1970年代後半から1980年代初頭にかけて、世界は二極化された米ソの冷戦真っ只中でした。
これは1989年のベルリンの壁崩壊に続く1991年のソビエト連邦崩壊によっていわゆる“終戦”となるのですが、私が大学生だった1980年代半ばはまさに冷戦の最終局面を迎えていた時期でした。
1982年には表題のようなタイトルを持つ日本製アニメも作られ、米ソ核戦争はいつ起こっても不思議じゃないという一触即発の空気だったのです。

そんな中、シミュレーション・ウォーゲームでも近未来戦というカテゴリーで、(当時の)近い将来の米ソの軍事衝突をシミュレートしたウォーゲームがいくつも出ておりました。
私も今でもいくつか保持しておりますが、当時はいつか起こるかもしれない、でも起こってほしくない未来戦争ということで、盤上の米ソ激突を楽しんでおりました。
今現在となってはソ連が崩壊してしまい、こうした(当時の)近未来戦ゲームはすべて過去の遺物となってしまいましたが、先日「札幌歴史ゲーム友の会」の友人でありますMどりっひ様がご自身のブログで「NATO THE NEXT WAR IN EUROPE」(VG社)をプレイしたいということを書かれていらっしゃり、そういえば私の保持するゲームの中にあったなぁと思い引っ張り出してみたしだいです。

こちらが箱絵。
1983年製のゲームで、当時最新鋭のM2ブラッドレー歩兵戦闘車がシルエットっぽく映し出されています。
M2ブラッドレーは今現在でもアメリカの主力歩兵戦闘車ですが、当然のごとく何度も改善され、中身はまったくの別物といってもいいでしょう。
このゲームは(当時の)近未来である1980年代後半に、欧州でソ連軍を中核としたワルシャワ条約機構軍(WP軍)と、米軍を中核とした北大西洋条約機構(NATO軍)との戦いを表したもので、基本的には一ユニットが一個師団を表す作戦級のゲームです。
ゲームには三つのシナリオがあり、NATO側がまったく予期していなかった(つまり日常的な緊張レベルの)状態でWP側に奇襲を受ける戦略的奇襲シナリオと、ある程度政治的にきな臭くなってきていつつある状態だが、まだ戦争になるとは考えていなかった状態での攻撃を受ける戦術的奇襲シナリオ、そして双方が戦争に向けて緊張を高めあっていた状態での長期増強シナリオがあり、当然後者になるにしたがってNATO軍側が強力になっていきます。
ユニットには普通のゲームと同じく攻撃力、移動力、防御力がある一般的なものですが、機甲ユニットかそうでないかで移動手段が変わり、航空機輸送やヘリコプター輸送ができたりします。
また冷戦期の戦争ということで、当然のごとく化学兵器や戦術核兵器のルールも出てくるのですが、このゲームにおける戦術核使用はなかなかリスクも大きく、使うと宣言した側はサイコロを一個振り、なんと1・2・3の目が出ると、即座に敗北となってしまいます。
これは大規模戦略核戦争を引き起こしてしまったということで、使った側が即敗北となることで戦術核を使うことをためらわせようとしたのでしょう。
とはいえ、盤上で押されている側にしてみればこうなりゃ自棄だとばかりに戦術核を使う宣言をして、サイコロで負けてもいいやという投了覚悟で使う人も多いかもしれません。
ルール自体はそれほど難しくは無いとは思うのですが、結構細かいルールが多く、また購入当時はさほど作戦級ゲームに興味が無かったので、一回ぐらいしかプレイしていません。
この機会に当時の近未来戦、今となっては旧未来戦ゲームであるこのゲームをプレイしてみてもいいかなと思います。
それではまた。
- 2011/01/25(火) 21:09:28|
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舞方様、こんばんは。
「NATO」は是非プレイしてみたい作品の一つです。
札幌に戻ったときに機会がございましたら、是非お相手お願いします。
- 2011/01/25(火) 22:50:31 |
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- Mどりっひ #-
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