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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

二人はプリキュラ

一昨日投下した超短編SS「吸血鬼プリキュラ」に、ふと続きめいたものを思いついたので、今日は技能訓練がお休みだったこともありちゃちゃっと書いてみちゃいました。
お楽しみいただけましたら幸いです。


二人はプリキュラ

「こんばんは」
玄関のドアが開き、お下げ髪にメガネの少女が入ってくる。
幼さを感じさせるそのイメージとは裏腹に、少女からは妖しい魅力がにじみ出ていた。
「いらっしゃい、霧華ちゃん」
出迎えたのは活発そうな少女。
明るい表情をしているものの、こちらからもどことなく妖しいものが漂っている。
「待ってたわ。さあ、入って入って」
「お邪魔します」
まるで友人の家に遊びに来たように靴を脱いで入っていく霧華。
訪問した時間がそろそろ真夜中になりそうな時間だということ以外は何もおかしなところはない。

「座って座って」
自室に案内し、座布団を進める汐里。
「ありがと。でも、こんな時間にお邪魔してご両親が変に思わない?」
座布団に腰を下ろす霧華。
だが、時間が時間なことがやはり気にはなるようだ。
「問題ないわ。お父さんもお母さんも弘樹もみんな目で支配しちゃったから、文句を言う人は誰もいないの」
「ああ、そうなんだ。うふふ、私もパパとママ、それとおばあちゃんみんな支配してやったわ」
「血は吸ったの?」
「ううん、まさか。あんな連中の血を吸ったっておいしくないに決まってるもの」
フルフルと首を振る霧華。
その言葉にうんうんと汐里がうなずく。
「だよねー。私もお父さんやお母さんの血を吸いたいなんて思わないもん。どうせ吸うならイケメンとか、かわいい男の子とかがいいな」
「わ、私は素敵な女の子も・・・」
少しうつむき気味に小声で言う霧華。
その頬が赤く染まる。
「ほほぅ、霧華殿は女の子もいける口ですか?」
にやりと笑う汐里。
親友と言っていい霧華のことなので、とっくの昔にそんなことはわかっているのだが、つい意地悪したくなってしまうのだ。
これも赤くなった霧華がかわいいからに他ならない。
「も、もう、汐里ちゃんったら!」
赤くなりながらもこぶしを振り上げる霧華。
「ごめんごめん、冗談」
「もう・・・」
いつもと変わらない掛け合いに二人の表情が緩んでいる。
「でもさ、霧華ちゃんの気持ちもわかるな。女の子じゃないけど、例えば奉村(ほうむら)先生なんて美人で素敵でしもべにしちゃいたくなるもん」
汐里がぺろりと舌なめずりをする。
奉村めぐみは二人の担任の女性教師だ。
残念ながら既婚者で、旦那さんラブを隠そうともしない女性だが、美人で知的で物腰もよく、同僚教師からも生徒たちからも人気が高い。
彼女が結婚するとわかったときは、学校中がショックを受けたと言われるぐらいだったのだ。
だから、そんな彼女が担任と決まったときは、汐里も霧華もうれしかったものだった。

「あー、わかるぅ。確かに奉村先生はしもべにふさわしい女性だよね。でも、汐里ちゃん、私たちが勝手にしもべを作ることは許されないわ。それは愚か者の考えよ」
「うー、ドラキュラ様はきっと奉村先生を自らのしもべにしちゃうだろうからなぁ。何とか私たちのしもべにしたいと思わない?」
ちょっと口をとがらせて不満そうにする汐里。
奉村先生がドラキュラ様のしもべとなって仲間になるのは全く構わないのだが、どうせならしもべとしてかわいがってみたいのだ。
「もう、汐里ちゃんったら・・・ドラキュラ様に怒られるよ。愚か者と同じになるつもりかって・・・」
「うー・・・愚か者みたいにしもべを増やしまくったりはしないよぉ。奉村ちゃんだけでいいんだけどなぁ。バレないって、きっと」
ますます口をとがらせる汐里。
「霧華ちゃんだって、奉村センセの血を吸ってみたいと思うでしょ? きっとおいしいって。で、しもべにして二人でかわいがってあげるの。きっといい声で鳴くよぉ」
「汐里ちゃんってば!」
思わずまた顔を赤くする霧華。
「うー、やっぱダメかぁ。仕方ない。ドラキュラ様に逆らうのはちょっと恐ろしそうだし、あきらめてセンセもドラキュラ様のしもべにしてもらおう・・・」
どうやら汐里の中では奉村めぐみが吸血鬼化するのは既定の事実のようらしい。
「もう・・・」
苦笑するしかない霧華だった。

                   ******

マンションの駐車スペースに一台の車が止まる。
そのエンジンが停止しライトが消えて、中から一人の女性が降り立った。
「遅くなっちゃったぁ。ヤマ君もう寝ちゃったかなぁ。食事の用意してくれていたりとかは・・・ないよねぇ」
車のドアに鍵をかけて歩き出す女性。
スーツ姿がすらりとしてとても美しい。
「ククク・・・これはいい」
どこからか声が聞こえる。
「えっ? 誰?」
女性は周囲をうかがうが、夜中の駐車場には誰の姿もない。
だが、植え込みから巨大な黒い犬が現れたことに彼女は驚いた。
そしてその黒い犬が、みるみる白人の男性に変化したことにも。
「な、なに? なんなの?」
「クククク・・・なかなかいい女だ。我がしもべにふさわしい」
ゆっくりと女性に近づく白人男性。
パッと見は黒いスーツ姿が似合うハンサムだが、醸し出す雰囲気は恐ろしさを感じさせた。
「い、いやっ!」
女性は思わず逃げ出そうとしたが、その腕を素早く掴まれ、逃げられなくなってしまう。
大声を出そうにも、震えて声がうまく出ない。
「な、なにをするの?」
男がクワッと口を開ける。
そこには尖った牙が見え、その牙が彼女の首筋に突き立てられた。
「あ・・・」
女性の顔からみるみる血の気が引いていき、ぐったりとなっていく。
男はそれを抱きかかえると、静かにそっと口づけをした。

「ん・・・んちゅ・・・んん・・・」
じゅぷじゅぷと屹立する男のモノを咥え込む女性。
その首筋には牙の跡があり、男根を見つめる目は真っ赤に輝いている。
先ほど駐車場で車から降りた時とは全く別人のような雰囲気だ。
まるで娼婦のように男のモノにしゃぶりつき、ザーメンが出るのを待っている。
彼女の足元には干からびた男の死体が転がっているが、そんなものにはまったく目もくれようとはしない。
「ん・・・んんん・・・ぷあっ」
やがて男根からザーメンが吐き出され、彼女の口の中を満たしていく。
彼女は満足そうにそれをくちゅくちゅと味わってから、ごくりと飲み干した。
「クククク・・・美味いか?」
「はい。ご主人様のザーメン。とても美味しいです」
うっとりとした表情で男を見上げる女性。
その口からはさっきまで存在しなかった牙が覗いていた。
「クククク・・・そこで転がっている愛する夫の血よりもか?」
「もちろんです。それに、私が愛し崇拝するのはご主人様のみ。こんな男など愛してはおりません」
「クククク・・・そういえばまだ名前を聞いていなかったな。お前の名はなんという?」
「ああ・・・私はご主人様のしもべ。ご主人様のお好きなようにお呼びください」
女性が男の足元にひれ伏すようにする。
「元の名だ」
「はい。先ほどまでは奉村めぐみと呼ばれておりました」
「そうか。ではメグミよ。お前は今日から我がしもべ。我のために働くがよい」
「はい、ご主人様。何なりとご命令を・・・」
汐里と霧華の担任として慕われていた女性教師が闇に染まった瞬間だった。

                   ******

「それで霧華ちゃん、ちゃんと用意してきた?」
「あ・・・う、うん・・・」
霧華が思わず目を伏せる。
「そっか、じゃ、まずは私からね」
汐里がスッと立ち上がり、上着とスカートを脱いでいく。
すると、真っ赤な革製の下着が現れ、霧華は思わず目を丸くした。
「し、汐里ちゃん、それ?」
「じゃーん! どうかな? せくしー?」
汐里は真っ赤な革製のブラジャーとショーツ、それに太ももまでの赤いストッキングを身に着けていたのだ。
「これで霧華ちゃんが黒でそろえれば、プリキュラとして完成しないかな? ドラキュラ様喜んでくれないかな?」
腰に手を当ててポーズをとる汐里。
「そ、それって…だ、大胆過ぎない?」
思わず目をそらしてしまう霧華。
彼女には刺激的すぎるようだ。
「そうかな? アメコミの吸血鬼ってこんな感じじゃない?」
「そ、そうかもしれないけど・・・私たちにはまだ・・・」
「赤のキュラファング、黒のキュラティースでいいと思うんだけどなぁ」
「わ、私は・・・無理―――!」
ぶんぶんと首を振ってしまう霧華。
「そうかー。残念。霧華ちゃんはどんなの?」
その格好のまま座布団にぺたんと座る汐里。
「わ、私はもっとおとなしくて・・・動きやすくて・・・」
おずおずと上着とスカートを脱いでいく霧華。
「おおーーう」
汐里が思わず声を上げる。
霧華の服の下から現れたのは、紺の競泳水着と黒タイツの組み合わせだったのだ。
「こ、これなら・・・肌の露出も少ないし、動きやすいかなって・・・」
「いやー、確かにそうだけど、一部のマニアにすごく受けそうな組み合わせだねぇ」
にやにやと笑みを浮かべる汐里。
地味目の霧華が、こんないいスタイルをしているとは思わなかったのだ。
出るところは出てくびれるところはくびれている。
それが競泳水着ですっかりラインがあらわになっているのだ。
「ダメ・・・かな?」
「ダメじゃないダメじゃない」
今度は汐里がぶんぶんと首を振る。
「じゃさ、これ基調で考えようか。水着じゃなくてレオタードとかでタイツ組み合わせて。うんうん。むしろあのアニメらしくていいか」
腕を組んで一人うんうんとうなずく汐里。
彼女の中では二人の衣装が決まったようだ。
「それじゃ作るぞー。お母さんにも手伝わせようかな」
「あ・・・なんかまずい方向に火をつけたかも?」
霧華が手を口元に持って行ってしまったという顔をするが、すでに後の祭りだった。

                   ******

「ふわぁーーー!」
大きなあくびをする汐里。
どうやら遅刻はしないで済みそうだが、吸血鬼になって以来ますます朝が苦手になったらしい。
「おはよう汐里ちゃん」
こちらも眠そうな表情の霧華。
以前は朝を得意としていた彼女も、吸血鬼となった今は夜のほうがいいのは当然である。
ドラキュラ様の命で極力以前と同じように過ごすように言われてはいるが、変化してしまった体質は仕方がない。
「あれから型紙とか作ったから、週末で一気に仕上げるよ。来週にはドラキュラ様にプリキュラの新衣装をお披露目できると思う」
「そ、そう? 無理しないでね」
苦笑する霧華。
レオタードにミニスカートとタイツを組み合わせ、背中には黒マントを羽織るというスタイル。
どうやらこれがプリキュラのスタイルになりそうだ。
まあ、汐里ちゃんがそうしようというのならしょうがない。
なんといっても二人はキュラファングとキュラティース。
二人はプリキュラなのだから。

そして・・・
職員室の窓から登校してくる女子生徒たちを、じっと見つめる奉村めぐみの赤い目があった・・・

エンド

続きは・・・まあ、ご希望があればということで。(^_^;)ゞ
  1. 2017/04/18(火) 20:30:00|
  2. 異形・魔物化系SS
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
<<ムハハハハと笑う笑い声が懐かしい | ホーム | パフェパフェ>>

コメント

おおーー!!続編きたぁ!
個人的には先生の活躍が観たいですねぇ(^^
サクっと元夫を裏切ってしまっているあたりが素晴らしいです!
  1. 2017/04/18(火) 20:43:45 |
  2. URL |
  3. marsa #OeTZl13M
  4. [ 編集]

同じく、先生の活躍が見たいですね~w
イケメンな男子生徒の血を吸って下僕に変えたりとかしそうですね

続編希望します(=゚ω゚=)
  1. 2017/04/18(火) 21:05:44 |
  2. URL |
  3. IMK #-
  4. [ 編集]

ドラキュラ様が先に手をつけちゃったんですね(笑)教師が生徒のとか,母親が娘の下僕化するっていう立場が逆転する,シチュも好きです(^^)
  1. 2017/04/18(火) 22:53:46 |
  2. URL |
  3. 悪堕ちキッド #-
  4. [ 編集]

まさかこんな早く続編が
見た瞬間嬉しくて叫びました(笑)

まず2人の掛け合いがいいですねー
以前と同じノリで物騒なこと話してるのがステキ
新コスチューム、絵で見てみたくなりますねえ

そして、奉村先生がとにかく素晴らしい!
見事な吸血堕ちでした、ご奉仕シーンたまらない
やはりプリキュラの関係者だから狙われたのかな?

読みたかったアレやコレやいっぱい読めて満足しました
ラスト、続きが気になるうう!
  1. 2017/04/19(水) 20:30:53 |
  2. URL |
  3. くろにゃん #n8B0lU/.
  4. [ 編集]

コメントありがとうございます。

>>marsa様
先生エロく書けてましたでしょうか?
夫ラブが180度変わってしまうのいいですよね。

>>IMK様
先生なら女の子の血を吸っても絵になりそうですー。

>>悪堕ちキッド様
直前に汐里がドラキュラ様の名前を出していたので誤解させてしまいましたね。
彼女の血を吸ったのは通称「愚か者」で、プリキュラたちの敵なのですー。(*´ω`)

>>くろにゃん様
吸血鬼化しても二人はいつもと変わらない感じっていいですよね。
先生に関してはエロさが出ていればよかったですー。
  1. 2017/04/19(水) 21:21:00 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
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