は怪人なんかじゃ・・・」
必死に否定しようとするが、なぜか自分が何者なのか思い出せない。
以前の自分は別なはずだった気がするのに、全く思い出せないのだ。
「私は・・・私はいったい?」
「ああ? なんだぁ? まだ脳改造がされていないのか? スカルダーに対する忠誠心はどうした?」
「スカルダーに対する忠誠心・・・?」
クモ怪人に言われそのことを考えた瞬間、彼女の中にスカルダーに対するとても大きな崇拝の気持ちが湧き起こる。
スカルダーの偉大さ、すばらしさ、そして自分がその一員であることの喜び。
これらがいっぺんに彼女の心に染み込んでくる。
「ああ・・・あああ・・・私は・・・私はスカルダーの一員・・・偉大なるスカルダーに忠誠を・・・忠誠を誓います・・・」
「そうだ、それでいい。お前はスカルダーの女怪人だ」
「はい・・・私はスカルダーの女怪人です」
彼女の中から先ほどまでの自らの姿に対する恐れはいつの間にか消えていた。
それどころか、彼女は今の自分の姿こそが正しい自分の姿だと認識するようになっていたのだった。

「よし、それじゃ早速頼むぜ」
「えっ? 頼むって・・・何を?」
クモ怪人の言葉に戸惑う彼女。
いったい何を頼まれているのかわからなかったのだ。
「おいおい、何を言ってるんだ? 性処理だよ性処理。俺を気持ちよくさせ抜いてくれるんだろ? お前はそのための性処理用女怪人だって聞いたぞ」
「性処理? 私が性処理用女怪人?」
彼女は驚いた。
性処理なんて言葉聞いたこともない。
だが、その言葉がとても甘美で魅力的に感じる。
それに、彼女の目はさっきからクモ怪人の股間に注がれていたのだ。
彼の性処理をする・・・
なんて魅惑的なことだろう・・・

「性処理・・・性処理・・・」
うわごとのようにつぶやく彼女。
じんわりと彼女の股間が濡れていく。
頭の中はもうクモ怪人の股間にあるもののことでいっぱいだ。
「そう、性処理だ。まずはしゃぶってもらおうか」
「しゃぶる・・・はい・・・」
クモ怪人の言いなりになって彼の元に行く。
そして彼の前にひざまずくと、彼の股間をそっと触る。
すると、今まで隠れていたクモ怪人のペニスが、むくむくと鎌首をもたげてきた。
「ああ・・・素敵・・・」
彼女は本心からそう思う。
すでに彼女は彼の性処理をすることが当然と感じていた。
なぜなら、それが彼女の存在する意味だからだ。
彼女は性処理用女怪人なのだから。

いつしか彼女は長いストロー状に伸びた口吻を器用にクモ怪人のペニスに巻きつけ、こするようにしごき始める。
「おおっ、フェラチオならぬ口コキか? これはこれでなかなか・・・」
両手で彼女の頭を鷲掴みにしながら、気持ちよさに腰を降り始めるクモ怪人。
太くたくましいペニスを口吻で絡め取ってしごく楽しさ。
それに彼が気持ちよさそうにしていることが、彼女の心を満たしていく。
彼女の口コキで彼が喜んでくれているのがうれしいのだ。
彼女は強弱をつけてクモ怪人のペニスをしごいていく。
なんて楽しいのだろう。
「うっ・・・出るぞ! うっうっ・・・」
クモ怪人のペニスの先端からドロッとした白濁液が飛び出てくる。
「きゃっ」
白濁液を浴びせられ、思わず声を上げてしまう彼女。
だが、かけられたこと自体はいやではなく、むしろなんだかうれしかった。
ねっとりとした白濁液。
彼女はそれを指で掬うと、ストロー状の口吻を伸ばしてジュルジュルと吸い取っていく。
口の奥で広がる精液の味が、なんだかとても美味しく感じられた。
「美味しい・・・」
「クケケケケ、そう感じるように改造されたってことだな」
「そうなのかしら・・・でも、いやじゃないわ・・・」
「それもそう感じるようにされていると言うことだ。さあ、四つんばいになって後ろを向けな」
「えっ? こ、こうですか?」
クモ怪人に言われ、その通りに四つんばいになってお尻をみせる彼女。
丸いお尻が魅惑的だ。
「俺はこっちの方が好きでな」
クモ怪人はそう言うと、彼女のお尻に指を差し入れる。
「ひゃん!」
思わず声を上げ背筋を伸ばす彼女。
「クケケケ、力抜けよ」
クモ怪人の指がクニクニと彼女のお尻の穴をほぐしていく。
「ひゃぁぁ・・・ひゃぁぁ・・・」
最初はいやな感じだったものの、すぐに躰は快感を感じ始め、だんだん腰を振りはじめる。
「そろそろ行くぞ。それっ」
「あひゃぁぁん」
お尻の穴に太い異物を押し込められ、甘い悲鳴を上げる彼女。
だが、彼女のお尻はすでにずっぽりとクモ怪人のペニスをくわえ込み、快感をむさぼっていく。
「いい・・・いいですぅ・・・いい・・・」
クモ怪人のピストンに合わせ、躰を前後させていく。
初めてのことなのに、なぜかすごく気持ちがいい。
「どうだ? ケツでまぐわうのもいいものだろ?」
「はい・・・いい・・・いいですぅ」
腰を振りながら彼女はそう答える。
「そういえばお前、名前はなんていうんだ?」
「名前? 名前・・・わかりません・・・思い出せない・・・ああん・・・いい・・・」
「そうか・・・だったら俺がお前に名前をつけてやるよ。そうだな・・・どうやら蛾をモチーフにした性処理用の女怪人のようだし、マゾッ気もありそうだからな。マゾメスならぬマゾモスというのはどうだ?」
「マゾモス・・・私の名前はマゾモス・・・ああ・・・私はマゾモスですぅ」
彼女の脳裏にマゾモスという名が刻まれる。
この瞬間から彼女はもう自らの名がマゾモス以外には感じられなくなっていた。
「クケケケケ・・・いい名だろう? おぅ・・・行くぞ!」
「はいぃ・・・来て・・・来てくださいぃ・・・」
次の瞬間、彼女の中に熱いものが流れ込んでくる。
そしてそれと同時に、彼女の全身を言いようのない快感が突き抜けていった。
「ふあぁぁぁぁぁぁ」
声を上げながら床に崩れ落ちるマゾモス。
あまりの快感に躰に力が入らなかった。

                     ******

「キュイーッ」
「キュイーッ」
奇声を上げ、全身黒づくめの男たちが現れた。
大きな丸い複眼をしたアリのような頭部を持ち、躰は人間の男が黒い全身タイツを着たような姿をしている。
スカルダーの戦闘員たちだ。
どうやらまたあれから少し時間が経ったらしい。
クモ怪人はいなくなったようだ。
おそらくやることをやって満足したのだろう。
戦闘員たちは三人。
皆なんとなく遠巻きに彼女を見つめているようだ。
以前の彼女ならすぐに戦闘態勢に入っただろうが、今の彼女には全くそんな気持ちは起こらない。
彼らは新たな“お客様”なのだ。
性処理用女怪人となった彼女に取り、性処理をしてあげるべき仲間たちなのだ。

「こんにちは、戦闘員の皆さん」
マゾモスはゆっくりと近づいていく。
「「キュイーッ」」
戦闘員たちは互いに顔を見合わせる。
「うふふ・・・心配しないで。私はあなたたちの性処理をする女怪人マゾモス。これから気持ちいいことたっぷりとしてあげる」
ごくごく自然に彼女はそう口にする。
先ほど以来、彼女はもう自分が何者かを理解していた。
自分は偉大なるスカルダーの一員であり、仲間たちの性処理用女怪人なのだ。
そのことが彼女にとっては誇らしく、またうれしかった。

やがて彼女は一人の戦闘員の前にひざまずく。
「うふふ・・・たまっているんでしょ? いいのよ。遠慮しないで」
彼女は戦闘員の股間をそっとなでる。
すると、全身タイツ状の股間がむくむくと屹立し、太いペニスを形成する。
「ふふふ・・・やっぱりたまっていたのね。太くて素敵・・・いただきます」
勃起したペニスを目にしたマゾモスは、すぐに口吻を伸ばして巻きつける。
そして頭を前後させて口コキをはじめた。
「キュイ・・・キュイーッ!」
彼女の頭に手を置き、腰を振りはじめる戦闘員。
その様子に、他の二人も股間にペニスを形成する。
「うふふ・・・あなたがたには手でしてあげる」
両手でそれぞれのペニスを握り、シコシコとしごき始めるマゾモス。
それだけでもう彼女自身も股間がじんわりと濡れてくる。

「キュイ・・・キュイーーーッ」
やがて次々と白濁液を放出する戦闘員たち。
その液を全身に浴び、マゾモスはとても気持ちがよかった。
すぐにストロー状の口吻で精液を吸い取っていく。
出されたばかりの精液はとても美味しかった。
「うふふふ・・・美味しい・・・今度はこっちにちょうだい」
そう言って股間を広げるマゾモス。
黄色い細かい毛に覆われた中にピンクの肉ひだが覗いている。
すでにそこはとろとろと大量の蜜を流していた。
すぐに三人の戦闘員たちは代わる代わる彼女を犯し始めるのだった。

                   ******

「ん・・・んお・・・」
ペニスをしごかれる感触がたまらない。
手コキともフェラチオとも違う感触だ。
ゼネラルヘルは自分のペニスをしごいている相手を見下ろす。
黄色の細かい毛で覆われた丸い大きな頭部に、額に生えた木の葉の葉脈のような触角がふるふると震えている。
黒くて丸い複眼は彼のペニスを一心に見つめ、口は細長いストロー状の口吻になっていて、それが彼のペニスに巻きついてしごいていた。
「ん・・・ふふふふ・・・すっかり性処理が上手くなったようじゃないか?」
「ああ・・・はい・・・私は性処理用の女怪人です。性処理は得意ですわ」
細長い口吻の先から声がする。
フェラチオではないからこそ声が出せるのだ。
「ふふふ・・・こんなことをして屈辱ではないのか?」
「屈辱? なぜですか? 私は性処理をするのが役目です。屈辱どころかとても楽しくて気持ちいいですわ」
彼の言葉に驚いたように顔を上げるマゾモス。
「それならいい。これからも皆の性処理を行うのだ」
「もちろんです。たっぷりと抜いて差し上げますわぁ」
まるで笑みを浮かべたかのように喜んでいるのがわかる。
もはや彼女は心の底から性処理用女怪人マゾモスへと変化していたのだ。
「出すぞ。うっ・・・」
びゅくびゅくと白濁液が放出され、マゾモスの顔を白く染める。
「ひゃあん」
かけられたことに喜び、すぐに指でぬぐって口吻で吸い取っていくマゾモス。
ジュルジュルと精液を味わい、飲み干していく。
「美味しいです・・・ゼネラルヘル様のザーメン最高ですわ」
満足そうにマゾモスはそう言った。

「次は下の口にもゼネラルヘル様のザーメンを味わわせてください」
床に腰を下ろし、股間を広げてみせるマゾモス。
黄色い毛で覆われた股間にピンクの性器が顔を出す。
「まあ待て。その前にお前に仲間を紹介してやろう」
「仲間・・・ですか?」
「そうだ。お前と同じ性処理用の女怪人だ。元は我らに歯向かうサンダーナイトチームの司令官を務めていたようだがな」
ニヤリと笑うゼネラルヘル。
「そうなのですか? 偉大なるスカルダーに歯向かうなんておろかですわ。でも、仲間になってくれたのならうれしいです」
「ふふふふ・・・仲良くしてやるがいい。おい、連れて来い」
ゼネラルヘルが指を鳴らす。
すると、戦闘員に左右の腕を掴まれるようにして一人の女怪人が入ってきた。
丸い大きな複眼と額から伸びた触角。
左右に割れたあご。
背中からは薄い翅がのびており、躰は黒と黄色の細かな毛に覆われている。
どうやら彼女は蜂の女怪人らしい。

「こ、ここは・・・私はいったい?」
戦闘員たちが下がると、ゼネラルヘルとマゾモスの前に一人取り残されたような形になり、不安そうな感じをみせていた。
その様子に、マゾモスはスッと立ち上がるとゆっくりと彼女に近寄っていく。
「どうやらまだ脳改造が未熟なようね。怖がることはないわ。私たちは仲間。ともに偉大なるスカルダーの一員でしょ?」
そばに寄って耳元で囁くマゾモス。
その言葉に一瞬躰を硬くし、うつろになる蜂怪人。
「仲間? 私はスカルダーの一員? スカルダー・・・スカルダー・・・そうよ・・・私は偉大なるスカルダーの一員・・・スカルダーの一員なんだわ・・・」
じょじょに生気を取り戻していく蜂怪人。
「それでいいの。あなたも私も偉大なるスカルダーの一員。そしてともに性処理用の女怪人なの」
「性処理?」
「そう。仲間たちの性処理を行うのが私たちの使命。あなたもそう思うでしょ?」
「ああ・・・あああ・・・そうです・・・私は性処理用の女怪人。皆さんの性処理を行うのが私の使命・・・」
蜂怪人にも性処理のことが刷り込まれていく。
「うふふふ・・・あなたお名前は?」
「えっ? 名前? 名前・・・わかりません。私はなんという名前なんですか?」
困惑する蜂怪人を見て、マゾモスは振り返った。
「ゼネラルヘル様、彼女に名前を与えてあげてもよろしいですか?」
「かまわん。いい名前をつけてやれ」
「ありがとうございます。うふふふ・・・あなたは蜂の女怪人。今日からはマゾビーと名乗りなさい」
「マゾビー・・・私はマゾビー・・・はい、私はマゾビーです。性処理用の女怪人マゾビーですわ」
蜂怪人の中ですべてが書き換えられていく。
もはや彼女は正義を守るサンダーナイトチームの女司令官ではない。
浅ましく仲間たちのザーメンを求める性処理用女怪人マゾビーに生まれ変わったのだ。

「さあ、早速ゼネラルヘル様にご挨拶なさい」
マゾモスに促され、マゾビーはゼネラルヘルの元へと歩みを進める。
「ゼネラルヘル様、私は性処理用女怪人マゾビーです。どうかゼネラルヘル様のおチンポを味わわせてください」
そう言ってかがみこむマゾビー。
ゼネラルヘルの股間からむくむくとペニスがそそり立ち、マゾビーの目の前に突き出される。
「ああ・・・ありがとうございます。美味しそうなおチンポ・・・いただきます」
二つに割れたあごで起用にペニスをくわえ込むマゾビー。
その様子を見るマゾモスも、次第に股間から蜜が垂れてくる。
「ああ・・・ゼネラルヘル様・・・私、ほかの方の性処理をしてきてもよろしいですか?」
「ああ、いいだろう。楽しんでくるがいい」
「ありがとうございます。うふふふふ・・・たっぷり抜いて差し上げますわぁ・・・」
複眼を潤ませ、これからのことに思いを馳せるマゾモス。
足音も高くゼネラルヘルの元から戦闘員たちのところへと向かっていく。
彼女は今、とても幸せだった。

END
  1. 2015/02/16(月) 21:07:34|
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ヒツジ男のセーター作戦

今日は新年一発目の短編シチュのみSSを投下いたします。

タイトルは「ヒツジ男のセーター作戦」です。
ギャグ風味ですがお楽しみいただければと思います。

それではどうぞ。


ヒツジ男のセーター作戦

「う・・・」
俺はうっすらと目を開ける。
ここは・・・どこだ?
俺はいったいどうしたのだ?

俺は薄暗い中で室内を見回す。
ここがどこかはわからないが、どうも何か病室かなんかのような消毒液のにおいがする。
俺は病院にいるのか?
それにしては室内は薄暗く、チカチカと瞬いている機器類も病院のものというよりは何か実験室かなんかのような雰囲気だ。

俺は上にかけられていた布をめくって起き上がろうとした。
「?」
俺は何か違和感を感じる。
俺の躰って、こんな毛むくじゃらだったか?
俺の躰は白いもこもことでも言うような毛で覆われていたのだ。
その白い毛で覆われているのは股間から上の部分で、太ももから下は黒いウェットスーツとでも言うような感じで逆に一本も毛がない。
足先はなんかブーツでも履いているような感じだが、俺の足はこんな感じだったっけ?
何か違っているんじゃないか?
だが、何が違っているのかわからない。
もともとこういう躰だったといわれればそんな気もするし、違っているといわれればそうかもしれないと言う気もする。

とりあえず起き上がり、ベッドから立ち上がる。
寝ていたのはベッドと思っていたが、どうも円形の硬い台だったようで、クッションすら敷いておらずただ枕が置いてあるだけだ。
何で俺はこんなところに寝ていたんだ?
わからない。
とにかくわからないことだらけだ。

『目が覚めたようだな、ヒツジ男よ』
突然重々しい声が室内に響いてくる。
どうも天井のほうから聞こえたので、思わず俺は天井を見上げる。
すると、天井付近の壁に巨大な一つ目のレリーフがあり、その目の瞳が不気味に発光しているではないか。
「ヒツジ男?」
俺はそう呼びかけられたことに戸惑いを感じた。
俺はヒツジ男などという名前だったのか?
奇妙な名前だが、妙にしっくり来る感じもする。
うん・・・ヒツジ男と呼ばれるのは悪くない。

『そうだ。お前は我がサタンガーの改造人間ヒツジ男。今日からはサタンガーのために働くのだ』
一つ目からの声が響いてくる。
それは俺の中にまるで染み込んでくるような声だ。
聞いているだけで恐れを感じ、同時に偉大さも感じる声だ。
この声に従うことこそ正しいこと。
俺はすぐにそのことを理解した。
「ハハッ、かしこまりました。どうぞ何なりとご命令を」
俺はスッとひざまずく。
そうだ。
俺はヒツジ男。
偉大なるこの声の持ち主、サタンガーの首領様にお仕えする改造人間なのだ。
そのことが俺の脳に焼き付いてくる。
なんとすばらしいことだろう。

『ヒツジ男よ、お前は我がサタンガーの第一号怪人。サタンガーのこれからの発展はお前の力にかかっている』
「ハハッ」
なんと・・・
俺の働き次第でサタンガーが発展すると言うのか?
これほどやりがいがある任務はない。
『第一号怪人といえば、多くはクモが選ばれると言う。だが、今年は未年。新たな年に新たな怪人となればヒツジ男となるのは自明の理』
「仰せの通りでございます」
だから俺はヒツジ男なのだ。
新たな年にふさわしいではないか。

『ヒツジ男よ。早速お前には我がサタンガーの人員を確保する任務を与える』
「ハハッ」
『すでにお前自身でも感じているだろうが、お前には特別な能力を与えてある。その能力を使って人員を確保するのだ。よいな』
「ハハッ。お任せください、首領様」
俺は首領様に深々と頭を下げる。
首領様に命令したいただけるなど光栄のきわみ。
なんとしても任務を果たして喜んでいただかねば・・・
俺は早速任務を果たすためにアジトをあとにした。

                   ******

さて・・・
サタンガーの人員を増やすと言うことだが、首領様はそれ以上のことはおっしゃらなかった。
ということは、人選は俺に任されているということだろう。
ならば俺とてヒツジ男という名の通り男だ。
人員を増やすなら女性の方がいい。
目も喜ぶと言うものだ。
メェーー
俺は思わず声を上げる。
女性を仲間に引きずり込むとしよう。

夜の街に繰り出した俺は、闇の中から獲物を探す。
どうせなら美人がいい。
美人がサタンガーの仲間になるなら、任務もはかどると言うものだ。
さて・・・
どこかに美女はいないものか・・・

いた・・・
俺の目になかなかの美人が映る。
駅から出て自宅へ向かうところらしい。
タイトスカートから伸びる脚がすらりとしてとても綺麗だ。
俺はどうやら脚フェチの気があるらしいな。

俺はひそかに女の後をつける。
もちろんビルからビル、屋根から屋根へと移動するので、人間どもの目に触れることはほぼないだろう。
万一見られたとして、屋根の上をヒツジの怪人が駆けていたなどと他者に言おうものなら、おかしなやつだと思われるだけだ。
それに、見られたら始末すればいい。

女は20代後半ぐらいか・・・
住宅街の通りを歩いていく。
人通りもなくなり、おあつらえ向きだ。
俺は女のすぐ後ろに追いつくと、胸の部分から毛を引っ張った。
俺の毛は特殊繊維だ。
捩ればすぐに白い毛糸になる。
この毛糸こそ、俺の特殊能力なのだ。

俺は頭の後ろについている編み棒を取り外すと、猛烈な勢いで毛糸を編み始める。
毛糸はみるみるマフラーのようになり、俺はそれを投げつけた。
マフラー状の毛糸はすぐに女の頭に巻きつくと、声を上げられないように口をふさいでしまう。
これで助けを呼ばれることはなくなった。

俺は女のところへ行くと、女の服を無理やり脱がす。
「むーっ! むぐぅーー!!」
女は必死に叫び声をあげようとするが、マフラーが口をふさいでいるのでうめき声にしかならない。
俺は女を裸にすると、ドンと突き飛ばす。
思わず女は尻餅をついて地面に倒れこんだ。
綺麗な白い素肌が美しい。
俺は再び胸の毛を捩って毛糸にすると、編み棒で編み始める。
今度はセーターを編むのだ。
最近世間で流行ったあの胸開きセーターだ。
俺は目にも留まらぬスピードで編み棒を動かすと、見る見るうちに毛糸が彼女の躰に絡まってセーターになっていく。
「むぅ・・・む・・・ああ・・・」
女の声も次第に甘い声に変わっていく。
俺のセーターを着たものは俺の言いなりになるのだ。
これこそが俺の特殊能力だ。
俺は毛を使ってサタンガーの人員を確保するのが任務のヒツジ男なのだ。

女の上半身がじょじょにセーターに覆われていくと、下腹部にも変化が起こる。
裸だった躰に黒いレオタードのような服が形成されていくのだ。
つまり、黒のレオタードを着た女が、白い胸開き縦セーターを上から着ているというなんともエロティックな服装に変わっていくのだ。
なんとすばらしい。
俺はこの能力を与えてくれた首領様に感謝した。

やがて女はゆっくりと立ち上がる。
下半身はぴったりした黒いレオタードが覆い、上半身には今流行の胸開きハイネックの白い縦セーターを身に着けている。
開いた胸元からは形の良い胸が黒レオタードに覆われているのが覗いており、とても扇情的だ。
手には甲の部分に白いもこもこの毛が付いた手袋を嵌めており、脚にはすねあたりまでの長さのもこもこの白い毛のブーツを履いていた。
女は口元を覆っていたマフラー状のものをはずすと笑みを浮かべる。
その口元は濡れたように赤く、目の周りには黒いアイシャドウが引かれていた。
「ヤーッ! ヒツジ男様、何なりとご命令を」
先ほどまでの俺に対する恐怖は消え去り、俺に対する崇拝が浮かんでいる目。
右手を斜めに上げ、俺に対する忠誠を誓っている。
なんとすばらしいことだ。
これでこの女は俺のしもべ。
サタンガーの一員となったのだ。
「メェーーー! それでいい! お前は女戦闘員となったのだ。これからは俺に仕えサタンガーのために働くのだ」
「ヤーッ! かしこまりました。ヒツジ男様の命令に従います」
女戦闘員となった女が声高らかに宣言する。
なんともたまらないではないか。

                   ******

「ヤーッ! ヒツジ男様に忠誠を誓います」
「ヤーッ! 私はヒツジ男様の忠実なしもべです」
俺に手編みのセーターを着せられた女たちが次々と女戦闘員へと変わっていく。
黒レオタードの上に胸開き白セーターを着たエロティックな女たちだ。
目の周りには黒いアイシャドウが引かれ、唇は淫靡に真っ赤に塗られている。
手には甲の部分にもふもふの毛が付いた手袋を嵌め、足にも同じく毛の付いたもこもこのブーツを履いている。
全員が全く同じ衣装を着て、全員が一様に俺に忠誠を誓っているのだ。

「うふふふ・・・これであなた方も私と同じくヒツジ男様のしもべ。これからはヒツジ男様のために働くのよ」
俺の傍らで新たな仲間に声をかける女戦闘員。
一番最初に俺のしもべになったことで、先輩として指導にあたっているのだ。
どうやら本人は俺の秘書のようなつもりらしい。
まあ、結構有能なようなので、いろいろと雑務を任せている。

ともあれこれで女戦闘員も十人を超えた。
サタンガーの暗躍を始めるにはいい数だろう。
首領様からも新たな任務が課せられている。
サタンガーに歯向かう愚か者を始末するのだ。
ターゲットの中には女もおり、そのガードに付いていた女性SP二人を俺は先ほど女戦闘員に仕立て上げたのだ。
今まで自分を守ってくれた人間が自分を襲ってくる。
サタンガーに敵対する愚か者にはショックだろう。
俺は思わずほくそ笑む。

「お前たち、用意はいいな?」
「「「ヤーッ!」」」
右手を上げていっせいに応える女戦闘員たち。
「行け! メェーーーー!」
俺の命令で女戦闘員たちはターゲット目指して駆けて行く。
俺はその姿に深く満足するのだった。

END
  1. 2015/01/02(金) 20:09:13|
  2. 改造・機械化系SS
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ジャアクーの魔手

昨日お知らせしましたとおり、今日はシチュのみ短編SSを一本投下いたします。
楽しんでいただけましたら幸いです。


ジャアクーの魔手

「くっ、現れたわね、ジャアクーの戦闘員ども!」
仲間の捜索に出ていた私の前に、ばらばらと姿を現す全身黒づくめの連中。
頭のてっぺんから足のつま先までナイロンの黒い全身タイツに覆われたような姿をした、暗黒結社ジャアクーの戦闘員たちだ。
人間と同じような姿形をしているが、力は人間の数倍もあり、集団で襲い掛かってくるので厄介な連中でもある。

「「キキーッ、キキーッ!」」
奇声を発して私に向かってくる戦闘員たち。
私はすぐさまバイクを降り、右手のブレスレットをかざして“装着"を行なう。
光の粒子が私の躰を包み込み、全身にジュエルスーツを纏わせてくれて、私は宝玉戦隊ジュエルファイターの一人、ジュエルホワイトに“変身”した。

「ターッ!」
襲い掛かってくる戦闘員どもを、私はキックやパンチを繰り出して倒していく。
ジュエルスーツを装着しジュエルファイターとなった私には、戦闘員どももかなわない。
一人二人と倒されていくが、いかんせん数が多く、このままでは切りがない。
「ブルー、ブルー、聞こえる? こちらホワイト。今Gブロックでジャアクーの戦闘員どもと戦闘中。応援願います!」
私はヘルメットの通信装置で仲間のブルーを呼ぶ。
『こちらブルー。すまない、こちらもDブロックで戦闘員たちと戦闘中だ。今はそっちに行くのは無理だ』
だがヘルメットから流れてきたのは悲痛な声。
そんな・・・
二ブロックで戦闘員たちが出現するなんて・・・
今までにはなかったことだわ。
もう・・・
こんなときにレッドがいないなんて・・・
どこに行ったのよ、あいつは!

『気をつけるんだ! こっちにいるのは戦闘員ばかり。そっちにジャアクーの怪人がいるかもしれないぞ』
ブルーの指摘に私はハッとする。
そうだわ。
戦闘員たちが単独で行動するはずがない。
彼らを指揮する怪人が必ずいるはず。
この近くにいるかもしれないわ。
私は襲い掛かってくる戦闘員どもをなぎ倒しながら、周囲に警戒を行なう。
ジャアクー怪人は戦闘員などとは比べ物にならない力の持ち主だ。
その力は軍隊一個師団に匹敵するとさえ言う。
もちろん私たち宝玉戦隊はそのジャアクー怪人に対抗するために結成されたチーム。
三人集まればどんな怪人が出てきても負けはしないのだけど・・・

「あっ?」
突然私の躰に衝撃が走る。
一瞬何が起こったのかわからなくなるが、強力な攻撃を受けたのは間違いない。
「くっ、一体?」
私は思わずひざをつく。
ジュエルスーツ越しにこれほどの衝撃を受けるとは、どう考えてもジャアクー怪人の攻撃に違いない。
「シグシグシグー!」
奇妙な声が響いてくる。
その声のした方を向くと、そこには初めて見るジャアクー怪人が立っていた。

「シグシグシグー!」
そのジャアクー怪人は首から下を黒い全身タイツで覆い、身長ほどもある薙刀のような武器を構えていた。
頭の部分には横長の交差点で見かける信号機そのものが乗っかっており、赤青黄色の信号ランプが明滅している。
「出たわね、ジャアクー怪人!」
私はまだふらつくのをこらえて立ち上がり、ジャアクー怪人に向き直る。
「シグシグシグー! 俺様はシグナルジャアクー。俺様のシグナルビームの威力はどうだ?」
信号機を赤青黄色と点滅させているシグナルジャアクー。
ジャアクー怪人はいろいろな機器が人間の頭の部分に納まったような姿をしているのが一般的であり、まさにこのシグナルジャアクーはジャアクー怪人の典型的な姿といってよい。

「たいしたことないわね。私たちジュエルファイターを舐めないでちょうだい」
私は精一杯の強がりを言うが、正直先ほどの衝撃はもう一度食らいたいとは思わない。
何とか早くブルーと合流し、チームでこいつに立ち向かわねば。
「シグシグシグー! それはそうだろう、手加減してやったからな」
「手加減ですって?」
「シグシグシグー! そうだ。お前を殺す気はないからな。おとなしく俺様に捕まるがいい」
薙刀の柄をドンと地面に突いて威圧してくるシグナルジャアクー。
「捕まる? まさかレッドもお前が?」
三日前から連絡が取れなくなったジュエルレッド。
私は彼の捜索のために今日はこの地区を見回っていたのだ。
「シグシグシグー! ジュエルレッドなどもういない」
「な? どういうこと?」
「すぐにわかる。シグシグシグー! シグナルビーム!」
「あっ!」
シグナルジャアクーの信号機から三色のビームが発せられる。
しまった!
会話に気を取られてしまっていたわ。
回避する間もなくビームの直撃が私を襲う。
ジュエルスーツが衝撃のかなりの部分を吸収してくれたものの、私は吹き飛ばされてしまう。
「う・・・ぐっ・・・」
全身が麻痺したように動かない。
「シグシグシグー! 安心しろ。お前を殺す気は無いと言っただろう。おとなしく眠っていろ」
ゆっくりと近づいてくるシグナルジャアクー。
「ガッ!」
ヘルメットに薙刀の柄で一撃を食らった私は、その場で意識を失った・・・

                   ******

「う・・・」
じょじょに意識が戻ってくる。
「あ・・・さ・・・?」
一瞬自室のベッドの上で朝を迎えたのかと思ったが、すぐに記憶がよみがえる。
そうだわ・・・
あのシグナルジャアクーとかいうジャアクー怪人に気を失わさせられたんだった・・・
私は起き上がろうと躰を起こそうとした。
「えっ?」
起き上がれない。
見ると、両手首と両足首ががっちりと金属で固定されているのだ。
さらに驚いたことに、私の躰の首から下が、臙脂(えんじ)色の全身タイツを着たようにナイロンのようなもので覆われている。
いつの間にこんなものを着せられたのだろう?
全く着ている感じがしないほど私の躰に密着しているわ。
「これは・・・一体?」

「シグシグシグー! 気がついたようだな」
いきなり声がして、ヌッと現れるシグナルジャアクー。
私が起きるのを待っていたというのだろうか?
よく見ればここはどこかの室内。
周囲にはよくわからない機材が並び、その中央に私が寝かされている台がある感じだ。
どうやら私は捕獲されてしまったと言うことらしい。

「どうやら私は捕らえられてしまったみたいね。私を捕らえることができて満足かしら?」
私はシグナルジャアクーをにらみつける。
「シグシグシグー! ああ、満足だとも。俺様の目的はお前をこうして捕まえることだったのだからな」
ゆっくりと私に近づいてくるシグナルジャアクー。
見れば見るほどあの信号機が丸ごと人間の頭の部分に乗っかっているだけの姿だ。
「私を捕まえるのが目的?」
「シグシグシグー! そうだ。お前を捕まえるのが目的だ」
「ひゃっ!」
私は思わず声を上げる。
シグナルジャアクーの手が、私の太ももに触れたのだ。
「シグシグシグー! いい手触りだ」
シグナルジャアクーの青信号が激しく点滅している。
「わ、私をどうするつもり? ジュエルレッドもお前たちの手に落ちたというの?」
「シグシグシグー! ジュエルレッド? 違うな。ジュエルレッドなどもういない」
「まさか・・・お前たちに殺されたとでも?」
私は最悪の結果を覚悟する。
こいつのシグナルビームは強力だ。
ジュエルスーツを着ていても相当なダメージを受けてしまう。
そこを攻撃されれば、単独では勝ち目が・・・ない・・・

「シグシグシグー! ジュエルレッドは死んではいない。だが、もういない」
「ど、どういうこと?」
死んではいないがもういない?
意味がわからないわ。
「シグシグシグー! ジュエルレッドはお前の目の前にいるではないか。紫藤恵美香(しどう えみか)」
「!」
私は息を飲んだ。
どうしてこいつは私の名前を知っているの?
ジュエルレッドは目の前?
まさか?
まさか・・・
「まさか・・・あなたがジュエルレッドだとでも言うつもり?」
「シグシグシグー! その通りだ。以前の俺様はジュエルレッド池森竜也(いけもり りゅうや)などというくだらない人間だった。だが、偉大なる暗黒結社ジャアクーのおかげでこうしてシグナルジャアクーとして生まれ変わることができたのだ! シグシグシグー!」
シグナルジャアクーの信号機が激しく瞬く。
「そんなバカな・・・ジュエルレッドがジャアクー怪人に変えられてしまったと言うの?」
私は愕然とする。
人間をジャアクー怪人にしてしまうなんて・・・
「シグシグシグー! いいや、変えられてしまったのではない」
「えっ?」
「俺様は自ら望んで変えていただいたのだ。このすばらしい肉体、偉大なる暗黒結社ジャアクーの強力なる怪人に自らな。シグシグシグー!」
「自ら? どうして? そんなことって・・・」
私はもう何がなんだかわからない。
助けて・・・
ブルー・・・
拓斗(たくと)・・・
助けて・・・

「シグシグシグー! どうしてだと? 決まっているではないか。お前を俺様の物にするためだ!」
「えっ? ど、どういうこと?」
「シグシグシグー! お前があの青倉拓斗(あおくら たくと)を愛したりなどするからだ。なぜあんな男を選んだ! あの男のどこがいいのだ! なぜ俺様ではダメだったのだ!」
シグナルジャアクーの赤信号が点きっ放しになっている。
そんなことを言われても・・・
私自身気がつけば拓斗のことが好きになっていたのだ。
それでもチームでいるときには態度に出さないように気をつけていたつもりだったのに・・・
「シグシグシグー! 俺様は許せなかったのだ。お前があの男のものになるなど許せなかったのだ。そんな俺様に偉大なるジャアクーは声をかけてくれたのだ」
「ジャアクーが?」
「そうだ。ジャアクーにくれば、お前を我が物にすることができるとな。俺様はその言葉に従った。そして、ようやくお前を俺様の物にすることができるのだ。シグシグシグー!」
「あなたの物に? ふざけないで! 勝手なことを言わないで! 竜也は以前からそうだったわ。自分勝手に独り決めして私や拓斗が反対したら機嫌を損ねて! そんなところが好きになれなかったのよ!」
私はそう言い放つ。
私が誰を好きになろうと私の問題よ。
今わかったわ。
私が竜也を好きになれなかった理由がね。

「シグシグシグー! だまれ! もはやお前の気持ちなどどうでもいいのだ」
「どうでもいい?」
「そうだ! お前はこれから俺様と同じく偉大なるジャアクーの女怪人に生まれ変わる。そうすれば、お前は下等な人間どものことなどどうでもよくなり、同じジャアクー怪人の俺様を好ましく思うようになるのだ。シグシグシグー!」
今度は青信号が点きっ放しになるシグナルジャアクー。
「わ、私をジャアクー怪人にするですって?」
私は愕然とした。
ジャアクー怪人になどされてたまるものですか!
「シグシグシグー! すでにお前の躰は肉体強化を受け、こうして強靭な肉体へと変っている。あとは頭部に仮面を嵌めるだけだ。おい!」
「キキーッ!」
いつの間にかシグナルジャアクーの背後に控えていた戦闘員が、大きなカメラを持っている。
下の部分に穴が開いていて、まるで人間の頭がすっぽり入るほどの・・・
「まさか・・・それを・・・」
私の頭にかぶせると言うの?
「いやっ! いやぁっ!」
私は必死に身を捩って拘束から逃れようとする。
だが、手足を固定する金具からどうしても逃れることができない。
「シグシグシグー! 心配はいらん。すぐに偉大なるジャアクーの一員となれたことに感謝するようになる。お前もジャアクー怪人となるのだ」
「いやぁっ! ジャアクー怪人になるのなんていやぁっ!」
必死にもがく私の頭を戦闘員が押さえつけ、その間にもう一人の戦闘員が、巨大なカメラを私の頭にかぶせてくる。
「いやぁっ! やめてぇっ!」
私の願いもむなしく、私の頭には巨大なカメラがかぶせられた。

「あ・・・あああ・・・あああああ・・・」
視界がさえぎられ、がっちりと頭に食い込んでくる巨大なカメラ。
全身にしびれるような感覚が走り、頭の中に何かが流れ込んでくる。
それは闇。
混沌としたどす黒い闇が私の頭に流れ込んでくるのだ。
いやだいやだいやだ・・・
助けて!
拓斗!
お願い!
助けて!
頭の中で闇がかき混ぜられていく。
世界が闇一色に塗りつぶされていく。
怖い怖い怖い・・・
闇が・・・
闇が広がっていく・・・
どうして?
どうして拓斗は助けに来てくれないの?
私がこんなに苦しんでいるのに助けてくれないの?
拓斗・・・
そう・・・
そうなんだ・・・
拓斗は私なんかどうでもいいのね・・・
私が苦しんでいてもいいのね・・・
そうよね・・・
拓斗は人間だもん・・・
ちっぽけでつまらなくて下等で生きている価値のない人間たちの一人だものね・・・
あは・・・
あははは・・・
どうしてあんな男が好きだったのかしら・・・
あんなのただの人間じゃない・・・
私が好きになるような価値があるとでも言うの?
下等な人間風情のくせに・・・
許せない・・・
許せないわ・・・
下等な人間どもめ。
そうよ・・・
下等な人間どもは私たちの足元にも及ばない連中。
偉大なるジャアクーのすばらしさを理解しようともしない。
それどころか、ジャアクーに歯向かってくる者さえいるのだ。
おろかな身の程知らずの連中。
八つ裂きに引き裂いても足りないぐらいよね。
うふふふふ・・・
なんだかいい気持ちになってきちゃったわ。
さっきまで苦しんでいたのがバカみたい。
私は何を苦しんでいたのかしら・・・
私は偉大なるジャアクーに選ばれた存在だと言うのに・・・
何を苦しむことがあると言うの?
むしろ喜ばしく誇らしいことじゃない。
そうよ・・・
アタシは偉大なるジャアクーの一員。
ジャアクーにすべてをささげて忠誠を誓わなくちゃ・・・
偉大なるジャアクーに・・・

アタシはゆっくりと目を開ける。
レンズのカバーが開き、ズーム部分がウィーンと音を立てて伸びて焦点が合ってくる。
今までよく見えなかったこの部屋の天井がくっきりと見えるわ。
うふふふ・・・
なんだかとっても力がみなぎってくるみたい。
私は両腕に力を入れてみる。
ガシッと音がして、今までびくともしなかった金属の枷が壊れていく。
うふふふふ・・・
こんな枷でアタシを捕らえておくなんてできるわけないわ。
アタシはジャアクーの女怪人。
下等な人間どもとは違うのよ。

アタシは両脚の枷もぶち壊し、ゆっくりと起き上がる。
ああ・・・なんていい気分なのかしら。
こんないい気分は生まれて初めてだわ。
「デジデジデジー!」
アタシは産声を上げるかのように大声で鳴く。
うふふふふ・・・
最高の気分よぉ。

「シグシグシグー! どうやら仮面が定着し、改造が終わったようだな。ジャアクー怪人になった気分はどうだ?」
アタシのそばで見守ってくれていたシグナルジャアクーが声をかけてくれる。
「デジデジデジー! そんなの決まっているじゃない。最高の気分だわ。こんなにいい気分なのは初めてよ。デジデジデジー!」
アタシは思いっきり声を上げる。
そのたびに全身が興奮し、偉大なるジャアクーの一員となった喜びが駆け巡る。
「アタシは偉大なる暗黒結社ジャアクーの女怪人デジカメジャアクー。ジャアクーに永遠の忠誠を誓いますわ。デジデジデジー!」
アタシは右手を胸に当て、偉大なるジャアクーに忠誠を誓う。
今までのアタシはなんと愚かだったのだろう。
これからはジャアクーのためなら何でもするわ。
偉大なるジャアクーに栄光あれ!

                    ******

「あはぁん・・・はぁん・・・あん・・・あん・・・いい・・・いいわぁ・・・」
アタシは胸を揉みしだきながら腰を振る。
シグナルジャアクーの太いペニスが奥で暴れてとても気持ちがいいわぁ。
これが・・・これがジャアクー怪人同士のセックスなのよね。
人間だったときには味わえない最高のセックスだわぁ。
「シグシグシグー! たまらんぜぇ。こうしてお前を抱けるんだからな。ジャアクー怪人は最高だ!」
「デジデジデジー! 全くだわぁ。アタシもこうしてあなたとセックスできるのは最高よ、シグナルジャアクー」
「本当か? そんなこと言って、今でもあのジュエルブルーとのセックスを思い出しているんじゃないのか? シグシグシグー!」
アタシの下で突き上げてくるシグナルジャアクー。
もう・・・そんな意地悪を言うなんて・・・
「デジデジデジー! 冗談はよしてよ! あんなくだらない人間のことなんかもう思い出したくもないわ。あなただって見たでしょ? アタシが奴の首をねじ切ってやったのを」
そう、ジュエルブルーなどもういない。
アタシのデジカメフラッシュとシグナルジャアクーのシグナルビームを食らえばジュエルブルーだってひとたまりもなかった。
ジュエルスーツをぼろぼろにして動けなくなった奴に、アタシは以前のアタシがジュエルホワイトだと告げてやった。
そして絶望に打ちひしがれた奴の首をこの手でねじ切ってやったのよ。
ぶちぶちと筋肉が切れていく感触は今思い出してもたまらない。
人間を殺すのは最高の楽しみだわぁ。
あん・・・
思い出したら興奮してきちゃった。
「シグシグシグー! おおっ、締りがよくなったぜ。たまらんな」
「デジデジデジー! アタシの中は最高でしょ? たっぷり搾り取ってあげるからね」
アタシは赤青黄の信号を明滅させるシグナルジャアクーの顔をカメラで写し取る。
アタシの脳裏に最高のパートナーとして刻み込まれたわ。
アタシたちは偉大なるジャアクーのジャアクー怪人。
こうしてセックスを楽しみ、人間どもをぶち殺すの。
ああん・・・最高の幸せだわぁ。
イく・・・イくぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・
アタシは全身を震わせて、絶頂に達するのだった。

END
  1. 2014/10/27(月) 20:08:34|
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午年の初夢

今日は新年一発目の超短編SSを投下します。

タイトルは「午年の初夢」
シチュのみ短編ですが、お楽しみいただければと思います。

長めのSSはまた後日。


午年の初夢

「えっ? あれ?」
目が覚めたら馬になっていた。
いや、馬と人間の合いの子というべきだろうか?
足はひづめのようになり、太ももは太くたくましく、躰は茶色の短い毛が覆い、背中には鬣(たてがみ)が生えて、鼻面は伸びていた。
鏡を見たわけではないのにこれは馬だとわかっていた。
俺は馬人間になったんだ。

『目が覚めたようだな』
頭の上で声がする。
偉大なる首領様の声だ。
俺を馬人間に改造してくださった偉大なる首領様。
たった今お声を聞いただけなのに、俺はこの方に全身全霊で従わなきゃと思った。

『起きるのだ、馬男(うまおとこ)よ』
「はい、首領様」
俺はすぐに起き上がる。
馬男。
それが俺の名前だ。
首領様に名前を呼んでもらえたのだ。
なんてうれしいことだろう。
俺はもう首領様のためなら何でもするぞ。

                    ******

夜道を歩いている若い女。
仕事を終えて自宅へ帰るところだろう。
そういえば、俺も以前はそんな行動をしていたような気がする。
まあ、そんなことはどうでもいい。
あの女はなかなかいい女のようだ。
俺の配下にするにはちょうどいいだろう。

俺は女が人気のない道に入ったところで姿を現す。
「ひっ? だ、誰?」
突然俺が現れたことで女が息を飲む。
「ヒヒーン! 俺は馬男だ。女、一緒に来てもらうぞ」
「ひぃぃぃぃっ! ば、化け物ぉ!」
悲鳴をあげる女に俺は息を吹きかける。
「あ・・・」
ククク・・・俺の吐く息は催眠ガスになっている。
嗅げば意識を失ってしまうのだ。
俺は付き従っている全身黒尽くめの戦闘員たちに命じると、意識を失った女をアジトに運ばせた。

                   ******

「放して! 私たちをどうするつもりなの? 放して!」
「お願いです。家に帰してください。お願いですから」
「いやぁ・・・助けてぇ・・・誰か助けてぇ」
手術台の上に寝かされている五人の女たち。
いずれも若くなかなかの美人たちだ。
この女たちが俺のしもべになるというのは興奮を隠し切れないな。

「いやぁっ! いやぁっ!」
「やめて! やめてぇ!」
俺の見ている前で裸の女たちに色とりどりの光が浴びせられていく。
女たちの躰を強化し、俺のしもべにふさわしい躰に改造するのだ。
グフフフフ・・・

「ああ・・・あああ・・・」
「あうう・・・ああ・・・」
苦悶の表情を浮かべる女たち。
だが、その表情がじょじょに穏やかなものになっていき、今度は目つきがきりっと引き締まってくる。
「うう・・・ううう・・・」
「しもべ・・・私は・・・しもべ・・・」
どうやら女たちの脳に刷り込みが行なわれているらしいな。

やがて固定具がはずされ、ゆっくりと立ち上がる女たち。
その顔には邪悪な笑みが浮かんでいる。
「うふふ・・・」
「うふふふ・・・」
彼女たちは用意された漆黒のレザーの衣装をまとっていく。
彼女たちの躰にぴったりしたレザーのボンデージスーツだ。
そしてひづめのような厚底のピンヒールブーツを履き、両手にレザーの手袋をはめていく。
頭には馬の耳を模した目の部分までを覆うレザーマスクをかぶり、尻尾のついたベルトを締める。

カツッとブーツの音が響く。
一列に並んだ女たちがいっせいに右手を上げる。
「「「ヒヒーン!」」」
誇らしげに胸を張り、俺の前でいななく女たち。
俺のかわいいポニーガールたちだ。
「ヒヒーン! お前たちは今日から俺のしもべとなったのだ」
「「「ヒヒーン! はい、私たちはポニーガール。馬男様の忠実なしもべです。どうぞ何なりとご命令を」」」
マスクに覆われた顔で唯一覗いている口元に邪悪な笑みを浮かべているポニーガールたち。
これからは俺の手足となって働いてくれるだろう。

「よし、ついてくるのだ」
「「「ヒヒーン!!」」」
カツカツと足音を響かせて俺のあとについてくるポニーガールたち。
俺はそのことに満足しながら首領様の命令を果たすために出発するのだった。

END
  1. 2014/01/02(木) 21:32:48|
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シーウーマン(2)

「シーウーマン」の二回目です。
お楽しみいただければ幸いです。

それではどうぞ。



腰の部分が持ち上げられ、太ももから下腹部へと全身タイツが引き上げられる。
私からみても形よい秋穂の両胸が、ぴったりした全身タイツに覆われていく。
両手が袖に通され、水かきのついた手袋部分に指が通される。
全身タイツが首まで引き上げられ、首から下がすべてぴったりした全身タイツに覆われる。
その間、秋穂はほとんど抵抗なく、シーウーマンたちに着せられるままになっていた。

『ふふふふふ・・・あとはこれをかぶるだけ。いいわね?』
シーウーマンの問いかけにこくんとうなずく秋穂。
どうして?
秋穂はどうしてしまったの?

首元に余っていた布を引き上げて、秋穂の頭からすっぽりとかぶせていく。
鼻も口もなく、目の部分だけが釣りあがったような黒い楕円になっていて、そこから外を見るようになっているらしい。
秋穂の顔がすっぽりと覆われると、少し躰を横にして、背中のファスナーの様なものを留めていく。
首から腰のところにかけて背びれのようなものがあり、それがピンと立ち上がる。
すべてが終わった秋穂は、もうどこから見ても他の三人と同じシーウーマンだった。

『終わったわ。これであなたもシーウーマンの仲間』
『えっ?』
上半身を起こして自分の躰を見る秋穂。
両手を目の前にして小さく震えている。

「秋穂!」
『えっ? あっ! いやっ!』
私が声をかけたら、秋穂は両手で顔を覆い身を捩って背を向ける。
「秋穂!」
『見ないで・・・見ないで美奈・・・私を見ないで・・・』
秋穂はスーツを着せられたことでたぶんショックを受けたんだわ。
だとしたらまだ間に合うはず。
「秋穂! すぐにその全身タイツを脱いで! 早く!」
タイツを脱げば・・・
あの全身タイツを脱げばシーウーマンにならずにすむのでは・・・

『だめ・・・だめよ・・・』
「えっ?」
私は耳を疑った。
秋穂は何を言っているの?
『だめなの・・・私にはわかる・・・もう私はこれを脱ぐことはできないの。脱ぐと私はもう生きていられなくなってしまう・・・』
悲しげに私のほうを向く秋穂。
白い頭部の楕円形の黒い目が私のほうをじっと見ている。
「秋穂・・・」
『ごめんね美奈。私はもう・・・』
「秋穂・・・」

『うふふふ・・・悲しむことはないわ。あなたは主様に選ばれたの。主様にお仕えするシーウーマンになるのよ。さあ、主様のお言葉をお聞きなさい』
突然秋穂の上から再び光が当てられる。
今度は先ほどのとは違って緑色の光だ。
『きゃぁぁぁぁぁっ』
秋穂が頭を抱えてうずくまる。
「秋穂!」
私は思わず声をかけた。

『ああっ・・・あああっ』
頭を押さえて苦しんでいる秋穂。
白いマスクに覆われた頭部を水かきのついた両手で抱えている。
「秋穂! 秋穂!」
『うふふふふ・・・苦しいのは少しの間だけ。主様の声をお聞きなさい。すぐに苦しくなくなるわ』
『ああ・・・あああ・・・はい・・・私は・・・私は・・・シーウーマン・・・』
「秋穂?」
私は秋穂の口から漏れた言葉に驚いた。

『私は・・・シーウーマン・・・主様に・・・お仕えする女・・・私は・・・シーウーマン』
秋穂がだんだんとしっかりとした口調でそういい始める。
「秋穂! 気をしっかり持って! 負けちゃだめ! 秋穂!」
私は何とか秋穂に正気を保ってもらおうと必死に叫ぶ。
でも、秋穂はやがてゆっくりと立ち上がり、両手も下ろして緑の光を全身に浴び始めた。
「秋穂・・・」
『なんてすばらしいの? 主様のお言葉は最高。私はシーウーマン。主様にお仕えするのが私の喜び』
「秋穂・・・」
秋穂のその言葉を聞いたとき、私はただ絶望に打ちひしがれるだけだった。

『うふふふふ・・・』
緑色の光が消え、シーウーマンの全身タイツをまとった秋穂がゆっくりと他の三人に近寄っていく。
『私はシーウーマン。主様に忠実にお仕えする女』
『新しい仲間を歓迎するわ。よろしくね』
秋穂の挨拶を受け入れる三人。
全員が同じ格好で、気を抜くと誰が秋穂なのかわからなくなってしまいそう。

『さあ、もう一人も。今度はあなたが彼女を仲間に迎えなさい』
『はい、わかりました』
四人のシーウーマンたちがいっせいに私を向く。
胸から上がV型に白く切り替わっている水色の全身タイツを着て、目のところだけが黒い楕円のようになったマスクをかぶった女たち。
スタイルもよく、女性の私が見ても美しいラインを惜しげもなくさらしている女たち。
まるでシンクロナイズドスイミングでも見ているかのように、手足の動きも統一された女たち。
秋穂はもう彼女たちの仲間になってしまったというの?

背筋や両手両脚をピンと伸ばして私のほうにやってくるシーウーマン。
たぶん秋穂に間違いない。
「秋穂・・・」
『うふふふふ・・・私はシーウーマン。偉大なる主様にお仕えする女よ』
私の入っている円筒の前まで来た彼女は、マスクの下からのくぐもった声でそういった。
「秋穂・・・本当にあなたはシーウーマンになってしまったの?」
『うふふふふ・・・私はシーウーマン。今ならわかるわ。偉大なる主様にお仕えすることこそ私の最高の喜びなの。主様のためなら何でもできるわ。あなたを殺せと命令されれば喜んで殺すわ』
「ええっ?」
『安心して。あなたは殺さない。それどころか偉大なる主様にお仕えするシーウーマンにしてあげる。光栄に思いなさい』
「そんな・・・やめて! 秋穂!」
『私はもう秋穂などという下等な存在じゃないわ。私はシーウーマン。さあ、はじめましょう』
私の言葉に耳も貸さず、後ろの仲間のほうに振り向いてうなずく秋穂。
その途端、私は躰に激痛が走るのを感じた。

あの光だ。
あの虹色の光が私の躰に当てられているんだ。
でも、それがわかったところでどうしようもない。
私は全身を覆う耐え難い痛みに身を縮めて耐えるしかない。
この光を浴び続ければどうなるかわかっているのに・・・
私にはどうすることもできない。

躰が乾いていく。
のどが渇くわけではないけど、躰が乾いていくのがわかる。
両手で抱きかかえているようにしているので、その指先が感じる皮膚の感じが変わっているのだ。
痛い痛い痛い・・・
やめて!
もうやめて!
お願いだからやめて!
私は何度も悲鳴をあげる。
そのたびに口の中まで乾いていく。
誰か・・・助けて・・・

意識が半分遠くなったころ、唐突に痛みが遠のいた。
なぜ?
私は薄れる意識の中で考える。
周りにあった透明の壁が取り除かれ、その代わりにあの水色の女たちが集まっている。
「ひやっ?」
突然躰にドロッとしたものがかけられる。
「な、何これ?」
私は驚いたが、すぐにその液体を体中に塗りつけられはじめる。
「あっ、いやっ」
それが秋穂をシーウーマン化させたものだと思い出し、私はとっさに身を捩る。
だが、ぬらぬらしたジェルがすごく気持ちいい。
「嘘・・・」
躰中をマッサージしてもらっているような心地よさ。
「うふふふふ・・・気持ちいいでしょ?」
カプセル越しではなく直接声が聞こえてくる。
シーウーマンたちの手が私の躰を撫で回している。
すごく気持ちがいい・・・
私はいつしか床に寝転がり、彼女たちの愛撫に身を任せていた。

「さあ、次はこれよ」
シーウーマンが両手に白と水色の布をぶら下げている。
違うわ。
あれはシーウーマンのスーツ。
全身を覆うぴったりした全身タイツだわ。

あれを着せられてはいけない。
そう思いつつも、全身をマッサージされている私の躰はいうことを聞かない。
まるで何かの魔法にでもかけられてしまったかのようで、ただ気持ちよさだけが全身を駆け巡っている。
そのうち右脚が持ち上げられ、シーウーマンの全身タイツの背中に開いたところから通される。
つま先が先端まで届き、ふくらはぎのあたりまでがこの全身タイツに包まれたとき、私の躰にまるで電気が走ったかのような快感が貫いた。

えええ?
何これ?
私の躰に何が起こったの?
全身タイツがこんなに気持ちいいものだったなんて・・・
じょじょに右脚が太ももまで包まれ、次に左脚が包まれていく。
つま先はもう以前から足ひれであったかのよう。
ナイロンのようなすべすべしてやわらかい感触なのに、両脚をぴったりと包み込んで適度に締め付けてくれる。
塗られたジェルとナイロンが密着し、まるで皮膚と一体化したかのよう。
すごく気持ちいいよぉ・・・

シーウーマンたちは私の腰を持ち上げて全身タイツを腰まで引き上げると、私の両手を袖に通していく。
着せられたらいけないとは思うものの、抵抗する気持ちなんて起きない。
なんて言葉にしたらいいのだろう。
この全身タイツは最高に気持ちいい。
肌に密着するのがすごくいい。

両手から肩まですっぽり覆われると、いよいよ頭にマスクがかぶせられていく。
一瞬視界がさえぎられたけど、すぐにパンスト状の細かいナイロンメッシュ部分が目のところに来て外が見えるようになった。
これがあの黒い楕円形の目の部分なんだわ。
見えづらいかと思ったけど、そんなに見づらくはない。
むしろ、目が保護されているようでなんだかうれしくなってしまう。
本当にこの全身タイツはすばらしいわ。

頭まで全身タイツに覆われた私は、少し横にされて背中のファスナーを留めてもらう。
きゅっと躰が引き締められるような感じがして、全身に密着するのがよくわかる。
着ている感じがするのに、着ている気がしない。
なんだか肌そのものが変化したみたいだわ。

「うふふふふ・・・これであなたもシーウーマン。さあ、偉大なる主様のお言葉を聞きなさい」
私はハッとした。
いけない、言葉を聞いてはいけない。
そう思った私は耳をふさごうと両手を耳に当てる。
両手の指の間についた水かきが広がって耳のところを覆ってくれる。
主の声なんか聞くものか!

突然視界が緑色に染められる。
「きゃぁっ」
私の全身を主とやらの声が駆け巡る。
耳をふさいでいても全くの無意味。
主の声は私の全身から聞こえてくるのだ。
その声は低く重厚で、私の全身を響かせる。
聞いているだけですごく引き込まれるような声。
なんて言っているのかしら・・・
もっと・・・
もっと声をよく聞きたい・・・

だんだん声が何を言っているのかわかってくる。
お前はシーウーマン、わが命に従えと言っている。
私はシーウーマン。
主様の命に従います。
私はシーウーマン。
偉大なる主様に従うのが私の使命。
主様のためなら何でもする女。
主様・・・主様・・・主様・・・

緑色の光が消える。
私はゆっくりと立ち上がった。
私の全身を覆うすばらしい全身タイツ。
シーウーマンであることの喜び。
もう苦しくなどない。
さっきまで何を苦しんでいたのだろう。
私はシーウーマン。
主様に忠実にお仕えする女。
主様のためなら何でもできるわ。

「うふふふふ・・・おめでとう。これであなたもシーウーマン。歓迎するわ」
四人のシーウーマンたちが私を見つめている。
偉大なる主様にお仕えする仲間たち。
私と同じシーウーマン。
「私はシーウーマン。偉大なる主様に忠実にお仕えする女」
私は自分が何者となったかを宣言する。
私はシーウーマン。
主様、どうぞ何なりとご命令を・・・

                   ******

『きゃぁーっ! いやぁっ! やめてぇ!』
『お願い! 助けてぇ!』
透明のカプセルに入れられて悲鳴を上げる地上の女たち。
愚かな地上人たちは偉大な主様にお仕えする喜びをまだ知らない。
私たちシーウーマンの仲間となる喜びをまだ知らない。
私はシーウーマンスーツの目の部分越しに女たちを見つめ、主様の偉大さを理解してないことを哀れんだ。

「これからあなたたちは偉大なる主様にお仕えするシーウーマンになるの。私たちの仲間となり、一緒に主様にお仕えするのよ。まずはあなたからね」
私はそういうと、機械を操作する仲間に向かってうなずく。
するとカプセルの片方から肉体変異放射線が放射され、中の女の躰を深海に適した躰に変えていく。

『ああ・・・痛い・・・痛いよぉ』
悲鳴を上げて苦しんでいるが、これはシーウーマンになるためには必要なこと。
苦しみを乗り越えればすばらしい世界が待っている。
私は彼女に着せるシーウーマンスーツを用意し、肌を潤すための潤滑剤を手に取る。
彼女の肌にこの潤滑剤を塗ってあげるのだ。
そうすれば彼女はとても気持ちがいいだろう。
そしてシーウーマンスーツを着せて偉大なる主様の声を聞かせてあげる。
そうすればこの女は偉大なる主様のために働くシーウーマンとして生まれ変わる。
偉大な主様にお仕えする私たちの仲間として生まれ変わるのだ。
シーウーマンの世界にようこそ・・・

END
  1. 2013/07/10(水) 20:59:21|
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シーウーマン(1)

予告いたしましたとおり、今日明日で短編を一本投下いたします。
タイトルは「シーウーマン」です。

以前「どーしておにゃのこじゃないんだ!!」こちらの記事でも書きましたが、「海底大戦争」という映画に出てくる半魚人改造が女性でなかったということが残念で、半魚人に改造されるおにゃのこを書きたいと思ったのがきっかけでした。

そしてリクエスト等もあり書きはじめたのですが、いつしかまったく違うものになってしまいました。(^_^;)ゝ

お目汚しとは思いますが、よろしければご覧になってくださいませ。

それではどうぞ。



「シーウーマン」

「お姉ちゃん・・・」
私は目の前に広がる海に向かってそうつぶやく。
一年前にこの海に引きずりこまれ、連れ去られてしまったお姉ちゃん。
私だけが助かり、お姉ちゃんは謎の女たちに連れて行かれてしまった。

「お姉ちゃん・・・」
私は必死にそのことを訴えたが、警察も消防も泳いでいて海に飲み込まれたのだろうとしか受け止めてくれなかった。
私が何度水色の奇妙な格好の女たちに連れ去られたと言っても、溺れたことによる意識の混濁が見せた幻としか受け取ってもらえなかったのだ。

「美奈(みな)・・・お姉さんがいなくなったのって、ここなの?」
私の隣にやってくる秋穂(あきほ)。
私の親友と言ってもいい存在で、大学の同級生だ。
「うん。付き合ってもらってごめんね。なんだか一人では来る気がしなかったの・・・」
岩場に打ち寄せる波の音。
夏の終わりのぎらぎらとした太陽が照り付けている中で、その音がなんだか薄ら寒く聞こえてくる。

「お姉さん・・・連れ去られたって言ってたっけ?」
「うん・・・でも・・・誰も信じてくれなかった・・・」
私は岩場に下りる階段から浜辺へと降りていく。
その後ろを秋穂が付いてきてくれる。
「私は信じるよ」
秋穂の力強い声。
その一言がどれほど私を勇気付けてくれることか。
でも・・・
信じられないのも無理はない。
私自身、あのことが本当に起こった事だったのか、今となっては自信がないくらいなのだから・・・

「風が気持ちいい・・・」
海から吹いてくる風が冷んやりとして心地いい。
こうして波の音を聞いていると、あのことが本当に夢だったかのように思えてくる。
「お姉ちゃん・・・」
私は目を閉じ、優しかった姉のことを思い出す。
どこかできっと生きていることを信じて。

「きゃあーー!」
突然秋穂の悲鳴が響く。
「えっ? 何? どうしたの?」
私は秋穂のほうを振り向き、そして息を呑む。
そこには秋穂を押さえつけるあの水色の女性たちがいたのだ。
全身が躰にぴったりしたナイロンのタイツを着たような格好。
頭まですっぽりと覆われ、鼻や口はなく目の部分は黒く目じりが釣りあがったような楕円形をしている。
躰は柔らかな女性そのもののラインをしており、腰の括れや胸のふくらみなどとても女性らしい躰つきだ。
よく見ると、胸の部分がV字型になっていて、そこから上は白く、下は水色の二色に分かれているらしい。
両腕と太ももの脇に黒い筋が何本か刻まれていて、足はアクアラングの足ひれをちょっと小さくしたような感じのひれになっていた。
まさに一年前に姉をさらっていった連中に間違いない。

「秋穂!」
私は秋穂を助け出そうと走り寄る。
だが、どこから現れたのか、私のほうにも二人の水色の女性たちが向かってくる。
全員全く同じ格好の女性たち。
その両手には鋭い爪が付いていて、私に向けて構えられる。

「いやぁーーーっ!」
秋穂が二人の女性たちに抱えられるように海のほうへ連れて行かれている。
何とか助けたいけど、とても私の手に負えるものじゃない。
私はすぐに携帯を取り出して警察を呼ぼうとした。
だが、携帯を持った腕を叩かれて携帯を落としてしまう。
さらにひれのような足が携帯を踏みつけて壊されてしまった。
やむなく私は岩場の上を走る道路に向かって大声で助けを呼ぶ。
もうこれしか手段がない。
こうしている間にも、秋穂は海に引きずり込まれていっているのだ。
あの時と同じ。
お姉ちゃんもこうして海に引きずり込まれていったのだ。

「助け・・・キャー!」
大声で助けを求める私に全身タイツの女性たちが襲い掛かってくる。
「誰かぁ! むごっ」
私の両腕を押さえ、助けを呼ぼうとする私の口をふさいでくる。
指の間には水かきのようなものがあって、鼻と口がぴったり押さえられてしまい息苦しくなってくる。
水に濡れて冷たい彼女たちの手はとても力が強く、私は必死になって振りほどこうとしたが全く振りほどけない。
もがいていた私の首筋になにか衝撃が走る。
目の前が暗くなり、急速に私の意識は失われていってしまった・・・

                   ******

冷んやりと肌寒さを感じる。
「ハッ」
私はその肌寒さに目が覚めた。
「ここは・・・どこ?」
薄暗い空間。
私はすぐにその異質な状況に気が付く。
冷たい床の上に寝せられ、周囲を透明なフードというかカプセルのような円筒で覆われていたのだ。
「ひゃっ」
しかも気がつくと私は一糸まとわぬ裸にされている。
は、恥ずかしい。
どうりで肌寒いはずだわ。

私はできるだけ裸を手で隠すようにして周囲を見る。
薄暗い部屋の一画にさまざまな機械の操作パネルのようなものがあり、私の円筒と並んで他にもいくつかの円筒があるようだ。
私はそのうちの一つに秋穂が横たわっていることに気が付いた。
彼女も私と同じように裸らしい。

「秋穂! 秋穂!」
私はそう呼びかけると同時に透明な円筒の壁を叩いてみる。
恥ずかしいけど、着るものがない以上いつまでも手で隠していても仕方がない。
透明な壁はドンドンと音がして、プラスチックのような感触だ。
でも、私の力では割ったり壊したりすることはできなさそう。
いくら叩いても音がするだけなのだ。

「秋穂! 秋穂!」
私の呼びかけに何の反応もない秋穂。
もしかして・・・
私は最悪の事態を考えてしまう。
もしかして秋穂はもう殺されて・・・

だが、その心配は杞憂だった。
何度か円筒の壁を叩き声をかけていたところ、秋穂が身じろぎをして起き上がったのだ。
「秋穂! 生きてた・・・よかった・・・」
私は心の底から安堵する。
『美奈、美奈なの? ここはいったい? きゃっ』
起き上がった秋穂の声が聞こえてくる。
裸であることに困惑した小さな悲鳴もだ。
でも直接ではなく、この円筒の天井についているスピーカーから聞こえるようだ。
たぶん両方の円筒にマイクとスピーカーが仕掛けられているのだろう。

「私にもわからないわ。どうやら私たちはあの奇妙な女たちに捕まってしまったみたいね」
『そんな・・・どうして? 私たち、これからどうなるの?』
秋穂の問いは私自身の問いでもある。
いったい彼女たちは何者なのだろう?
お姉ちゃんをさらったのも彼女たちに間違いはないと思う。
いったい私たちをどうするつもりなのだろう?

『二人とも目が覚めたようね』
突然壁面の一部が開き、あの奇妙な女たちが三人入ってくる。
全身を水色と白のナイロンのようなぴったりしたタイツに包み込んだ女性たち。
ピタピタと足音を立てる足はつま先から先がひれのように広がっている。
両手を指先までピンと伸ばし、姿勢よく歩いてくる女たち。
一糸乱れぬ動きで、まるでシンクロナイズドスイミングの選手たちのようだ。
彼女たちの伸ばされた指先には鋭い爪がとがっていて、指と指の間には水かきが付いていた。

女たちは一人が私たちのほうに向かってきて、残り二人は途中で向きを変えて機械の操作パネルのようなもののほうへ向かった。
横を向いた彼女たちは、私からみてもうらやましいほどの女性らしいプロポーションをしているものの、背中には魚の背びれのようなひれが首の辺りからお尻付近まで付いていた。

「あなたたちはいったい・・・私たちをどうするつもり?」
女たちの一人が私の円筒の前までやってくる。
頭部まですっぽりと覆う全身タイツのマスクには耳も鼻も口もない。
目の部分だけが目じりの釣りあがった黒い楕円形をしており、よく見るとその部分は薄いパンストのようなメッシュになっていて、中の目がうっすらと見えている。
ということは、この奇妙な女たちはやっぱり人間?

『私たちはシーウーマン。偉大なる主(あるじ)様にお仕えする女たち』
マスク越しのくぐもった声が天井のスピーカーから聞こえてくる。
「シー・・・ウーマン?」
私は話しかけてきた全身タイツの女性を改めて見る。
彼女もまた、マスクのメッシュ越しの目が私を見つめていた。
『そう、私たちはシーウーマン。主様の手足となって働くのが私たちの使命』
「主様って誰? 私のお姉ちゃんを連れて行ったのもあなたたちなんでしょ? お姉ちゃんをどうしたの?」
私は裸であることもかまわずに透明の壁越しにこの奇妙な女をにらみつける。
主ってのが誰かはわからないけど、一言文句を言いたいぐらいだわ。

『お姉さん? あなたの姉など知らないけれど、私たちに連れてこられたというのであれば、私たちの仲間になっているでしょう』
「あなたたちの仲間に?」
私はショックを受けた。
姉がこの奇妙な女たちの仲間になってしまったというの?
『私たちが地上の人間を連れてくるのは仲間を増やすため。あなたの姉も偉大なる主様にお仕えするシーウーマンに生まれ変わっているはずだわ』
「そんな・・・」
『たとえ、もしこの場にあなたの姉だったシーウーマンがいてもあなたを見ても何も感じないでしょう。私たちシーウーマンにとっては地上の人間など主様の邪魔をする排除すべき存在。あなたもすぐにそれがわかるわ』
「私たちを仲間にするというの?」
『いやよっ! そんなのいやです! 私たちを帰して!!』
円筒の壁をどんどんと叩く秋穂。
私だってこんな女たちの仲間になるつもりはない。
「私たちはあなたたちの仲間になんかなるつもりはありません!」
『ふふふふふ・・・最初は誰もがそういうの。でもすぐにその考えも変わるわ。シーウーマンになれたことを喜び誇りに思うようになるの。あなたの姉もシーウーマンになれたことを喜んでいるでしょうね』
「そんなはずない! お姉ちゃんがそんな・・・」
私は必死に首を振った。
シーウーマンになんかなるものですか!

『ふふふふ・・・すぐにわかるわ。まずはあなたからね』
目の前のシーウーマンが秋穂のほうを見る。
『ひっ』
息を飲む秋穂。
「や、やめて! 彼女は関係ないでしょ! 彼女は解放してあげて!」
秋穂は今日私に付き合ってくれただけ。
彼女をひどい目に遭わせるなんてできない。
『ふふふふ・・・あなたはそこでおとなしく見ていなさい。あの娘が私たちの仲間になるところを』
「そんな・・・やめて!」
『いやぁっ! いやよぉ! 何にもしてないのにぃ!』
秋穂が必死に首を振る。
でも、私の前にいるシーウーマンがうなずくように首を振ると、奥にいたシーウーマンたちが機械を操作し始める。
すると、秋穂のいる円筒の天井から虹色の光が秋穂に降り注いだ。
『きゃぁーー!!』
悲鳴を上げてのた打ち回る秋穂。
いったい何が起こっているの?
あの光は何?

「やめて! お願いだからやめて!」
私は円筒の透明な壁を叩きながら必死に訴える。
だが、シーウーマンたちは何の反応も示さず、じっと秋穂のほうを見ているだけ。
どんなに私が叫んでも聞いてはくれない。

『ああ・・・痛い・・・痛いよぉ・・・』
躰を両手で抱えるようにしてうずくまっている秋穂。
その躰がなにか白くひび割れてきているように見える。
かさかさになってとても痛そうだ。
「お願い、やめて! 痛がっているじゃない!!」
『彼女は今シーウーマンへと変化している最中なのよ。深海に暮らすのに都合のいい躰に変化しているの。ここが空気中だから肌が乾燥してしまうのよ』
「そんな・・・やめて! 彼女をもとに戻して!」
『それはできないわ。今やめたら、彼女はどっちつかずの存在になって死んでしまうわよ』
「そんな・・・」
私は言葉を失った。
もう秋穂を助けることはできないというの?

やがて目の前のシーウーマンがうなずくと、秋穂の躰に当てられていた虹色の光が消える。
秋穂の躰はすっかりとひび割れ、ひびの部分が赤くなって痛々しい。
おそらくかなりの痛みだろう。
秋穂はもう何も言うことさえできないみたいだ。
「秋穂、秋穂!」
私が呼びかけても、秋穂は弱弱しく首を振るだけ。
どうしたらいいの?

『うふふふ・・・痛いでしょう? でも、もうちょっとの辛抱よ』
再びシーウーマンが背後にうなずくと、秋穂を囲んでいた透明の円筒カプセルが上に引き上げられていく。
むき出しになった秋穂は、恐怖なのか痛みなのか小さくうずくまって震えるばかり。
「秋穂・・・もうやめて! お願いだからもうやめて」
私はとにかくもうやめて欲しかった。
これ以上秋穂にひどいことをしないで欲しかったのだ。

三人のシーウーマンたちはうなずきあい、アタッシュケースのようなものを一つ取り出した。
そして一人がそれを持ち、三人とも秋穂のところに近づいていく。
『いや・・・来ないで! 来ないでぇ!』
秋穂は必死に躰を丸めて後ずさる。
シーウーマンたちは秋穂を囲むようにすると、一人がケースの中からなにかを取り出した。
それは一本のボトルであり、スクリューキャップをはずすと、その中身を秋穂の躰にかけていく。
『きゃぁっ!』
「秋穂!」
少しドロッとした粘液質の液体が、秋穂の頭から降りかけられ、躰全体に広がっていく。
すると、三人のシーウーマンたちが、次々と秋穂の躰を両手でこすり、液体を体表に広げ始めた。
『あっ、いやぁっ』
必死に身を捩って逃げようとした秋穂だが、三人はもがく彼女を簡単に押さえ込んでしまう。
そしてまるでマッサージでもしていくかのように、液体を秋穂の躰に塗りたくっていった。
『いやぁ・・・いやぁ・・・』
床の上でもがいている秋穂。
その全身がジェルのような液体に覆われててらてらと光っている。
白く乾燥していた肌も、じょじょに潤ってきたのか、ひび割れが消えていくようだ。

『ああ・・・あああ・・・なにこれぇ・・・』
秋穂のもがき方が変わってきた?
なんだかもがくというよりも、だんだんマッサージされて気持ちよくなっているかのように見える。
『うふふふ・・・気持ちいいでしょ? このジェルはあなたの肌を保護し、潤いを与えてくれるわ。あなたはもうシーウーマン。このジェルがないと空気中では肌が乾燥して死ぬことになるの』
『ああ・・・いやぁ・・・そんなぁ・・・でも気持ちいい・・・気持ちいいのぉ・・・』
口ではそういっているが、秋穂はもうもがくのやめてしまった。
そして三人のシーウーマンのなすがままになって気持ちよさそうにしている。
私はなんだか見ていられなくなって目をそらしてしまった。

『次はこれよ』
その言葉に私が顔を上げると、シーウーマンの一人が布のようなものを広げていた。
それはシーウーマンたちが着ている白と水色の上下二色になった全身タイツで、頭の部分まで一体となっている。
肩口を持ったそれは、なんだかシーウーマンの抜け殻のようにさえ見えるわ。
『このスーツを着てあなたはシーウーマンに生まれ変わるの。さあ、着せてあげる』
『ああ・・・いやぁ・・・』
幼い赤子のように首を振る秋穂。
だがその動きは弱々しく、もはや必死に逃げようとしているような感じはない。

シーウーマンの一人がジェルでぬるぬるになった秋穂の足を持ち上げる。
そしてシーウーマンの全身タイツを持ったもう一人が、秋穂の足をタイツの中に差し込んでいく。
『いやぁ・・・いやぁ・・・』
秋穂は泣きながら首を振って嫌がるが、もう躰が思うように動かせないみたいだ。
あのジェルには動きを封じるような成分があるのかもしれない。
秋穂の足はじょじょにタイツに覆われていく。
通販で売っているような全身タイツと同じように、背中の部分が開いていて、そこから足を入れるようになっているのだ。
右脚が、次いで左脚がタイツに差し込まれ、秋穂の足のつま先がシーウーマンのように足ひれみたいになっていく。
『ああ・・・そんな・・・嘘・・・嘘でしょ・・・』
秋穂が弱々しく首を振っている。
『嘘じゃないわ。すごく気持ちいいんでしょ? シーウーマンのスーツが密着して自分の脚がすごく気持ちよくなっているんでしょ?』
その言葉にこくんとうなずく秋穂。
その表情もじょじょにうっとりとしたような感じに変わってきている。
どういうことなの?
いったい秋穂に何が起こっているの? 
  1. 2013/07/09(火) 21:03:45|
  2. 改造・機械化系SS
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密着する贈り物

昨日、他サイト様にSSが掲載されたことを告知いたしましたが、それでふと、かつて全身タイツ愛好サイトの「-Polyphonic Mind Girl-」様にSSを投稿させていただきましたことを思い出しました。

残念ながら、その後「-Polyphonic Mind Girl-」様は閉鎖されてしまわれたようで、現在では見ることがかないません。
私がお送りしましたSSも拝見することができなくなっている状態です。

そういうことで、他サイト様に掲載していただきましたSS作品ではありますが、当ブログのほうに再度掲載させていただこうと思います。

なので、厳密には再掲載と言うことになりますが、どうかご了承くださいませ。


密着する贈り物

「ハア・・・ハア・・・」
息が切れる。
脚ももう限界。
ハイヒールを履いているから走りづらいことこの上ない。
今考えれば脱いじゃえばよかったのかもしれないけど、あの時はとてもそんなことを考えるような余裕はなかった。

「ハア・・・ハア・・・」
私はビルの壁に手を付いて脚を止める。
もうだめ・・・
もう走れない・・・
でも・・・
ここまで来れば大丈夫よ・・・ね・・・

「ハア・・・ハア・・・」
私は息を整えつつ壁に背中をもたれかける。
走ってきた方向を見るが、夜の通りは静かで時折車が走っていくだけ。
後を追ってくる気配はない。
「ハア・・・ハア・・・ふう・・・」
私はようやく一息つくと、額の汗をハンカチでぬぐった。

いったいあれはなんだったんだろう・・・
闇に溶け込むような青い衣装。
あれは紛れもなくすべすべの全身タイツ。
しかも着ているのは女性だった。
胸の膨らみ、腰のくびれ、間違いない。
夜だけど、あのスタイルは見間違えようがない。
そんな全身タイツの女性たちが二人の男性を襲っていたのだ。
殴ったり蹴られたりして男の人たちは声も立てずに倒れていた。
それを見て私は思わず・・・

私はもう一度走ってきた通りを見る。
夜の闇が辺りを覆い、表通りの車のライトが時々ちらつくだけ。
「ハア・・・」
私は思わず安堵のため息を付く。
よかった。
何とか逃げ切れたみたい。
思わず悲鳴を上げちゃって、全身タイツの女性たちがこっちを見たときにはぞっとした。
全員が目だけを出したマスク越しにその目を私に向けてきたのだ。
私はすぐにその場を逃げ出していた。

「ハア・・・」
それにしても何なのよあれ・・・
何かの撮影とも思えない。
男の人たちはぐったりしてて、もしかしたら死んじゃったのかもしれない。
殺人?
もしかしてとんでもないものを見てしまったのかも・・・
どうしよう・・・
とりあえず警察に言ったほうがいいのかな・・・
でも、これ以上関わり合いになりたくないし・・・

「えっ?」
ふと気がつくと、私の左右から人影が近づいていた。
うそ・・・
私は背筋に冷たいものが走るのを感じる。
近づいてくるのは、全身をつややかなナイロンの光沢に輝く青い全身タイツに身を包んだ女たちだったのだ。
頭のてっぺんから足の先までを完全に包み込み、唯一露出しているのは目だけという女性たち。
その目が冷ややかに私を見つめている。
「いやぁぁぁぁっ!」
私は思わず悲鳴を上げてしまう。
逃げたくても左右両側から二人ずつ近づいてくるので逃げようがない。
背中はビルの壁だし、正面の建物も入り口にはシャッターが下りている。
どうしたらいいの・・・

「あなた・・・見たわね?」
全身タイツの女性の一人が、マスクの奥からくぐもった声で訊いてきた。
私は反射的に首を振り、そのこと自体が間違いだったことに気がついた。
相手は何を見たか訊いてきたわけではない。
なのに、首を振ってしまったら、それは私が彼女たちの行為を見てしまったと白状しているようなものなのだ。

「うふふふ・・・やっぱり見たのね」
質問を発した女性がほかの全身タイツの女性たちとうなずきあう。
「いいわ。本当なら生かしておかないところだけど、私たちはもう数人仲間が必要なの。あなたにも仲間になってもらうわ」
「ええっ?」
私はぞっとした。
私も彼女たちと同じように全身タイツの異様な女になれということなの?
そんなのいやよ。

「いや! いやです!」
私はきっぱりとそういって何とか逃げ出そうとした。
でも、彼女たちが道をふさいでしまって逃げられない。
どうしよう・・・
どうして今日に限って誰も通りかからないの?

「無駄よ。逃げられはしないわ。さあ、捕まえるのよ」
全身タイツの女性たちが迫ってくる。
「いやぁっ!」
私は声を限りに叫び、手にしたハンドバッグを振り回して、何とか逃げ出そうと試みた。
でも、彼女たちは意に介することなく私の両手を取り押さえてしまう。
「いやぁっ! 助けてぇ! 誰かぁっ! わむっ」
ナイロンのすべすべした手が私の口を覆ってくる。
身をよじって必死にもがいてもどうにもならない。
どうして?
どうして私がこんな目に遭わなくちゃならないの?

私の周囲が突然暗くなる。
夜の暗さではない。
まるで闇に覆われたかのよう。
躰が宙に放り出される。
何?
何なのいったい?

「うふふふふ・・・怖がることはないわ。ここは私たちの世界。ここから私たちは自由に出入りすることができるの。逃げたあなたを追うのなど簡単だったのよ」
私の口から手が離される。
まるで柔らかなベッドに寝かされたような感じ。
ふわふわして足元がおぼつかない。
立っているのか寝ているのかすらわからないわ。

「わ、私をどうするつもりなの?」
「言ったでしょ。私たちの仲間になってもらうって。今からこれを着せてあげる。私たちからのプレゼントよ」
いつの間にか全身タイツの女性はその手にたたまれた全身タイツを持っていた。
青い光沢がつややかで闇の中でも輝いて見える。
「お願い、赦して。あなたたちのことは誰にも言わない。だから私を家に帰して!」
私は必死に頼み込む。
「それは無理。あなたはもう私たちの仲間になるしかないの。怖がることはないわ。とても気持ちいいことなのよ」
「いやっ! いやぁっ!」
私は首を振って叫んだけど無駄だった。
全身タイツの女性たちは、二人が私の両腕を押さえつけ、もう一人が私の服を切り裂いていく。
手袋の先の鋭い爪が、まるでナイフのように私の服を切っていくのを、私は泣きながら見ているしかなかった。

靴を脱がされ、服を切り裂かれ、下着もすべて取り去られる。
胸も股間もむき出しにされ、私は少しでも隠そうとして身をよじる。
でも、両腕を押さえられているのでどうしようもない。

「さあ、これを着せてあげるわ」
一人がたたまれた全身タイツを広げて持ち上げる。
だらんと垂れ下がった全身タイツはまるで人間の抜け殻のよう。
「いやぁ・・・お願い、赦してぇ」
私は泣きながら首を振る。
でも、彼女たちはお構いなしに私を押さえつけた。

脚をじたばたさせても、一人がすごい力で押さえつけてくる。
ついに私の左足に全身タイツが穿かせられた。
その瞬間、私の躰にまるで電流が走ったかのような衝撃が走った。
え・・・?
うそ・・・
何これ?
全身タイツってこんなに気持ちがいいものなの?

すべすべした感触が私の脚を覆っていく。
左足から始まって右足へ。
つま先からかかとを通ってふくらはぎから太ももへ。
まるで優しく愛撫されているかのようなとても気持ちのいい肌触り。
締め付けられているようで、すべてがやさしく包み込まれるような心地よさ。
いつしか私は抵抗するのをやめていた。

「うふふふ・・・この全身タイツは気持ちいいでしょ?」
「はい・・・気持ちいいです」
私はぼうっとしながら答えていく。
なんだろう・・・
何も考えられないわ。

「それでいいのよ。この全身タイツに包まれてすべてをゆだねるの。そうすればあなたもこの快楽を一生味わうことができるわ」
一生・・・?
この気持ちよさが一生?
なんて素敵なのかしら。
ああ・・・全身タイツは最高。
こんな気持ちいいものだったなんて知らなかったわ。

全身タイツはやがて私の下腹部を覆い、胸の辺りまで引き上げられる。
そして掴まれていた右腕と左腕が袖に通されていく。
ああ・・・
気持ちいいわぁ。
私はもう抵抗など考えられもしなかった。
ただただこの気持ちよさに包まれていたかった。

「あとはマスクをかぶって胸元のファスナーを閉じるだけ。そうすればあなたはもう私たちの仲間。いいわね?」
「はい・・・お願いします」
私はいつしか彼女たちの仲間になることに喜びを感じていた。
全身タイツに包まれ、みんなとともに行動する。
なんて素敵で気持ちよさそうなことだろう。

「うふふ・・・いい娘ね。あなたはもう全身タイツの虜。これからは私たちとともに“大いなる声”の言うとおりにすればいい」
「はい・・・私は全身タイツの虜です。"大いなる声”に従います」
私がそういうと、私の頭には背中からすっぽりとマスクがかぶせられた。
目だけが覗くマスク。
鼻も口も耳も髪の毛ももう必要ない。
目だけがマスクから覗いていればいいのだ。

そして胸元のファスナーが閉じられる。
私のすべてが全身タイツに包まれる。
なんてすばらしいんだろう。
もう私は全身タイツの一部に過ぎない。
もうこの全身タイツこそが私の皮膚なのよ。

「うふふふ・・・これで完成よ。気分はどう?」
「ええ、最高ですわ。これで私はみんなの仲間。これからは“大いなる声”の言うとおりにいたします」
私は立ち上がると、あらためて自分の姿を見下ろした。
青い全身タイツに包まれた躰はとてもすばらしい。
これならば何でもできる。
そう・・・
私たちは“大いなる声”に従う女戦闘員。
“大いなる声”の命ずるままに生きていくの。
一生をこの気持ちよさに包まれながら。
私はなんて幸せなんだろう。

END
  1. 2013/02/19(火) 21:05:16|
  2. 改造・機械化系SS
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蛇魔女ジャルーナ

新年堕とし玉(お年玉)SSの第二弾を投下します。

本当は三が日の間に投下したかったのですが、書きあがるのに時間がかかってしまいました。
何とか松の内の七日までに間に合いました。

タイトルは「蛇魔女ジャルーナ」です。
今回もいわゆるシチュのみの短編です。
短い作品ですが、お楽しみいただけますとうれしいです。

それではどうぞ。



「蛇魔女ジャルーナ」

「う・・・ここは? 私はいったい?」
長いまつげがぴくぴくと震え、やがてうっすらと目を開ける後川綾乃(うしろかわ あやの)。
いったい何がどうなったというのか?
綾乃はとにかく状況を把握しようと周囲を見回す。
どうやら室内にいるらしい・・・
「えっ? キャッ」
思わず声を上げてしまう綾乃。
自分が何も身に着けていないことに気がついたのだ。
「えっ? 何?」
思わず手で隠そうとしたものの、両手が動かない。
「え? え?」
何が何だかわからない。

だが、じょじょに状況が綾乃にも飲み込めてくる。
持ち前の冷静さで落ち着きを取り戻しつつあったのだ。
どうやら綾乃は捕らえられてしまったらしい。
Xの形をした磔台に裸で縛り付けられているのだ。
薄暗い部屋に磔になっている綾乃。
このようなことをするのは奴らしかありえない。
ぎりっと綾乃は唇を噛んだ。

「気が付いたようだな」
ドスのきいた低い声が室内に響く。
そしてうろこに覆われた全身に蛇の頭部を持ち、厚い胸板と太い腕をした偉丈夫が姿を現した。
ジャジャー帝国の指揮官コブラー将軍だ。
「コブラー将軍・・・やはりあなたが・・・」
裸をさらす恥ずかしさを飲み込み、キッとコブラー将軍をにらみつける綾乃。
本来ならすぐにでも戦士たちを呼び、決戦を挑みたいところだがこの状態ではそうもいかない。
「クックック・・・いい目だ。さすがはわがジャジャー帝国に何度も煮え湯を飲ませてきた“マングース”のメンバーを統率する女司令官だな」
ちろちろと舌を出しながらニタァッと笑みを浮かべるコブラー将軍。
毒蛇コブラのように頭部の両脇から左右に広がったのど部分がそのまま両肩へとつながっている。

「クッ・・・」
やはりわかった上で捕らわれたらしい。
綾乃が地球を守る正義の秘密戦隊マングースの司令官であることは機密事項のはずだったが、どこかで情報が漏れたのだろう。
「お前たちにはずいぶんと世話になったからな。戦闘指揮官のマムシーまでも失うとは思わなかったぞ」
鋭い爪をした手で綾乃のあごを持ち上げるコブラー。
綾乃はその手を振り払うように首を振り、ありったけの憎悪をこめてにらみつける。
「あなたたちの野望はおしまいよ。マングースがある限りあなたたちの侵略は成功しないわ。地球は渡さない」
「クックック・・・確かにお前たちは強い。だがどんな強い生き物も頭を失えば弱くなるもの。そうだろう?」
「クッ」
そういうことか。
マングースの戦士たちに歯が立たないものだから、司令官である自分を殺そうというのだろう。
裸にしたということは辱めて殺すつもりなのかもしれない。

「残念ね。私を殺したところでマングースはびくともしないわ。殺すならさっさと殺したらどう?」
綾乃は不敵に笑みを浮かべる。
美人の女司令官などと国防会議などでは呼ばれたものだが、まさにその言葉にたがわぬ美しさだ。
「クックック・・・死ぬのは怖いか?」
「・・・それは・・・怖いわ・・・」
死ぬのは怖い。
それは当然だろう。
生きているものにとって死は怖い。
だが、彼女が死んでもマングースは生き残る。
マングースさえ健在ならば地球は守られるだろう。
それはたぶん間違いない。

「クックック・・・安心しろ。お前を殺しはしない」
意外なことを言うコブラー。
思わず綾乃も顔を上げてコブラーを見上げてしまう。
「殺しはしない?」
「そうだ。お前は地球人にしては優秀なメスだ。殺してしまうには惜しい。どうだ、我らとともにこの地球を支配せぬか? お前ならわがジャジャー帝国のいい女戦士になるだろう」
「はぁ?」
綾乃は驚いた。
言うに事欠いて一緒に地球を支配しようだと?
あきれてものも言えない。
「ふざけないで! 誰があなた方に協力などするものですか! 私を見損なわないでちょうだい!」
「ほう・・・殺されてもか?」
コブラーの顔から笑みが消え、鋭い目でにらみつけてくる。
背筋が凍りそうな恐怖感だが、綾乃はそれを必死で振り払った。
「たとえ殺されても、あなた方に協力するなどありえないわ」
綾乃はキッとコブラーをにらみつけた。

「クックック・・・やはりな。殺されると聞いて怖気づいて協力を申し出るようなメスなら、むしろあっさりと殺してしまおうと思ったが、殺されても協力しないと言い切るか。それでこそ我が見込んだメスだ」
再びニタァッっと笑みを浮かべるコブラー。
「さあ、わかったらさっさと殺したらどう?」
もはや助かることはないだろう。
おそらくマングースの戦士たちは綾乃がいないことに気が付いているだろうが、救出が間に合うとは思えない。
むざむざ死ぬのは悔しいが、きっと仇は討ってくれるはず・・・

「クックック・・・焦るな。実のところお前の意思など関係ないのだ」
相変わらず笑みを浮かべたままのコブラー。
ちろちろと先が二つに割れた舌が見え隠れする。
「関係ない?」
どういうことなのだろう。
「クックック・・・そうだ。お前はすぐに自らの意思で喜んで我々に従うようになる」
「何をバカなことを! 殺されたってそんなことはありえないと言ったはずよ!」
「クックック・・・我がジャジャー帝国はこれまでも利用価値のある者を仲間へと変えてきた。今まで地球人には利用価値のある者はいないと思っていたが、どうやらお前はそうではない」
鋭い爪のついた右手を手のひらを上にして差し出すコブラー。
その手のひらの上にうろこの付いた蛇の皮のようなものが現れる。
「これが何かわかるか?」
「?」
綾乃は首をかしげる。
蛇の皮のようだが、これがいったいどうしたというのだろう?

「これをお前の躰に貼り付けてやる。そうすればこの皮がお前の躰に広がってお前の躰をジャジャー帝国のメスへと変化させるのだ。その上で我らに忠実となるよう洗脳してやろう。クックック・・・」
「な?」
息を飲む綾乃。
冗談ではない。
ジャジャー帝国のメスになどされてたまるものか。
「や、やめてぇっ!!」
綾乃は必死になって逃れようとする。
しかし、両手両足はがっちりと金具に固定され、磔状態から抜け出せない。
「無駄だ。お前の力程度ではその金具を破壊することはできん」
ゆっくりと近づいてくるコブラー。
やがてコブラーは、もがく綾乃の白いお腹にぺたりと蛇皮を貼り付ける。
「ひやぁっ!」
最初は冷んやり冷たく感じたものの、やがてそこがじんわりと火照ってくる。
「いやっ、いやぁっ!!」
次にコブラーは同じような蛇皮を綾乃の両足の脛部分に貼り付けた。
「ああん、いやぁっ・・・」
身を捩って逃れようとするものの、両手両脚が拘束されていてはどうすることもできない。
お腹と両脚がじんわりと火照り、なんだかとても気持ちよくなってくる。
むずがゆいような痛いような不思議な感じが全身に広がっていく。
綾乃は身もだえしながらその感覚を受け入れるしかない。
「ああ・・・いや、いやぁ・・・」
やがて貼り付けられた蛇皮がじわじわと広がり始める。
おへそから下腹部へと広がり、形良い両胸をも覆っていく。
脛からもふくらはぎからひざへと広がり、うろこが両脚を覆っていく。

「ああ・・・そ、そんな・・・いやぁっ」
自分の腹部と両脚が蛇皮に覆われていくのを見て綾乃は恐怖におののく。
しかし、それがどうにも気持ちよく、本当に恐怖を感じているのかわからない。
綾乃の両足はすでに足の甲まで蛇皮に覆われ、足指がくっついてかかとが伸び、まるでハイヒールタイプのブーツを履いているような形へと変化する。
腹部に広がった蛇皮も背中へと広がっていき、股間から首までを覆うまるで蛇皮でできたレオタードのような姿に変わっていく。
「ああ・・・あああ・・・」
自分の躰が蛇皮に覆われていくのをなすすべなく見ている綾乃。
だが、それとともに躰中に広がっていく、えも言われぬ快感がたまらない。

「ククククク・・・両手にはこれをつけてやろう」
コブラーの手に新たに蛇皮が現れる。
それは綾乃の両手の甲に貼り付けられると、すぐさま変化し始めた。
左手の蛇皮は手袋のように左手を覆い、指先に鋭い爪を形作る。
一方右手の蛇皮はまるで綾乃の右手から蛇の頭部が生えてきたかのように右手の先を蛇の頭へと変えてしまう。
らんらんと輝く目を持ち、ぱっくりと開けた口からは毒の牙が鋭く生え、先の割れた舌がちろちろと出入りする毒蛇の頭。
綾乃の右手はそんな蛇の頭のようになってしまったのだった。
「ひぃぃぃっ! いやぁっ!!」
しゅるしゅると伸びて綾乃の顔に近づいてくる綾乃の右手。
その舌先が綾乃の頬に触れんばかりになっている。
「いやっ、戻して! 私の手をもとに戻してぇ!!」
自分の躰が変わっていくことにショックを受けているはずなのに、どんどん躰は気持ちよくなっていく。
それが綾乃には耐えられなかった。

「クックック・・・おびえることはない。これをかぶればすぐに新たな躰を誇らしく思うようになる」
コブラーが次に手にしたのは蛇の頭部を模したヘルメットだった。
鼻から上をすっぽり覆う形をしており、縦長の瞳をした蛇の目が付いている。
「いやぁ・・・やめてぇ・・・これ以上私を変えないでぇ」
幼子がいやいやをするように首を振る綾乃。
すでに躰は蛇皮に覆われ、まるで蛇皮のレオタードやブーツ、手袋を身につけているようだ。
わずかに太ももと二の腕の一部だけが人間らしさを保っている。

「クックック・・・さあ、ジャジャー帝国の一員となるがいい」
ゆっくりと綾乃の頭にヘルメットをかぶせるコブラー。
必死に頭を動かして拒む綾乃だったが、躰を拘束されている以上どうしようもない。
すっぽりと綾乃の頭にヘルメットがかぶせられ、両耳の辺りから上は蛇の頭部に覆われてしまう。
「ああっ、いやぁっ」
頭を振ってもがく綾乃。
だが、かぶせられたヘルメットは綾乃の頭にがっちりと嵌ってしまってとても抜けるものではない。
そしてヘルメットの蛇の目が輝きを増し、綾乃の目の代わりをし始める。
「な、何? いやぁっ! 私の頭をいじらないでぇ!!」
苦痛に悲鳴を上げる綾乃。
先ほどまでの快楽とは違ううねりが綾乃の脳をかき混ぜているのだ。
「ククククク・・・少しの辛抱だ。すぐにお前の思考はジャジャー帝国のメスへと変化する」
「ああ・・・そんなの・・・そんなのはいやぁっ!!」
ひときわ大きく悲鳴を上げ、がっくりとうなだれる綾乃。
全身の力が抜け、どうやら気を失ってしまったらしい。
「クックック・・・これでよい。次に目を覚ますときが楽しみだ」
コブラーの口の端が釣りあがり、ニタァッという笑みが浮かんだ。

                   ******

「ケケ・・・ケケケケケ・・・」
がっくりとうなだれた綾乃の口から不気味な笑い声が響き始める。
真っ赤に染まった唇となったその口からは、人間のものとは思えない先が二つに割れた細長い舌がちろちろと出入りし始めていた。
やがてゆっくりと顔を上げる綾乃。
ヘルメットの蛇の目が再びらんらんと輝き始めている。
するりとまるで骨がなくなったかのように両手をうねらせて拘束金具から抜き取ると、両足も同じように金具から引き抜いてしまう。
そして、ゆっくりと二三歩前に踏み出すと、腕組みをして様子をみていたコブラーに対し笑みを浮かべた。
「クックック・・・自力で拘束を抜け出したか。気分はどうかな? 生まれ変わった気分は?」
「ケケケケケケ・・・はい、最高ですわ。私はもう下等な人間などではありません。あのような拘束など私たちジャジャー帝国の者には無意味なこと」
うねうねと動く右手を胸の前に持ってくると、愛しそうにその右手の蛇の頭を左手でなでる綾乃。
茶色に黒のまだら模様のうろこに覆われたその姿は、まさに蛇女というにふさわしい。

「クックック・・・それでいい。お前はもうジャジャー帝国のメス。蛇魔女ジャルーナと名乗るがいい」
満足そうにうなずくコブラー。
目の前にいるメスはなかなかに美しく、また邪悪を感じさせるものだったのだ。
「ケケケケケケ・・・それが私の新たなる名前なのですね。ありがとうございます。私は偉大なるジャジャー帝国の蛇魔女ジャルーナ。ジャジャー帝国に永遠の忠誠を誓いますわ」
ちろちろと舌を出し入れさせながらニタァッと笑う綾乃。
いや、もはや彼女は身も心も蛇魔女ジャルーナと化していた。

「ククククク・・・そうだ。お前は蛇魔女ジャルーナ。これからはジャジャー帝国の一員として秘密戦隊マングースと戦うのだ」
「もちろんです。秘密戦隊マングースはジャジャー帝国に歯向かう憎むべき敵。あのような連中の司令官などを務めていたかと思うとゾッとしますわ。その罪滅ぼしのためにも必ずや連中をこの手で始末してご覧に入れます。ケケケケケケ・・・」
「クックックック・・・うむ。お前の手腕、見せてもらうぞ」
「かしこまりましたわコブラー様。ですがその前に・・・」
満足そうにうなずいているコブラーの前にスッとひざまずくジャルーナ。
「生まれ変わった私の忠誠心をお見せしたいと思いますわ。ケケケケケケ・・・」
いやらしい笑い声を上げながら、コブラーの股間をそっと右手の蛇頭でなで上げるジャルーナ。
その顔には淫靡な笑みが浮かんでいる。
「クックック・・・いいだろう。お前の忠誠心、見せてもらうとしよう。来るがいい」
「はい、コブラー様。生まれ変わりました私の躰、存分にお楽しみくださいませ。ケケケケケケ・・・」
導かれるままに立ち上がり、ジャルーナはコブラーの後に付いていく。
新たなジャジャー帝国の女幹部の誕生だった。

                   ******

「う・・・あ・・・ここは?」
ゆっくりと目を開ける鮎村舞(あゆむら まい)。
彼女は秘密戦隊マングースの一員“マングースイエロー”としてジャジャー帝国と戦っていたのだが、どうやら捕らえられてしまったらしい。
気が付くと彼女の躰は両手両脚を拘束され、X字型に磔になっていたのだ。
しかも生まれたままの姿である。

「ケケケケケケ・・・目が覚めたようね、鮎村舞。いいえ、わがジャジャー帝国に歯向かう愚か者マングースイエロー」
「誰?」
舞が顔を上げると、ゆっくりと近づいてくる人影が見える。
頭は蛇の頭部を模したヘルメットをすっぽりとかぶり、口元は人間のようだが真っ赤な唇からは先が二つに割れた舌がちろちろと出入りしている。
躰は女性のようなやわらかいラインをしており、形の良い両胸が双丘をなしているが、レオタードのような茶色と黒のまだらの蛇皮に覆われていた。
鋭い爪の左手になでられている右手はまさに蛇の頭であり、こちらも目を輝かせて舌をちろちろと伸ばしている。
両足は太ももまである蛇皮のハイヒールブーツに覆われており、カツコツと足音を立てていた。
マントを翻したさまはまさにジャジャー帝国の女幹部という雰囲気であり、おそらく強敵であることは間違いない。

「やはりジャジャー帝国・・・」
歯噛みする舞。
油断をしたつもりはなかったが、綾乃司令からの呼び出しと思い、出向いたところを捕らわれるとは思わなかったのだ。
「ケケケケケケ・・・私はジャジャー帝国の蛇魔女ジャルーナ。偉大なるジャジャー帝国の忠実なるしもべ」
ゆっくりと舞のそばまでやってくるジャルーナ。
その口元にはニタァッという笑みが浮かんでいる。
「蛇魔女ジャルーナ・・・綾乃司令のコードを使ったのはお前なの?」
マングースの隊員にはそれぞれ個別のコードが設けられている。
そのコードは偽造不可能といわれており、それゆえに綾乃のコードを使って発せられた呼び出しに舞は疑いを感じなかったのだ。
「ケケケケケケ・・・そうよ。まさか本物のコードが罠に使われるとは思わなかったかしら?」
「本物のコード? ということはやはり綾乃司令はお前たちの手に? 綾乃司令はどこ?」
裸体をさらしているにもかかわらず気丈にもジャルーナをにらみつける舞。
マングースイエローとしての活躍は伊達ではない。

「ケケケケケケ・・・後川綾乃はもういないわ」
右手の蛇頭を口元に当てて高笑いをするジャルーナ。
「いない? まさか綾乃司令を・・・」
「ケケケケケケ・・・後川綾乃はもういない。私は生まれ変わったの。今の私は偉大なるジャジャー帝国のメス。蛇魔女ジャルーナよ!」
「えっ? ま、まさか・・・そんな・・・綾乃司令? 綾乃司令なんですか?」
ジャルーナが何を言ったのかを理解し、愕然とする舞。
まさか目の前にいるこの蛇女が綾乃司令だというのか?
「ケケケケケケ・・・ええそうよ。でも言ったでしょ。後川綾乃などという下等なメスはもういないわ。そのような過去があったことを思い出すだけでも不愉快よ。私はジャジャー帝国の蛇魔女ジャルーナなの」
まるで生まれ変わった自分を確認するかのように自分の名を連呼するジャルーナ。
彼女にとっては思い出したくもない過去なのだ。

「そんな・・・綾乃司令が・・・嘘でしょ・・・」
舞にはとても信じられない。
あの美人で優しくてそれでいて凛とした綾乃司令がジャジャー帝国の一員になってしまうなんて・・・
おぞましい蛇女になってしまうなんて・・・
「ケケケケケケ・・・嘘じゃないわ。見て。私は生まれ変わったの。こんなに素敵な躰にしたいただいたのよ」
自分の躰を見せ付けるようにくるりと一回転するジャルーナ。
女性としての柔らかなラインは見る者が見れば美しいかもしれない。
「この腕も素敵でしょ。この口で何人もの人間ののどに噛み付いて毒を流し込んでやったわ。みんなぴくぴくと痙攣して死んでいくの。最高に楽しいわよ。ケケケケケケ・・・」
高笑いを発しながら右手の蛇頭を左手でなでるジャルーナ。
あの綾乃司令の面影は全くない。
だが、よく見ると口元にあるほくろが綾乃であったことを物語っている。
「そんな・・・そんな・・・」
愕然としている舞。
もし本当なら、司令官としてマングースのすべてを知っている者が敵にまわったことになる。
それはマングースにとっては計り知れないほどのダメージに違いない。

「ケケケケケケ・・・ショックを受けるのも当然ね。でも心配することはないわ」
「え?」
「あなたもすぐにジャジャー帝国の一員にしてあげる。クグツヘビとしてジャジャー帝国のために働くのよ。ケケケケケケ・・・」
「そ、そんな・・・」
クグツヘビというのは全身がうろこで覆われた人間のような姿をしたジャジャー帝国の戦闘員だ。
命令に従い冷酷に人間を襲ってくる。
「いやっ! いやよ! クグツヘビなんかにされるなんていやぁっ!!」
ぶんぶんと首を振る舞。
「ケケケケケケ・・・怖がることはないわ。クグツヘビになれば何も考えることなどなくなるのよ。悩みもなくなるし命令に従うだけで快感になるの。素敵だと思うわよ」
うろこでざらっとした左手で舞のあごをなでるジャルーナ。
「いやぁっ! やめてぇっ!」
「ケケケケケケ・・・これが何かわかるかしら?」
舞のあごをなでていたジャルーナがその左手の平を上にする。
するとそこに緑色のうろこのようなものが現れた。
「う・・・うろこ・・・」
「そう。これはクグツヘビのうろこ。これをあなたの躰に貼り付ければ・・・ケケケケケケ・・・」
ジャルーナの不気味な笑い声が響く。
「いやぁぁぁぁぁぁっ!」
舞の悲鳴がその笑い声に重なった。

                   ******

「シャーッ!」
カツコツとヒールの音を響かせ、ジャルーナの前にやってくる一体のクグツヘビ。
女性らしい柔らかなラインをさらけ出してはいるものの、その全身は頭からつま先まですっぽりと緑色のうろこ状の全身タイツのようなものに覆われており、目と口だけが覗いている。
その目は人間のものだが瞳は縦に細長く、口からも先が二つに割れた舌がちろちろと出入りしている。
両手の指先には鋭い爪が伸び、両足はかかとが伸びてハイヒールのようになっていた。
「ケケケケケケ・・・素敵なクグツヘビになったわね。もう心もクグツヘビに変わったでしょう?」
「シャーッ! はい、私はクグツヘビ№63。どうぞ何なりとご命令を」
スッとジャルーナにひざまずくクグツヘビ。
それは先ほどまで磔にされていたマングースイエロー、鮎村舞の生まれ変わった姿だった。
「ケケケケケケ・・・これでもうお前は我らジャジャー帝国の一員。その身をジャジャー帝国のためにささげるのよ」
ジャルーナの右手の蛇頭が63号の頭をなでる。
「シャーッ! もちろんです。私はクグツヘビ。ジャジャー帝国の命令に従い、この身を使い捨てていただくことこそ最大の喜びです」
ニタァッと笑みを浮かべる63号。
彼女にとってはもうジャジャー帝国の命令に従うことこそがすべてなのだ。
「ケケケケケケ・・・それでいいわ。我がジャジャー帝国に歯向かう愚か者たちを始末するのです。いいわね」
「シャーッ! かしこまりました。ジャジャー帝国に栄光あれ!」
立ち上がり右手を斜めに上げて敬礼する63号。
その姿を見るジャルーナの口元には、満足そうなゆがんだ笑みが浮かんでいた。

END


いかがでしたでしょうか?

今年は何とか創作のペースを上げていければなと思っております。
お付き合いよろしくお願いいたします。

それではまた。
  1. 2013/01/07(月) 21:00:00|
  2. 改造・機械化系SS
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(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
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